JPH05232455A - 液晶パネル検査板および液晶パネル検査方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶パネルとなる上下の基板の表示欠陥を液
晶パネル完成以前に検査できるようにする。 【構成】 透明電極３１を有し、高分子分散形液晶層３
２を積層した透明基板３０からなる液晶パネル検査板を
構成し、この液晶パネル検査板を液晶パネルとなる上下
基板に密着させて一時的に液晶表示動作させることによ
り、当該液晶パネルを構成すべき上下の基板の表示欠陥
要因を検査する。 【効果】 液晶パネルとなる上下の基板に対して液晶パ
ネル検査板を着脱自在とすることが可能となり、液晶パ
ネルの完成以前に当該上下の基板を検査できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶パネルを構成する
上基板と下基板の電気的または光学的な中間検査等に用
いる液晶パネル検査板および液晶パネル検査方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】液晶パネルは、透明電極を形成した透明
な２枚の基板間に、前記透明電極に接して液晶層を挟む
ごとく成層し、前記透明電極の一方または双方に形成し
た表示パターンに対応したパターン表示を行うものであ
る。この液晶パネルを用いた表示装置（液晶表示装置）
は、一般的に次のような構造を有している。

【０００３】図４は液晶表示装置の構造例を説明するた
めの展開斜視図であって、１はフレーム、２はフレーム
平坦部、３は窓部、４は爪、５は駆動回路ＩＣ等を搭載
する回路基板、６は液晶パネル、７は爪穴、８は導電性
弾性材、１０はバックライト（冷陰極管）、１１はラン
プ反射シート、１２は反射シート、１３は光拡散シー
ト、１４は導光板、１５はヒートシール、１６はスペー
サ、１７はランプカバー、１８はリベットあるいはねじ
等の取付け手段、１９はバックライトへの給電ケーブ
ル、２０，２１は液晶パネル駆動信号用の外部コネク
タ、２２はバックライト用の外部コネクタである。

【０００４】同図に示したように、液晶表示装置は、液
晶パネル６，回路基板５，反射シート１２，光拡散シー
ト１３，導光板１４その他の構成部材を積層して、フレ
ーム１と回路基板６とで一体的に固定してなる。なお、
液晶パネル６には、その表示方式に応じた偏光板，位相
差板等の光学調整板が付随しているが図示は省略してあ
る。

【０００５】同図の液晶表示装置は、バックライトを用
いた所謂透過型液晶表示装置であるが、この他に反射型
があり、また使用する液晶材料、あるいは駆動電極の構
成により単純マトリクス，ＴＦＴ、その他各種の形式が
ある。このような液晶パネルは、液晶層を上下２枚の透
明基板で挟み、該透明基板の液晶層側に形成した透明導
電膜間に電圧を印加することで、液晶層を構成する液晶
分子の配列を制御して各種のパターンを視覚的に表示す
る構造を基本とするものである。

【０００６】図５は従来の液晶パネルの基本構成を説明
する断面模式図であって、５０は液晶層、５１は下基
板、５２は上基板、５３は下基板に形成された下電極パ
ターン、５４は上基板に形成された上電極パターン、５
５は液晶層を封止するシール（接着剤）、５６と５７は
偏光板である。なお、この他に液晶パネルの形式によっ
ては位相差板等が設置されるが図示は省略する。

【０００７】同図において、液晶層５０は電極パターン
５４，５３が形成された上下の基板５２，５１でサンド
イッチ状に挟み込んだ構成とされている。電極パターン
は上下の基板５２，５１上の液晶層と接する側に形成さ
れている。液晶層５０は液体であるため、その周囲は接
着剤からなるシール５５で封止されている。下基板５１
の外周部上には、電極パターン５３に電気信号を加える
外部電気回路と接続するための電極端子５８が形成され
ている。図示しないが、上基板５２の外周部にも同様の
電極端子が形成されている。また、電極パターン５３，
５４と液晶層５０との間には、液晶分子を所定の軸方向
に規則的に並べるための配向膜が設けられ、上下の基板
５２，５１の外側には、偏光板５６，５７が備えられて
いる。

【０００８】このように、従来の液晶表示素子は、内部
に液体状の液晶層５０を封入するためにシール５５で封
止した構成をとっているために、液晶層を用いて点燈動
作表示を行なうためには、上下の基板５２，５１をシー
ル５５で封止して液晶層５０を封入し、表示パネルの製
造を完成した後でないと上下基板に形成した電極パター
ンの不良検査、あるいは当該基板自体の光学的特性の検
査を行うことが不可能であった。

【０００９】なお、この種の液晶表示装置の従来例を開
示したものとしては、例えば特開平２−２５９６２１号
公報などが知られている。さて、最近、高分子材料の中
に液晶を分散させた高分子分散形液晶パネルの開発が活
発に行なわれだした。この高分子分散形液晶パネルは、
高分子分散形液晶薄膜（通常５〜１５μｍ程度の膜厚
で、フレキシブルな固体状）を透明電極を形成した基板
で挟み、電極間に電圧を加えないとき（オフ状態）は、
光を散乱（ゲスト−ホストと呼ばれる２色性色素を液晶
層に入れた場合は光を吸収）して不透明であるが、適当
な大きさの電圧を印加（オン状態に）すると透明になる
というもので、この特性を利用することにより、液晶パ
ネルを実現することができる。

【００１０】この高分子分散形液晶パネルの基本的事項
は、例えば米国特許明細書第４，４３５，０４７号に開
示されている。この高分子分散形液晶表示素子は、上記
図５に液晶パネルと比較して、液晶層が上記したように
フレキシブルな固体状であるために、シール剤による封
止構造を必要とせず、また偏光板が不要で、かつ液晶分
子を規則的に配列させる配向膜が不要であるなどの特長
を持つ。

【００１１】図６は上記従来の高分子分散形液晶パネル
の構造例を説明する断面模式図であって、５００は高分
子レジン５０１中に液晶小滴粒５０２を分散させた液晶
層、５１０は下基板、５２０は上基板、５３０は下電極
パターン、５４０は上電極パターン、７０は反射板であ
る。同図に示したように、この形式の液晶パネルはその
液晶層５００がフレキシブルな固体状であることから、
前記図５に示した従来例のごときシール５５が不要であ
る。

【００１２】上記各従来例に示したような液晶パネルの
製造においては、上下基板面に形成した電極パターンの
正否や基板そのものの光学的特性が所定のものとなって
いることが必要であるため、その製造工程の中間段階に
おいて、上記の正否や特性を検査することで完成品の歩
留り向上を図っている。従来、液晶パネルを構成する基
板の電気的または光学的な検査は、液晶パネルが完成し
た後で、点燈動作表示させることにより行なわれてい
る。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】液晶パネルを検査した
上記の検査不良の内容は、表示パネルを構成している上
下基板上に形成されているパターン欠陥に起因するもの
が多い。このパターン欠陥を事前に発見すべく基板単体
に対して中間製造工程で電気的な導通や断線のチエック
が行われるが、この中間チェックは、動作条件下でのチ
ェックではないために上記欠陥発見には限界がある。す
なわち、中間検査でパスした基板で表示パネルを完成さ
せているにもかかわらず、点燈動作表示検査を行なう
と、上下基板上に形成されている電極パターンの局部的
膜厚不足，断線，あるいは癒着等に起因する表示欠陥を
伴うものが少なからず発生する。

【００１４】このように、上下基板上に形成されている
パターン不良に起因する上記のような表示欠陥でも、表
示パネルの製造を完成した後に、点燈動作表示の検査を
行なわないと、充分な検出が不可能である場合が多い。
上下基板上に形成されているパターン不良に起因する表
示欠陥は、表示パネルを製造し組み立てる以前の段階で
検査できれば、製品歩留りを向上でき経済的なロスを小
さくすることができる。

【００１５】本発明の目的は、液晶パネルを構成する上
下の基板単体のレベルで、点燈動作表示の検査を可能と
する液晶パネル検査板とこの液晶パネル検査板を用いた
液晶パネル検査方法を提供することにある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、液晶パネルを構成する上下基板を、そ
の電極パターン形成後の中間製造過程で検査できるよう
にしたことを特徴とする。すなわち、本発明は、透明基
板３０と、前記透明基板３０の一方の面に形成した透明
電極パターン３１と、前記透明電極パターン３１上に形
成した高分子分散形液晶材からなる液晶層３２とからな
る液晶パネル検査板、あるいは前記液晶層３２上に形成
した透明保護膜とから構成した液晶パネル検査板を、製
品となる液晶パネルを構成する基板５１（５２）に対し
て着脱可能に密着させ、前記透明電極パターン３１と前
記基板５１（５２）に形成された電極パターン５３（５
４）間に電圧を印加することにより当該液晶パネルの表
示動作を行なわせて、前記基板の電気的または光学的検
査を行うことを特徴とする。

【００１７】なお、上記液晶パネル検査板の透明基板を
可撓性材料で構成することにより、前記製品となる液晶
パネルを構成する基板５１（５２）に対する密着性を大
きくして、検査精度を向上できると共に、検査中での基
板破壊を回避できる。

【００１８】

【作用】上位構成とした本発明の液晶パネル検査板に対
して、製品となる液晶パネルを構成する上下の基板を着
脱可能に密着させて液晶表示動作を行わせる構成である
ため、上基板または下基板の電極パターンあるいは光学
的特性をそれぞれの単体のレベルで検査が可能になり、
不良とされた基板を再生工程で再度使用可能とすること
ができ、完成品レベルで液晶パネルそのものが欠陥品と
なる率を大幅に低減できる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明による液晶パネル検査板および
液晶パネル検査方法の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。本発明による液晶パネル検査板は、製品となる
液晶パネルを構成する上下の基板に対して着脱可能とし
て、当該製品となる液晶パネル用の多数の基板を液晶表
示動作状態にして検査するものである。

【００２０】図１は本発明による液晶パネル検査板の一
実施例を説明する断面模式図であって、３０は透明基
板、３１は透明電極パターン、３２は高分子分散形液晶
層である。同図において、透明基板３０上に形成する透
明電極パターン３１は、固定表示パネルでは所定の表示
パターンに、可変表示パネルでは所定の２次元配列を有
するドットパターンに形成されるが、これに限らず、所
謂ベタパターンでも良いものである。

【００２１】透明基板３０は、ガラス板あるいは更に望
ましくはフレキシブルなプラスチックフィルムから構成
する。この透明基板３０上の透明電極パターン３１形成
面側の高分子分散形液晶層３２は、高分子レジン中に液
晶小滴粒を分散したものを、例えば印刷あるいは塗布し
乾燥することにより形成される。なお、上記高分子分散
形液晶層３２は、それ自体可撓性であり、またこの高分
子分散形液晶層３２を積層する透明基板を樹脂フィルム
等の可撓性材料とすることで検査作業性と密着性を向上
させ、かつ被検査対象である液晶パネルとなる上下基板
の破壊を回避することができる。

【００２２】図２は本発明による液晶パネル検査板の他
の実施例を説明する断面模式図であって、図１と同一符
号は同一部分に対応し、３３は保護層である。上記保護
層３３は、後述する製品の基板との着脱を容易にするた
めに設ける離型層としての作用と液晶層３２を外傷から
保護する作用とを有するものであり、高分子分散形液晶
層３２の上に、フッ素系の樹脂薄膜あるいはＰＶＡ（ポ
リビニルアルコール）薄膜あるいはその他の適当な薄膜
を積層して形成する。この保護層３３により、製品とな
る液晶パネルを構成する上下の基板の多数回の着脱操作
を容易にすると共に、高分子分散形液晶薄膜２１の損傷
などによる寿命劣化を防止する。

【００２３】なお、前記図１の実施例と同様に、上記高
分子分散形液晶層３２は、それ自体可撓性であり、また
この高分子分散形液晶層３２を積層する透明基板を樹脂
フィルム等の可撓性材料とすることで検査作業性と密着
性を向上させ、かつ被検査対象である液晶パネルとなる
上下基板の破壊を回避することができる。次に、上記し
た液晶パネル検査板を用いて行う液晶パネル検査方法に
ついて説明する。

【００２４】図３は本発明による液晶パネル検査方法の
一例を説明する液晶パネル検査装置の概略構成を示す模
式図である。同図において、５１（５２）は製品となる
液晶パネルを構成する下基板（上基板）であり、基板の
単体レベルでの点燈表示動作を行なわせるために、液晶
パネル検査板の透明基板３０に形成した高分子分散形液
晶層３２の側の面に着脱する基板である。

【００２５】６０は例えばガラス基板などの透明剛体、
６１，６２は適宜の加圧手段であり、この透明剛体６０
と、液晶表示パネルを構成する下基板５１（上基板５
２）との間に、前記図１または図２で説明した液晶パネ
ル検査板を挿入し、該透明剛体６０と下基板５１（上基
板５２）とを上記加圧手段６１，６２で押え込み圧縮す
ることにより、液晶パネル検査板と下基板５１（上基板
５２）とを一時的な液晶パネルを構成するように密着さ
せる。

【００２６】なお、加圧手段６１，６２の代わりに、上
記部材を空気加圧層内に入れて密着させるようにしても
よい。このときは、透明剛体６０は必ずしも必要とされ
るものではない。上記のようにして液晶パネル検査板と
下基板５１（上基板５２）とを密着させた状態で、下基
板５１（上基板５２）の透明電極パターン５３（５４）
に接続する電極端子５８と液晶検査板の透明電極パター
ン３１に接続する電圧印加リード３４との間に所要の電
圧を印加することにより、点燈表示動作を行う。

【００２７】なお、３６は液晶パネルを構成する下基板
５３（上基板５４）の電極端子５８に電圧を印加するた
めのプローブであり、液晶検査板の透明電極パターン３
１に接続する電圧印加リード３４は固定しておいてよ
く、検査対象である下基板５３（上基板５４）の電極端
子５８に対しての電圧印加は、このプローブ３６で接触
給電を行う。

【００２８】このように、本実施例の液晶パネル検査方
法によれば、加圧手段６１，６２、あるいはその他の圧
力印加手段で液晶パネルを構成する下基板５３（上基板
５４）と液晶パネル検査板との着脱がなされ、検査され
る下基板５３（上基板５４）を一時的に液晶表示状態に
置くことで、完成以前に液晶パネルの不良を発見するこ
とができる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶パネルを構成すべき上下の基板を、液晶パネルとし
て完成される前に、その単体レベルで点燈表示動作によ
る検査が可能となり、従来の表示パネルの製造完了後の
検査に比べて、経済的ロスを大幅に改善することができ
る。

【００３０】なお、上記高分子分散形液晶層は、それ自
体可撓性であり、またこの高分子分散形液晶層を積層す
る透明基板を樹脂フィルム等の可撓性材料とすることで
検査作業性と密着性を向上させ、かつ被検査対象である
液晶パネルとなる上下基板の破壊を回避することができ
る。本発明は、ＴＮ型やＳＴＮ型の液晶パネルの上下基
板の検査に適用して有効であるが、上下基板のパターン
が複雑なＴＦＴ型やＭＩＭ型の液晶パネルの製造に適用
すれば、さらに大きな効果を期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による液晶パネル検査板の一実施例を説
明する断面模式図である。

【図２】本発明による液晶パネル検査板の他の実施例を
説明する断面模式図である。

【図３】本発明による液晶パネル検査方法の一例を説明
する液晶パネル検査装置の概略構成を示す模式図であ
る。

【図４】液晶表示装置の構造例を説明するための展開斜
視図である。

【図５】従来の液晶パネルの基本構成を説明する断面模
式図である。

【図６】従来の高分子分散形液晶パネルの構造例を説明
する断面模式図である。

【符号の説明】

３０ 透明基板 ３１ 透明電極パターン ３２ 高分子分散形液晶層 ３３ 保護層 ５１ 製品となる液晶パネルを構成する下基板 ５２ 製品となる液晶パネルを構成する上基板 ６０ 透明剛体 ６１，６２ 加圧手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯田 高志 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明基板と、前記透明基板の一方の面に形
   成した透明電極と、前記透明電極上に形成した高分子分
   散形液晶層とからなる液晶パネル検査板。
2. 【請求項２】透明基板と、前記透明基板の一方の面に成
   膜した透明電極と、前記透明電極上に形成した高分子分
   散形液晶層と、前記高分子分散形液晶層上に形成した透
   明保護膜とから構成したことを特徴とする液晶パネル検
   査板。
3. 【請求項３】請求項１または２において、前記透明基板
   が可撓性材料からなることを特徴とする液晶パネル検査
   板。
4. 【請求項４】請求項１または２の液晶パネル検査板を、
   液晶表示パネルを構成する基板に対して着脱可能に密着
   させ、前記液晶パネル検査板の透明電極と前記液晶表示
   パネルを構成する基板に形成された透明電極間に電圧を
   印加することにより、当該液晶パネルに表示動作を行な
   わせて、前記液晶パネルを構成する基板の電気的または
   光学的検査を行うことを特徴とする液晶パネル検査方
   法。