JPH05231757A - クライオスタット - Google Patents
クライオスタットInfo
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- JPH05231757A JPH05231757A JP3471992A JP3471992A JPH05231757A JP H05231757 A JPH05231757 A JP H05231757A JP 3471992 A JP3471992 A JP 3471992A JP 3471992 A JP3471992 A JP 3471992A JP H05231757 A JPH05231757 A JP H05231757A
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- JP
- Japan
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- container
- sample
- refrigerant
- measured
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Abstract
(57)【要約】
【目的】被測定試料を冷却するクライオスタットにおい
て、少量の冷媒を用いて短時間で冷却することを目的と
する。 【構成】冷媒用容器が被測定試料を密閉する容器全体を
覆う構造とする。さらに、冷媒の温度が被測定試料を密
閉する容器内にある熱媒体用不活性ガスの凝固点より高
い状態で、冷媒を用いることができる構造とする。 【効果】クライオスタットを用いることにより、被測定
試料を密閉する容器全体を均一に冷却し、被測定試料を
密閉する容器内の不活性ガスの凝結を防ぐことができる
ので、少量の冷媒を用いて短時間で被測定試料を冷却す
ることができる。
て、少量の冷媒を用いて短時間で冷却することを目的と
する。 【構成】冷媒用容器が被測定試料を密閉する容器全体を
覆う構造とする。さらに、冷媒の温度が被測定試料を密
閉する容器内にある熱媒体用不活性ガスの凝固点より高
い状態で、冷媒を用いることができる構造とする。 【効果】クライオスタットを用いることにより、被測定
試料を密閉する容器全体を均一に冷却し、被測定試料を
密閉する容器内の不活性ガスの凝結を防ぐことができる
ので、少量の冷媒を用いて短時間で被測定試料を冷却す
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクライオスタットに係
り、特に効率良く冷却するために好適な冷媒容器の構造
に関する。
り、特に効率良く冷却するために好適な冷媒容器の構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体ヘリウム等の冷媒を用いて被
測定試料を冷却する方法は数多くある。例えば、被測定
試料を直接冷媒に浸す方法。また、被測定試料と熱媒体
用不活性ガス(例えばヘリウムガス)を密閉容器に入
れ、密閉容器を冷媒に浸し、熱媒体用不活性ガスの対流
によって、被測定試料を冷却する方法がある。これま
で、前者の方法では急激に物質を冷却するため、それに
よって物質の性質が変化する場合が多く、冷却後の物性
を測定する場合にはこの方法を用いることができない。
一方、後者の方法では、熱媒体用不活性ガス圧を変化さ
せることによって、冷却速度を制御できる利点があり、
これまでは後者の方法及びそれを改良した方法が多く用
いられている。しかしながら、特に液体窒素温度(約8
0K)以下に物質を冷却する場合、液体窒素より沸点の
低い冷媒(例えば液体ヘリウム)を用いなければならな
い。例えば、物質の熱容量といった基本的な物性値を精
度良く測定する装置の場合、文献(J. Chem. Thermodyn
amics 19,633−644 (1987))に論じられ
ている様な構造のクライオスタットとなる。この場合、
クライオスタットの構造は最外部から、冷媒1(例;液
体窒素)−真空−冷媒2(例;液体ヘリウム)−真空−
被測定試料の5層構造となる。この文献の場合、冷媒2
用容器は被測定試料を密閉している容器全体を覆う構造
ではなく、上部にのみ取り付けられた構造となってい
る。
測定試料を冷却する方法は数多くある。例えば、被測定
試料を直接冷媒に浸す方法。また、被測定試料と熱媒体
用不活性ガス(例えばヘリウムガス)を密閉容器に入
れ、密閉容器を冷媒に浸し、熱媒体用不活性ガスの対流
によって、被測定試料を冷却する方法がある。これま
で、前者の方法では急激に物質を冷却するため、それに
よって物質の性質が変化する場合が多く、冷却後の物性
を測定する場合にはこの方法を用いることができない。
一方、後者の方法では、熱媒体用不活性ガス圧を変化さ
せることによって、冷却速度を制御できる利点があり、
これまでは後者の方法及びそれを改良した方法が多く用
いられている。しかしながら、特に液体窒素温度(約8
0K)以下に物質を冷却する場合、液体窒素より沸点の
低い冷媒(例えば液体ヘリウム)を用いなければならな
い。例えば、物質の熱容量といった基本的な物性値を精
度良く測定する装置の場合、文献(J. Chem. Thermodyn
amics 19,633−644 (1987))に論じられ
ている様な構造のクライオスタットとなる。この場合、
クライオスタットの構造は最外部から、冷媒1(例;液
体窒素)−真空−冷媒2(例;液体ヘリウム)−真空−
被測定試料の5層構造となる。この文献の場合、冷媒2
用容器は被測定試料を密閉している容器全体を覆う構造
ではなく、上部にのみ取り付けられた構造となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】文献で示されたような
クライオスタットの場合、冷媒2が外部から注入された
とき、冷媒2用容器が被測定試料を密閉している容器上
部に取り付けられているため、被測定試料を密閉してい
る容器の上部のみを冷却する結果となる。そのために、
被測定試料を密閉している容器の上部と下部では温度差
が生じる。被測定試料は、熱媒体用不活性ガスによって
冷却されるため、被測定試料を密閉している容器下部が
冷却されて初めて被測定試料を冷却することができる。
したがって、文献のようなクライオスタットの構造で
は、冷媒2で被測定試料を密閉している容器全体を冷却
するためには、多くの冷媒が必要であり、長時間を要す
るという問題がある。
クライオスタットの場合、冷媒2が外部から注入された
とき、冷媒2用容器が被測定試料を密閉している容器上
部に取り付けられているため、被測定試料を密閉してい
る容器の上部のみを冷却する結果となる。そのために、
被測定試料を密閉している容器の上部と下部では温度差
が生じる。被測定試料は、熱媒体用不活性ガスによって
冷却されるため、被測定試料を密閉している容器下部が
冷却されて初めて被測定試料を冷却することができる。
したがって、文献のようなクライオスタットの構造で
は、冷媒2で被測定試料を密閉している容器全体を冷却
するためには、多くの冷媒が必要であり、長時間を要す
るという問題がある。
【0004】また、冷媒2として液体ヘリウムを用いる
場合、熱媒体用不活性ガスはヘリウムガスを用いなけれ
ばならない。液体ヘリウムを冷媒2用容器に注入し冷却
を始めると、被測定試料を密閉する容器内の不活性ガス
は、冷媒2用容器付近で凝結し始める。文献のクライオ
スタットのように試料の熱容量を測定する装置の場合、
被測定試料が充分低温まで冷却された後、被測定試料を
密閉する容器内を高真空に排気しなければならない。し
かし、被測定試料を密閉する容器内にヘリウムが凝結す
ると、被測定試料を密閉する容器内を排気し高真空にす
るには、長時間排気するか、あるいは凝結したヘリウム
が蒸発する温度まで一度被測定試料を密閉する容器を加
熱しなければならず、いずれの方法においても被測定試
料を冷却するのに多くの冷媒が必要であり、冷却するの
に長時間を要するという問題がある。したがって本発明
の目的は、少量の冷媒を用いて短時間で被測定試料を冷
却することができるクライオスタットを提供することに
ある。
場合、熱媒体用不活性ガスはヘリウムガスを用いなけれ
ばならない。液体ヘリウムを冷媒2用容器に注入し冷却
を始めると、被測定試料を密閉する容器内の不活性ガス
は、冷媒2用容器付近で凝結し始める。文献のクライオ
スタットのように試料の熱容量を測定する装置の場合、
被測定試料が充分低温まで冷却された後、被測定試料を
密閉する容器内を高真空に排気しなければならない。し
かし、被測定試料を密閉する容器内にヘリウムが凝結す
ると、被測定試料を密閉する容器内を排気し高真空にす
るには、長時間排気するか、あるいは凝結したヘリウム
が蒸発する温度まで一度被測定試料を密閉する容器を加
熱しなければならず、いずれの方法においても被測定試
料を冷却するのに多くの冷媒が必要であり、冷却するの
に長時間を要するという問題がある。したがって本発明
の目的は、少量の冷媒を用いて短時間で被測定試料を冷
却することができるクライオスタットを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題の被測定試料を
密閉する容器の上部と下部の温度差に対しては、被測定
試料を密閉する容器全体を覆う冷媒用容器を用いること
により解決できる。更に、被測定試料を密閉する容器の
周りには、被測定試料を密閉する容器内の熱媒体用不活
性ガスの凝固点より高い温度の状態で、冷媒2を用いる
ことにより解決できる。
密閉する容器の上部と下部の温度差に対しては、被測定
試料を密閉する容器全体を覆う冷媒用容器を用いること
により解決できる。更に、被測定試料を密閉する容器の
周りには、被測定試料を密閉する容器内の熱媒体用不活
性ガスの凝固点より高い温度の状態で、冷媒2を用いる
ことにより解決できる。
【0006】
【作用】冷媒2は外部から冷媒2用容器に導入される。
冷媒2用容器は被測定試料を密閉する容器全体を覆って
いるため、被測定試料を密閉する容器に温度分布を生じ
ること無く冷却することができる。冷媒2用容器に導入
された冷媒2が液体状態で直接被測定試料を密閉する容
器に接触しないようにする、即ち、冷媒2が蒸発し気体
状態で被測定試料を密閉する容器に接触するようにすれ
ば、冷媒2の温度は被測定試料を密閉する容器内にある
熱媒体用不活性ガスの凝固点より高く、熱媒体用不活性
ガスを凝結させることなく、被測定試料を冷却すること
ができる。
冷媒2用容器は被測定試料を密閉する容器全体を覆って
いるため、被測定試料を密閉する容器に温度分布を生じ
ること無く冷却することができる。冷媒2用容器に導入
された冷媒2が液体状態で直接被測定試料を密閉する容
器に接触しないようにする、即ち、冷媒2が蒸発し気体
状態で被測定試料を密閉する容器に接触するようにすれ
ば、冷媒2の温度は被測定試料を密閉する容器内にある
熱媒体用不活性ガスの凝固点より高く、熱媒体用不活性
ガスを凝結させることなく、被測定試料を冷却すること
ができる。
【0007】
【実施例】本発明の実施例1を図1に示す。
【0008】これは物質の熱容量を測定する熱量計の断
面図である。試料1は試料1を密閉する容器4の中にセ
ットする。試料1を密閉する容器4全体を覆うように冷
媒(例えば液体ヘリウム)用容器があり、それは上層部
2a,中層部2b,下層部2cから構成される。上層部
2aと下層部2cは管3によって連結している。冷媒は
注入管5から導入し、冷媒用容器上層部2a−管3−下
層部2c−中層部2bと移動し、排出管6を通って外部
に放出される。上層部2a中には冷媒の液面を検出する
ためのセンサ7がある。試料1を密閉する容器4及び、
冷媒用容器それぞれを排気するための排気管8,9がそ
れぞれある。特に、試料の物性値を測定するのに必要な
リード線は管11を用いて外部と連絡している。また、
冷媒容器の外側には真空容器12、更にその外側には液
体窒素等(液体ヘリウムより沸点が高い冷媒)の冷媒を
入れる容器13がある。
面図である。試料1は試料1を密閉する容器4の中にセ
ットする。試料1を密閉する容器4全体を覆うように冷
媒(例えば液体ヘリウム)用容器があり、それは上層部
2a,中層部2b,下層部2cから構成される。上層部
2aと下層部2cは管3によって連結している。冷媒は
注入管5から導入し、冷媒用容器上層部2a−管3−下
層部2c−中層部2bと移動し、排出管6を通って外部
に放出される。上層部2a中には冷媒の液面を検出する
ためのセンサ7がある。試料1を密閉する容器4及び、
冷媒用容器それぞれを排気するための排気管8,9がそ
れぞれある。特に、試料の物性値を測定するのに必要な
リード線は管11を用いて外部と連絡している。また、
冷媒容器の外側には真空容器12、更にその外側には液
体窒素等(液体ヘリウムより沸点が高い冷媒)の冷媒を
入れる容器13がある。
【0009】図1に示した装置を用いて、試料1を10
K以下に冷却する手順を以下に記す。まず、液体窒素を
容器13に入れ、試料を液体窒素温度(約80K)まで
冷却する。そして、真空容器12内を排気管10を用い
て高真空に排気し、試料を密閉する容器4内は熱媒体用
不活性ガス(例えばヘリウムガス)を充填する。その
後、液体ヘリウムを注入管5から冷媒用容器上層部2a
に導入する。冷媒用容器上層部2aの温度は液体ヘリウ
ムの沸点より高いために、液体ヘリウムは蒸発し気体と
なる。気体となったヘリウムは管3を通って下層部2c
に送られる。冷媒2用容器下層部2cは、試料を密閉す
る容器4全体を覆っているため、下層部2cに導入され
た気体状態のヘリウムは試料を密閉する容器4全体(但
し、天井部は除く)冷却することができる。更に、気体
状態のヘリウムは冷媒用容器中層部2bに送られ、試料
を密閉する容器4の天井部を冷却した後、排出管6を通
って外部に放出される。このような手順で試料を冷却す
れば、試料を密閉している容器4の上部と下部の温度差
は無い状態で試料を冷却することができる。また、液体
ヘリウムが蒸発し気体状態になった後も試料を密閉して
いる容器4を冷却するためにヘリウムガスを利用できる
ので、効率良く試料を冷却することができる。
K以下に冷却する手順を以下に記す。まず、液体窒素を
容器13に入れ、試料を液体窒素温度(約80K)まで
冷却する。そして、真空容器12内を排気管10を用い
て高真空に排気し、試料を密閉する容器4内は熱媒体用
不活性ガス(例えばヘリウムガス)を充填する。その
後、液体ヘリウムを注入管5から冷媒用容器上層部2a
に導入する。冷媒用容器上層部2aの温度は液体ヘリウ
ムの沸点より高いために、液体ヘリウムは蒸発し気体と
なる。気体となったヘリウムは管3を通って下層部2c
に送られる。冷媒2用容器下層部2cは、試料を密閉す
る容器4全体を覆っているため、下層部2cに導入され
た気体状態のヘリウムは試料を密閉する容器4全体(但
し、天井部は除く)冷却することができる。更に、気体
状態のヘリウムは冷媒用容器中層部2bに送られ、試料
を密閉する容器4の天井部を冷却した後、排出管6を通
って外部に放出される。このような手順で試料を冷却す
れば、試料を密閉している容器4の上部と下部の温度差
は無い状態で試料を冷却することができる。また、液体
ヘリウムが蒸発し気体状態になった後も試料を密閉して
いる容器4を冷却するためにヘリウムガスを利用できる
ので、効率良く試料を冷却することができる。
【0010】試料を冷却する過程で、試料の温度が下が
り多くの液体ヘリウムが冷媒用容器上層部2aに導入さ
れると、上層部2a内の液体ヘリウムがすべて気体にな
らないことが起こり得る。このとき、上層部2aと下層
部2cとを連結する管3を上層部2a底面より高くする
ことにより、液体ヘリウムが液体の状態で下層部2cに
送られることを防ぐことができる。特に、液面検出セン
サ7を用いて、液体ヘリウムの液面が冷媒用容器上層部
2a底面からの管3の高さより常に低くなるように、供
給する液体ヘリウムの量を調整すれば、必ず冷媒用容器
下層部2cには気体状態のヘリウムを送ることができ
る。こうすることによって、試料を密閉する容器4に液
体ヘリウムが直接接触することがなく、下層部2cに送
られるヘリウムは気体であるために、下層部2c中のヘ
リウムの温度は試料を密閉する容器4内に存在する熱媒
体用不活性ガス(ヘリウムガス)の凝固点より高くな
る。したがって、試料を密閉する容器4内に存在する熱
媒体用不活性ガスが、試料を密閉する容器4内で凝結す
ることを防ぐことができる。
り多くの液体ヘリウムが冷媒用容器上層部2aに導入さ
れると、上層部2a内の液体ヘリウムがすべて気体にな
らないことが起こり得る。このとき、上層部2aと下層
部2cとを連結する管3を上層部2a底面より高くする
ことにより、液体ヘリウムが液体の状態で下層部2cに
送られることを防ぐことができる。特に、液面検出セン
サ7を用いて、液体ヘリウムの液面が冷媒用容器上層部
2a底面からの管3の高さより常に低くなるように、供
給する液体ヘリウムの量を調整すれば、必ず冷媒用容器
下層部2cには気体状態のヘリウムを送ることができ
る。こうすることによって、試料を密閉する容器4に液
体ヘリウムが直接接触することがなく、下層部2cに送
られるヘリウムは気体であるために、下層部2c中のヘ
リウムの温度は試料を密閉する容器4内に存在する熱媒
体用不活性ガス(ヘリウムガス)の凝固点より高くな
る。したがって、試料を密閉する容器4内に存在する熱
媒体用不活性ガスが、試料を密閉する容器4内で凝結す
ることを防ぐことができる。
【0011】図1に示した装置において試料を密閉する
容器4の内容積が約10リットルの場合、80Kから1
0Kまで冷却するのに必要な液体ヘリウムは約10リッ
トルであり、約40分を要する。
容器4の内容積が約10リットルの場合、80Kから1
0Kまで冷却するのに必要な液体ヘリウムは約10リッ
トルであり、約40分を要する。
【0012】本発明の実施例2を図2に示す。
【0013】これは実施例1と同様に物質の熱容量を測
定する熱量計の断面図である。試料14は試料14を密
閉する容器17の中にセットする。試料14を密閉する
容器17全体を覆うように冷媒(例えば液体ヘリウム)
用容器があり、それは上層部15a,下層部15bから
構成される。冷媒は注入管16から導入し、冷媒用容器
下層部15b−上層部15aと移動し、排出管18を通
って外部に放出される。下層部15bには冷媒の液面を
検出するためのセンサ19がある。試料14を密閉する
容器17及び、冷媒用容器それぞれを排気するための管
20,21がそれぞれある。特に、試料の物性値を測定
するのに必要なリード線は管23を用いて外部と連絡し
ている。また、冷媒容器の外側には真空容器24、更に
その外側には液体窒素等(液体ヘリウムより沸点が高い
冷媒)の冷媒を入れる容器25がある。
定する熱量計の断面図である。試料14は試料14を密
閉する容器17の中にセットする。試料14を密閉する
容器17全体を覆うように冷媒(例えば液体ヘリウム)
用容器があり、それは上層部15a,下層部15bから
構成される。冷媒は注入管16から導入し、冷媒用容器
下層部15b−上層部15aと移動し、排出管18を通
って外部に放出される。下層部15bには冷媒の液面を
検出するためのセンサ19がある。試料14を密閉する
容器17及び、冷媒用容器それぞれを排気するための管
20,21がそれぞれある。特に、試料の物性値を測定
するのに必要なリード線は管23を用いて外部と連絡し
ている。また、冷媒容器の外側には真空容器24、更に
その外側には液体窒素等(液体ヘリウムより沸点が高い
冷媒)の冷媒を入れる容器25がある。
【0014】図2に示した装置を用いて、試料14を1
0K以下に冷却する手順を以下に記す。まず、液体窒素
を容器25に入れ、試料を液体窒素温度(約80K)ま
で冷却する。そして、真空容器24内を排気管22を用
いて高真空に排気し、試料を密閉する容器17内は熱媒
体用不活性ガス(例えばヘリウムガス)を充填する。そ
の後、液体ヘリウムを注入管16から冷媒用容器下層部
15bに導入する。冷媒用容器下層部15bの温度は液
体ヘリウムの沸点より高いために、液体ヘリウムは蒸発
し気体となる。冷媒用容器下層部15bは、試料を密閉
する容器17全体を覆っているため、下層部15bに導
入され蒸発したヘリウムは試料を密閉する容器17全体
(但し、天井部は除く)冷却することができる。更に、
気体状態のヘリウムは冷媒用容器上層部15aに送ら
れ、試料を密閉する容器17の天井部を冷却した後、排
出管18を通って外部に放出される。このような手順で
試料を冷却すれば、試料を密閉している容器17の上部
と下部の温度差は無い状態で試料を冷却することができ
る。また、液体ヘリウムが蒸発し気体状態になった後も
試料を密閉している容器17を冷却するためにヘリウム
ガスを利用できるので、効率良く試料を冷却することが
できる。
0K以下に冷却する手順を以下に記す。まず、液体窒素
を容器25に入れ、試料を液体窒素温度(約80K)ま
で冷却する。そして、真空容器24内を排気管22を用
いて高真空に排気し、試料を密閉する容器17内は熱媒
体用不活性ガス(例えばヘリウムガス)を充填する。そ
の後、液体ヘリウムを注入管16から冷媒用容器下層部
15bに導入する。冷媒用容器下層部15bの温度は液
体ヘリウムの沸点より高いために、液体ヘリウムは蒸発
し気体となる。冷媒用容器下層部15bは、試料を密閉
する容器17全体を覆っているため、下層部15bに導
入され蒸発したヘリウムは試料を密閉する容器17全体
(但し、天井部は除く)冷却することができる。更に、
気体状態のヘリウムは冷媒用容器上層部15aに送ら
れ、試料を密閉する容器17の天井部を冷却した後、排
出管18を通って外部に放出される。このような手順で
試料を冷却すれば、試料を密閉している容器17の上部
と下部の温度差は無い状態で試料を冷却することができ
る。また、液体ヘリウムが蒸発し気体状態になった後も
試料を密閉している容器17を冷却するためにヘリウム
ガスを利用できるので、効率良く試料を冷却することが
できる。
【0015】また、試料を冷却する過程で、試料の温度
が下がり多くの液体ヘリウムが冷媒用容器下層部15b
に導入されると、下層部15b内の液体ヘリウムがすべ
て気体にならないことが起こり得る。このとき、液面検
出センサ19を用いて、液体ヘリウムの液面が試料を密
閉する容器17に接触しないように、供給する液体ヘリ
ウムの量を調整すれば、必ず試料を密閉する容器17に
は気体状態のヘリウムが接触していることになる。こう
することによって、試料を密閉する容器17を冷却する
ヘリウムガスの温度は試料を密閉する容器17内に存在
する熱媒体用不活性ガス(ヘリウムガス)の凝固点より
高くなる。したがって、試料を密閉する容器17内に存
在する熱媒体用不活性ガスが、試料を密閉する容器17
内で凝結することを防ぐことができる。
が下がり多くの液体ヘリウムが冷媒用容器下層部15b
に導入されると、下層部15b内の液体ヘリウムがすべ
て気体にならないことが起こり得る。このとき、液面検
出センサ19を用いて、液体ヘリウムの液面が試料を密
閉する容器17に接触しないように、供給する液体ヘリ
ウムの量を調整すれば、必ず試料を密閉する容器17に
は気体状態のヘリウムが接触していることになる。こう
することによって、試料を密閉する容器17を冷却する
ヘリウムガスの温度は試料を密閉する容器17内に存在
する熱媒体用不活性ガス(ヘリウムガス)の凝固点より
高くなる。したがって、試料を密閉する容器17内に存
在する熱媒体用不活性ガスが、試料を密閉する容器17
内で凝結することを防ぐことができる。
【0016】本発明の実施例3を図1を用いて説明す
る。実施例1と同一の構造を有するクライオスタットで
はあるが、液面検出センサ7を冷媒導入管5内ではな
く、冷媒排出管6内に取付け、冷媒用容器下層部2c内
の液体ヘリウムの液面を検出するために用いる。下層部
2cに液体ヘリウムが送られてきた場合でも、試料1を
密閉する容器4に液体ヘリウムが接触しないように、液
面検出センサ7を用いて、供給する液体ヘリウムを調整
する。こうすることによって、試料を密閉する容器4に
液体ヘリウムが直接接触することがなく、試料を密閉す
る容器4内に存在する熱媒体用不活性ガスが、試料を密
閉する容器4内で凝結することを防ぐことができる。
る。実施例1と同一の構造を有するクライオスタットで
はあるが、液面検出センサ7を冷媒導入管5内ではな
く、冷媒排出管6内に取付け、冷媒用容器下層部2c内
の液体ヘリウムの液面を検出するために用いる。下層部
2cに液体ヘリウムが送られてきた場合でも、試料1を
密閉する容器4に液体ヘリウムが接触しないように、液
面検出センサ7を用いて、供給する液体ヘリウムを調整
する。こうすることによって、試料を密閉する容器4に
液体ヘリウムが直接接触することがなく、試料を密閉す
る容器4内に存在する熱媒体用不活性ガスが、試料を密
閉する容器4内で凝結することを防ぐことができる。
【0017】
【発明の効果】実施例1のクライオスタットにおいて、
冷媒用容器を上・中・下の3層構造にすることによっ
て、冷媒が気体になった後も試料を密閉する容器を冷却
するために冷媒を用いることができる。また、試料を密
閉する容器全体を均一に冷却することができるので、効
率良く冷媒を用いて試料を冷却することができる。
冷媒用容器を上・中・下の3層構造にすることによっ
て、冷媒が気体になった後も試料を密閉する容器を冷却
するために冷媒を用いることができる。また、試料を密
閉する容器全体を均一に冷却することができるので、効
率良く冷媒を用いて試料を冷却することができる。
【0018】また、冷媒用容器の上層部と下層部とを連
結する管を上層部底面より高くすること、及び上層部内
の冷媒の液面を調節しながら冷媒を供給することによ
り、冷媒が液体の状態ではなく気体状態で下層部に送る
ことが可能となり、試料を密閉する容器内に存在する熱
媒体用不活性ガスが凝結することを防ぐことができ、効
率良く試料を冷却することができる。
結する管を上層部底面より高くすること、及び上層部内
の冷媒の液面を調節しながら冷媒を供給することによ
り、冷媒が液体の状態ではなく気体状態で下層部に送る
ことが可能となり、試料を密閉する容器内に存在する熱
媒体用不活性ガスが凝結することを防ぐことができ、効
率良く試料を冷却することができる。
【0019】実施例2のクライオスタットにおいて、冷
媒用容器を上・下の2層構造にすることによって、冷媒
が気体になった後も試料を密閉する容器を冷却するため
に冷媒を用いることができる。また、試料を密閉する容
器全体を均一に冷却することができるので、効率良く冷
媒を用いて試料を冷却することができる。
媒用容器を上・下の2層構造にすることによって、冷媒
が気体になった後も試料を密閉する容器を冷却するため
に冷媒を用いることができる。また、試料を密閉する容
器全体を均一に冷却することができるので、効率良く冷
媒を用いて試料を冷却することができる。
【0020】また、下層部内の冷媒の液面を調節しなが
ら冷媒を供給することにより、冷媒が液体の状態ではな
く気体状態で試料を密閉する容器に接触させることがで
きるので、試料を密閉する容器内に存在する熱媒体用不
活性ガスが凝結することを防ぐことができ、効率良く試
料を冷却することができる。
ら冷媒を供給することにより、冷媒が液体の状態ではな
く気体状態で試料を密閉する容器に接触させることがで
きるので、試料を密閉する容器内に存在する熱媒体用不
活性ガスが凝結することを防ぐことができ、効率良く試
料を冷却することができる。
【0021】実施例3のクライオスタットの場合、冷媒
用容器下層部内の冷媒の液面を調節しながら冷媒を供給
することにより、冷媒が液体の状態ではなく気体状態で
試料を密閉する容器に接触することになるため、試料を
密閉する容器内に存在する熱媒体用不活性ガスが凝結す
ることを防ぐことができ、効率良く試料を冷却すること
ができる。その他の効果は実施例1と同じである。
用容器下層部内の冷媒の液面を調節しながら冷媒を供給
することにより、冷媒が液体の状態ではなく気体状態で
試料を密閉する容器に接触することになるため、試料を
密閉する容器内に存在する熱媒体用不活性ガスが凝結す
ることを防ぐことができ、効率良く試料を冷却すること
ができる。その他の効果は実施例1と同じである。
【図1】熱容量測定装置の断面図である。
【図2】熱容量測定装置の断面図である。
1…試料、2a…冷媒用容器上層部、2b…冷媒用容器
中層部、2c…冷媒用容器下層部、3…管、4…試料を
密閉する容器、5…冷媒注入管、6…冷媒排出管、7…
冷媒液面検出センサ、8…試料を密閉する容器用排気
管、9…冷媒用容器用排気管、10…真空容器用排気
管、11…リード線用連絡管、12…真空容器、13…
液体窒素容器、14…試料、15a…冷媒用容器上層
部、15b…冷媒用容器下層部、16…冷媒注入管、1
7…試料を密閉する容器、18…冷媒排出管、19…冷
媒液面検出センサ、20…試料を密閉する容器用排気
管、21…冷媒用容器用排気管、22…真空容器用排気
管、23…リード線用連絡管、24…真空容器、25…
液体窒素容器。
中層部、2c…冷媒用容器下層部、3…管、4…試料を
密閉する容器、5…冷媒注入管、6…冷媒排出管、7…
冷媒液面検出センサ、8…試料を密閉する容器用排気
管、9…冷媒用容器用排気管、10…真空容器用排気
管、11…リード線用連絡管、12…真空容器、13…
液体窒素容器、14…試料、15a…冷媒用容器上層
部、15b…冷媒用容器下層部、16…冷媒注入管、1
7…試料を密閉する容器、18…冷媒排出管、19…冷
媒液面検出センサ、20…試料を密閉する容器用排気
管、21…冷媒用容器用排気管、22…真空容器用排気
管、23…リード線用連絡管、24…真空容器、25…
液体窒素容器。
Claims (6)
- 【請求項1】被測定試料を低温に冷却後測定する装置に
おいて、冷媒用容器が被測定試料を密閉する容器全体を
覆う構造であることを特徴とするクライオスタット。 - 【請求項2】被測定試料を低温に冷却後測定する装置に
おいて、被測定試料を密閉する容器内の熱媒体用不活性
ガスの凝固点より高い温度の状態で、冷媒を用いて試料
を冷却することを特徴とするクライオスタット。 - 【請求項3】被測定試料を低温に冷却後測定する装置に
おいて、冷媒用容器が、冷媒が最初に導入される上層
部、被測定試料を密閉する容器全体を覆う中・下層部か
ら構成され、上層部は直接被測定試料を密閉する容器に
接することが無く、上層部と下層部は管によって連結さ
れていることを特徴とする請求項2記載のクライオスタ
ット。 - 【請求項4】被測定試料を低温に冷却後測定する装置に
おいて、冷媒用容器が、冷媒が最初に導入される上層
部、被測定試料を密閉する容器全体を覆う中・下層部か
ら構成され、上層部は直接被測定試料を密閉する容器に
接することが無く、上層部と下層部は管によって連結さ
れ、連結された管の上層部側の高さが上層部の底面より
高いことを特徴とする請求項2記載のクライオスタッ
ト。 - 【請求項5】被測定試料を低温に冷却後測定する装置に
おいて、冷媒用容器が、冷媒が最初に導入される上層
部、被測定試料を密閉する容器全体を覆う中・下層部か
ら構成され、上層部は直接被測定試料を密閉する容器に
接することが無く、上層部と下層部は管によって連結さ
れ、連結された管の上層部側の高さが上層部の底面より
高く、冷媒の液面を検知する機能を備えたことを特徴と
する請求項2記載のクライオスタット。 - 【請求項6】被測定試料を低温に冷却後測定する装置に
おいて、冷媒が導入される冷媒用容器が、被測定試料を
密閉する容器全体を覆う構造であり、冷媒用容器内の冷
媒の液面を検知する機能を備えたことを特徴とする請求
項2記載のクライオスタット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3471992A JPH05231757A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | クライオスタット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3471992A JPH05231757A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | クライオスタット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05231757A true JPH05231757A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12422141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3471992A Pending JPH05231757A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | クライオスタット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05231757A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102235987A (zh) * | 2010-03-29 | 2011-11-09 | 精工电子纳米科技有限公司 | 热分析装置 |
US11666047B2 (en) | 2017-12-21 | 2023-06-06 | Asymptote Ltd. | Container for cryopreserved samples |
-
1992
- 1992-02-21 JP JP3471992A patent/JPH05231757A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102235987A (zh) * | 2010-03-29 | 2011-11-09 | 精工电子纳米科技有限公司 | 热分析装置 |
US11666047B2 (en) | 2017-12-21 | 2023-06-06 | Asymptote Ltd. | Container for cryopreserved samples |
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