JPH0523110A - 密封型凍結コーヒー及びその製造方法 - Google Patents

密封型凍結コーヒー及びその製造方法

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JPH0523110A
JPH0523110A JP3028008A JP2800891A JPH0523110A JP H0523110 A JPH0523110 A JP H0523110A JP 3028008 A JP3028008 A JP 3028008A JP 2800891 A JP2800891 A JP 2800891A JP H0523110 A JPH0523110 A JP H0523110A
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coffee
heat
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JP3028008A
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Sadakatsu Sunami
定克 角南
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 コーヒー生豆を焙煎し、粉砕したコーヒー豆
粉からコーヒー成分を抽出してなるコーヒー抽出液を耐
熱性容器に密封して凍結、保存すると、長期間に亙っ
て、pHの変化、つまり酸度の変化が見られず、しか
も、カフェイン、リグニン及びトリゴネリンなどの変化
がなく、コーヒー飲料の風味が保持される上、この容器
ごと加熱、昇温した後、開封して飲用すると、このコー
ヒーは加熱、昇温の際に、コーヒー抽出液中の風味や香
りの成分等の蒸散がなくなるだけでなく、空気とコーヒ
ー抽出液の接触が無くなって焙煎直後の本格的な風味や
香りを有する密封型凍結コーヒー及びその製造方法を提
供する。 【構成】 耐熱性容器2に、コーヒー抽出液を凍結した
凍結コーヒー3を密封してなることを特徴とするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性容器に凍結コーヒ
ーを密封して保存し、且つこの容器ごと加熱、昇温した
後、開封して飲用するようにした密封型凍結コーヒー及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、コーヒー飲料は大量に工業生産さ
れ、缶詰、いわゆる缶コーヒー、紙容器詰及びプラスチ
ックス容器詰等の形態で販売されている。このコーヒー
飲料の製造方法としては、まずコーヒー生豆を焙煎、粉
砕し、次に粉砕したコーヒー豆粉を抽出器に充填し、該
抽出器に熱湯又は水を注入してコーヒー成分を抽出し、
この抽出液を他の原料と配合した後に包装される。
【0003】このコーヒー飲料の製造方法は種々検討さ
れ改良されているが、いずれの方法においてもその抽出
工程として、焙煎され、粉砕されたコーヒー豆粉を抽出
器に充填し、これに水又は熱湯を加えてコーヒー成分を
抽出したものであり、風味が良く、しかも長期間保存し
てもその風味が失われない抽出液を取り出す方法が用い
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなコーヒー飲料は2〜3℃で12日間程度保存する
と、後述の第1表に示すように、pHの低下、つまり酸
度の上昇が見られ、しかも、カフェイン、リグニン及び
トリゴネリンなどのコーヒー飲料の風味に重大な影響を
与える必須成分が40〜50%減少して風味が劣化す
る。
【0005】又、最近では、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル製の容器にコーヒー抽出液を入れ、
必要に応じて、この容器からコーヒー抽出液をコーヒー
椀に所要量取り出して電子シンジ等で加熱、昇温して飲
用するものも提案されているが、この容器が解放状態で
あるため、加熱、昇温の際に、コーヒー抽出液中の風味
や香りの成分等が蒸散したり、空気との接触によりコー
ヒー抽出液中の成分が変質し、この結果、コーヒーの風
味や香りが一層低下するのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために種々検討した結果、コーヒー生豆を焙
煎し、粉砕したコーヒー豆粉からコーヒー成分を抽出し
てなるコーヒー抽出液を凍結、保存すると、長期間に亙
って、pHの変化、つまり酸度の変化が見られず、しか
も、カフェイン、リグニン及びトリゴネリンなどの変化
がなく、コーヒー飲料の風味が保持されるとの知見を得
た。
【0007】又、このように凍結したコーヒーを耐熱性
容器に密封し、この容器ごと加熱、昇温した後、開封し
て飲用すると、このコーヒーは加熱、昇温の際に、コー
ヒー抽出液中の風味や香りの成分等の蒸散がなくなるだ
けでなく、空気とコーヒー抽出液の接触が無くなって焙
煎直後の本格的な風味や香りを有するとの知見も得た。
本発明はこれらの知見に基づき完成されたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本願請求項1の密封型凍結コーヒーにおい
ては、耐熱性容器に、コーヒー抽出液を凍結した凍結コ
ーヒーを密封してなるものである。本発明で用いられる
耐熱性容器としては後述する凍結コーヒーを加熱、昇温
する際に破れたり変形しないものであれば特に限定され
るものではなく、無機質材料や有機質材料で形成された
ものが挙げられる。
【0009】上記無機質材料としては銅、真鍮、ステン
レス、鉄、アルミニウム、錫、亜鉛或いは鉄等の金属の
内面に錫メッキを施したものなどの金属材料やセラミッ
クス等が挙げられる。
【0010】上記有機質材料としては軟化点が80℃以
上のものが望ましく、特に軟化点が100℃以上のもの
が実用的である。
【0011】この耐熱性の有機質材料の具体例としては
セルロースアセテート、セルローストリアセテート、フ
ッ素系樹脂、ポリカーボネート、芳香族或いは脂肪族の
ポリアミド、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル−ポリ塩
化ビニリデン、ポリイミド、ポリウレタン、塩酸ゴム、
ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリアミドイミド、ビスマレイミド・トリアジン、
エポキシ樹脂、ポリアミノビスマレイミド、ポリアセタ
ール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサル
ホン、ポリアリレート、ポリオキシベンゾイル等の耐熱
性合成樹脂が挙げられるが、これらのうち、特に経済的
である上、安全で耐熱性の優れたポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステルが望ましい。
【0012】又、紙の内面に上記合成樹脂のフィルムを
ラミネートし、耐水性を向上させたり、通気性を低下さ
せた材料も有益である。
【0013】この耐熱性容器の形状や構造は特に限定さ
れるものではないが、当該容器が所要人数分の凍結コー
ヒーを密封しうる容量を有するものが好ましい。
【0014】又、上記耐熱性容器は、耐熱性フィルムで
形成された袋体としたり、或いはコーヒー椀状に形成さ
れていも良いのである。
【0015】耐熱性容器を袋体にすると2名以上分の凍
結コーヒーを封入することが可能となり、加熱、昇温後
に開封し、更にこの加熱コーヒーを1名づつコーヒー椀
に注いで飲用することができる。上記耐熱性フィルムと
しては上述の耐熱性合成樹脂で形成されたものが挙げら
れる。
【0016】この耐熱性フィルムの厚さとしては特に限
定されるものではないが、一般に10〜350μm、特
に、15〜150μmの範囲とするのが望ましく、この
厚さが、10μm未満では強度や取扱い性に問題があ
り、一方、350μmを超えると意味がないだけでな
く、不経済である。
【0017】このように耐熱性フィルムで袋体が形成さ
れるが、当該フィルムがヒートシール性がなく、袋体の
形成が困難な場合には耐熱性フィルムの少なくとも接着
部位にホットメルト層を形成し、このホットメルト層を
介してフィルムを接着することにより袋体を形成すれば
良いのである。上記ホットメルト層としては、上記耐熱
性フィルムの軟化点以下で溶融して接着性を発現するも
のであれば特に限定されるものではない。
【0018】このホットメルト層の具体例としては例え
ば飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース
系樹脂、ポリアセタール樹脂などこれ単独でホットメル
ト性を示すもののほか、一般に粘着付与剤、可塑剤など
と併用されることが多いニトリルゴムの如き各種ゴム質
ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体など各種のポ
リマーが含まれる。これらのポリマーは必要に応じて2
種以上を混合したものであってもよい。このホットメル
ト層は公知の方法で形成される。
【0019】又、このホットメルト層の厚さとしては特
に限定されないが、一般に0.5〜50μm、特に、1
〜10μmの範囲とするのが望ましく、この厚さが、
0.5μm未満では所望の接着力が得られない場合があ
り、一方、50μmを超えると意味がないだけでなく、
不経済である。
【0020】一方、耐熱性容器をコーヒー椀状に形成す
ると、電子レンジや湯で加熱、昇温後に開封し、そのま
ま飲用できるので至極便利である。
【0021】本発明で使用されるコーヒー生豆は特に限
定されるものではなく、例えばアラビカ種のブラジル、
コロンビア、ペルー、キリマンジャロ等や、ロブスタ種
のインドネシア、ウガンダ等があり、これらを単独で、
或いは複数ブレンドして使用することができる。
【0022】そして、このコーヒー生豆は常法により焙
煎されるが、この焙煎されたコーヒー豆は粉砕される。
この粉砕条件は特に限定されるものではないが、好まし
くは通常10〜40メッシュの粒子が全体の70〜90
%存在するように調節するのが望ましい。
【0023】この場合、粉砕されたコーヒー豆は、香り
や風味の成分が揮散したり、変質が起こりやすいので、
コーヒー豆の粉砕後はできるだけ速やかに水或いは熱湯
で抽出処理するのが望ましい。この際、熱湯を用いて抽
出処理を行うときには、熱に弱い芳香成分の揮散もしく
は分解又は変質の恐れがあり、更に風味を低下させる成
分の溶出などの恐れがあるので、コーヒー豆粉を水に浸
漬するのが望ましい。この浸漬の条件は特に限定される
ものではないがコーヒー飲料の風味を一層上げるため
に、45℃以下、好ましくは35℃以下の水で、3分〜
180分、好ましくは15分〜120分間浸漬すればよ
い。
【0024】この浸漬時間が、3分未満と短い場合に
は、抽出が不完全となり、香りや風味の成分の抽出が不
充分となり、一方、180分を超えて浸漬しても、抽出
濃度に変化はなく意味がないだけでなく、芳香成分の揮
散もしくは分解又は変質の恐れがあり、更に風味を低下
させる成分の溶出などの恐れがあるので、いずれの場合
も望ましくない。
【0025】この浸漬方法は特に限定されるものではな
いが、通常、抽出操作を行う抽出器内で行なわれる。こ
の抽出器の形状、抽出器の容量は限定されるものではな
いが、容量500ml以上のものがよい。
【0026】このようにして得られたコーヒー抽出液に
は、所望により、砂糖、液糖もしくは果糖、アスパルテ
ームなどの甘味料、粉乳、牛乳、練乳などの乳製品、更
には乳化剤、香料なども添加してもよい。又、このコー
ヒー抽出液を高温短時間殺菌後、無菌の耐熱性容器に充
填し、密封してもよいのである。
【0027】そして、本発明においては、上記の方法で
得られたコーヒー抽出液を上記耐熱性容器に密封し、速
やかに凍結することにより、長期保存を行っても風味が
失われないのである。この凍結の方法は特に限定される
ものではなく、急速凍結であると、緩慢凍結であるとを
問わない。この凍結コーヒーの飲用にあたっては、湯の
中に、密封型凍結コーヒーをそのまま入れて所望の温度
に上昇してから開封し、飲用してもよく、或いは電子レ
ンジ等で密封型凍結コーヒーを加熱、昇温してから開封
し、飲用すればよいのである。
【0028】本発明の密封型凍結コーヒーの製造方法に
おいては、コーヒー生豆を焙煎し、粉砕したコーヒー豆
粉を抽出器に充填し、該抽出器に熱湯又は水を注入して
コーヒー抽出液を得た後、該コーヒー抽出液を耐熱性容
器に注入後密封し、凍結したことを特徴とするものであ
る。
【0029】ここで用いられるコーヒー生豆やその焙煎
・粉砕方法、更にコーヒー豆粉からのコーヒー成分の抽
出方法及びコーヒー抽出液の耐熱性容器への密封方法、
さらに耐熱性容器に密封したコーヒー抽出液の凍結方法
等は上記の方法で行えば良いのである。又、ここで用い
られる耐熱性容器やコーヒー生豆等は上述の場合と同様
なので省略する。
【0030】本発明の方法によると、特殊な技術や装置
を用いることなく、長期間にわたって風味が劣化しない
凍結コーヒーが得られるのである。
【0031】更に、本発明においては、耐熱性容器とし
て所要人数分の凍結コーヒーを密封しうる容量を有する
ものを用いたり、又、耐熱性容器が耐熱性フィルムで形
成された袋体であったり、更に耐熱性容器がコーヒー椀
状に形成されているものを用いることができる点、のい
ずれも上述の場合と同様なので省略する。
【0032】
【作用】本発明の密封型凍結コーヒーは、上記構成を有
し、コーヒー生豆を焙煎し、粉砕したコーヒー豆粉から
コーヒー成分を抽出してなるコーヒー抽出液を耐熱性容
器中に密封し、これを凍結保存すると、長期間に亙っ
て、pHの変化、つまり酸度の変化が見られず、しか
も、風味の必須成分であるカフェイン、リグニン及びト
リゴネリンなどの変化がなく、コーヒー飲料の風味が長
期間に亙って保持される作用を有するのである。
【0033】又、このように凍結したコーヒーを耐熱性
容器に密封し、この容器ごと加熱、昇温した後、開封し
て飲用すると、このコーヒーは加熱、昇温の際に、コー
ヒー抽出液中の風味や香りの成分等の蒸散がなくなるだ
けでなく、空気とコーヒー抽出液の接触が無くなって焙
煎直後の本格的な風味や香りを有するコーヒー飲料が得
られる作用を有するのである。
【0034】本発明の凍結コーヒーの製造方法は、コー
ヒー生豆を焙煎し、粉砕したコーヒー豆粉を抽出器に充
填し、該抽出器に熱湯又は水を注入してコーヒー抽出液
を得た後、該コーヒー抽出液を耐熱性容器に密封し、そ
のまま凍結したものであるから、特殊な技術や装置を用
いることなく、長期間にわたって風味が劣化しない凍結
コーヒーが簡単に得られる作用を有するのである。
【0035】
【実施例】次に本発明の実施例を詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0036】実施例1 図1は本発明の密封型凍結コーヒー1の一実施例を示
し、該密封型凍結コーヒー1は耐熱性容器2と該耐熱性
容器2内に封入された凍結コーヒー3、更に上記耐熱性
容器2の解放面を覆う蓋体4からなる。
【0037】本発明で用いられる耐熱性容器2としては
凍結コーヒー3を加熱、昇温する際に破れたり変形しな
いものであれば特に限定されるものではなく、無機質材
料や有機質材料で形成されたものが挙げられる。この耐
熱性容器2の形状や構造は特に限定されるものではない
が、当該容器2が所要人数分の凍結コーヒー3を密封し
うる容量を有するものが好ましい。
【0038】又、上記耐熱性容器2は、図7で示すよう
に、耐熱性フィルムで形成された袋体20としたり、或
いは、図1に示すように、コーヒー椀状に形成されてい
ても良いのである。
【0039】耐熱性容器2を袋体にすると2名以上分の
凍結コーヒー3を封入することが可能となり、加熱、昇
温後に開封し、更にこの加熱コーヒー30を1名づつコ
ーヒー椀に注いで飲用することができる。図1の例で
は、耐熱性容器2が、内面にポリエチレンテレフタレー
トフィルムをラミネートした紙容器を用いてコーヒー椀
状に形成されており、又、図7の例では、厚さ50μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムをヒートシール
して形成された袋体20が用いられている。
【0040】耐熱性容器2をコーヒー椀状に形成する
と、電子レンジ6で加熱、昇温後に開封し、そのまま飲
用できるので至極便利である。上記密封型凍結コーヒー
1の製造方法は以下のとおりである。
【0041】ブラジル産サントス種コーヒー豆2500
gを焙煎し、15〜35メッシュに粉砕した。粉砕した
コーヒー豆粉2000gを抽出器の中に入れ、30℃の
水10lを加え30分間浸漬してコーヒー成分を抽出し
た後、すべてのろ液を得た。この抽出液は糖度計による
測定値がBx2.3であった。
【0042】この抽出液にグラニュー糖3.0重量%を
混合溶解した後(以下、この状態をコーヒー飲料Aとい
う。)、図2に示すように、コーヒー椀状の耐熱性容器
2内に50ccづつ注入し、更に、図3に示すように、蓋
体4でコーヒー飲料Aを密封した後、図4に示すよう
に、急速冷凍により凍結した。
【0043】次にこの密封型凍結コーヒー1を、図5に
示すように、電子レンジ6で密封状態のまま温度90℃
まで加熱後、図6に示すように、開封してパネル50人
に各々飲用させた。
【0044】一方、上記コーヒー飲料A(製造直後で凍
結前)を90℃まで加熱後、上記パネル50人に各々飲
用させた。このパネル50人による官能試験の結果、凍
結、解凍による風味の低下は認められなかった。
【0045】次に、上記コーヒー飲料Aをファスナー付
きポリエステル製袋内に詰めて温度2〜3℃で12日間
保存後、pH、カフェイン、リグニン及びトリゴネリン
の変化を調査した(測定温度20±2℃)。その結果を第
1表に示す。
【0046】なお、第1表において、カフェイン、リグ
ニン及びトリゴネリンの濃度はコーヒー飲料A(製造直
後)を各々100として算出したものである。又、上記
密封型凍結コーヒー1を温度−20℃で6カ月間保存
後、融解し、温度20±2℃にした後、上記と同様に、
pH、カフェイン、リグニン及びトリゴネリンの濃度を
測定した。その結果を第1表に示す。このカフェイン等
の濃度は上記と同様に算出したものである。
【0047】
【表1】
【0048】次に、温度2〜3℃で12日間保存した上
記コーヒー飲料A(以下、これを試料1という。)、及び
温度−20℃で12日間保存した密封型凍結コーヒー1
を密封状態のまま各々90℃に加熱した後、それぞれパ
ネル50人による香り、風味等の官能試験を行ったとこ
ろ、50人中、45人が凍結状態で保存したコーヒーを
好み、5人が同じとの評価をした。
【0049】また、凍結状態で12日間保存した密封型
凍結コーヒー1と、実施例1と同様のコーヒー生豆を実
施例1と同様に焙煎し、実施例1と同様の条件で抽出し
たコーヒー抽出液(製造直後、尚、このコーヒー生豆は
生豆状態で12日間保存したことになる。)を各々90
℃に加熱した後、パネル50人による香り、風味等の官
能試験を行ったところ、50人中、40人が変わらない
と評価し、6人が製造直後と評価し、更に4人が凍結状
態で保存した密封型凍結コーヒー1を好んだ尚、この場
合、密封型凍結コーヒー1は密封状態のまま電子レンジ
6で加熱した。
【0050】即ち、凍結コーヒーは12日間保存しても
香り、風味等が変わらないことが認められる。なお、こ
の官能試験は、各パネルに試料の表示をせず、好みの試
料を選択したものを集計した。
【0051】実施例2 ブラジル産アラビカ種コーヒー豆とインドネシア産ロブ
スタ種コーヒー豆を4:1(重量比)に配合したものを用
い、実施例1と同様に粉砕した後、市販のドリップ式用
ペーパーフィルターによりろ過したところ、ろ液の糖度
計の値はBx.1.9であった。
【0052】次に、実施例2の抽出液を用い、実施例1
と同様に温度2〜3℃で12日間保存したもの及び実施
例2の抽出液を用い、実施例1と同様に得た密封型凍結
コーヒー1を温度−20℃で12日間保存したものを、
実施例1と同様に、各々90℃に加熱した後、パネル5
0人による香り、風味等の官能試験を行ったところ、5
0人中、47人が凍結状態で保存したコーヒーを好み、
3人が同じとの評価をした。
【0053】また、凍結状態で12日間保存した密封型
凍結コーヒーと、実施例2と同様のコーヒー生豆を実施
例2と同様に焙煎し、実施例2と同様の条件で抽出した
コーヒー抽出液(製造直後、尚、このコーヒー生豆は生
豆状態で12日間保存したことになる。)を各々90℃
に加熱した後、各々パネル50人による香り、風味等の
官能試験を行ったところ、50人中、38人が変わらな
いと評価し、7人が製造直後と評価し、更に5人が凍結
状態で保存したものを好んだ。即ち、この結果からも、
密封型凍結コーヒー1は12日間保存しても香り、風味
等が変わらないことがほぼ認められる。なお、この官能
試験は、各パネルに試料の表示せず、好みの試料を選択
したものを集計した。
【0054】次に、実施例2の密封型凍結コーヒー1を
温度−20℃で6カ月保存したもの(以下、これを試料
2という。)と、実施例2と同様のコーヒー生豆を実施
例2と同様に焙煎し、実施例2と同様の条件で抽出した
コーヒー抽出液(製造直後、尚、このコーヒー生豆は生
豆状態で6カ月間保存したことになる。)を各々90℃
に加熱した後、パネル50人による香り、風味等の官能
試験を行ったところ、50人中、37人が変わらないと
評価し、8人が製造直後と評価し、更に5人が凍結状態
で保存したコーヒーを好んだ。この場合、密封型凍結コ
ーヒー1は密封状態のまま電子レンジ6で加熱した。
【0055】即ち、この密封型凍結コーヒーは6カ月間
保存しても香り、風味等が変わらないことが認められ
た。なお、この官能試験は、各パネルに試料の表示せ
ず、好みの試料を選択したものを集計した。
【0056】ところで、本発明においては、密封型凍結
コーヒー1が密封状態で保存され、しかも密封状態で加
熱されるので、香り、風味がコーヒー生豆を焙煎し、挽
きたてのコーヒーと何等変わらないのである。
【0057】
【発明の効果】本発明の密封型凍結コーヒーは、上記構
成を有し、コーヒー生豆を焙煎し、粉砕したコーヒー豆
粉からコーヒー成分を抽出してなるコーヒー抽出液を凍
結してなるものであり、この凍結コーヒーは長期間にわ
たって安定であり、長期間保存しても、pHの変化、つ
まり酸度の変化が見られず、しかも、風味の必須成分で
あるカフェイン、リグニン及びトリゴネリンなどの変化
がなく、コーヒー飲料の風味が長期間に亙って保持され
る結果、長期間保存しても製造当初の風味を味わえる効
果を有するのである。
【0058】又、このように凍結したコーヒーを耐熱性
容器に密封し、この容器ごと加熱、昇温した後、開封し
て飲用すると、このコーヒーは加熱、昇温の際に、コー
ヒー抽出液中の風味や香りの成分等の蒸散がなくなるだ
けでなく、空気とコーヒー抽出液の接触が無くなって焙
煎直後の本格的な風味や香りを有するコーヒー飲料が得
られる効果を有するのである。
【0059】本発明の密封型凍結コーヒーの製造方法
は、コーヒー生豆を焙煎し、粉砕したコーヒー豆粉を抽
出器に充填し、該抽出器に熱湯又は水を注入してコーヒ
ー抽出液を得た後、該コーヒー抽出液を耐熱性容器に密
封し、そのまま凍結したものであるから、特殊な技術や
装置を用いることなく、長期間にわたって風味が劣化し
ない凍結コーヒーが簡単に得られる効果を有するのであ
る。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】図2は抽出直後のコーヒー飲料Aを耐熱性容器
に注入した状態を示す説明図である。
【図3】図3はそれに蓋体を設けた状態を示す説明図で
ある。
【図4】図4はそれを凍結した状態を示す説明図であ
る。
【図5】図5はそれを電子レンジで加熱する状態を示す
説明図である。
【図6】図6はその加熱後開封する状態を示す説明図で
ある。
【図7】図7は他の実施例を示す斜視図である。
【符号】
1 密封型凍結コーヒー 2 耐熱性容器 3 凍結コーヒー 4 蓋体 5 電子レンジ 20 袋体 30 加熱コーヒー A 抽出直後のコーヒー飲料

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性容器に、コーヒー抽出液を凍結した
    凍結コーヒーを密封してなる密封型凍結コーヒー。
  2. 【請求項2】耐熱性容器が所要人数分の凍結コーヒーを
    密封しうる容量を有するものである請求項1に記載の密
    封型凍結コーヒー。
  3. 【請求項3】耐熱性容器が耐熱性フィルムで形成された
    袋体である請求項1または2に記載の密封型凍結コーヒ
    ー。
  4. 【請求項4】耐熱性容器がコーヒー椀状に形成されてい
    る請求項1に記載の密封型凍結コーヒー。
  5. 【請求項5】コーヒー生豆を焙煎し、粉砕したコーヒー
    豆粉を抽出器に充填し、該抽出器に熱湯又は水を注入し
    てコーヒー抽出液を得た後、該コーヒー抽出液を耐熱性
    容器に注入後密封し、凍結したことを特徴とする密封型
    凍結コーヒーの製造方法。
  6. 【請求項6】耐熱性容器が所要人数分の凍結コーヒーを
    密封しうる容量を有するものである請求項5に記載の密
    封型凍結コーヒーの製造方法。
  7. 【請求項7】耐熱性容器が耐熱性フィルムで形成された
    袋体である請求項5または6に記載の密封型凍結コーヒ
    ーの製造方法。
  8. 【請求項8】耐熱性容器がコーヒー椀状に形成されてい
    る請求項5に記載の密封型凍結コーヒーの製造方法。
JP3028008A 1991-01-28 1991-01-28 密封型凍結コーヒー及びその製造方法 Pending JPH0523110A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003034636A (ja) * 2001-07-19 2003-02-07 Kao Corp 脂質代謝改善剤
US6672817B2 (en) * 2000-05-16 2004-01-06 Sean P. Denny Beverage preparation and dispensing container
JP2008182021A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Sony Corp コイル部品

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