JPH05230278A - 着色樹脂組成物 - Google Patents

着色樹脂組成物

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JPH05230278A
JPH05230278A JP7242392A JP7242392A JPH05230278A JP H05230278 A JPH05230278 A JP H05230278A JP 7242392 A JP7242392 A JP 7242392A JP 7242392 A JP7242392 A JP 7242392A JP H05230278 A JPH05230278 A JP H05230278A
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JP
Japan
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resin composition
mica
resin
pigment
black
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JP7242392A
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Yukihiro Yoshida
幸弘 吉田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と
(b)マイカ粉体とよりなる樹脂組成物に対して、混合
により黒色系となる二種以上の有機染顔料を配合する着
色樹脂組成物。 【効果】 絶縁破壊特性または耐電圧性に優れた黒色樹
脂組成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒または黒系統に着色
された樹脂組成物に関する。さらに詳しくは黒または黒
系統に着色された絶縁破壊強さまたは耐電圧の優れた樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイカを配合した樹脂組成物が優れた電
気特性、特に優れた絶縁破壊強さまたは耐電圧を有する
ことは例えば電気絶縁材料選択のポイント(日本規格協
会、1987年発行)等の文献や特開昭61−3014
9号公報において知られている。マイカ配合樹脂組成物
は、その優れた電気特性を活かして、例えば自動車のデ
ィストリビューター、コイルボビン、コネクタ等の高度
の絶縁破壊特性を要する電気機器類に使用されている
が、外観を改良するために黒または黒色系統に着色(カ
ラーリング)すると、絶縁破壊特性が損なわれることが
あり、特にカーボンブラックを用いて着色をほどこした
樹脂組成物の場合はその傾向が著しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、絶縁破壊特性または耐電圧性に優れ、黒または
黒系統に着色された樹脂組成物を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、マイカ粉体を必須成
分として配合した熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に対
して、混合により黒色系となる二種以上の有機染顔料を
配合することにより、絶縁破壊特性等に優れ、黒または
黒系統に着色された樹脂組成物が得られることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明の上記目的は、(a)熱
可塑性樹脂または熱硬化性樹脂および(b)マイカ粉体
よりなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)混合
により黒色系統となる二種以上の有機染顔料の混合物を
0.01〜10重量部配合する着色樹脂組成物によって
達成することができる。
【0006】本発明において用いられる樹脂(a)の種
類については、特に制限はなく、熱可塑性樹脂または熱
硬化性樹脂のいずれでもよい。熱可塑性樹脂としては、
例えばポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリフェニレンエーテル等が、また熱硬
化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂等が用いられる。これらの樹脂が少量
の共重合成分により変性されていることは何ら差し支え
はなく、また熱可塑性樹脂の場合、前記熱可塑性樹脂を
二種以上ブレンドして使用することも何ら差し支えはな
い。電気機器類に要求される各種力学的性質、耐熱性、
環境特性および成形性を勘案すると、これらの樹脂のう
ちでポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略すこ
とがある)、ポリプロピレン(以下PPと略すことが
る)が好ましく用いられる。本発明において使用される
熱可塑性樹脂の重合度についても特に制限はないが、成
形加工前における流動性、成形体内部におけるボイドの
発生、成形品の荒れ等に問題がない領域で、重合度の高
い樹脂が好ましく使用される。
【0007】本発明における樹脂組成物は、高度の絶縁
破壊強さを得るためにマイカ粉体(b)を含有すること
が必要であり、通常5〜40重量%、好ましくは15〜
30重量%程度添加される。マイカ粉体の種類について
は、特に制限はないが、白マイカ(マスコバイト)、金
マイカ(フロゴパイト)等が好ましく用いられる。これ
らのマイカは、本発明の樹脂組成物の成形加工温度にお
いて結晶水の離脱が無いものであることが好ましい。ま
た、マイカ粉体は通常板状(フレーク状)の形状を有す
るが、フレーク径、フレーク厚さ、フレークのアスペク
ト比等については特に制限はなく、適宜選択して用いる
ことができる。電気絶縁特性を向上させる点からマイカ
粉体のアスペクト比は大きい方が好ましい。
【0008】本発明に使用されるマイカ粉体の表面処理
については、本発明の目的に支障のない範囲で行うこと
ができ、マイカ粉体と樹脂の界面接着を改良する化合物
表面処理剤を用いての表面処理は組成物の絶縁破壊強
さ、特に湿潤時における絶縁破壊強さの改良に寄与する
ことがある。前記表面処理剤としては、いわゆるシラン
カップリング剤が好ましく使用され、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン等が特に好ましく使用される。シランカップリング
剤等の表面処理剤は、予めマイカ粉体を表面処理する方
法で用いてもよいが、樹脂とマイカ粉体を溶融混練する
際直接添加しても効果を発揮する。
【0009】本発明の樹脂組成物の着色剤としては、混
合により黒色系となる二種以上の有機染顔料の混合物が
用いられる。有機顔料でも有機染料でもあるいはこれら
の混合系でもよいが、着色性、熱転色性等の点から有機
顔料が好ましく用いられる。二種の有機顔料を混ぜて黒
または黒系統の色にする場合は、例えば赤と青緑、赤紫
と緑などの有機顔料の組合せがある。また三種有機顔料
を用いる場合、例えば赤と青と緑などの三種の顔料を適
当に混ぜて黒または黒系統の色にすることができる。こ
れらの顔料は、例えば赤色有機顔料としてパラレッド、
ファイヤーレッド、ピラゾロンレッド、チオインジコレ
ッド、ペリレンレッドなどが挙げられ、青色有機顔料と
してシアニンブルー、インダンスレンブルーなどが挙げ
られ、また緑色有機顔料としてシアニングリーン、ナフ
トールグリーンなどが挙げられ、これらのうち最も好ま
しくはペリレンレッド、シアニンブルー、シアニングリ
ーンの組合せが用いられる。混合により黒色系となる二
種以上の有機顔料の配合量は、樹脂(a)およびマイカ
粉体(b)よりなる樹脂組成物100重量部に対して総
量で0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量
部である。染顔料の総量が0.01重量部未満の場合に
は黒または黒系統になりにくく、一方染顔料の総量が1
0重量部を超える場合には電気物性、力学的特性が悪化
する。
【0010】本発明の樹脂組成物において用いられる着
色剤の主成分はカーボンブラック、鉄黒、グラファイト
等の無機顔料でないことが必要である。これら無機顔料
は安価な黒色顔料として広く使用されているが、樹脂の
絶縁破壊強さを損なうので、着色剤の主体成分として使
用することはできない。無機顔料の添加による絶縁破壊
強さの悪化は、マイカ粉体の配合率の増加に従い顕著に
なるが、この原因は現在のところ明かではない。
【0011】本発明の樹脂組成物においては、樹脂組成
物100重量部に対して、さらにガラス繊維、タルク、
炭酸カルシウム等の無機充填材10〜150重量部を配
合することができる。また、必要に応じて樹脂組成物の
成形性、物性を損なわない限りにおいて、微量添加剤と
して可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加
してもよい。さらに電気物性を悪くしない程度でごく少
量のカーボンブラック、鉄黒、グラファイト等の無機顔
料を添加してもよい。これらの無機顔料は少量でも成形
品の色のカバーリング性が優れており有機顔料の配合率
を減少することができコスト的にも優れる場合がある。
【0012】本発明の着色樹脂組成物の製造法は、特に
制限はなく、例えば単軸押出機、二軸押出機、ニーダ
ー、バンバリミキサー等の混練機によって押出または混
練してペレット状などの形状に製造することができる。
これらの混練機を用いる場合には、マイカをなるべく破
壊しないような装置を選択するのがより好ましい。さら
に混練条件についてもマイカをなるべく破壊させず、し
かも顔料の分散が良い条件を選択するのが好ましい。
【0013】上記のようにして得られた樹脂組成物をさ
らに射出成形、プレス成形、押出成形などの加工法によ
り、例えば、ディストリビューター、コネクタなどの所
望する形状、構造を有する樹脂組成物に成形することが
できる。
【0014】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげて本発明をさら
に具体的に説明する。
【0015】実施例1 固有粘度[η]1.15±0.02dl/gのポリブチ
レンテレフタレート(クラレ社製KS−203FH)、
重量平均アスペクト比35の白マイカ(クラレ社製クラ
ライト・マイカ400W)、赤色有機顔料(日本ピグメ
ント社製3020レッド)、青色有機顔料(日本ピグメ
ント社製3517ブルー)、緑色有機顔料(日本ピグメ
ント社製3400グリーン)、シランカップリング剤で
あるγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(チッソ社
製S330)をPBT/マイカ/赤色顔料/青色顔料/
緑色顔料/シランカップリング剤=70〜85/30〜
15/0.2/0.1/0.125/0.15(重量
比)の割合(PBTとマイカの配合率を70/30、7
5/25、80/20、85/15の割合に変化させ
た)でそれぞれヘンシェルミキサーにより混合し、該混
合物を単軸押出機で、シリンダー温度250℃の条件下
にて混練、ペレット化した。該ペレットを射出成形機を
用いてシリンダー温度250℃の条件下にて成形し、約
厚さ1mm、幅40mm、長さ100mmの試験片を得
た。成形時におけるガスの発生、成形機の腐食等の問題
は認められなかった。三美工業社製絶縁破壊試験機SK
N−1060Aを用い、得られた試験片の短時間絶縁破
壊試験を以下の測定条件で行った。油は出光興産社製ト
ランスフォーマーオイルGを、電極は黄銅製の直径1
2.5mmの球を用い、温度23℃、電極の圧着力約5
00g、電圧100V、周波数60Hzの条件下で、電
圧0kVから絶縁破壊が起こるまで印加電圧4kV/秒
の速度で上昇させた。以上の測定条件下にて測定した絶
縁破壊電圧を試験片の厚さで除して絶縁破壊強さを求め
た。得られた結果をマイカの配合率に対する絶縁破壊強
さの関係として図1に示した。図1からマイカの配合率
とともに絶縁破壊強さが大きくなることがわかる。
【0016】比較例1 有機顔料を添加する代わりにカーボンブラックを添加し
PBT/マイカ/カーボンブラック/シランカップリン
グ剤=70〜85/30〜15/0.2/0.15(重
量比)の組成物を用いる他は実施例1と同様に行い、試
験片を得て、短時間絶縁破壊試験を行った。得られた結
果を図1に示した。図1からマイカの配合率を増加して
も絶縁破壊強さはほとんど変化せず横ばいであることが
わかる。
【0017】実施例2 メルトフローレート15g/10分のホモポリプロピレ
ン(宇部興産社製J115G)、重量平均アスペクト比
35の白マイカ(クラレ社製クラライト・マイカ400
W)、赤色有機顔料(日本ピグメント社製3020レッ
ド)、青色有機顔料(日本ピグメント社製3517ブル
ー)、緑色有機顔料(日本ピグメント社製3400グリ
ーン)、シランカップリング剤であるγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(チッソ社製S330)をPP/
マイカ/赤色顔料/青色顔料/緑色顔料/シランカップ
リング剤=70〜85/30〜15/0.2/0.1/
0.125/0.15(重量比)の割合(PPとマイカ
の配合率を70/30、75/25、80/20、85
/15の割合に変化させた)でそれぞれヘンシェルミキ
サーにより混合し、該混合物を単軸押出機で、シリンダ
ー温度230℃の条件下にて混練、ペレット化した。該
ペレットを射出成形機を用いてシリンダー温度230℃
の条件下にて成形し、約厚さ1mm、幅40mm、長さ
100mmの試験片を得た。成形時におけるガスの発
生、成形機の腐食等の問題は認められなかった。絶縁破
壊強さの測定方法については実施例1と同様に行った。
得られた結果をマイカの配合率に対する絶縁破壊強さの
関係として図2に示した。マイカの配合率の増加ととも
に絶縁破壊強さが大きくなることがわかる。
【0018】比較例2 有機顔料を添加する代わりにカーボンブラックを添加
し、PP/マイカ/カーボンブラック/シランカップリ
ング剤=70〜85/30〜15/0.2/0.15
(重量比)の組成物を用いる他は実施例2と同様に行
い、試験片を得て、短時間絶縁破壊試験を行った。得ら
れた結果を図2に示した。図2からマイカの配合率を増
加しても絶縁破壊強さはほとんど変化せず横ばいである
ことがわかる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したようにカーボンブラックな
どの黒色無機顔料を主な着色剤とせず、有機染顔料を用
いて調色することによって、絶縁破壊強さまたは耐電圧
の優れた黒または黒系統の樹脂組成物を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1における有機顔料添加、カ
ーボンブラック添加のPBT樹脂組成物におけるマイカ
の配合率に対する絶縁破壊強さの関係を示した図であ
る。
【図2】実施例2、比較例2における有機顔料添加、カ
ーボンブラック添加のPP樹脂組成物におけるマイカの
配合率に対する絶縁破壊強さの関係を示した図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂
    および(b)マイカ粉体よりなる樹脂組成物100重量
    部に対して、(c)混合により黒色系となる二種以上の
    有機染顔料の混合物を0.01〜10重量部配合するこ
    とを特徴とする着色樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 混合物が、赤色有機顔料、青色有機顔料
    および黄色有機顔料からなる顔料混合物である請求項1
    記載の着色樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が、ポリブチレンテレフタ
    レートまたはポリプロピレンである請求項1または請求
    項2記載の着色樹脂組成物。
JP7242392A 1992-02-21 1992-02-21 着色樹脂組成物 Pending JPH05230278A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4419123A1 (de) * 1994-06-01 1995-12-07 Merck Patent Gmbh Lackformulierung
US5827911A (en) * 1996-04-23 1998-10-27 Orient Chemical Industries, Ltd. Colored thermoplastic resin composition
US6395809B1 (en) 1999-06-30 2002-05-28 Orient Chemical Industries, Ltd. Nigrosine compound, resin composition, molded product, crystallization temperature lowering, fluidity improving and surface gloss improving method
US6399681B1 (en) 1998-11-02 2002-06-04 Orient Chemical Industries, Ltd. Colored thermoplastic resin composition and related arts thereof
JPWO2014175450A1 (ja) * 2013-04-26 2017-02-23 ウィンテックポリマー株式会社 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物

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