JPH05229934A - 不均質構造薬物放出デバイス - Google Patents
不均質構造薬物放出デバイスInfo
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- JPH05229934A JPH05229934A JP3207892A JP3207892A JPH05229934A JP H05229934 A JPH05229934 A JP H05229934A JP 3207892 A JP3207892 A JP 3207892A JP 3207892 A JP3207892 A JP 3207892A JP H05229934 A JPH05229934 A JP H05229934A
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- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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Abstract
(57)【要約】
【目的】長期間にわたり薬物を放出し、また炎症等の刺
激に応答して薬物の放出を制御する機能を有する不均質
薬物放出デバイスを提供する 【構成】表面が分解する親水性高分子ヒドロゲルを担体
とし、この担体中に薬物含有ミクロスフィアを分散させ
てなる不均質薬物放出デバイスである。親水性高分子ヒ
ドロゲルとして、ヒドロキシルラジカルにより表面が分
解する親水性高分子ヒドロゲル2を用いると、生体の炎
症時に生じるヒドロキシルラジカル4によって、親水性
高分子ヒドロゲル2が表面から分解し、この分解に伴っ
て薬物含有ミクロスフィア3が不均質薬物放出デバイス
1から放出される。
激に応答して薬物の放出を制御する機能を有する不均質
薬物放出デバイスを提供する 【構成】表面が分解する親水性高分子ヒドロゲルを担体
とし、この担体中に薬物含有ミクロスフィアを分散させ
てなる不均質薬物放出デバイスである。親水性高分子ヒ
ドロゲルとして、ヒドロキシルラジカルにより表面が分
解する親水性高分子ヒドロゲル2を用いると、生体の炎
症時に生じるヒドロキシルラジカル4によって、親水性
高分子ヒドロゲル2が表面から分解し、この分解に伴っ
て薬物含有ミクロスフィア3が不均質薬物放出デバイス
1から放出される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期間にわたり薬物を
放出する不均質構造薬物放出デバイスに関する。また本
発明は、疾病の症状の変動に応じて、薬物の血中濃度を
制御できるようにした、すなわち炎症等疾病の症状の変
動に応答して薬物を放出する不均質構造薬物放出デバイ
スに関する。
放出する不均質構造薬物放出デバイスに関する。また本
発明は、疾病の症状の変動に応じて、薬物の血中濃度を
制御できるようにした、すなわち炎症等疾病の症状の変
動に応答して薬物を放出する不均質構造薬物放出デバイ
スに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、生体内分解性の高分子材料を
担体(マトリックス)とし、これに薬物を分散させた薬
物放出デバイスが知られている。従来の薬物放出デバイ
スにおいては、高分子材料を生体内で加水分解により分
解させ薬物を放出させるようにしていた。そして、その
高分子材料は、加水分解速度を制御する上で水の侵入速
度を制御する必要があるためいずれも疎水性であった。
しかして、この疎水性高分子材料の分解は高分子材料全
体で進行するいわゆるバルク分解であり、分解と同時に
クラックや破壊が生起し、表面積が大きく変化する欠点
があるため、従来の薬物放出デバイスにおいては、真に
高分子材料の生体内分解に基づいて薬物を放出させるこ
とは不可能であった。そのため生体内に埋植した後その
分解性にもとづいて薬物を長期間に、また制御して放出
させることは困難であった。
担体(マトリックス)とし、これに薬物を分散させた薬
物放出デバイスが知られている。従来の薬物放出デバイ
スにおいては、高分子材料を生体内で加水分解により分
解させ薬物を放出させるようにしていた。そして、その
高分子材料は、加水分解速度を制御する上で水の侵入速
度を制御する必要があるためいずれも疎水性であった。
しかして、この疎水性高分子材料の分解は高分子材料全
体で進行するいわゆるバルク分解であり、分解と同時に
クラックや破壊が生起し、表面積が大きく変化する欠点
があるため、従来の薬物放出デバイスにおいては、真に
高分子材料の生体内分解に基づいて薬物を放出させるこ
とは不可能であった。そのため生体内に埋植した後その
分解性にもとづいて薬物を長期間に、また制御して放出
させることは困難であった。
【0003】また、疾病の症状の変動に応じて、血中の
薬物濃度を制御する薬物送達システムも従来から知られ
ている。その一方法として、症状に基づき生体が発する
シグナルに応答して生体内分解する性質を有する物質を
担体に用い、その分解に応じて薬物を放出させることが
検討されている。これまでに、生体内刺激としての、温
度、水素イオン濃度(pH)などに応答して薬物放出を
制御する物質に種々の高分子物質が検討されてきたが、
こうした薬物放出制御はいずれも薬物の拡散あるいは溶
解性を高分子物質によって変化させようとするものであ
った。ところが、一般にこれらの生体内分解性高分子物
質は、上述の如く、その分解機構がいずれも加水分解に
よっているため、その分解性を生体内でON−OFF制
御することは不可能である。更に、こうした生体内分解
性高分子物質では、その高分子物質材料中への水の侵入
速度に比べ加水分解速度が非常に遅いことから、結果と
して薬物放出は、高分子物質材料の分解の進行に伴う形
状の変化(クラックの生成、破壊など)による表面積の
変化によっても影響され、薬物放出量を制御することは
極めて困難であった。そのため、生分解性高分子物質に
よる刺激応答性薬物放出の制御は事実上不可能であっ
た。
薬物濃度を制御する薬物送達システムも従来から知られ
ている。その一方法として、症状に基づき生体が発する
シグナルに応答して生体内分解する性質を有する物質を
担体に用い、その分解に応じて薬物を放出させることが
検討されている。これまでに、生体内刺激としての、温
度、水素イオン濃度(pH)などに応答して薬物放出を
制御する物質に種々の高分子物質が検討されてきたが、
こうした薬物放出制御はいずれも薬物の拡散あるいは溶
解性を高分子物質によって変化させようとするものであ
った。ところが、一般にこれらの生体内分解性高分子物
質は、上述の如く、その分解機構がいずれも加水分解に
よっているため、その分解性を生体内でON−OFF制
御することは不可能である。更に、こうした生体内分解
性高分子物質では、その高分子物質材料中への水の侵入
速度に比べ加水分解速度が非常に遅いことから、結果と
して薬物放出は、高分子物質材料の分解の進行に伴う形
状の変化(クラックの生成、破壊など)による表面積の
変化によっても影響され、薬物放出量を制御することは
極めて困難であった。そのため、生分解性高分子物質に
よる刺激応答性薬物放出の制御は事実上不可能であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子材料
を担体とし、生体内に埋植した後に、高分子材料の分解
性にもとづいて、薬物を長期間にわたって且つ制御して
放出できる薬物放出デバイスを提供することを目的と
し、更に、刺激に応答して薬物の放出を制御できる機能
を有する薬物放出デバイスを提供することを目的とす
る。
を担体とし、生体内に埋植した後に、高分子材料の分解
性にもとづいて、薬物を長期間にわたって且つ制御して
放出できる薬物放出デバイスを提供することを目的と
し、更に、刺激に応答して薬物の放出を制御できる機能
を有する薬物放出デバイスを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来の薬剤担体に用いら
れてきた生体内分解性高分子物質は、前述のようにいず
れも疎水性であったが、本発明者らは、この高分子材料
全体が一様に加水分解進行するバルク分解以外の機構で
分解する高分子材料の使用について種々検討し、表面か
らのみ分解する親水性高分子ゲルを担体に用いことを思
い付き、そしてこの親水性高分子ゲルを担体とし、薬物
をミクロスフィア中に含有させて安定化してから分散さ
せることによって不均質構造となし、もって、薬物を長
期間にわたって放出し得、しかも高分子材料の表面分解
にともない薬物放出が律速に行える本発明品を完成し
た。
れてきた生体内分解性高分子物質は、前述のようにいず
れも疎水性であったが、本発明者らは、この高分子材料
全体が一様に加水分解進行するバルク分解以外の機構で
分解する高分子材料の使用について種々検討し、表面か
らのみ分解する親水性高分子ゲルを担体に用いことを思
い付き、そしてこの親水性高分子ゲルを担体とし、薬物
をミクロスフィア中に含有させて安定化してから分散さ
せることによって不均質構造となし、もって、薬物を長
期間にわたって放出し得、しかも高分子材料の表面分解
にともない薬物放出が律速に行える本発明品を完成し
た。
【0006】更に本発明者らは、上記の担体に用いる親
水性高分子ゲルとして、生体特異的シグナルとして炎症
時に一過性に発生する活性酸素であるヒドロキシルラジ
カルの作用によって表面のみから分解される親水性高分
子ゲルを使用すると、炎症に応答して親水性高分子ゲル
の分解が行われので、この分解に応じて薬物の放出が制
御できる、すなわちヒドロキシルラジカルの発生量によ
って薬物の放出が制御できること知見し、本発明を完成
した。
水性高分子ゲルとして、生体特異的シグナルとして炎症
時に一過性に発生する活性酸素であるヒドロキシルラジ
カルの作用によって表面のみから分解される親水性高分
子ゲルを使用すると、炎症に応答して親水性高分子ゲル
の分解が行われので、この分解に応じて薬物の放出が制
御できる、すなわちヒドロキシルラジカルの発生量によ
って薬物の放出が制御できること知見し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち本発明は、表面から分解する親水
性高分子ヒドロゲルを担体とし、この担体中に薬物含有
ミクロスフイアを分散させたことを特徴とする不均質構
造薬物放出デバイス(請求項1)であり、またこの表面
から分解する親水性高分子ヒドロゲルが、ヒドロキシル
ラジカルの作用により表面から分解する親水性高分子ヒ
ドロゲルである不均質構造薬物放出デバイス(請求項
2)である。
性高分子ヒドロゲルを担体とし、この担体中に薬物含有
ミクロスフイアを分散させたことを特徴とする不均質構
造薬物放出デバイス(請求項1)であり、またこの表面
から分解する親水性高分子ヒドロゲルが、ヒドロキシル
ラジカルの作用により表面から分解する親水性高分子ヒ
ドロゲルである不均質構造薬物放出デバイス(請求項
2)である。
【0008】本発明について更に詳しく説明する。一般
に高分子材料の生体内分解には、高分子材料全体の分解
が均一に進行するバルク分解系、高分子材料の表面のみ
から分解が進行する表面分解系、及びこの両者の混合系
が知られている。高分子材料の生体内分解性を量的、時
間的に制御するには材料の表面分解性が不可欠である。
そのため本発明の不均質構造薬物放出デバイスでは、表
面のみから分解が進行する表面分解性の高分子材料を用
いる。しかして、この表面から分解が進行する親水性高
分子ヒドロゲル中に薬物含有ミクロスフィアを分散させ
て、いわゆる不均質構造化させると、担体である親水性
高分子ヒドロゲルの表面からの分解に同期して、薬物の
放出が律速に行える。したがって、この親水性高分子ヒ
ドロゲルの表面分解を制御することによって、薬物の放
出を制御することができる。
に高分子材料の生体内分解には、高分子材料全体の分解
が均一に進行するバルク分解系、高分子材料の表面のみ
から分解が進行する表面分解系、及びこの両者の混合系
が知られている。高分子材料の生体内分解性を量的、時
間的に制御するには材料の表面分解性が不可欠である。
そのため本発明の不均質構造薬物放出デバイスでは、表
面のみから分解が進行する表面分解性の高分子材料を用
いる。しかして、この表面から分解が進行する親水性高
分子ヒドロゲル中に薬物含有ミクロスフィアを分散させ
て、いわゆる不均質構造化させると、担体である親水性
高分子ヒドロゲルの表面からの分解に同期して、薬物の
放出が律速に行える。したがって、この親水性高分子ヒ
ドロゲルの表面分解を制御することによって、薬物の放
出を制御することができる。
【0009】しかして、本発明の不均質構造薬物放出デ
バイスにおいては、親水性高分子ヒドロゲルとして、そ
の表面分解が長期間にわたって行なわれるものを選択し
たり、又はその表面分解を長期間にわたって行なうよう
に制御すると、薬物の放出を長期間にわたって行うこと
の出来る薬物放出デバイスが得られる。またこの親水性
高分子ヒドロゲルとして、その表面分解が或る刺激に応
答して行われるものを選択すると、その刺激に応答して
薬物を放出する薬物放出デバイスが得られる。例えば、
炎症においては白血球やマクロファ−ジより活性酸素が
一過性に発生し、これが種々の組織障害の原因となって
いることは既に知られているが、活性酸素の作用により
表面分解性を示す、すなわちヒドロキシルラジカルの作
用により特異的に表面分解性を示す高分子ヒドロゲルを
担体に用いると、炎症に応答して薬物を放出する薬物放
出デバイスが得られる。
バイスにおいては、親水性高分子ヒドロゲルとして、そ
の表面分解が長期間にわたって行なわれるものを選択し
たり、又はその表面分解を長期間にわたって行なうよう
に制御すると、薬物の放出を長期間にわたって行うこと
の出来る薬物放出デバイスが得られる。またこの親水性
高分子ヒドロゲルとして、その表面分解が或る刺激に応
答して行われるものを選択すると、その刺激に応答して
薬物を放出する薬物放出デバイスが得られる。例えば、
炎症においては白血球やマクロファ−ジより活性酸素が
一過性に発生し、これが種々の組織障害の原因となって
いることは既に知られているが、活性酸素の作用により
表面分解性を示す、すなわちヒドロキシルラジカルの作
用により特異的に表面分解性を示す高分子ヒドロゲルを
担体に用いると、炎症に応答して薬物を放出する薬物放
出デバイスが得られる。
【0010】本発明で用いる表面から分解する親水性高
分子ヒドロゲルは、架橋されたヒアルロン酸、デキスト
ラン及びカルボキシメチルキチン等の水溶性多糖類、並
びにポリエチレングリコ−ル、ポリビニルアルコ−ル等
の親水性高分子である。ここで架橋に用いる架橋剤は、
例えばポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、
ポリグリセロ−ルポリグリシジルエ−テル等の多官能性
グリシジルエ−テル、及びトリイソシアナ−ト等の多官
能性イソシアナ−トなどである。これらの親水性高分子
ヒドロゲルは、いずれも生体内ではその表面分解が酵素
などにより長期間にわたって行われるものであり、また
ヒドロキシルラジカルにより短期間に特異的に分解する
ものである。この親水性高分子ヒドロゲルのゲル含水率
はいずれも30〜99.9%程度、望ましくは50〜9
9.8%である。
分子ヒドロゲルは、架橋されたヒアルロン酸、デキスト
ラン及びカルボキシメチルキチン等の水溶性多糖類、並
びにポリエチレングリコ−ル、ポリビニルアルコ−ル等
の親水性高分子である。ここで架橋に用いる架橋剤は、
例えばポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、
ポリグリセロ−ルポリグリシジルエ−テル等の多官能性
グリシジルエ−テル、及びトリイソシアナ−ト等の多官
能性イソシアナ−トなどである。これらの親水性高分子
ヒドロゲルは、いずれも生体内ではその表面分解が酵素
などにより長期間にわたって行われるものであり、また
ヒドロキシルラジカルにより短期間に特異的に分解する
ものである。この親水性高分子ヒドロゲルのゲル含水率
はいずれも30〜99.9%程度、望ましくは50〜9
9.8%である。
【0011】また、親水性高分子ヒドロゲルの表面から
の分解により薬物を放出させる際、この薬物放出を量
的、時間的に制御するには、薬物放出の応答性、非刺激
時の薬物漏出の防止を考慮し、薬物をゲル中に均一溶解
させず、薬物を高濃度に含有したドメインを形成させる
ことが望ましい。薬物含有ドメインとしては、生体内に
放出された後は速やかに吸収あるいは分解されるものが
望ましい。そこで本発明では薬物をミクロスフィア含有
の形態にして親水性高分子ヒドロゲル中に分散させる。
の分解により薬物を放出させる際、この薬物放出を量
的、時間的に制御するには、薬物放出の応答性、非刺激
時の薬物漏出の防止を考慮し、薬物をゲル中に均一溶解
させず、薬物を高濃度に含有したドメインを形成させる
ことが望ましい。薬物含有ドメインとしては、生体内に
放出された後は速やかに吸収あるいは分解されるものが
望ましい。そこで本発明では薬物をミクロスフィア含有
の形態にして親水性高分子ヒドロゲル中に分散させる。
【0012】本発明において、親水性高分子ヒドロゲル
内に分散させる薬物含有ミクロスフィアは、内部に薬物
を担持する上で必要な親−疎水性、安定性、生体適合性
を有する粒子であって、例えば生体内吸収性の高分子ビ
−ズなどが考えられるが、脂溶性薬物ではリピッド・ミ
クロスフィア等が、また水溶性薬物ではリボソ−ム等が
望ましい。また、親水性高分子ヒドロゲル内に分布した
ミクロスフィアの大きさ(粒径)は、薬物放出パタ−ン
により異なるが、通常は粒径が0.1μm〜10mm程
度まで、望ましくは1.0μm〜100μm程度であ
る。ミクロスフィア濃度はその粒径にもよるが、1〜5
0%程度、望ましくは5〜10%程度である。そして、
ミクロスフィアの大きさによって薬物放出パタ−ンを変
化させることが可能である。
内に分散させる薬物含有ミクロスフィアは、内部に薬物
を担持する上で必要な親−疎水性、安定性、生体適合性
を有する粒子であって、例えば生体内吸収性の高分子ビ
−ズなどが考えられるが、脂溶性薬物ではリピッド・ミ
クロスフィア等が、また水溶性薬物ではリボソ−ム等が
望ましい。また、親水性高分子ヒドロゲル内に分布した
ミクロスフィアの大きさ(粒径)は、薬物放出パタ−ン
により異なるが、通常は粒径が0.1μm〜10mm程
度まで、望ましくは1.0μm〜100μm程度であ
る。ミクロスフィア濃度はその粒径にもよるが、1〜5
0%程度、望ましくは5〜10%程度である。そして、
ミクロスフィアの大きさによって薬物放出パタ−ンを変
化させることが可能である。
【0013】本発明において、表面から分解する高分子
ヒドロゲルに薬物含有ミクロスフィアを分散させるに
は、種々の方法が採用できる。ヒアルロン酸、デキスト
ラン、カルボキシメチルキチン等の水溶性多糖類又はポ
リエチレングリコ−ル、ポリビニルアルコ−ル等の親水
性高分子などを水に溶解して水溶液を調製し、この水溶
液中に薬物含有ミクロスフィアを添加し、よく分散さ
せ、次いで前記した如き架橋剤を添加して水溶性高分子
を架橋反応させヒドロゲル化させる方法を採用するのが
好ましい。
ヒドロゲルに薬物含有ミクロスフィアを分散させるに
は、種々の方法が採用できる。ヒアルロン酸、デキスト
ラン、カルボキシメチルキチン等の水溶性多糖類又はポ
リエチレングリコ−ル、ポリビニルアルコ−ル等の親水
性高分子などを水に溶解して水溶液を調製し、この水溶
液中に薬物含有ミクロスフィアを添加し、よく分散さ
せ、次いで前記した如き架橋剤を添加して水溶性高分子
を架橋反応させヒドロゲル化させる方法を採用するのが
好ましい。
【0014】図1は、本発明の不均質構造薬物放出デバ
イスにおいて、親水性高分子ヒドロゲルとして、ヒドロ
キシルラジカルにより特異的に表面分解性を示す親水性
高分子ヒドロゲルを用いた場合の不均質構造薬物放出デ
バイスの作用を説明するための模式図である。1は本発
明の不均質構造薬物放出デバイスである。2は、ヒドロ
キシルラジカルにより特異的に表面分解性を示す親水性
高分子ヒドロゲル、2’はその分解物である。3は薬物
含有ミクロスフィアである。いま、生体内に炎症が発生
すると、白血球やマクロファ−ジより活性酸素が一過性
に発生する。この活性酸素が、生体内に投与された不均
質構造薬物放出デバイス1の一面4に接触する(図1、
a)と、この活性酸素の作用により、不均質構造薬物放
出デバイス1を構成する親水性高分子ヒドロゲルが表面
から分解する。そして、この分解に伴って薬物含有ミク
ロスフィアは親水性高分子ヒドロゲルから開放され、放
出される(図1、b)。
イスにおいて、親水性高分子ヒドロゲルとして、ヒドロ
キシルラジカルにより特異的に表面分解性を示す親水性
高分子ヒドロゲルを用いた場合の不均質構造薬物放出デ
バイスの作用を説明するための模式図である。1は本発
明の不均質構造薬物放出デバイスである。2は、ヒドロ
キシルラジカルにより特異的に表面分解性を示す親水性
高分子ヒドロゲル、2’はその分解物である。3は薬物
含有ミクロスフィアである。いま、生体内に炎症が発生
すると、白血球やマクロファ−ジより活性酸素が一過性
に発生する。この活性酸素が、生体内に投与された不均
質構造薬物放出デバイス1の一面4に接触する(図1、
a)と、この活性酸素の作用により、不均質構造薬物放
出デバイス1を構成する親水性高分子ヒドロゲルが表面
から分解する。そして、この分解に伴って薬物含有ミク
ロスフィアは親水性高分子ヒドロゲルから開放され、放
出される(図1、b)。
【0015】このように本発明においては、親水性高分
子ヒドロゲルが表面から分解される時に、分散している
薬物含有ミクロスフィアが分解と同期して律速に放出さ
れる。これは、薬物を単に親水性高分子ヒドロゲル中に
溶解あるいは分散させるのではなくミクロスフィアに含
有させてゲル中に分散させて不均質デバイス形態にした
ためであり、親水性高分子ヒドロゲルの分解時−非分解
時に対応した薬物放出性が可能となる。また、本発明の
不均質構造薬物放出デバイスを用いることにより、炎症
時に発生する活性酸素による細胞障害を消去するととも
に、分解と同期して放出されるステロイドホルモンによ
る坑炎症作用を発揮することが期待できる。
子ヒドロゲルが表面から分解される時に、分散している
薬物含有ミクロスフィアが分解と同期して律速に放出さ
れる。これは、薬物を単に親水性高分子ヒドロゲル中に
溶解あるいは分散させるのではなくミクロスフィアに含
有させてゲル中に分散させて不均質デバイス形態にした
ためであり、親水性高分子ヒドロゲルの分解時−非分解
時に対応した薬物放出性が可能となる。また、本発明の
不均質構造薬物放出デバイスを用いることにより、炎症
時に発生する活性酸素による細胞障害を消去するととも
に、分解と同期して放出されるステロイドホルモンによ
る坑炎症作用を発揮することが期待できる。
【0016】また、従来の生体内分解性薬物放出システ
ムでは、薬物放出性が水溶性、脂溶性と云った薬物溶解
性により大きく影響を受けたが、本発明では、薬物をミ
クロスフィアに含有させてから表面分解性の親水性高分
子ヒドロゲルに分散させたので、薬物の溶解性等の薬物
特性に影響されずに薬物放出速度を規定することができ
る。更に、従来では、生体分解性材料の分解機構が加水
分解によっており、その速度は材料中への水の浸入速度
よりも遅いために、放出前の薬物活性低下が問題となっ
ていたが、薬物をミクロスフィアに含有させてから生体
分解性材料に分散させることによって放出されるまで薬
物活性を保持しておくことができる。本発明でも、薬物
をミクロスフィアに含有させてから表面分解性の親水性
高分子ヒドロゲルに分散させたので、ヒドロゲル分解に
より放出されるまで薬物活性を保持しておくことができ
る。
ムでは、薬物放出性が水溶性、脂溶性と云った薬物溶解
性により大きく影響を受けたが、本発明では、薬物をミ
クロスフィアに含有させてから表面分解性の親水性高分
子ヒドロゲルに分散させたので、薬物の溶解性等の薬物
特性に影響されずに薬物放出速度を規定することができ
る。更に、従来では、生体分解性材料の分解機構が加水
分解によっており、その速度は材料中への水の浸入速度
よりも遅いために、放出前の薬物活性低下が問題となっ
ていたが、薬物をミクロスフィアに含有させてから生体
分解性材料に分散させることによって放出されるまで薬
物活性を保持しておくことができる。本発明でも、薬物
をミクロスフィアに含有させてから表面分解性の親水性
高分子ヒドロゲルに分散させたので、ヒドロゲル分解に
より放出されるまで薬物活性を保持しておくことができ
る。
【0017】
【実施例】次に参考例、実施例を示し本発明を更に詳し
く説明する。 参考例1(親水性高分子ヒドロゲルの製造) ヒアルロン酸(推定分子量百万程度)1.0gを1規定
水酸化ナトリウム水溶液4.5mlに溶解し、アスピレ
−タ−により十分に脱気した。エチレングリコ−ルジグ
リシジルエ−テル0.22gをエタノ−ル0.5mlに
溶解し、これをヒアルロン酸溶液とすばやく混合し、厚
さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入した。これを6
0℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置し、架橋反応
させた。架橋ゲルは、その後直ちに50%エタノ−ル水
溶液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲルはさらに新
しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られたゲルは
無色透明であり、その含水率は99.85%であった
(HA1)。
く説明する。 参考例1(親水性高分子ヒドロゲルの製造) ヒアルロン酸(推定分子量百万程度)1.0gを1規定
水酸化ナトリウム水溶液4.5mlに溶解し、アスピレ
−タ−により十分に脱気した。エチレングリコ−ルジグ
リシジルエ−テル0.22gをエタノ−ル0.5mlに
溶解し、これをヒアルロン酸溶液とすばやく混合し、厚
さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入した。これを6
0℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置し、架橋反応
させた。架橋ゲルは、その後直ちに50%エタノ−ル水
溶液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲルはさらに新
しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られたゲルは
無色透明であり、その含水率は99.85%であった
(HA1)。
【0018】参考例2(親水性高分子ヒドロゲルの製
造) ヒアルロン酸(推定分子量百万程度)1.0gを1規定
水酸化ナトリウム水溶液4.5mlに溶解し、アスピレ
−タ−により十分に脱気した。エチレングリコ−ルジグ
リシジルエ−テル0.65gをエタノ−ル0.5mlに
溶解し、これをヒアルロン酸溶液とすばやく混合し、厚
さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入した。これを6
0℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置し、架橋反応
させた。架橋ゲルはその後直ちに50%エタノ−ル水溶
液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲルは更に新しい
エタノ−ル水溶液で3回置換した。得られたゲルは無色
透明であり、その含水率は99.48%であった(HA
3)。
造) ヒアルロン酸(推定分子量百万程度)1.0gを1規定
水酸化ナトリウム水溶液4.5mlに溶解し、アスピレ
−タ−により十分に脱気した。エチレングリコ−ルジグ
リシジルエ−テル0.65gをエタノ−ル0.5mlに
溶解し、これをヒアルロン酸溶液とすばやく混合し、厚
さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入した。これを6
0℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置し、架橋反応
させた。架橋ゲルはその後直ちに50%エタノ−ル水溶
液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲルは更に新しい
エタノ−ル水溶液で3回置換した。得られたゲルは無色
透明であり、その含水率は99.48%であった(HA
3)。
【0019】参考例3(親水性高分子ヒドロゲルの製
造) ヒアロン酸(推定分子量百万程度)1.0gを1規定水
酸化ナトリウム水溶液5.0mlに溶解し、アスピレ−
タ−により十分に脱気した。ポリグリセロ−ルポリグリ
シジルエ−テルをヒアルロン酸溶液とすばやく混合し脱
気した後、厚さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入し
た。これを60℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置
し、架橋反応させた。架橋ゲルはその後直ちに50%エ
タノ−ル水溶液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲル
は更に新しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られ
たゲルは淡白色であり、その含水率は99.54%であ
った(HA9)。
造) ヒアロン酸(推定分子量百万程度)1.0gを1規定水
酸化ナトリウム水溶液5.0mlに溶解し、アスピレ−
タ−により十分に脱気した。ポリグリセロ−ルポリグリ
シジルエ−テルをヒアルロン酸溶液とすばやく混合し脱
気した後、厚さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入し
た。これを60℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置
し、架橋反応させた。架橋ゲルはその後直ちに50%エ
タノ−ル水溶液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲル
は更に新しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られ
たゲルは淡白色であり、その含水率は99.54%であ
った(HA9)。
【0020】参考例4(親水性高分子ヒドロゲルの製
造) デキストラン(推定分子量20万程度)4.0gを1規
定水酸化ナトリウム水溶液18.0mlに溶解し、アス
ピレ−タ−により十分に脱気した。エチレングリコ−ル
ジグリシジルエ−テル1.92gをエタノ−ル2.0m
lに溶解し、これをデキストラン溶液とすばやく混合、
厚さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入した。これを
60℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置し、架橋反
応させた。架橋ゲルはその後直ちに50%エタノ−ル水
溶液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲルはさらに新
しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られたゲルは
さらに新しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られ
たゲルは無色半透明であり、その含水率は85.40%
であった(DEl)。
造) デキストラン(推定分子量20万程度)4.0gを1規
定水酸化ナトリウム水溶液18.0mlに溶解し、アス
ピレ−タ−により十分に脱気した。エチレングリコ−ル
ジグリシジルエ−テル1.92gをエタノ−ル2.0m
lに溶解し、これをデキストラン溶液とすばやく混合、
厚さ2mmのスペ−サ−中にすばやく注入した。これを
60℃に加熱したオ−ブン中に15分間静置し、架橋反
応させた。架橋ゲルはその後直ちに50%エタノ−ル水
溶液に移し、塩酸を滴下して中和した。ゲルはさらに新
しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られたゲルは
さらに新しいエタノ−ル水溶液で3回置換した。得られ
たゲルは無色半透明であり、その含水率は85.40%
であった(DEl)。
【0021】実施例 ヒアルロン酸(推定分子量百万程度)0.45gを0.
5規定水酸化ナトリウム水溶液2.25mlに溶解し、
アスピレ−タ−により十分に脱気した。これにリピッド
・ミクロスフィアとして静注用リピッド製剤(大塚製
薬、商品名イントラリピッド、濃度20重量%)400
μlを添加し、十分混合した。更にポリグリセロ−ルポ
リグリシジルエ−テル0.61gを添加してすばやく混
合し脱気した後、厚さ2mmのスペ−サ−中にすばやく
注入した。これを60℃に加熱したオ−ブン中に15分
間静置し、架橋反応させた。架橋ゲルはその後直ちに5
0%エタノ−ル水溶液に移し、塩酸を滴下して中和し
た。ゲルは更に新しいエタノ−ル水溶液で3回置換し
た。得られたゲルは淡白色であり、その含水率は99.
69%であった(HA10)。
5規定水酸化ナトリウム水溶液2.25mlに溶解し、
アスピレ−タ−により十分に脱気した。これにリピッド
・ミクロスフィアとして静注用リピッド製剤(大塚製
薬、商品名イントラリピッド、濃度20重量%)400
μlを添加し、十分混合した。更にポリグリセロ−ルポ
リグリシジルエ−テル0.61gを添加してすばやく混
合し脱気した後、厚さ2mmのスペ−サ−中にすばやく
注入した。これを60℃に加熱したオ−ブン中に15分
間静置し、架橋反応させた。架橋ゲルはその後直ちに5
0%エタノ−ル水溶液に移し、塩酸を滴下して中和し
た。ゲルは更に新しいエタノ−ル水溶液で3回置換し
た。得られたゲルは淡白色であり、その含水率は99.
69%であった(HA10)。
【0022】(親水性高分子ヒドロゲル及び本発明製品
の物性試験) 1.上記参考例1、2で得た親水性高分子ヒドロゲル
(HA1、HA3)を、それぞれ7×7×7mmの大き
さの立方体に切断して試料を作成した。このそれぞれを
5mMのFeSO4水溶液に2日間浸漬し、次いで50
μM及び500μMのH2O2水溶液100ml中にそれ
ぞれ入れてスタ−ラ−で撹拌し、ゲル重量あるいは溶液
中のゲル分解量を重量測定及び液体クロマトグラフィ−
によって経時的に解析した。親水性高分子ヒドロゲルは
数分から数十時間の間に分解し、図2及び図3から分か
るように、その分解はいずれも表面分解を仮定したとき
の速度式と一致していた。またこの分解速度は、速度式
を基に10~5〜10~4cm/sec程度と計算された
(表1参照)。これらの親水性高分子ヒドロゲルはFe
SO4水溶液で前処理しない場合には分解しないことよ
り、この親水性高分子ヒドロゲルはヒドロキシルラジカ
ルにより表面分解していたこと分かる。
の物性試験) 1.上記参考例1、2で得た親水性高分子ヒドロゲル
(HA1、HA3)を、それぞれ7×7×7mmの大き
さの立方体に切断して試料を作成した。このそれぞれを
5mMのFeSO4水溶液に2日間浸漬し、次いで50
μM及び500μMのH2O2水溶液100ml中にそれ
ぞれ入れてスタ−ラ−で撹拌し、ゲル重量あるいは溶液
中のゲル分解量を重量測定及び液体クロマトグラフィ−
によって経時的に解析した。親水性高分子ヒドロゲルは
数分から数十時間の間に分解し、図2及び図3から分か
るように、その分解はいずれも表面分解を仮定したとき
の速度式と一致していた。またこの分解速度は、速度式
を基に10~5〜10~4cm/sec程度と計算された
(表1参照)。これらの親水性高分子ヒドロゲルはFe
SO4水溶液で前処理しない場合には分解しないことよ
り、この親水性高分子ヒドロゲルはヒドロキシルラジカ
ルにより表面分解していたこと分かる。
【0023】
【表1】
【0024】2.上記参考例2で得た親水性高分子ヒド
ロゲル(HA3)を、20×20×6mmの大きさに切
断し3個の試料を作成した。それぞれ5mMのFeSO
4水溶液に2日間浸漬した。このうちの1個の試料を、
まず精製水100mlに3分間浸漬し、次いで1mMの
H2O2水溶液100mlに3分間浸漬する操作を何回か
繰返し、この間のゲルの重量変化を測定した。他の2個
の試料についても、1mMのH2O2水溶液に代えてそれ
ぞれ2mM及び10mMのH2O2水溶液100mlを用
いた他は同様に操作して、それぞれゲルの重量変化を測
定した。その結果を図4に示す。架橋ゲルはH2O2水溶
液中でのみ著しい重量減少を示し、またそれ重量減少は
H2O2濃度影響されている。この架橋ゲルはFeSO4
水溶液で前処理しない場合には分解しないことより、ヒ
ドロキシラジカルの発生に応答して分解のON−OFF
が制御されていたことが分かる。
ロゲル(HA3)を、20×20×6mmの大きさに切
断し3個の試料を作成した。それぞれ5mMのFeSO
4水溶液に2日間浸漬した。このうちの1個の試料を、
まず精製水100mlに3分間浸漬し、次いで1mMの
H2O2水溶液100mlに3分間浸漬する操作を何回か
繰返し、この間のゲルの重量変化を測定した。他の2個
の試料についても、1mMのH2O2水溶液に代えてそれ
ぞれ2mM及び10mMのH2O2水溶液100mlを用
いた他は同様に操作して、それぞれゲルの重量変化を測
定した。その結果を図4に示す。架橋ゲルはH2O2水溶
液中でのみ著しい重量減少を示し、またそれ重量減少は
H2O2濃度影響されている。この架橋ゲルはFeSO4
水溶液で前処理しない場合には分解しないことより、ヒ
ドロキシラジカルの発生に応答して分解のON−OFF
が制御されていたことが分かる。
【0025】3.上記参考例2で得た親水性高分子ヒド
ロゲル(HA3)を7×7×7mmの大きさに切断し、
また上記実施例で得た本発明品(HA10)を20×1
0×1.8mmの大きさに切断して試料を作成した。こ
れらの試料を、それぞれ所定の濃度の牛睾丸ヒアルロニ
ダ−ゼ−の0.14Mリン酸緩衝液(pH7.4)中に
入れ37℃でスタ−ラ−で撹拌し、それぞれのゲル重量
変化を経時的に解析した。その結果を表2に示す。ゲル
は数時間から数十日間かけて分解し、その分解が表面分
解であることが確認でき、その分解速度は10~6〜10
~8cm/secと計算された。また、同様な条件下では
未架橋のヒアルロン酸は数分以内に分解することも確認
され、ヒアルロン酸架橋ゲル(HA)がヒアルロニ−ダ
−ゼに対して高い耐性を有することが示された。更に、
HA3とHA10のヒアルロニ−ダ−ゼ分解性を比較す
ると同様な条件下でHA10の分解速度が小さく、この
ことから同様な含水率、同様なヒアルロン酸量の架橋ゲ
ルであっても架橋剤の化学構造によりゲルの架橋構造を
制御することで生体内でのヒアルロニダ−ゼ耐性を向上
させることが可能であることが分かった。
ロゲル(HA3)を7×7×7mmの大きさに切断し、
また上記実施例で得た本発明品(HA10)を20×1
0×1.8mmの大きさに切断して試料を作成した。こ
れらの試料を、それぞれ所定の濃度の牛睾丸ヒアルロニ
ダ−ゼ−の0.14Mリン酸緩衝液(pH7.4)中に
入れ37℃でスタ−ラ−で撹拌し、それぞれのゲル重量
変化を経時的に解析した。その結果を表2に示す。ゲル
は数時間から数十日間かけて分解し、その分解が表面分
解であることが確認でき、その分解速度は10~6〜10
~8cm/secと計算された。また、同様な条件下では
未架橋のヒアルロン酸は数分以内に分解することも確認
され、ヒアルロン酸架橋ゲル(HA)がヒアルロニ−ダ
−ゼに対して高い耐性を有することが示された。更に、
HA3とHA10のヒアルロニ−ダ−ゼ分解性を比較す
ると同様な条件下でHA10の分解速度が小さく、この
ことから同様な含水率、同様なヒアルロン酸量の架橋ゲ
ルであっても架橋剤の化学構造によりゲルの架橋構造を
制御することで生体内でのヒアルロニダ−ゼ耐性を向上
させることが可能であることが分かった。
【0026】
【表2】
【0027】4.上記参考例4で得た親水性高分子ヒド
ロゲル(DE1)を7×7×7mmの大きさの立方体に
切断し、所定の濃度のデキストラナ−ゼ、0.14Mリ
ン酸緩衝液(pH7.4)中に入れて37℃でスタ−ラ
−で撹拌し、ゲル重量変化を経時的に解析した。架橋ゲ
ルはデキストラナ−ゼ濃度によって数日から数十日間か
けて分解した。このデキストラン架橋ゲル分解の結果を
図5に示す。この結果は、分解が表面分解性であること
を仮定したときの理論式とよく一致し、このことからデ
キストラン架橋ゲルの表面分解性が確認された。図6は
これを示したものである。ここでの分解速度はデキスト
ラナ−ゼ濃度が1.5および15unit/mlにおい
て、それぞれ2.6×10~8および8.8×10~8cm
/secと計算された。また、同様な条件下では未架橋
のデキストランは短時間内に分解することも確認され、
デキストラン架橋ゲルがデキストラナ−ゼに対して高い
耐性を有することが示された。このことから、デキスト
ラン架橋ゲルは生体内で長期間にわたって表面から分解
する高分子ヒドロゲルであり、ミクロスフィア含有不均
質デバイスとして有用であることが分かる。
ロゲル(DE1)を7×7×7mmの大きさの立方体に
切断し、所定の濃度のデキストラナ−ゼ、0.14Mリ
ン酸緩衝液(pH7.4)中に入れて37℃でスタ−ラ
−で撹拌し、ゲル重量変化を経時的に解析した。架橋ゲ
ルはデキストラナ−ゼ濃度によって数日から数十日間か
けて分解した。このデキストラン架橋ゲル分解の結果を
図5に示す。この結果は、分解が表面分解性であること
を仮定したときの理論式とよく一致し、このことからデ
キストラン架橋ゲルの表面分解性が確認された。図6は
これを示したものである。ここでの分解速度はデキスト
ラナ−ゼ濃度が1.5および15unit/mlにおい
て、それぞれ2.6×10~8および8.8×10~8cm
/secと計算された。また、同様な条件下では未架橋
のデキストランは短時間内に分解することも確認され、
デキストラン架橋ゲルがデキストラナ−ゼに対して高い
耐性を有することが示された。このことから、デキスト
ラン架橋ゲルは生体内で長期間にわたって表面から分解
する高分子ヒドロゲルであり、ミクロスフィア含有不均
質デバイスとして有用であることが分かる。
【0028】5.上記実施例でえた本発明製品(HA1
0)を20×10×1.8mmの大きさの平板状に切断
し、所定の濃度(2.4u/ml、23u/ml)の牛
睾丸ヒアルロニダ−ゼ−の0.14Mリン酸緩衝液(p
H7.4)中に入れて37℃でスタ−ラ−で撹拌し、ゲ
ル分解性及びその時のミクロスフィア放出性をそれぞれ
ゲルの重量変化および溶液濁度測定により経時的に解析
した。図7に示すように、ゲルはヒアロニダ−ゼ濃度に
よって数時間から数十時間かけて一定速度で分解し、ま
た図8に示すようにその時のミクロスフィア放出も分解
に同期して一定速度で行われた。このことは、本発明品
の中のミクロスフィアがゲルの表面分解律速で放出され
ていたことを示している。
0)を20×10×1.8mmの大きさの平板状に切断
し、所定の濃度(2.4u/ml、23u/ml)の牛
睾丸ヒアルロニダ−ゼ−の0.14Mリン酸緩衝液(p
H7.4)中に入れて37℃でスタ−ラ−で撹拌し、ゲ
ル分解性及びその時のミクロスフィア放出性をそれぞれ
ゲルの重量変化および溶液濁度測定により経時的に解析
した。図7に示すように、ゲルはヒアロニダ−ゼ濃度に
よって数時間から数十時間かけて一定速度で分解し、ま
た図8に示すようにその時のミクロスフィア放出も分解
に同期して一定速度で行われた。このことは、本発明品
の中のミクロスフィアがゲルの表面分解律速で放出され
ていたことを示している。
【0029】6.上記参考例2で得た親水性高分子ヒド
ロゲル(HA3)を7×7×7mmの大きさの立方体に
切断し、これををウサギ貧血小板血漿中に入れ37℃で
スタ−ラ−で撹拌し、ゲル重量変化を経時的に解析し
た。ゲルは浸漬直後(遅くとも1時間後まで)に約10
%の重量減少を示したが、それ以後160時間後まで重
量は変化しなかった。ヒアルロン酸架橋ゲルは電解質ゲ
ルであるためイオン強度によって収縮するが、この場合
の重量減少もそのためと考えられる。したがって、この
ヒアルロン酸架橋ゲルは血漿成分に対し高い耐性を有し
ていることが分かる。
ロゲル(HA3)を7×7×7mmの大きさの立方体に
切断し、これををウサギ貧血小板血漿中に入れ37℃で
スタ−ラ−で撹拌し、ゲル重量変化を経時的に解析し
た。ゲルは浸漬直後(遅くとも1時間後まで)に約10
%の重量減少を示したが、それ以後160時間後まで重
量は変化しなかった。ヒアルロン酸架橋ゲルは電解質ゲ
ルであるためイオン強度によって収縮するが、この場合
の重量減少もそのためと考えられる。したがって、この
ヒアルロン酸架橋ゲルは血漿成分に対し高い耐性を有し
ていることが分かる。
【0030】7.上記参考例2、3で得た親水性高分子
ヒドロゲル(HA3、HA9)を20×10×2mmの
大きさに切断し、120℃、60分間湿式滅菌し、それ
ぞれについてゲル重量測定及びカルバゾ−ル法によるヒ
アルロン酸定量を行った。HA3では、上記の滅菌によ
り重量増加とヒアルロン酸量の減少が認められ、約20
%程度のヒアルロン酸の分解が示されたのに対し、HA
10では重量、ヒアルロン酸量ともに滅菌前と有意な差
は認められなかった。このことは、含水率、ヒアルロン
酸量が同じ架橋ゲルであっても、架橋に用いた架橋剤の
種類によって滅菌時の挙動が異なることを示している。
ヒドロゲル(HA3、HA9)を20×10×2mmの
大きさに切断し、120℃、60分間湿式滅菌し、それ
ぞれについてゲル重量測定及びカルバゾ−ル法によるヒ
アルロン酸定量を行った。HA3では、上記の滅菌によ
り重量増加とヒアルロン酸量の減少が認められ、約20
%程度のヒアルロン酸の分解が示されたのに対し、HA
10では重量、ヒアルロン酸量ともに滅菌前と有意な差
は認められなかった。このことは、含水率、ヒアルロン
酸量が同じ架橋ゲルであっても、架橋に用いた架橋剤の
種類によって滅菌時の挙動が異なることを示している。
【0031】8.上記参考例3で得た親水性高分子ヒド
ロゲル(HA9)を健常ラット背部皮下へ埋殖し、生体
内での安定性を検討した。ペントバルビタ−ル腹腔内注
射による麻酔下にウィスタ−系雄ラット(5週令)背部
を切開し、ここに20×10×1.8mmの架橋ゲル
(HA10)を挿入した後、直ちに切開部位を3号絹糸
で縫合した。挿入ゲルは特に固定していないが、切開縫
合部位へゲルが移動してこないように、切開部位とゲル
との間の結合組織を5号ナイロン糸で2ヵ所縫合した後
に切開部位を縫合した。埋殖一定期間後にラットを大量
のペントバルビタ−ル腹腔内注射により安楽死させた後
埋殖ゲルを皮下より摘出し、ただちにカルバゾ−ル法に
より残存ゲル量を定量した。また、一定期間後に埋殖部
位に隣接した皮膚を外科的に切開して手術侵襲による創
傷を負荷して炎症を惹起させ、一週間後に皮下より摘出
して、同様に残存ゲル量を定量した。
ロゲル(HA9)を健常ラット背部皮下へ埋殖し、生体
内での安定性を検討した。ペントバルビタ−ル腹腔内注
射による麻酔下にウィスタ−系雄ラット(5週令)背部
を切開し、ここに20×10×1.8mmの架橋ゲル
(HA10)を挿入した後、直ちに切開部位を3号絹糸
で縫合した。挿入ゲルは特に固定していないが、切開縫
合部位へゲルが移動してこないように、切開部位とゲル
との間の結合組織を5号ナイロン糸で2ヵ所縫合した後
に切開部位を縫合した。埋殖一定期間後にラットを大量
のペントバルビタ−ル腹腔内注射により安楽死させた後
埋殖ゲルを皮下より摘出し、ただちにカルバゾ−ル法に
より残存ゲル量を定量した。また、一定期間後に埋殖部
位に隣接した皮膚を外科的に切開して手術侵襲による創
傷を負荷して炎症を惹起させ、一週間後に皮下より摘出
して、同様に残存ゲル量を定量した。
【0032】ヒアルロン酸架橋ゲルは、術後1週間程度
でその約20%が分解したが、その後は長期間にわたっ
て比較的安定であり、いずれもその70%程度が残存し
ていた。いずれの場合にも、ゲル埋殖周囲の結合組織へ
の影響は肉眼所見では全く認められなかった。またラッ
トに創傷を負荷することにより、埋殖ゲルは更に約20
%が分解した(図9)。このことから、架橋ヒアルロン
酸ゲルは埋殖直後には背部切開部位の創傷治癒に応答し
て約20%程度が分解し、外部からの炎症惹起により更
に約20%程度が分解していたことが確認された。以上
より、このヒアルロン酸架橋ゲルは健常時には極めて安
定で長期間にわたって分解するものの、炎症時には発生
するヒドロキシルラジカルにただちに応答して分解され
るものと考えられる。
でその約20%が分解したが、その後は長期間にわたっ
て比較的安定であり、いずれもその70%程度が残存し
ていた。いずれの場合にも、ゲル埋殖周囲の結合組織へ
の影響は肉眼所見では全く認められなかった。またラッ
トに創傷を負荷することにより、埋殖ゲルは更に約20
%が分解した(図9)。このことから、架橋ヒアルロン
酸ゲルは埋殖直後には背部切開部位の創傷治癒に応答し
て約20%程度が分解し、外部からの炎症惹起により更
に約20%程度が分解していたことが確認された。以上
より、このヒアルロン酸架橋ゲルは健常時には極めて安
定で長期間にわたって分解するものの、炎症時には発生
するヒドロキシルラジカルにただちに応答して分解され
るものと考えられる。
【0033】
【発明の効果】本発明の不均質構造薬物放出デバイス
は、表面から分解する親水性高分子ヒドロゲルを担体と
し、この担体中に薬物含有ミクロスフィアを分散させ不
均質構造としたので、この親水性高分子ヒドロゲルの表
面からの分解に同期して、薬物の放出が律速に行える。
したがって、この親水性高分子ヒドロゲルの表面分解を
制御することによって、薬物の放出を制御することがで
きる。すなわち親水性高分子ヒドロゲルとして、その表
面分解が長期間にわたって行なわれるものを選択した
り、又はその表面分解を長期間にわたって行なうように
制御すると、薬物の放出を長期間にわたって行うことの
出来る薬物放出デバイスが得られる。またその表面分解
が或る刺激例えば、炎症において一過性に発生するヒド
ロキシルラジカルの作用により特異的に表面分解性を示
す高分子ヒドロゲルを担体に用いると、炎症に応答して
薬物を放出する薬物放出デバイスが得られる。
は、表面から分解する親水性高分子ヒドロゲルを担体と
し、この担体中に薬物含有ミクロスフィアを分散させ不
均質構造としたので、この親水性高分子ヒドロゲルの表
面からの分解に同期して、薬物の放出が律速に行える。
したがって、この親水性高分子ヒドロゲルの表面分解を
制御することによって、薬物の放出を制御することがで
きる。すなわち親水性高分子ヒドロゲルとして、その表
面分解が長期間にわたって行なわれるものを選択した
り、又はその表面分解を長期間にわたって行なうように
制御すると、薬物の放出を長期間にわたって行うことの
出来る薬物放出デバイスが得られる。またその表面分解
が或る刺激例えば、炎症において一過性に発生するヒド
ロキシルラジカルの作用により特異的に表面分解性を示
す高分子ヒドロゲルを担体に用いると、炎症に応答して
薬物を放出する薬物放出デバイスが得られる。
【0034】したがって、本発明の不均質構造薬物放出
デバイスは、薬物の放出を長期間にわたって行うことが
でき、また薬物の放出量を炎症等の症状の程度に応答し
て制御できる。更に血漿成分に対し高い耐性を有し、生
体内安定性が良く、長期埋殖可能であり生理活性薬物の
活性を放出時まで高く維持することができると共に、生
体シグナル発生時−非発生時における薬物放出性をゲル
の制限的表面分解に対応してON−OFF制御すること
ができる。更に高分子ヒドロゲルの分解による薬物放出
量をゲルの表面積により規制できるから、薬物放出量を
表面積の関数として分解初期から末期まで予測できる。
このように本発明の不均質構造薬物放出デバイスは極め
て有用なものである。
デバイスは、薬物の放出を長期間にわたって行うことが
でき、また薬物の放出量を炎症等の症状の程度に応答し
て制御できる。更に血漿成分に対し高い耐性を有し、生
体内安定性が良く、長期埋殖可能であり生理活性薬物の
活性を放出時まで高く維持することができると共に、生
体シグナル発生時−非発生時における薬物放出性をゲル
の制限的表面分解に対応してON−OFF制御すること
ができる。更に高分子ヒドロゲルの分解による薬物放出
量をゲルの表面積により規制できるから、薬物放出量を
表面積の関数として分解初期から末期まで予測できる。
このように本発明の不均質構造薬物放出デバイスは極め
て有用なものである。
【図1】本発明の不均質構造薬物放出デバイスの作用を
示す模型図
示す模型図
【図2】ヒドロキシルラジカルによるヒアルロン酸架橋
ゲルの分解性を示すグラフ
ゲルの分解性を示すグラフ
【図3】ヒドロキシルラジカルによるヒアルロン酸架橋
ゲルの分解速度を示すグラフ
ゲルの分解速度を示すグラフ
【図4】ヒアルロン酸架橋ゲルのヒドロキシルラジカル
応答性表面分解性を示すグラフ
応答性表面分解性を示すグラフ
【図5】デキストラナ−ゼによるデキストラン架橋ゲル
の分解性を示すグラフ
の分解性を示すグラフ
【図6】デキストラナ−ゼによるデキストラン架橋ゲル
の分解速度を示すグラフ
の分解速度を示すグラフ
【図7】ヒアルロニダ−ゼによるヒアルロン酸架橋ゲル
の表面分解性を示すグラフ
の表面分解性を示すグラフ
【図8】ヒアルロン酸架橋ゲルの表面分解律速なミクロ
スフィア放出挙動を示すグラフ
スフィア放出挙動を示すグラフ
【図9】ラット埋植ヒアルロン酸架橋ゲルの生体内分解
性とその炎症応答性を示すグラフ
性とその炎症応答性を示すグラフ
1 不均質構造薬物放出デバイス 2 親水性高分子ヒドロゲル 3 薬物含有ミクロスフィア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/32 F 7433−4C 47/34 C 7433−4C F 7433−4C 47/36 C 7433−4C F 7433−4C
Claims (2)
- 【請求項1】表面から分解する親水性高分子ヒドロゲル
を担体とし、この担体中に薬物含有ミクロスフィアを分
散させたことを特徴とする不均質構造薬物放出デバイ
ス。 - 【請求項2】表面から分解する親水性高分子ヒドロゲル
が、ヒドロキシルラジカルの作用により表面から分解す
る親水性高分子ヒドロゲルである請求項1記載の不均質
構造薬物放出デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04032078A JP3104043B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 不均質構造薬物放出デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04032078A JP3104043B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 不均質構造薬物放出デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05229934A true JPH05229934A (ja) | 1993-09-07 |
JP3104043B2 JP3104043B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=12348849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04032078A Expired - Fee Related JP3104043B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 不均質構造薬物放出デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3104043B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5531735A (en) * | 1994-09-27 | 1996-07-02 | Hercules Incorporated | Medical devices containing triggerable disintegration agents |
JP2004323454A (ja) * | 2003-04-25 | 2004-11-18 | Chisso Corp | 薬剤 |
JP2017518101A (ja) * | 2014-06-05 | 2017-07-06 | ユニバーシティ・オブ・ジ・ウィトウォーターズランド・ヨハネスブルクUniversity Of The Witwatersrand, Johannesburg | 創傷被覆材 |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP04032078A patent/JP3104043B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5531735A (en) * | 1994-09-27 | 1996-07-02 | Hercules Incorporated | Medical devices containing triggerable disintegration agents |
JP2004323454A (ja) * | 2003-04-25 | 2004-11-18 | Chisso Corp | 薬剤 |
JP2017518101A (ja) * | 2014-06-05 | 2017-07-06 | ユニバーシティ・オブ・ジ・ウィトウォーターズランド・ヨハネスブルクUniversity Of The Witwatersrand, Johannesburg | 創傷被覆材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3104043B2 (ja) | 2000-10-30 |
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