JPH05223768A - 脱臭性能評価方法および装置 - Google Patents

脱臭性能評価方法および装置

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JPH05223768A
JPH05223768A JP4030466A JP3046692A JPH05223768A JP H05223768 A JPH05223768 A JP H05223768A JP 4030466 A JP4030466 A JP 4030466A JP 3046692 A JP3046692 A JP 3046692A JP H05223768 A JPH05223768 A JP H05223768A
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JP
Japan
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gas
deodorant
container
test tank
odor
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Withdrawn
Application number
JP4030466A
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English (en)
Inventor
Chiaki Fujimoto
千郷 藤本
Yasuhiro Hayakawa
泰弘 早川
Akihiro Ono
昭紘 小野
Kenichi Suzuki
堅市 鈴木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱臭剤の脱臭性能を定量的かつ連続的に評価
する。 【構成】 試験槽1内に脱臭剤9を設置し、内部のガス
を攪拌しつつ1ないし2種類以上のにおいガス成分を一
定量注入する。試験槽1内に設置したにおいガス成分数
以上の半導体ガスセンサ14からの出力信号を連続的に
受信し、あらかじめ作成しておいたガス濃度−センサ出
力の関係式に適用して、試験槽1内に注入した各におい
ガス成分の濃度変化を連続的に測定する。試験槽1内に
設置した脱臭剤の脱臭性能を定量的かつ連続的に評価す
ることができ、2種類以上のにおいガス成分が共存して
いる場合にも、脱臭性能を定量的かつ同時に評価するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はにおいガス成分に対す
る脱臭剤の脱臭性能を定量的かつ連続的に、しかも2種
類以上のにおいガス成分が共存している場合にも各ガス
成分に対する脱臭性能を同時に評価することができる方
法および装置に関する。この発明は食品、環境汚染など
においや悪臭を発し、その除去および定量的評価を必要
とする分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】我々の生活環境の中には、多種多様のに
おいが存在している。においは人間の嗅覚によって検知
されるものであり、においの程度は個人差およびそれの
置かれている環境状況によって変化する。しかし、食品
の腐敗やタバコ臭、汚物などから発せられるにおいは通
常万人が悪臭と意識し、快適な生活環境の維持には、そ
のにおい除去が大きな課題となっている。このような中
で、現在活性炭(悪臭の研究、vol.57、No.1
2、p9、1983)、金属錯体(工業材料、vol.
39、No.13、p58、1991)など様々な材料
を用いた脱臭剤が幅広い分野で開発され、市販されてい
る。しかし、これら多種の脱臭剤の脱臭性能を画一的に
評価する方法は存在していない。これは、においの基本
量を表す基本単位が存在しないこと、および通常の生活
環境におけるにおいが1種類だけで構成されることがま
れなために、混合されたにおいに対する総合的な脱臭性
能を定量的に評価することが困難なためである。
【0003】通常、においの評価には、におい全体を何
種類かのガス成分として認識し、これらのガス成分をガ
スクロマトグラフィーやガス検知管など周知のガス検出
器によって検出・定量する方法が採られている。一方、
脱臭剤については、におい全体に対する脱臭性能を評価
することが上記の理由により困難なため、単一のにおい
ガス成分ごとの脱臭性能を調査し、評価しているにすぎ
ない。(PPM、vol.5、No.11、p2、19
90)。しかし、この方法を用いるかぎり、単一のにお
いガス成分に対する時間的に間欠的な情報しか得ること
ができず、脱臭剤設置後ある時間経過した後のあるにお
いガス成分濃度の減少割合を知ることができるだけであ
る。近年、連続的な情報を得ることを目的に、ガスセン
サを用いてにおいガス成分の検出を行い(食品機械加
工、No.12、p74、1985)、商品として市販
した例もある。しかし、これらの方法および装置を用い
たとしても、複数のにおいガス成分が同時に存在する場
合の脱臭剤の脱臭性能評価を総合的に行うことは困難で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】種々の脱臭剤の脱臭性
能を画一的に評価し、相互比較を行うためには、単一の
においガス成分に対する間欠的な情報だけでは不十分で
あり、複数のにおいガス成分が共存した場合の各ガス成
分に対する脱臭性能(においガス除去能力)を長期間連
続的に評価する必要がある。しかし、現在一般のガス分
析の用途に用いられているガス検出器では時間的に間欠
的な情報しか得ることができず、これまでに開発された
においガス成分の測定方法を用いたとしても、単一にお
いガス成分の測定しか行うことはできない。そこで、本
発明はにおいガス成分に対する脱臭剤の脱臭性能を定量
的かつ連続的に、しかも2種類以上のにおいガス成分が
共存している場合にも各ガス成分に対する脱臭性能を同
時に評価することができる方法および装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の問題を解決するた
め、本発明者らは次の方法および装置が有効であること
がわかった。すなわち、一定容積の密閉容器内に所定の
大きさの脱臭剤を設置し、単一のにおいガス成分を該容
器内に一定量注入して攪拌しつつ、容器内に設置した半
導体ガスセンサによって該容器内のにおいガス成分濃度
の経時変化を連続的に測定し、該容器内に設置した脱臭
剤の脱臭性能を定量的に評価することを特徴とする脱臭
性能評価方法、および一定容積の密閉容器内に所定の大
きさの脱臭剤を設置し、2種類以上のにおいガス成分を
該容器内にそれぞれ一定量注入して攪拌しつつ、容器内
に設置したガス成分数以上の種類の異なる半導体ガスセ
ンサからの出力信号を、あらかじめ検出すべき複数のに
おいガス成分で構成されるガス体に対して重回帰分析法
により作成した関係式に適用することで、該容器内の複
数のにおいガス成分濃度の経時変化を連続的に測定し、
該容器内に設置した脱臭剤の脱臭性能を定量的に評価す
ることを特徴とする脱臭性能評価方法であり、これを実
現するために、においガス成分を注入するためのガス注
入口とガスを排出するためのガス排出口を有する一定容
積の密閉容器内部に、脱臭剤設置台とガス循環器およ
び、1ないし2種類以上の半導体ガスセンサを配置し、
該容器周囲に温度および湿度調節機構を備えた恒温恒湿
槽を設置し、該容器外部に各センサからの出力信号を連
続的に受信して該容器内の1ないし2種類以上のにおい
ガス成分濃度を連続的に計算する装置を備えた、脱臭剤
の脱臭性能を定量的に評価することを特徴とする脱臭性
能評価装置を用いる手段である。
【0006】
【作用】以下、本発明について具体的に説明する。本発
明では、単一においガス成分に対する脱臭剤の脱臭性能
を評価するためには、性能評価に先だってあらかじめ使
用する半導体ガスセンサのセンサ出力と評価すべきにお
いガス成分濃度との間の相関を調べておく必要がある。
このためには、評価すべきにおいガス成分の標準ガス
(純ガスでも良い)を一定量採取して密閉容器内に注入
し、そのときのセンサ出力を測定する。同様の操作を2
水準以上のガス濃度で行う事で、においガス成分濃度と
センサ出力との相関を知ることができる。この操作の
後、密閉容器内に脱臭剤を設置して評価すべきにおいガ
ス成分を一定量注入し、センサからの出力信号を連続的
に受信してあらかじめ求めておいたにおいガス成分濃度
−センサ出力関係に適用する。この操作により、評価す
べきにおいガス成分の濃度変化を連続的に知ることがで
き、設置した脱臭剤の脱臭性能を定量的かつ連続的に評
価することができる。
【0007】また、2種類以上のにおいガス成分に対す
る脱臭剤の脱臭性能を同時に評価するためには、ガス成
分数以上の種類の異なる半導体ガスセンサを必要とし、
脱臭性能評価に先だってあらかじめ個々のにおいガス成
分に対して、その濃度とこれら複数の半導体ガスセンサ
のセンサ出力との間の相関を重回帰分析法により求めて
おく必要がある。このためには、評価すべき2種類以上
のにおいガス成分の標準ガス(純ガスでも良い)をそれ
ぞれ一定量採取して密閉容器内に注入し、そのときのす
べてのセンサの出力を測定する。今、n種類の半導体ガ
スセンサを用い、m成分のにおいを同時に測定する場合
(n≧m)には、各におい成分の濃度(C1 、C2 、・
・・、Cm )とn種のセンサの出力(R1 、R2 、・・
・、Rn)との間には、次の(1)式の関係が成立す
る。
【0008】 logC1 =b10 +b11log R1 + b12 logR2 + ・・+ b1n logRn ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ logCk =bk0 +bk1log R1 + bk2 logR2 + ・・+ bkn logRn ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ logCm =bm0 +bm1log R1 + bm2 logR2 + ・・+ bmn logRn ・・・(1)
【0009】すなわち、評価すべきm成分のにおいが混
合したガス体について、その成分混合比が異なる(n+
1)個以上の試料の測定を行い、それぞれの場合のにお
い成分濃度(C1 、C2 、・・・、Cm )とセンサ出力
(R1 、R2 、・・・、Rn)との関係を重回帰分析法
によって解析することで、(1)式中の偏回帰係数bmn
をすべて決定することができ、2種類以上のにおいガス
成分に対して、その濃度と複数センサの出力との相関を
知ることができる。以上のような操作の後、密閉容器内
に脱臭剤を設置して評価すべき2種類以上のにおいガス
成分を一定量注入し、複数のセンサからの出力信号を連
続的に受信してあらかじめ求めておいた(1)式の関係
に適用する。この操作により、評価すべき2種類以上の
においガス成分の濃度を連続的かつ同時に知ることがで
き、2種類以上のにおいガス成分が共存している場合に
ついても、脱臭剤の脱臭性能を同時かつ定量的に評価す
ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は本発明の装置の概略を示している。図1に示すよう
に、一定容積の試験槽1の周囲は断熱材2で囲まれてお
り、試験槽1の内部の温度および湿度は、温度計3およ
び湿度計4に接続された温度湿度調節装置5、およびそ
れによって制御されるヒーター6および水分供給装置7
を用いて所定の温度および湿度に調節される。脱臭剤の
設置環境を変化させるとともに、評価すべきにおいガス
成分や脱臭剤の種類によっても試験条件を変化させるこ
とができるよう、試験槽1の内部の温度は0〜100
℃、湿度は相対湿度0〜100%の範囲で調節できるよ
うになっている。試験槽1はアクリル、ガラス、金属な
ど内部のガス体を保温・保湿し、さらに密閉することが
可能な材料によって構成され、その周囲の断熱材にはガ
ラスウールなど外気の温度および湿度の変動の影響を防
ぐことができる材料が用いられる。また、試験槽1と断
熱材2の間に設置されるヒーターは、シースヒーターな
ど試験槽内のガス体を容易に加熱することが可能である
ものが用いられる。
【0011】試験槽1の内部には脱臭剤設置台8に設置
された評価すべき脱臭剤9、および試験槽1内のガスを
循環させるためのガス循環器10が設置されている。設
置台8は種類の異なる脱臭剤の大きさを一定にするとと
もに、試験槽1内のガスが脱臭剤9と効率よく接触する
ように配置される。試験槽の容積は脱臭剤の大きさ、ガ
ス循環器の送風能力などによって変化させる必要がある
が、通常1〜10cm 3 程度の脱臭剤を用い、0.1〜
1m3 程度の試験槽で試験が行われる。また、ガスの循
環能力は試験槽内のガス総量を0.5〜2分程度で送風
できる能力が適している。
【0012】また、試験槽1の側面には評価すべきにお
いガスを注入するためのガス注入口11、および試験槽
1内のガスを排出するためのガス排出口12が設置され
ている。ガス注入口11はゴム栓あるいはシリコン栓な
どで密閉されており、ガスシリンジなどで採取した一定
量のにおいガスを試験槽1内に容易に注入できるように
なっている。ガス排出口12は試験槽1の両側面にそれ
ぞれ設置され、片方のガス排出口12には試験槽1内の
ガスを強制的に排気できるようガス排気装置13が接続
されている。試験槽1の内部にはにおいガス成分を検出
するための半導体ガスセンサ14が配置され、試験槽1
の外部に設置された電圧供給源15より電圧が供給され
る。この実施例では、半導体ガスセンサ14はSnO2
半導体よりなっており、評価すべきにおいガス成分数以
上の種類の異なるセンサが配置される。これらのセンサ
からの出力は出力信号受信装置16で連続的に受信さ
れ、これに接続されたデータ解析・表示装置17によっ
て試験槽1内のにおい成分濃度の経時変化が連続的に解
析され、表示される。
【0013】次に、上記のように構成された本発明の装
置によって脱臭剤の脱臭性能を定量的に評価する方法に
ついて説明する。脱臭性能評価に先だって、使用するセ
ンサのセンサ出力とにおいガス成分濃度との関係式を作
成する。まず、試験槽1のガス排出口12を開け、試験
槽1内のガスを一旦排気した後ガス排出口を閉め、試験
槽1を密閉状態に保つ。この後、ガス循環器10を作動
させ内部のガスを攪拌させながら、温度湿度調節装置
5、ヒーター6、水分供給装置7を用いて試験槽1内を
所定の温度および湿度に調節する。評価すべきにおいガ
ス成分が単一成分の場合には、試験槽1内に半導体ガス
センサ14を一個設置し、脱臭剤が存在しない状態で、
ガスシリンジで採取した一定量のにおいガスをガス注入
口11から試験槽1内に注入する。ガス注入と同時に、
半導体ガスセンサ14の出力は変化し、0.5〜2分程
度で試験槽1内のガス濃度に対応した出力で安定する。
この出力信号をセンサ出力受信装置16で受信する。同
様の操作を2水準以上のガス濃度で行い、データ解析・
表示装置17でセンサ出力−においガス成分濃度の関係
式を作成する。
【0014】この後、脱臭剤9を試験槽1内に設置し
て、上記と同様の操作により試験槽1内の温度および湿
度を調節した後、評価すべき単一のにおいガス成分の一
定量をガス注入口11から試験槽1内に注入する。試験
槽1内に注入されたにおいガスは時間経過とともに脱臭
剤によって除去され、センサの出力もその濃度変化に従
って変化する。この出力変化をセンサ出力受信装置16
で連続的に受信し、データ解析・表示装置17であらか
じめ作成しておいたセンサ出力−においガス成分濃度の
関係式に適用する。その結果、試験槽1内に注入したに
おいガス成分の濃度変化を定量的かつ連続的に測定する
ことができ、設置した脱臭剤8の脱臭性能を定量的に評
価することができる。
【0015】また、2種類以上のにおいガス成分に対す
る脱臭剤の脱臭性能を同時に評価するためには、試験槽
1内に半導体ガスセンサ14を評価すべきにおいガス成
分数以上(n個)設置し、脱臭剤が存在しない状態で、
それぞれのにおいガス成分について、ガスシリンジで採
取した一定量のガスをガス注入口11から試験槽1内に
注入する。設置した個々の半導体ガスセンサ14は各に
おいガス成分に対する感度が異なるため、それぞれ異な
った出力で0.5〜2分後に安定する。すべてのセンサ
からの出力信号をセンサ出力受信装置16で受信する。
同様の操作を、成分混合比を変化させた(n+1)個以
上の試料について行い、データ解析・表示装置17で個
々のセンサについてセンサ出力−においガス成分濃度の
関係式を重回帰分析法を用いて作成する。
【0016】この後、脱臭剤9を試験槽1内に設置し
て、前記と同様の操作により試験槽1内の温度および湿
度を調節した後、評価すべき2種類以上のにおいガス成
分をそれぞれ一定量ガス注入口11から試験槽1内に注
入する。試験槽1内に注入された2種類以上のにおいガ
ス成分は時間経過とともに脱臭剤によって除去され、セ
ンサの出力もそれらの濃度変化に従って変化する。セン
サによって各においガス成分に対する感度が異なり、し
かも脱臭剤の脱臭能力は一般ににおいガス成分ごとに異
なるため、出力変化の度合はセンサによって異なるが、
すべてのセンサからの出力をセンサ出力受信装置16で
連続的に受信し、データ解析・表示装置17であらかじ
め作成しておいたセンサ出力−においガス成分濃度の重
回帰式に適用する。その結果、試験槽1内に注入した2
種類以上のにおいガス成分の濃度変化を同時かつ連続的
に測定することができ、2種類以上のにおいガス成分が
共存している場合の脱臭剤8の脱臭性能を同時かつ定量
的に評価することができる。
【0017】ここで、市販の脱臭剤のH2Sガスに対す
る脱臭性能を評価した結果を説明する。容積1m3 の試
験槽内を温度25℃、湿度50%に保持し、10cm3
に調製した脱臭剤で試験を行った。ガス循環器により、
0.5m3 /minで試験槽内のガスを循環させた状態
で硫化水素(H2S)10cm3 を注入した(試験槽内
のH2S 濃度=10ppm)。試験槽内に設置した一
個のSnO2 半導体ガスセンサから得られた試験槽内の
ガス濃度の経時変化の様子を図2に示す。H2S注入前
のセンサ出力は濃度0に対応するレベルで安定し、H2
S注入と同時にセンサ出力が上昇する。0.1分以内の
遅れでセンサ出力はH2S濃度10ppmに対応するレ
ベルに達し、それ以降一様に減少した。これは試験槽内
のH2Sガスが注入と同時に脱臭剤によって除去され始
め、時間経過とともに試験槽内のH2S濃度が一様に減
少していることを示している。H2S注入後約7分で試
験槽内の濃度がほぼ1/2に減少し、15分でほぼ完全
に除去されていることがわかる。このように、一種類の
センサを用いれば、単一のにおいガス成分に対する脱臭
剤の脱臭性能を定量的に評価することができる。
【0018】また、試験槽内に8種類の半導体ガスセン
サを配置し、上記と同様の試験条件において、硫化水素
(H2S)、アンモニア(NH3 )、メチルメルカプタ
ン(CH3 SH)、アセトアルデヒド(CH3 CHO)
の4種類のにおいガス成分をそれぞれ10cm3 (試験
槽内の各においガス成分濃度=10ppm)ずつ注入し
た。8種類のセンサからの出力を連続的に受信し、あら
かじめ作成しておいた各においガス成分濃度−センサ出
力関係(重回帰式)に適用することで得られた各におい
ガス成分濃度の経時変化の様子を図3に示す。4種類の
ガスを注入した後、0.1分以内の遅れで各成分とも1
0ppmを示し、それ以降一様に減少した。しかし、そ
の減少傾向はにおいガス成分ごとに異なり、NH3 は約
10分、H2 Sは約15分で濃度はほぼ0を示したが、
CH3SH、CH3CHOについては、20分経過しても
3ppm程度が残存していた。これは、脱臭剤の脱臭性
能がにおい成分ごとに異なることを示している結果であ
り、この例ではNH3 、H 2Sに対する脱臭性能がCH
3 SH、CH3 CHOよりも優れていることを示してい
る。このように、2種類以上のにおいガス成分が共存し
ている場合にも、ガス成分数以上の種類の異なる半導体
ガスセンサを用いることで、各においガス成分に対する
脱臭剤の脱臭性能を同時かつ定量的に評価することがで
きる。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法および装置により、におい
ガス成分に対する脱臭剤の脱臭性能を定量的かつ連続的
に、しかも2種類以上のにおいガス成分が共存している
場合にも各ガス成分に対する脱臭性能を同時に評価する
ことができるようになり、これまで画一的な評価が行わ
れていなかった脱臭剤の脱臭性能を画一的に評価し、相
互に比較することができる。このため、食品、環境汚染
などにおいや悪臭を発し、その除去および定量的評価が
必要な分野へ寄与する効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の全体の概略図、
【図2】試験槽内の硫化水素濃度の経時変化、
【図3】試験槽内の硫化水素、アンモニア、メチルメル
カプタン、アセトアルデヒドの4種類のにおいガス成分
濃度の経時変化を示した図である。
【符号の説明】
1 試験槽 2 断熱材 3 温度計 4 湿度計 5 温度湿度調節装置 6 ヒーター 7 水分供給装置 8 脱臭剤設置台 9 脱臭剤 10 ガス循環器 11 ガス注入口 12 ガス排出口 13 ガス排気装置 14 半導体ガスセンサ 15 電圧供給源 16 センサ出力受信装置 17 データ解析・表示装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】我々の生活環境の中には、多種多様のに
おいが存在している。においは人間の嗅覚によって検知
されるものであり、においの程度は個人差およびそれの
置かれている環境状況によって変化する。しかし、食品
腐敗臭やタバコ臭、汚物などから発せられるにおいは
通常万人が悪臭と意識し、快適な生活環境の維持には、
そのにおい除去が大きな課題となっている。このような
中で、現在活性炭(悪臭の研究、Vol.57、No.
12、p9、1983)、金属錯体(工業材料、Vo
l.39、No.13、p58、1991)など様々な
材料を用いた脱臭剤が幅広い分野で開発され、市販され
ている。しかし、これら多種の脱臭剤の脱臭性能を画一
的に評価する方法は存在していない。これは、においの
基本量を表す基本単位が存在しないこと、および通常の
生活環境におけるにおいが1種類だけで構成されること
がまれなために、混合されたにおいに対する総合的な脱
臭性能を定量的に評価することが困難なためである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】試験槽1の内部には脱臭剤設置台8に設置
された評価すべき脱臭剤9、および試験槽1内のガスを
循環させるためのガス循環器10が設置されている。設
置台8は種類の異なる脱臭剤の大きさを一定にするとと
もに、試験槽1内のガスが脱臭剤9と効率よく接触する
ように配置される。試験槽の容積は脱臭剤の大きさ、ガ
ス循環器の送風能力などによって変化させる必要がある
が、通常1〜1000cm程度の脱臭剤を用い、0.
1〜1m程度の試験槽で試験が行われる。また、ガス
の循環能力は試験槽内のガス総量を0.5〜2分程度で
送風できる能力が適している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】この後、脱臭剤9を試験槽1内に設置し
て、上記と同様の操作により試験槽1内の温度および湿
度を調節した後、評価すべき単一のにおいガス成分の一
定量をガス注入口11から試験槽1内に注入する。試験
槽1内に注入されたにおいガスは時間経過とともに脱臭
剤によって除去され、センサの出力もその濃度変化に従
って変化する。この出力変化をセンサ出力受信装置16
で連続的に受信し、データ解析・表示装置17であらか
じめ作成しておいたセンサ出力−においガス成分濃度の
関係式に適用する。その結果、試験槽1内に注入したに
おいガス成分の濃度変化を定量的かつ連続的に測定する
ことができ、設置した脱臭剤9の脱臭性能を定量的に評
価することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】この後、脱臭剤9を試験槽1内に設置し
て、前記と同様の操作により試験槽1内の温度および湿
度を調節した後、評価すべき2種類以上のにおいガス成
分をそれぞれ一定量ガス注入口11から試験槽1内に注
入する。試験槽1内に注入された2種類以上のにおいガ
ス成分は時間経過とともに脱臭剤によって除去され、セ
ンサの出力もそれらの濃度変化に従って変化する。セン
サによって各においガス成分に対する感度が異なり、し
かも脱臭剤の脱臭能力は一般ににおいガス成分ごとに異
なるため、出力変化の度合はセンサによって異なるが、
すべてのセンサからの出力をセンサ出力受信装置16で
連続的に受信し、データ解析・表示装置17であらかじ
め作成しておいたセンサ出力−においガス成分濃度の重
回帰式に適用する。その結果、試験槽1内に注入した2
種類以上のにおいガス成分の濃度変化を同時かつ連続的
に測定することができ、2種類以上のにおいガス成分が
共存している場合の脱臭剤9の脱臭性能を同時かつ定量
的に評価することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】 ここで、市販の脱臭剤のHSガスに対する脱臭性能を
評価した結果を説明する。容積1mの試験槽内を温度
25℃、湿度50%に保持し、100cmに調製した
脱臭剤で試験を行った。ガス循環器により、0.5m
/minで試験槽内のガスを循環させた状態で硫化水素
(HS)10cmを注入した(試験槽内のH
濃度=10ppm)。試験槽内に設置した一個のSnO
半導体ガスセンサから得られた試験槽内のガス濃度の
経時変化の様子を図2に示す。HS注入前のセンサ出
力は濃度0に対応するレベルで安定し、HS注入と同
時にセンサ出力が上昇する。1分以内の遅れでセンサ出
力はHS濃度10ppmに対応するレベルに達し、そ
れ以降一様に減少した。これは試験槽内のHSガスが
注入と同時に脱臭剤によって除去され始め、時間経過と
ともに試験槽内のHS濃度が一様に減少していること
を示している。HS注入後約7分で試験槽内の濃度が
ほぼ1/2に減少し、15分でほぼ完全に除去されてい
ることがわかる。このように、一種類のセンサを用いれ
ば、単一のにおいガス成分に対する脱臭剤の脱臭性能を
定量的に評価することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、試験槽内に8種類の半導体ガスセン
サを配置し、上記と同様の試験条件において、硫化水素
(HS)、アンモニア(NH)、メチルメルカプタ
ン(CHSH)、アセトアルデヒド(CHCHO)
の4種類のにおいガス成分をそれぞれ10cm(試験
槽内の各においガス成分濃度=10ppm)ずつ注入し
た。8種類のセンサからの出力を連続的に受信し、あら
かじめ作成しておいた各においガス成分濃度−センサ出
力関係(重回帰式)に適用することで得られた各におい
ガス成分濃度の経時変化の様子を図3に示す。4種類の
ガスを注入した後、1分以内の遅れで各成分とも10p
pmを示し、それ以降一様に減少した。しかし、その減
少傾向はにおいガス成分ごとに異なり、NHは約10
分、HSは約15分で濃度はほぼ0を示したが、CH
SH、CHCHOについては、20分経過しても3
ppm程度が残存していた。これは、脱臭剤の脱臭性能
がにおい成分ごとに異なることを示している結果であ
り、この例ではNH、HSに対する脱臭性能がCH
SH、CHCHOよりも優れていることを示してい
る。このように、2種類以上のにおいガス成分が共存し
ている場合にも、ガス成分数以上の種類の異なる半導体
ガスセンサを用いることで、各においガス成分に対する
脱臭剤の脱臭性能を同時かつ定量的に評価することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 堅市 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定容積の密閉容器内に所定の大きさの
    脱臭剤を設置し、単一のにおいガス成分を該容器内に一
    定量注入して攪拌しつつ、容器内に設置した半導体ガス
    センサによって該容器内のにおいガス成分濃度の経時変
    化を連続的に測定し、該容器内に設置した脱臭剤の脱臭
    性能を定量的に評価することを特徴とする脱臭性能評価
    方法。
  2. 【請求項2】 一定容積の密閉容器内に所定の大きさの
    脱臭剤を設置し、2種類以上のにおいガス成分を該容器
    内にそれぞれ一定量注入して攪拌しつつ、容器内に設置
    したガス成分数以上の種類の異なる半導体ガスセンサか
    らの出力信号を、あらかじめ検出すべき複数のにおいガ
    ス成分で構成されるガス体に対して重回帰分析法により
    作成した関係式に適用することで、該容器内の複数のに
    おいガス成分濃度の経時変化を連続的に測定し、該容器
    内に設置した脱臭剤の脱臭性能を定量的に評価すること
    を特徴とする脱臭性能評価方法。
  3. 【請求項3】 においガス成分を注入するためのガス注
    入口とガスを排出するためのガス排出口を有する一定容
    積の密閉容器内部に、脱臭剤設置台とガス循環器およ
    び、1ないし2種類以上の半導体ガスセンサを配置し、
    該容器周囲に温度および湿度調節機構を備えた恒温恒湿
    槽を設置し、該容器外部に各センサからの出力信号を連
    続的に受信して該容器内の1ないし2種類以上のにおい
    ガス成分濃度を連続的に計算する装置を備えた、脱臭剤
    の脱臭性能を定量的に評価することを特徴とする脱臭性
    能評価装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003501625A (ja) * 1999-05-31 2003-01-14 エーアーデーエス・ドイッチェランド・ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 半導体ガスセンサ、ガスセンサ・システムおよびガス分析方法
KR101032758B1 (ko) * 2010-03-16 2011-05-06 이소영 유해가스 탈취 및 흡착성능 실험을 위한 다기능 가스실험장치
CN109470817A (zh) * 2017-09-08 2019-03-15 金红叶纸业集团有限公司 一种评估除臭效果的设备及方法

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