JPH0522044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、脱穀排ワラ細断装置から放出される
細断排ワラに対する後側ガイド板及び左右一対の
横側ガイド板の夫々を、下降使用状態と、前記脱
穀排ワラ細断装置の排ワラ放出口を閉じる上昇格
納状態とに上端側の軸芯の周りで揺動自在に設け
たコンバインの脱穀排ワラ処理部の構造に関す
る。

〔従来の技術〕

かかるコンバインは、脱穀排ワラの細断時に
は、後側ガイド板及び左右一対の横側ガイド板の
夫々を下降使用状態にすることにより細断排ワラ
が周囲にまち散らされることを防止できるよう
に、畦越え時や格納時には、前記後側ガイド板及
び左右一対の前記横側ガイド板の夫々を上昇格納
状態にすることにより、これらガイド板が接地す
ることを防止したり、排ワラ放出口に対する安全
カバーとして利用できるように構成されたもので
ある。

従来、前記後側ガイド板及び左右一対の前記横
側ガイド板を機体に各別揺動自在に取付けて、後
側ガイド板及び左右一対の横側ガイド板を各別に
上昇格納状態と下降使用状態とに切換え操作する
ようになつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そのため、後側ガイド板及び左右一対の横側ガ
イド板の状態変更をするに当り、後側ガイド板の
状態変更のための操作及び左右一対の横側ガイド
板夫々の状態変更のための操作を夫々行わなけれ
ばならず、手間が掛かつていた。

本考案の目的は、後側ガイド板及び左右一対の
横側ガイド板の状態変更が操作簡単にできるよう
にする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、冒記したコンバインの脱
穀排ワラ処理部の構造において、一対の前記横側
ガイド板夫々を内面側に折りたたみ付勢すると共
に、一対の前記横側ガイド板夫々の後端縁部と前
記後側ガイド板とを、外側に凸となるように折り
込み自在な折り込み線を介して連結し、かつ、前
記各横側ガイド板には、この横側ガイド板を内側
に凸となるように折り込み自在な折り込み線を備
えて、前記後側ガイド板の下降に伴つて前記横側
ガイド板が伸展すると共に下降し、かつ、前記後
側ガイド板の上昇格納に伴つて前記横側ガイド板
が折りたたまれると共に上昇格納されるように構
成してある点にあり、その作用及び効果は次の通
りである。

〔作用〕

すなわち、一対の横側ガイド板夫々の後端縁部
と後側ガイド板とは外側に凸となるように折り込
み線を介して連結しており、各横側ガイド板に
は、横側ガイド板を内側に凸となるように折り込
み自在な折り込み線を備えているから、後側ガイ
ド板を下降操作すると、横側ガイド板も各折り込
み線で折り畳まれた状態から折りたたみ付勢力に
抗して広げられて自ずと下降使用状態になり、
又、後側ガイド板を上昇操作すると、この後側ガ
イド板に対する連結と折りたたみ付勢力により、
横側ガイド板が自ずと内面側に折り畳まれて上昇
格納状態になる。

〔考案の効果〕

したがつて、後側ガイド板の昇降操作でもつて
左右一対の横側ガイド板の昇降操作も一挙にでき
ることにより、後側ガイド板及び左右一対の横側
ガイド板の夫々を下降使用状態にしたり、上昇格
納することが後側ガイド板を操作するだけの簡単
な操作で行なえるようになり、作業や移動走行に
際しての準備が迅速にできるようになつた。

〔実施例〕 第２図に示すように、脱穀装置１から搬出され
た横倒れ姿勢の脱穀排ワラを受け継いで後方へ搬
送する脱穀排ワラ搬送装置２、この脱穀排ワラ搬
送装置２からの脱穀排ワラを横倒れ姿勢で処理す
る脱穀排ワラ細断装置３、この脱穀排ワラ細断装
置３の後方で脱穀排ワラを横倒れ姿勢で処理する
脱穀排ワラ結束装置４の夫々を前記脱穀装置１の
後方に設けると共に、前記脱穀排ワラ細断装置３
の脱穀排ワラ受入れ口５を開放すると共に前記脱
穀排ワラ搬送装置２の案内レール２Ｂを短縮させ
ると、前記脱穀排ワラ搬送装置２から排出される
脱穀排ワラが前記脱穀排ワラ細断装置３に供給さ
れ、前記蓋体６を閉じると共に前記案内レール２
Ｂを伸長させると、前記脱穀排ワラ搬送装置２か
らの脱穀排ワラが前記脱穀排ワラ結束装置４に供
給されるように構成して、脱穀排ワラの細断処理
や結束処理ができるようにコンバインの脱穀排ワ
ラ処理装置を構成してある。

前記脱穀排ワラ搬送装置２は、脱穀排ワラを搬
送する搬送チエーン２Ａと、この搬送チエーン２
Ａの下方に設けられた案内レール２Ｂとから成つ
ている。そして、第８図に示すように、前記案内
レール２Ｂは機体側に固着の筒状の固定レール２
ａと、この固定レール２ａに摺動自在に内嵌さ
れ、かつ、スプリング７により伸長側に付勢され
た摺動レール２ｂとから成り、摺動レール２ｂの
終端部と操縦部に備えさせた操作レバー（図示せ
ず）とを連動連結するレリーズワイヤ８を前記操
作レバーでスプリング７の付勢力に抗して引つ張
り操作することにより摺動レール２ｂを短縮させ
て脱穀排ワラの落下位置を変更できるようにして
ある。

前記脱穀排ワラ細断装置３及び前記脱穀排ワラ
結束４の夫々は縦軸芯Ｘ周りで揺動自在に前記脱
穀装置１の後部に取付けられている。つまり、第
５図乃至第７図に示すように、前記脱穀装置１の
後部に取付けた３個のピン９，１０，１１のうち
の第１ピン９及び第２ピン１０に前記脱穀排ワラ
細断装置３の横一端をかつ第１ピン９及び第３ピ
ン１１に前記脱穀排ワラ結束装置４の横一端を
夫々取付けると共に、前記脱穀排ワラ細断装置３
の他端を前記脱穀装置１の後部にかつ前記脱穀排
ワラ結束装置４の他端を前記脱穀排ワラ細断装置
３の横側部に夫々解除自在なロツク機構Ａ，Ａを
介して固定し、もつて、ロツク機構Ａ，Ａを夫々
解除して第５図に２点鎖線で示す位置に脱穀排ワ
ラ結束装置４及び脱穀排ワラ細断装置３を揺動操
作して、各装置３，４の点検が容易に行なえるよ
うにしてある。

前記ロツク機構Ａ，Ａはいずれも同一構造であ
るため脱穀排ワラ細断装置３側のロツク機構Ａに
ついてのみ説明すれば、第６図に示すように、脱
穀排ワラ細断装置３の横側板２２Ａの上部に脱穀
装置１の側壁１Ａ上部に固着の第１ピン１２に係
合する揺動自在な第１ロツク部材１３及びこの第
１ロツク部材１３と共に前記第１ピン１２に係合
して脱穀排ワラ細断装置３の脱穀装置１に対する
上下移動を抑制する固定部材１４夫々を取付ける
と共に、脱穀排ワラ細断装置３の側壁下部に脱穀
装置１の側壁下部に固着の第２ピン１５に係合す
る揺動自在な第２ロツク部材１６を取付け、前記
第１ロツク部材１３と前記第２ロツク部材１６と
をリンク１７により連動連結して、ロツク機構Ａ
を構成してある。すなわち、スプリング（図示せ
ず）により係合側に付勢されている第１及び第２
ロツク部材１３，１６を第２ロツク部材１６の操
作部１６ａを持つて非係合側に揺動操作すること
により前記ロツク部材Ａを解除でき、解除された
前記ロツク機構Ａをピン１２，１５側に近付けよ
うに脱穀排ワラ細断装置３を揺動することにより
前記ロツク機構Ａを自動的にロツクすることがで
きるようにしてある。

前記脱穀排ワラ細断装置３からの細断排ワラ
は、前記脱穀排ワラ細断装置３の下方に備えさせ
てある排ワラ放出口１８から放出され、その放出
された細断排ワラは後側ガイド板１９及び左右一
対の横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂの夫々により受
止め案内されて地面に落下放出されるようにして
ある。詳述すれば、第３図及び第４図に示すよう
に、後側ガイド板１９及び一対の横側ガイド板２
０Ａ，２０Ｂを樹脂材で一体成型すると共に、前
記後側ガイド板１９及び前記横側ガイド板２０
Ａ，２０Ｂ夫々の上端部を夫々の軸芯ＰまたはＱ
またはＲ周りで揺動自在に前記脱穀排ワラ細断装
置３の後側板２１及び左右の横側板２２Ａ，２２
Ｂに取付けると共に、一対の前記横側ガイド板２
０Ａ，２０Ｂ夫々を内面側に折りたたみ付勢すべ
く前記横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂに折り目２０
ａ，２０ｂを形成し、かつ、横側ガイド板２０
Ａ，２０Ｂには、この横側ガイド板２０Ａ，２０
Ｂを内側に凸となるように折り込み自在な折り込
み線２０ａ，２０ｂを備えて、もつて、第１図
イ，ロ，ハに示すように、後側ガイド板１９を下
降操作すると、これに伴つて横側ガイド板２０
Ａ，２０Ｂが下降しながら伸展して、脱穀排ワラ
細断装置３から放出される細断排ワラを受止め案
内する下降使用状態にされ、後側ガイド板１９を
上昇格納操作すると、これに伴つて横側ガイド板
２０Ａ，２０Ｂが上昇しながら折りたたまれて、
排ワラ放出口１８を閉じる上昇格納状態にされる
ように構成してある。

前記後側ガイド板１９及び前記横側ガイド板２
０Ａ，２０Ｂの夫々は、第２図及び第６図に示す
ように、前記後側ガイド板１９に取付けた支持ア
ーム２３の先端部に備えさせた係止部２３Ａを前
記横側板２２Ａに取付けた係止枠２４の複数の係
止溝２４ａ……のうちのいずれかに係止させるこ
とにより任意の傾斜姿勢に変更調節固定できるよ
うにしてある。

〔別実施例〕

前記実施例では、後側ガイド板１９と横側ガイ
ド板２０Ａ，２０Ｂとを一体成型したが、後側ガ
イド板１９及び横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂ夫々
を別体成型して、横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂ
夫々の後端縁部と後側ガイド板１９の両横端縁部
とを蝶番等により連結するようにしてもよい。

又、前記実施例では、横側ガイド板２０Ａ，２
０Ｂを脱穀排ワラ細断装置２の側壁よりも夫々の
下端が内方側に位置する任意の傾斜姿勢に変更調
節固定できるようにしたが、これに加えて、脱穀
排ワラ細断装置３よりも外方側に拡がる任意の傾
斜姿勢においても変更調節固定できるようにして
もよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
象を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの脱穀排ワラ処
理部の構造の実施例を示し、第１図イ，ロ，ハは
後側ガイド板及び横側ガイド板の揺動状態を示す
斜視図、第２図はコンバイン後部の縦断側面図、
第３図及び第４図は後側ガイド板及び横側ガイド
板の展開図及び背面図、第５図はコンバイン後部
の平面図、第６図はロツク機構の構造を示す側面
図、第７図は脱穀排ワラ細断装置の支持構造を示
す縦断側面図、第８図は案内レールの断面図であ
る。 ３……脱穀排ワラ細断装置、１８……排ワラ放
出口、１９……後側ガイド板、２０Ａ，２０Ｂ…
…横側ガイド板、２０ａ，２０ｂ……折り込み
線、２２ａ，２２ｂ……折り込み線、Ｐ，Ｑ，Ｒ
……軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀排ワラ細断装置３から放出される細断排ワ
   ラに対する後側ガイド板１９及び左右一対の横側
   ガイド板２０Ａ，２０Ｂの夫々を、下降使用状態
   と、前記脱穀排ワラ細断装置３の排ワラ放出口１
   ８を閉じる上昇格納状態とに上端側の軸芯（Ｐま
   たはＱまたはＲ）の周りで揺動自在に設けたコン
   バインの脱穀排ワラ処理部の構造であつて、一対
   の前記横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂ夫々を内面側
   に折りたたみ付勢すると共に、一対の前記横側ガ
   イド板２０Ａ，２０Ｂ夫々の後端縁部と前記後側
   ガイド板１９とを、外側に凸となるように折り込
   み自在な折り込み線２２ａ，２２ｂを介して連結
   し、かつ、前記各横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂに
   は、この横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂを内側に凸
   となるように折り込み自在な折り込み線２０ａ，
   ２０ｂを備えて、前記後側ガイド板１９の下降に
   伴つて前記横側ガイド板２０Ａ，２０Ｂが伸展す
   ると共に下降し、かつ、前記後側ガイド板１９の
   上昇格納に伴つて前記横側ガイド板２０Ａ，２０
   Ｂが折りたたまれると共に上昇格納されるように
   構成してあるコンバインの脱穀排ワラ処理部の構
   造。