JPH0521479B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、例えば超音波顕微鏡や超音波診断装
置等に使用される超音波送受信素子に関するもの
である。

従来技術 従来、超音波顕微鏡等に使用される超音波トラ
ンスジユーサは、超音波が集束されるように他端
に凹面または球面レンズ部を形成した超音波伝搬
媒体の一方の端に超音波送受信素子を設けてい
る。ここで、見たい試料または超音波伝搬媒体を
縦横に走査すると、超音波送受信素子から発生し
た超音波が超音波伝搬媒体の凹面または球面レン
ズ部の焦点位置で面走査され、この超音波の試料
からの反射波を超音波送受信素子で受信すること
により各ポイントでの音響特性を検出し、CRT
等の画面上に表示している。

また超音波診断装置に使用される超音波トラン
スジユーサは、細長い極薄（数10ミクロン）の圧
電素子を長さ方向に対して直角方向に数10ミクロ
ンの幅でカツテイングして多数の素子を並べた構
造であり、それぞれの電極に遅延回路を接続し、
複数の電極に接がる遅延時間を選ぶことにより、
電気的凹面トランスジユーサを形成し、超音波ビ
ームを集束させ、送受信を行なつており、またこ
の送受信の段階で素子の長さ方向に順次電気的走
査を行なうことによつて、CRT画面上に超音波
断層像を表示する。

しかしながら、このように構成した従来の超音
波顕微鏡の超音波送受信素子では、超音波伝搬媒
体またはを試料を縦横に走査するための機械的走
査装置が必要となり、また超音波診断装置の超音
波送受信素子では、電極に遅延回路を接続しなけ
ればならず、構成が複雑になるという欠点があつ
た。

発明が解決しようとする問題点 従つて、従来の超音波顕微鏡の超音波送受信素
子では、超音波伝搬媒体またはを試料を縦横に走
査するための機械的走査装置が必要となり、また
超音波診断装置の超音波送受信素子では、電極に
遅延回路を接続しなければならないので、構成が
複雑になるという欠点があつた。

問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点を解決するために、圧電
基板の一方の面に平列に配列された複数の第１の
帯状電極と、上記圧電基板の他方の面に上記第１
の帯状電極と直交して配列された複数の第２の帯
状電極と、第１、第２の帯状電極からそれぞれ引
き出された第１、第２の端子とからなり、該第
１、第２の端子を順次駆動することにより上記第
１、第２の帯状電極の交点を走査点として選び得
る音波を発生し、順次受信することを特徴とす
る。

作 用 本発明は、圧電基板の一方の面に平行に配列さ
れた第１の帯状電極と圧電基板の他方の面に第１
の帯状電極と直交して平行に配列された第２の帯
状電極を順次駆動することにより、第１、第２の
帯状電極の交点を走査点として選び得る音波が発
生し、この音波を試料に照射すると、所定の角度
で順次反射されるので、この反射信号を所定の距
離だけ離れた第１、第２の帯状電極で順次検出す
ることにより、試料または圧電基板を移動するこ
となく、試料の各部分の音響特性を検出すること
ができ、また遅延回路を接続しなくても、素子の
長さ方向に順次電気的走査を行なうことにより
CRTの画面上に超音波断層像を表示することが
できる。

実施例 第１図は、本発明の原理を説明するための図
で、圧電基板１の上に棒状電極２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄ……が平行に配置され、この棒状電極２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ……に端子３ａ，３ｂ，３
ｄ，……が接続されている。またこの棒状電極２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ，……の間に電極４ａ，４
ｂ，４ｃ，４ｄ，……が配置され、この電極４
ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ，……の一端の共通電極５
が接続され、この共通電極５はアースされてい
る。そして、端子３ａと３ｂ及び３ｃと３ｄを対
にした端子Ta，Tbから所定の周波数の電気信号
を供給すると、第２図に示すように液体と固体の
境界に沿つた表面から音波が発生する。この角度
θは、 θ＝sin¹Vc／d＝sin¹λ／ｄ で与えられる。但し、ｄは電極４ａ，４ｂ，４
ｃ，４ｄ，……の間隔、Vcは液体の音伝搬速度、
λは周波数での音波の波長である。

従つて、送信側となるある組合せ電極部で発生
した音波が試料に反射され、その反射波が送信側
の組合せ電極部から角度θによつて決まる所定距
離だけ離れた受信側となる組合せ電極部を駆動す
れば、入力端子Ta，Tb……に電気信号を順次入
力するだけで、出力端子から試料の状態に応じた
信号を順次検出することができる。

なお、第２図において、表面音波は100MH以
下では「ラム波」の利用が有効であり、それ以上
の高周波では「レイリー波」の利用が有効であ
る。このラム波の場合は、第３図ａに示したよう
に基板１の両面に棒状電極２ａ，２ｂ，２ｃ，…
…、電極４ａ，４ｂ，……を接続した共通電極か
らなる櫛型電極を配置し、液体６と接触する部分
に誘電体保護膜７を設けた構成によつて発生する
ことができる。またレイリー波の場合は、第３図
ｂに示したように基板１の両面に棒状電極２ａ，
２ｂ，２ｃ，……及び電極４ａ，４ｂ，４ｃ，…
…を接続した共通電極からなる櫛型電極をそれぞ
れ配置し、液体６と接触する部分に誘電体保護膜
７を設け、反対側にガラス基板８を設けた構成に
よつて発生することができる。なお、基板として
は、ZnO₂または高分子圧電被膜が使用される。

第４図は、本発明の実施例の超音波送受信素子
の斜視図を示したもので、圧電基板１の一方の面
上に平列に多数の帯状電極９₁，９₂，９₃，９₄…
…が設けられ、これらの帯状電極９₁，９₂，９₃，
９₄……にそれぞれ端子１０₁，１０₂，１０₃，１
０₄……が接続されて引出されている。また、圧
電基板の他方の面に帯状電極９₁，９₂，９₃，９₄
……と交差した帯状電極１１₁，１１₂，１１₃，
１１₄……が設けられ、この帯状電極１１₁，１１
_２，１１₃，１１₄……にそれぞれ端子１２₁，１２
_２，１２₃，１２₄……が接続されて引出されてい
る。なお、帯状電極９₁，９₂，９₃，９₄……の上
に誘電体保護膜１３が設けられ、帯状電極１１₁，
１１₂，１１₃，１１₄……の下にガラス基板１４
が設けられている。

このように構成した本実施例の超音波送受信素
子は、例えば端子１０₁，１０₃，１２₁，１２₃を
正に、端子１０₂，１２₃を負になるように動作さ
せると、帯状電極９₁，９₂，９₃と帯状電極１１
_１，１１₂，１１₃の交点を走査点として選び得る
音波が上記の角度θで発生する。従つて、端子１
０₁，１０₂，１０₃，１０₄……及び端子１２₁，１
２₂，１２₃，１２₄……のうち３端子ずつを順次
動作させると、帯状電極９₁，９₂，９₃，９₄……
側及び帯状電極１１₁，１１₂，１１₃，１１₄……
側でそれぞれ第１図に示した構成となり、それら
の帯状電極の交点を走査点として選び得る音波が
圧電基板１から上記の角度θで発生する。この音
波が試料に送られると、その音波の反射波が圧電
基板１に戻つてくるので、送信側の電極と予め所
定の距離で動作する受信側の電極を受信機に接続
することによりこの音波波を検出することができ
る。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明は、圧
電基板の一方の面に平列に配列された多数の第１
の帯状電極と圧電基板の他方の面にこの第１の帯
状電極と交差し、平列に配列された多数の第２の
帯状電極を配設し、これらの帯状電極を順次動作
させるた簡単な機構で音波を発生することができ
るとともに、遅延回路を設けなくても送信側電極
部から発生した音波を順次受信側電極で受信する
ことができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理を説明するための構成
図、第２図は第１図の構成により音波を発生する
ための説明図、第３図はラム波及びレイリー波を
発生するための構成図、第４図は本発明の第１実
施例の超音波送受信素子の斜視図である。 １……圧電基板、９₁，９₂，９₃，９₄……，１
１₁，１１₂，１１₃，１１₄……帯状電極、１０₁，
１０₂，１０₃，１０₄……，１２₁，１２₂，１２₃，
１２₄……端子、１３……SiO₂保護膜、１４……
ガラス基板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧電基板の一方の面に平列に配列された複数
   の第１の帯状電極と、上記圧電基板の他方の面に
   上記第１の帯状電極と直交して配列された複数の
   第２の帯状電極と、第１、第２の帯状電極からそ
   れぞれ引き出された第１、第２の端子とからな
   り、該第１、第２の端子を順次駆動することによ
   り上記第１、第２の帯状電極の交点からを走査点
   として選び得る音波を発生し、順次受信すること
   を特徴とする超音波送受信素子。