JPH05214345A - 石炭の液化方法及びそれに用いる触媒組成物 - Google Patents

石炭の液化方法及びそれに用いる触媒組成物

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JPH05214345A
JPH05214345A JP26648292A JP26648292A JPH05214345A JP H05214345 A JPH05214345 A JP H05214345A JP 26648292 A JP26648292 A JP 26648292A JP 26648292 A JP26648292 A JP 26648292A JP H05214345 A JPH05214345 A JP H05214345A
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noble metal
catalyst
molybdenum
catalyst composition
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JP26648292A
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Gopal Hari Singhal
ハリ シングハル ゴーパル
Peter Sheng-Shyong Maa
シェン−ション マ ピーター
Richard Frank Bauman
フランク バウマン リチャード
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Exxon Research and Engineering Co
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G1/00Production of liquid hydrocarbon mixtures from oil-shale, oil-sand, or non-melting solid carbonaceous or similar materials, e.g. wood, coal
    • C10G1/08Production of liquid hydrocarbon mixtures from oil-shale, oil-sand, or non-melting solid carbonaceous or similar materials, e.g. wood, coal with moving catalysts
    • C10G1/086Characterised by the catalyst used

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石炭の水素化変換において、石炭から液体製
品の収量を高める方法及びそれに用いる触媒組成物を提
供することをその課題とする。 【構成】 水素及び溶媒の存在下、石炭を約340〜5
10℃に加熱して液体及び気体製品に変換するに際し、
該石炭の加熱工程において、Pt,Pd,Rh,及びI
rからなる群から選ばれた少なくとも一種の貴金属によ
り促進された高度に分散された硫化モリブデンを含み、
該貴金属は0価より大きい酸化状態にあるとともに、主
として硫黄に配位している触媒組成物を用いることを特
徴とする石炭の液化方法。Pt,Pd,Rh,及びIr
からなる群から選ばれた少なくとも一種の貴金属により
促進された高度に分散された硫化モリブデンを含み、該
貴金属は0価より大きい酸化状態にあるとともに、主と
して硫黄に配位していることを特徴とする石炭の液化用
触媒組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭を、液体及び気体製
品、好ましくは液体製品に変換する石炭の液化方法及び
それに用いる触媒組成物に関する。本発明の触媒組成物
は、無支持の触媒で、高度に分散した硫化モリブデン
と、0価より大きい、好ましくは1価より大きい酸化状
態を示し、主として硫黄に配位した貴金属を含む。さら
に、本発明の触媒組成物は、硫化ニッケル、硫化コバル
ト、硫化鉄、又はそれらの混合物である硫化金属促進剤
を含む。
【0002】
【従来の技術】石油業界においては、長らく、非石油系
の固体化石燃料から合成液体燃料を生産することに関心
が持たれてきた。そして、経済的な非石油系液体燃料源
の助けによって、石油産業での増大するエネルギ−需要
を満たし、外国からの供給への依存を減らせることがで
きるよう望まれている。石炭は最も容易に入手でき、最
も豊富な固体燃料であり、その他の固体化石燃料として
は、タ−ルサンドとオイルシェ−ルがある。米国は、特
に豊富に分布した石炭資源に恵まれている。石炭を合成
燃料に転換するに場合、1トンの乾燥石炭あたり約3か
ら4バレルの液体収量を得ることが可能であり、これは
タ−ルサンドやオイルシェ−ルのような他の固体化石燃
料の約4倍であるが、それはこれらの資源が石炭よりも
はるかに高い比率の鉱物質を含むからである。石油産業
が石炭の水素化変換技術において継続的に興味を持ち努
力してきたにもかかわらず、石炭の水素化変換技術が経
済的に成り立つためには、更なる改良が必要である。石
炭の水素化変換の経済性には、石炭からの液体収量を最
大にすることが重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、石炭の水素
化変換において、石炭から液体製品の収量を高める方法
及びそれに用いる触媒組成物を提供することをその課題
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、水素及び溶媒の存在
下、石炭を約340〜510℃に加熱して液体及び気体
製品に変換するに際し、該石炭の加熱工程において、P
t,Pd,Rh,及びIrからなる群から選ばれた少な
くとも一種の貴金属により促進された高度に分散された
硫化モリブデンを含み、該貴金属は0価より大きい酸化
状態にあるとともに、主として硫黄に配位している触媒
組成物を用いることを特徴とする石炭の液化方法が提供
される。また、本発明によれば、Pt,Pd,Rh,及
びIrからなる群から選ばれた少なくとも一種の貴金属
により促進された高度に分散された硫化モリブデンを含
み、該貴金属は0価より大きい酸化状態にあるととも
に、主として硫黄に配位していることを特徴とする石炭
の液化用触媒組成物が提供される。
【0005】本発明の石炭を主として液体製品に変換す
る方法においては、石炭液化条件下、石炭を、0価より
大きい酸化状態にあり主として硫黄原子に配位した貴金
属によって促進された高度に分散した硫化モリブデンを
含む触媒組成物(本明細書では、単に触媒とも言う)と
接触させる工程を含む。この場合、硫化モリブデンは、
さらに、Ni,Co,Fe等から選ばれた第2金属の1
種又は2種以上の硫化物を促進剤として含むことができ
る。本発明の好ましい実施の態様においては、上記貴金
属は、Pt、Pd、Rh、及びIrから選ばれる。本発
明の他の好ましい実施の態様においては、貴金属は白金
であり、1より大きい酸化状態にあり、全触媒中約0.
05から25.0重量%の範囲で存在し、白金のモリブ
デンに対するモル比は約0.0002から0.2の範囲
にある。本発明のさらに他の好ましい実施の態様におい
ては、触媒中に存在する白金の量は全触媒量に対して約
0.25から5.0重量%であり、白金のモリブデンに
対するモル比は約0.001から0.04である。N
i、Co、又はFeの1種又は2種以上が存在するとき
は、Ni、Co、又はFeのMoに対するモル比は広い
範囲で変化しても良いが、通常は0.1から0.5であ
る。本発明のさらに他の好ましい実施の態様において
は、上記触媒は次の成分より形成される。 成分(a):1種又は2種以上の貴金属錯体、 成分(b):1種又は2種以上のモリブデン錯体、及び 成分(c):所望に応じて採用される1種又は2種以上
の可溶性又は易分散性のNi、Co、Fe等の錯体。
【0006】上記貴金属錯体は、該貴金属がPt又はP
dのときは、式ML2により、該貴金属がRh又はIr
のときは、式ML3により表されるものの中から選ぶこ
とができる。ここで、Mは貴金属であり、Lは、ジチオ
カルバメート、ジチオホスフェート、キサンテート、チ
オキサンテートである。さらにLは、上記貴金属錯体が
油中に溶解又は易分散できるに十分な数の炭素原子を持
つ有機基を有する。同様に、Ni錯体はML2で表わさ
れ、Co及び Fe錯体は、ML3で表わされる。上記モ
リブデン錯体は、油中に溶解性又は易分散性のものであ
り、以下に示される一般式(1)及び(2)のモリブデ
ン錯体の中から選ばれる。 一般式(1) MoO2(S2CNR22 (1) 式中、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜
8のシクロアルキル基、炭素数6〜8のアルキル基置換
シクロアルキル基又は炭素数6〜18の芳香族基もしく
はアルキル置換芳香族基である。 一般式(2)
【0007】
【化1】
【0008】式中、Rは炭素数6〜8のアルキル基、炭
素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアル
キル置換シクロアルキル基又は炭素数6〜18の芳香族
基もしくはアルキル置換芳香族基である。本発明の他の
好ましい実施の態様においては、上記貴金属錯体がビス
(2−エトキシエチルキサンタート)Ptであり、上記
モリブデン錯体がジオクソビス(n−ジブチルジチオカ
ルバマート)MoO2(VI)(本明細書中ではジオクソ
MoDTCということもある)である。本発明のさらに
他の好ましい実施の態様においては、上記貴金属錯体
が、ビス(ジ−n−ブチルジチオカルバマート)Pt及
び該モリブデン錯体が、Mo22(μ−S)2(S2CN
22(R=n−ブチル)である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける石炭という用語は、通常の状態で固体の炭素質物
質を意味し、このようなものには、例えば、無煙炭以下
の例えば、歴青炭、亜歴青炭、亜炭、泥炭、及びこれら
の混合物等のすべてのランクの石炭を含む。この亜歴青
炭、及び比較的ランクの低い石炭は特に好ましい。石炭
は、好ましくは、最初に微粒子又は微粉砕形に粉砕され
る。例えば、石炭は、慣用のボールミル中で、直径約1
0ミクロンから約1/4インチの、一般には、約8メッ
シュ(タイラー)の大きさの粒子が得られるように、適
当に粉砕又は微粉砕される。本発明の実施においては、
石炭は無支持のスラリー触媒の存在下、液化条件のもと
で変換処理される。この場合、触媒としては、高度に分
散した硫化モリブデンと、0より大きい、好ましくは1
より大きい酸化状態にあり、主として硫黄に配位した貴
金属とから成るものが用いられる。また、この触媒は、
所望によりNi、Co、又はFe等の第2金属促進剤を
含むことができる。また、貴金属中には、錫又はヨウ素
あるいはそれらの双方は実質的に存在しない。本明細書
において言う高度に分散したという意味は、硫化モリブ
デンが、小さな粒子(500nmより小)として存在
し、例えば、X線回折(XRD)のような従来の分析技
術によっては、結晶質でないように見えることを言う。
これらの高度に分散した粒子は、より大きな粒子より
も、モリブデン1グラム当たり、より多くの触媒的に活
性な部位を有する。さらに、上記貴金属は、触媒の全重
量に対して、約0.05から約25.0重量%の量で存
在する。好ましくは、該貴金属は、約0.25から約
5.0重量%で存在するのが良い。また、上記貴金属
は、上記量で存在し、しかも貴金属のモリブデンに対す
るモル比が、約0.0002から約0.2、好ましくは
約0.001から約0.04であるのがよい。貴金属
は、主として硫黄に配位した状態であることが望まし
い。主として硫黄に配位することによって、貴金属の酸
化状態は0より大きいく、好ましくは1より大きく、最
も好ましくは、2より大きい状態となる。この高酸化状
態は、硫黄原子との配位によって得られ、そのことは、
X線光電子分光(XPS)及び/又は拡張X線吸収微細
構造(EXAFS)等の分析手段によって、確かめるこ
とができる。本発明に使用するのに適した貴金属には、
白金、パラジウム、ロジウム、及びイリジウムが含まれ
る。好ましいのは、白金及びロジウムであり、最も好ま
しいのは、白金である。
【0010】本発明の触媒は、触媒前駆体から形成され
る。貴金属の前駆体は、以下の式で表わされる。 ML2 (MがPt又はPdのとき) ML3 (MがRh又はIrのとき) 式中、Lは、ジチオカルバメート、ジチオホスフェー
ト、キサンテート、チオキサンテートの中から選ばれた
リガンドである。これらのリガンド(配位子)Lは、貴
金属錯体が、炭化水素系溶媒又は供給原料中に、溶解又
は高度に分散するのに十分な数の炭素原子数を有する有
機基を含む。例えば、この有機基は、アルキル、アリー
ル、置換アリール、及びエーテル基の中から選択するこ
とができる。一般的には、上記有機基の炭素原子数は、
約4から30である。好ましいリガンドは、ジチオカル
バメート及びキサンテートである。例えば、以下の式で
示されるアルコキシアルキルキサンテートの使用が好ま
しい。 一般式(3)
【0011】
【化2】
【0012】式中、R1は、アルキル基(直鎖、分枝、
又は環状)、アルコキシ置換アルキル基、アリール基、
又は置換アリール基である。一方、R2は、直鎖、分枝
のアルキレン基である。Mは、貴金属を表わす。また、
nは、1から4の整数で金属の酸化状態と等しい。R1
は直鎖アルキル基、分枝アルキル基、アルコキシ置換ア
ルキル基であることが好ましい。最も好ましくは、R1
は、直鎖アルキル基を含むものが良い。R1中の炭素原
子数は、広く変化しても良いが、代表的には、R1は、
1から24の、好ましくは、2から12の、より好まし
くは、2から8の炭素原子を含むものである。代表的に
は、R2は、2から8、好ましくは、2から4の炭素数
を含むものである。最も好ましくは、R1及びR2は、そ
れぞれ2から4の炭素数を含むものである。R1及びR2
はともに、金属アルコキシアルキルキサンテートが油中
に溶解できるに十分な数の炭素原子を含むのが良い。R
1中の適切な置換基の例には、アルキル、アリール、ア
ルキルチオ、エステル基及び類似の基が含まれる。M
は、種種の金属であっても良いが、一般的には、Pt、
Pd、Rh、Ru及びIrより成る群から選ばれる金属
である。本発明で用いられる金属アルコキシアルキルキ
サンテート金属には、白金ビス(エトキシエチルキサン
テート)、白金ブトキシエチルキサンテート、白金プロ
ピルオキシエチルキサンテート、白金イソプロピルオキ
シキサンテート、白金2−エチルヘキシルオキシキサン
テート、ロジウムトリスエトキシエチルキサンテート、
ロジウムトリスブトキシエチルキサンテート、ロジウム
トリス(2−エトキシエタールキサンテート)等があ
る。貴金属ジチオカルバメートは、以下の一般式(4)
で表すことができる。 一般式(4)
【0013】
【化3】
【0014】式中、R1及びR2は、同じでも異なってい
ても良い疎水基であり、例えば、炭素数1〜16のアル
キル基、好ましくは、炭素数2〜8のアルキル基、炭素
数6〜18のアリールもしくはアルキル置換アリール基
等である。式中、nは2又は3の整数を示し、MがPt
又はPdである場合は、n=2、一方、MがRh、Ir
又はPtである場合は、n=3である。上記モリブデン
錯体もまた、油溶性で油分散性のものであり、潤滑油添
加剤として有用であることが一般に知られている多くの
錯体の中から任意に選ぶことができる(例えば、Y.ヤ
マモトら、「ウエアー(Wear)」(1986)、
p.79−87、M.ウエムラら、米国特許第4,69
2,256号(1987)及びA.Papayら、米国
特許第4、178、258号(1979)参照)。好ま
しいモリブデン錯体は、ジチオカルバメート、ジチオホ
スフェート、キサンテート、チオキサンテートの中から
選ばれるリガンドを含むものである。最も好ましいの
は、下記一般式(1)及び(2)で表されるMo錯体で
ある。 一般式(1) MoO2(S2CNR22 (1) 式中、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、好ましく
は、炭素数3〜12のアルキル基、炭素数5〜8のシク
ロアルキル基、炭素数6〜18のアルキル置換シクロア
ルキル基又は炭素数6〜18の芳香族基もしくはアルキ
ル置換芳香族基を示す。 一般式(2)
【0015】
【化1】
【0016】式中、Rは炭素数6〜8のアルキル基、炭
素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアル
キル置換シクロアルキル基又は炭素数6〜18の芳香族
基もしくはアルキル置換芳香族基である。Ni及びCo
錯体は、上記のキサンテートやジチオカルバメート等の
リガンドを含むものであることができる。Ni、Co、
及びFeもまた貴金属について与えられたジチオカルバ
メート等のリガンドを含むものを挙げることができる。
【0017】前述の溶解性錯体は、溶媒又は石炭液中で
の熱分解により、活性触媒に変換される。錯体の比率
は、所望の金属の比率において、広い範囲で変化させる
ことができる。溶媒に適した炭化水素液には、種種の石
油や石炭液の留分、例えばナフサ、中間留分、真空軽油
等が含まれるがこれらには限定されない。1−メチルナ
フタリン、キシレン、テトラリン等の純粋液体も使用す
ることができる。活性触媒の形成は、不活性雰囲気中で
行うことができるが、好ましくは、約250から250
0psig(約17.575から175.75kg/c
2ゲージ圧)の範囲の水素圧下、好ましくは、約50
0から1750psig(35.15から123.02
5kg/cm2ゲージ圧)の水素加圧下で行われる。温
度は約200℃から480℃、好ましくは、約340℃
から425℃である。溶媒と触媒前駆体との比は臨界的
ではないが、一般に、約3:1から25:1の間で選ば
れる。活性触媒の製造の間、硫黄源、例えば元素硫黄、
CS2、H2S、メルカプタン、及び有機硫黄化合物等を
添加することができる。最終的な触媒は、微細粒子の形
状で、500nmより小さい平均粒径であり、B.E.
T.法で測定した表面積は、200m2/gより大であ
る。
【0018】本発明触媒の大きな特徴は、XPSにより
示されるように、0より大きい、好ましくは1より大き
い酸化状態にあり、そして、XPS及びEXAFSによ
って示されるように硫黄によって配位された環境にある
貴金属が存在することである。上記硫化モリブデンと貴
金属の相互作用により、貴金属は、この高次酸化状態で
安定化するものと考えられ、これが本発明触媒に高い触
媒活性を与えるものと考えられる。本発明触媒において
は、上記貴金属は、高いヘテロ原子を含有する原料によ
っても毒されず、その活性は維持される。硫化モリブデ
ンが存在しなければ、上記貴金属は、水素化処理条件下
では、金属状態にまで還元されてしまう。この還元は、
Ptにおいて最も顕著で、触媒毒によりその活性は減少
してしまう。上記貴金属硫化物の安定性は、公開されて
いる熱力学特性についての表によれば、とうてい予測で
きないものである。それらの表としては、S.R.シャ
チンスキー、「オキシデーション オブ メタルズ」、
11(No.6)、307−320(1977)等があ
るが、同表によるとPtSの750゜F(約399
℃)、H2/H2S=10/1におけるギブスの生成自由
エネルギーは、ほぼ0である。本発明者らの研究による
と、貴金属の還元が起こると、表面積の減少した粒子の
再分布と成長が起こることが観察されている。これによ
り、貴金属と硫化モリブデンの有益な相乗効果が失われ
ものと考えられる。本発明はまた、上記触媒前駆体を濃
縮された混合物として、あるいは単に錯体前駆体とし
て、液化用溶媒又は反応域に直接導入することにより実
施することができる。反応条件下では、本発明の触媒は
その場(in situ)で形成される。即ち、液化条
件下では、本発明触媒は、金属錯体から無支持のスラリ
ー触媒として生成される。
【0019】本発明によると、石炭は、これを適切な溶
媒と前記触媒とが存在する液化領域に導入することによ
り液化される。ここで採用される溶媒は、全溶媒重量に
たいして0.5から約2重量%の供与性水素を含むもの
であることができる。好ましい溶媒には、石炭真空軽油
(VGO)、及び石炭留出物又はそれらの混合物の如き
石炭由来の液体が包含され、例えば、大気圧下の沸点が
約175℃から約600℃にわたる化合物の混合物、よ
り好ましくは、約340℃から約540℃より低い温度
範囲の沸点を有する化合物の混合物である。他の適切な
溶媒には、アルキルベンゼン類、アルキルナフタリン
類、アルキル化された多環芳香族類、異核芳香族類、未
水素化もしくは水素化クレオソート油、テトラリン、石
油原料の接触分解から得られる直流留分、シェ−ル油、
又は真空軽油もしくは残油等のバージン石油留分、及び
それらの混合物が含まれる。さらに、本発明では、好ま
しくは、540℃より高沸点の残留物(ボトム)も液化
領域にリサイクルされる。
【0020】本発明の石炭液化工程で生成される炭化水
素質マトリックス中に金属硫化物を含む好ましい触媒粒
子は、原料中に均一に分散される。触媒粒子は、その粒
径が0.002から3ミクロンと極度に微小であるた
め、油1立方センチあたりのその触媒粒子の数は、膨張
床や固定床の従来の触媒粒子と比べて、通常、数オーダ
上昇する。本発明における反応は、触媒が高度に分散
し、反応成分の触媒活性部位への接近が容易であるた
め、その反応制御を円滑に行うことができる。触媒の添
加量は、特に制約されず、百万分の一(ppm)の量か
ら、重量パーセントの量にわたる(後者は、スラリー反
応器のポンプによって制限される。)。触媒の添加量が
多くなると、低沸点液体への変換率が増加するととも
に、異原子の混入量が減少し、気体よりも液体への選択
率が良くなる。本発明触媒は、スラリーモードで使うこ
とができるし、また、実質的に灰分を含まない抽出物と
ともに、固定床でも使うこともできる。反応条件は、デ
イーゼル油又は自動車ガソリン(mogas)に適する
飽和水素化分解生成物を多く又は少なく生産するために
変化させることができる。340から425℃の範囲の
マイルドな水素化変換温度が好んで使用される。
【0021】標準的触媒添加量は、1000ppmのオ
ーダーであり、100から5000ppmの範囲が、本
発明の水素化反応系に適している。油溶性の金属含有化
合物が補給されるが、その補給量(リサイクルからの追
加量は含まない)は、石炭重量基準で、元素金属として
計算して、約10から5000重量ppmより少ない範
囲の量、好ましくは、約25から950重量ppmの範
囲の量、より好ましくは、約50から700重量ppm
の範囲の量、最も好ましくは、50から400重量pp
mの範囲の量の油溶性金属化合物を与えるのに十分な量
である。触媒の補給比は、石炭に対して、約30ppm
から500ppmの範囲の量であることが適している。
残りは、触媒を含む340℃以上のボトムをリサイクル
することにより供給される。
【0022】石炭−溶媒−ボトムスラリー中の触媒前駆
体を活性触媒に変換するためには、種種の方法を使用す
ることができる。分散を良くするためには、可溶性の前
駆体を溶かした後に、触媒を生成させるのが一般的に良
い。触媒前駆体又は油溶性金属化合物から本発明触媒を
製造する方法の一つは、水素化変換反応に先立ち、予備
混合器中で、金属化合物の混合物、石炭抽出物及び溶媒
を約250℃から約450℃の温度範囲で、約250か
ら約2500psig(17.575から175.75
kg/cm2)の圧力で、水素含有気体の存在下に加熱
する方法である。この場合、H2S、CS2(液体)等の
硫黄含有物や元素状硫黄を添加することができる。前記
水素含有気体は純粋水素であっても良いが、一般的に
は、例えば、改質工程の排出ガスから製造された水素含
有流の如き、いくつかの他の気体状不純物を含む水素流
が用いられる。触媒を活性化するための硫黄源としてH
2Sを採用する場合、その硫化水素は、好ましくは、約
1/2から約10モル%の水素含有気体混合物であるこ
とができる。硫化水素は入り口管中で水素ガスと混合
し、プレヒーター中で反応温度まで加熱してもよい。ま
た、硫化水素はリサイクルガス流の一部であっても良
い。高い硫黄含有量の石炭は、追加の硫黄源を特に必要
とされない。触媒前駆体の処理は、約5分から約2時間
の間、好ましくは約10分間から約1時間の間、石炭の
組成及び、使用される特定の触媒前駆体に応じて適切に
行われる。触媒前駆体又は油溶性金属化合物を、本発明
触媒に変換するもう一つの方法は、金属化合物の混合
物、石炭抽出液及び溶媒を、水素化変換領域で、水素含
有気体と、石炭水素化変換条件下で反応させる方法であ
る。油溶性金属化合物(触媒前駆体)は、好ましくは溶
媒に添加することができ、また石炭と溶媒の混合物中で
形成された触媒に加えらるのが良いが、あらかじめ製造
された触媒を溶媒に加えることも可能である。ただし、
この場合は、前記したのように、分散はそれほど良くな
い。
【0023】本発明においては、触媒、溶媒、ボトム及
び石炭の混合物は、以下において詳述する液化領域に送
られる。この液化領域は、約340℃から510℃、好
ましくは約340℃から450℃、より好ましくは約3
85℃から425℃の範囲の温度と、約500psig
から約5000psig(約35.15から約351.
5kg/cm2ゲージ圧)、好ましくは、約1200か
ら約3000psig(約84.36から約210.9
kg/cm2ゲージ圧)の範囲の圧力に維持される。時
間当たりでかつ、リアクターの単位容積当たりの石炭、
ボトム、及び溶媒からなる原料の容積として定義される
空間速度(V/H/V)は、要求される変換レベルに応
じて、広く変化させることができる。適切な空間速度
は、約0.1から10V/H/V(リアクターの単位容
積当たり、単位時間当たりの原料容積)、好ましくは約
0.25から6V/H/V、より好ましくは約0.5か
ら2V/H/Vの範囲であることができる。
【0024】液化領域からの沸点540℃以上のボトム
は、所望するならばボトムの反応による変換をボトムが
消滅するまで増加させるため、その一部を液化領域にリ
サイクルしても良い。パージされるボトムは、水素、一
酸化炭素及び熱を製造するために、抽出残渣と一緒に、
例えば部分酸化によって、ガス化させるのが好ましい。
ボトムをリサイクルする場合、水素化変換領域に供給す
る溶媒:石炭:ボトムの重量比は約2.5:1:0から
約0.5:1:2.5の範囲にあることができる。固体
に対する溶媒比を減少させると、石炭処理量に対するリ
アクターのサイズを減少させることができるし、あるい
は処理量を増加させることができるので、石炭液化工程
の熱効率を改善することができる。液化工程に推薦でき
るプロセス条件の範囲を、ベストモードと考えられる実
施の態様について、下記の表1に要約する。
【0025】
【表1】
【0026】本発明によると、重量%DAF(乾燥−無
灰分)石炭基準で、石炭を70%以上の変換率で種種の
生成物へ変換させることができる。しかも、本発明の場
合、新規触媒を組み合わせたことにより、意味ある改良
が可能である。例えば、本発明によれば、対応するガス
収率減少させて液体への選択率と変換率を向上させると
ともに、それに対応してガス収率を減少させることがで
きる。本発明の方法は、バッチ式又は連続式の方法とし
て実施できる。本発明の方法には、、交通燃料の様な最
終生成物を得るためのオンサイトの改質ユニットを組み
込むことが好ましい。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により詳述する。以下の
実施例は、本発明の好ましい実施の態様と本発明の利点
を示すもので、本発明の範囲を限定するものではない。
さらに、本明細書中記載の技術内容により、当業者に
は、本発明の他の利点や実施の態様も明らかに理解され
るであろう。
【0028】参考例1(ビス(2−エトキシエチルキサ
ンタート)Pt(PtEEX)の合成 ) カリウム2−エトキシエエチルキサンテート(KE
EX)6.7gを200mlの脱イオン水に溶解したマ
グネッチクスターラー撹拌溶液に、脱イオン水150m
lに溶解させたテトラクロロ白金酸カリウムろ過溶液を
加えた。これにより、当初赤茶色の溶液は濁りを生じ、
ゆっくりと黄色の沈澱が析出した。得られた混合物を3
時間撹拌し、固体をろ過して集め、脱イオン水で良く洗
浄した。この固体は、空気乾燥させ、アセトン−水から
再結晶させ、4.5g(変換率80%)の目的物(黄だ
いだい色結晶、融点83−84℃)を得た。
【0029】参考例2(ビス(2−エトキシエチルキサ
ンタート)Pd(PdEEX)の合成 ) この化合物は、KEEX9.5gと、テトラクロロ
パラジウム酸カリウム6.52gから実施例1に記載さ
れた手順に従って製造された。生成物の収量は93%
で、黄色の明るい結晶固体で、融点は70℃であった。
【0030】参考例3(トリス(2−エトキシエチルキ
サンタート)Rh(RhEEX)の合成) この化合物は、ナトリウムヘキサクロロロジウム(II
I)1.92gと、KEEX4.2gから実施例1に記
載された手順に従って合成された。生成物は、茶−だい
だい色の結晶固体(m.p.75−76℃)として得ら
れた。
【0031】参考例4(ビス(ジブチルジチオカルバマ
ート)Pt(PtDTC)の合成) 氷浴中でジブチルアミン37.4gとNaOH11.4
gと二硫化炭素24.0mlと脱イオン水100mlか
ら調製したナトリウムジブチルジチオカルバメート溶液
に、撹拌しながら、窒素ブランケット下で、脱イオン水
400ml中のテトラクロロ白金酸(II)カリウム
40.192gを含む溶液を加えた。混合物を、一夜撹
拌し、析出した固体をろ過して集め、150mlの無イ
オン水で洗浄し、真空下2時間乾燥した。これをアセト
ンから再結晶させると、明るい黄色の結晶固体が56.
28g(変換率96.7%)が得られ、その融点は13
3℃であった。 (C183624Ptとして計算された元素分析値) C,35.82;H,5.97;S,21.23;P
t,32.33(%) (実測値) C,35.83;H,5.48;S,21.40;P
t,31.66(%)
【0032】参考例5 本参考例は、活性Pt/Mo触媒の製造と特性決定をし
めすものである。マグネチックスターラー付きの300
ccオートクレーブを、高温、高圧下で水素を連続的に
流通し得るように組立た。このオートクレーブに75グ
ラムの石炭真空軽油(VGO)を充填し、ジオクソーM
oDTC(3.99g),及びPtEEX(0.101
g)を加えた。加えた金属の総量は、原料(0.75
g)の1重量%に相当する。この混合物を1500rp
mで撹拌し、200psigのH2下425℃に加熱
し、4時間の間同温度に維持した。水素流は、320c
c/分の流速に維持した。実験終了後、オートクレーブ
を室温に冷却し、触媒をろ過して集め、トルエンにより
洗浄し、真空デシケーター中で110℃で一夜乾燥し
た。乾燥触媒の元素分析結果によると、%Mo=36.
22, %Pt=1.80,%S=27.4,%C=2
1.08,%H=2.28,%N=0.53であった。
分析電子顕微鏡法によると、高度に無秩序な硫化モリブ
デン様構造が見られた。一方、PtSx粒子は、もし存
在していたとしてもこの検出限界値以下である(<20
オングストローム)。Pt−X線光電子分光(XPS)
によると、酸化状態にあるPt(金属Ptよりも結合エ
ネルギーが大きい)の存在が示された。このことは、拡
張X線吸収微細構造(EXAFS)による検討の結果か
ら、Ptのほとんどは、その最近隣原子として、硫黄を
有することが確認された。このことは、硫化モリブデン
上に良く分散した硫化Pt様の相に対して予想された通
りのものである。オートクレーブからの液体製品は、元
素分析やGC蒸留により特性決定した。前記条件下で
は、96.2%HDN(水素化脱窒素率)と97.8%
HDS(水素化脱硫率)が達成された。製品のH/C
は、1.290に向上した(原料のH/Cは1.019
である)。
【0033】実施例1 この実施例においては、イリノイ#6石炭を用いて、卓
上380cc撹拌オートクレーブユニット中で、一連の
実験を行った。それぞれの実験において用いた石炭の粒
子径は、100メッシュアンダーであった。一連の各実
験においては、39重量%の石炭と、乾燥石炭に対し、
1000ppmのモリブデン又は白金、あるいはこれら
の混合物を含むスラリーを製造した。モリブデンは、モ
リブデンジオクソジチオカルバメートの錯体として、白
金は、白金エトキシエチルキサンテート(Pt−EEX
又は(C25OCH2CH2OCS22Pt)として使用
した。それぞれの実験においては、液化は425℃、2
300psig(161.69kg/cm2ゲージ圧)
の定圧下、滞留時間150分で行った。オートクレーブ
は、気相から液相への水素移動を促進させるため、15
00rpmで撹拌した。分子状水素を、液化リアクター
に対し、当初、乾燥石炭基準で7重量%の量で添加し、
消費されるに従って水素を連続的にオートクレーブに加
えた。これにより、全水素添加量は乾燥石炭基準で約9
重量%となった。それぞれの実験では、初期沸点260
℃で、最終沸点540℃の溶媒を用いた。それぞれの実
験での石炭変換率及びC1−C4ガス収量を以下に要約し
て示す。
【0034】
【表2】
【0035】石炭変換率は、540℃における蒸留で決
定した。表2の結果から、少量のPtにより石炭変換は
促進され、C1−C4ガス選択率も良くなることが明らか
である。C1−C4ガス選択率は、C1−C4(重量%)を
変換率で割り、100倍したものである。1000pp
mのPtだけのものでは、Pt促進Moを用いるいかな
る場合に比べてもそれほどよくない。
【0036】実施例2 この実施例では、液化を840゜F(約449゜F)、
滞留時間60分で行ったのをのぞき、一連の実験を実施
例1と同じ撹拌オートクレーブを使って同じ条件下で行
った。それぞれの実験における石炭変換率、及びC1
4ガス収量を以下に要約して示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3に示した結果より、石炭変換率は、少
量のPtの存在により促進され、C1−C4選択率もPt
の促進作用により向上することが明かである。しかし、
PtがPt/Mo混合物中25%を越えるようになる
と、効果は減少する。
【0039】実施例3 この実施例においては、各実験における全金属量が実施
例1,2の1000ppmではなく5000ppmであ
ることを除けば、イリノイ#6石炭を使って、同じオー
トクレーブで、同じ液化条件下で、一連の実験を行っ
た。それぞれの実験は、450℃、滞留時間60分で行
った。石炭変換率及びC1−C4ガス収量をそれぞれの実
験について以下に要約する。
【0040】
【表4】 表4に示した結果より、石炭変換率は少量のPtによっ
て促進され、C1−C4選択率も低いレベルのPtにより
改善されることが明かである。
【0041】実施例4 この実施例では、イリノイ#6石炭を使って、380c
c卓上撹拌オートクレーブユニット中で、二つの比較実
験を行った。実験条件は、液化が370℃で、滞留時間
4320分で行われたことを除けば、実施例1と同様で
あった。実験Aは、モリブデンジオクソジチオカルバメ
ートとしてMoを1000ppm用い、実験Bは、モリ
ブデンジオクソジチオカルバメートとしてMoを750
ppm及びPt−EEXとしてPtを250ppm用い
た。液化収率及び変換率を以下に示す。
【0042】
【表5】
【0043】表5に示した結果から、Ptを使用するこ
とにより、変換率の増加に加えて、より望ましい製品へ
の選択率が画期的に向上することが明らかである。即
ち、変換率(12重量%)及び選択率(4.5%)の改
善が得られたことは明らかである。しかし、もっと注目
に値するのは、液体製品における改善である。Ptを使
用することにより、製品性状を、真空軽油(VGO,
b.p.340−540℃)(27.8%対−10.4
%)から、より望ましい製品であるナフサや留出油に画
期的にシフトさせることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター シェン−ション マ アメリカ合衆国、ルイジアナ州70810、バ トン ルージ、ハイ レイク ドライブ 614 (72)発明者 リチャード フランク バウマン アメリカ合衆国、ルイジアナ州70810、バ トン ルージ、オーク ホーロー ドライ ブ 8031

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素及び溶媒の存在下、石炭を約340
    〜510℃に加熱して液体及び気体製品に変換するに際
    し、該石炭の加熱工程において、Pt,Pd,Rh,及
    びIrからなる群から選ばれた少なくとも一種の貴金属
    により促進された高度に分散された硫化モリブデンを含
    み、該貴金属は0価より大きい酸化状態にあるととも
    に、主として硫黄に配位している触媒組成物を用いるこ
    とを特徴とする石炭の液化方法。
  2. 【請求項2】 該貴金属が、該触媒組成物の総重量基準
    で、約0.05から25.0重量%の範囲の量で触媒組
    成物中に存在することを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 モリブデンに対する貴金属のモル比が約
    0.0002から0.2であることを特徴とする請求項
    2記載の行程。
  4. 【請求項4】 該貴金属が白金であって、0.25から
    5.0重量%の量で触媒組成物中に存在し、かつ白金の
    モリブデンに対するモル比が約0.0001から0.0
    4であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 該触媒組成物が、Fe,Ni,及びCo
    から成る群から選ばれる少なくとも一種の第2金属の硫
    化物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 該第2金属のモリブデンに対するモル比
    が、約0.1から0.5であることを特徴とする請求項
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該触媒組成物が、下記成分(a)と成分
    (b)からなる触媒先駆体から形成されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1の方法。 成分(a):式ML2又はML3で表わされる貴金属錯体
    の少なくとも一種(前記式中、Mは貴金属を表わし、式
    ML2におけるMはPd又はPdであり、式ML3におけ
    るMはRh又はIrであり、Lはジチオカルバメート、
    ジチオホスフェート、キサンテート及びチオキサンテー
    トの中から選ばれるリガンドを表わし、このリガンドは
    前記貴金属錯体を油中に溶解又は分散させるに十分な炭
    素数を有するものとする) 成分(b):以下に示す一般式(1)又は(2)で表わ
    され油に対し溶解性又は易分散性を有するモリブデン錯
    体の中から選ばれる少なくとも一種 一般式(1) MoO2(S2CNR22 一般式(2) 【化1】 (前記式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアルキル
    置換シクロアルキル基、又は炭素数6〜18の芳香族基
    もしくはアルキル置換芳香族基である)
  8. 【請求項8】 該貴金属錯体が、ビス(2−エトキシエ
    チルキサンタート)Ptであり、該モリブデン錯体がジ
    オクソビス(n−ジブチルジチオカルバマート)Mo
    (VI)であることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 該触媒組成物が、Ni,Co,及びFe
    から成る群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む油
    に対し溶解性又は易分散性を有する金属錯体をさらに含
    有することを特徴とする請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 石炭液化物の蒸留ボトムを前記石炭の
    加熱工程に存在させることを特徴とする請求項1〜9記
    載のいずれかの方法。
  11. 【請求項11】 Pt,Pd,Rh,及びIrからなる
    群から選ばれた少なくとも一種の貴金属により促進され
    た高度に分散された硫化モリブデンを含み、該貴金属は
    0価より大きい酸化状態にあるとともに、主として硫黄
    に配位していることを特徴とする石炭の液化用触媒組成
    物。
JP26648292A 1991-09-09 1992-09-09 石炭の液化方法及びそれに用いる触媒組成物 Pending JPH05214345A (ja)

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