JPH0520368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はゴルフアが正しいスイングフオームを
身につけるのに役立つゴルフスイング練習装置に
関し、更に詳しくは、ボールインパクト時のゴル
フアのフオームがアドレス時のフオームから所定
量以上ずれた場合にゴルフアに知らせることがで
きるゴルフスイング練習装置に関する。

一般に、正しいゴルフスイングを身につけるた
めには、ボールインパクト時のゴルフアのフオー
ムがアドレス時のフオームから大きくずれないよ
うに注意する必要がある。例えば初中級者の場
合、ボールのインパクト時におけるヘツドアツプ
（インパクト時の頭の位置がアドレス時よりも高
くなつている）や、腰のスエー（インパクト時の
腰の位置がアドレス時よりもボールの目標方向に
ずれている）等が起こり易いことが知られてい
る。しかし、スイング中のゴルフアにはボールイ
ンパクトの瞬間の自己のフオームをチエツクする
ことは極めて困難であるため、ゴルフの上達が遅
れる原因となつている。

〔従来の技術〕

従来より、ゴルフスイングのフオームを矯正す
るためのゴルフスイング練習装置が考えられてい
るが、従来のゴルフスイング練習装置はゴルフス
イング中のゴルフアの身体の所定部位の位置や動
きを強制的に拘束するように構成されている。例
えば実開昭59−96063号公報にはゴルフアの頭の
位置を支持杆に取り付けた頭受け具によつて拘束
するように構成したゴルフスイング練習装置が開
示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のゴルフスイング練習装置の場合、ゴルフ
アの所定部位の位置や動きを強制的に拘束するた
め、心理的作用によりゴルフアがその拘束力に逆
らう力を加えてしまう傾向が生じ、自由なスイン
グができなくなるという欠点があつた。

したがつて、本考案の目的は、ゴルフアの位置
や動きを強制的に拘束することなく、ボールイン
パクト時のゴルフアのフオームがアドレス時のフ
オームから所定量以上ずれた場合にゴルフアに警
報を発することによつてゴルフアに正しいフオー
ムを知得させることができるゴルフスイング練習
装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、ゴルフアに取付け可能な発光
体と、スタートスイツチと、ゴルフアがゴルフク
ラブでボールを打つたときのインパクト音を検出
するマイクと、発光体から発つせられるスポツト
光の受光面上の輝点位置をスタートスイツチの作
動及びマイクによるインパクト音の検出を条件と
して検出し、且つ、アドレス時の輝点位置に対す
るボールインパクト時の輝点位置のずれ量を検出
する位置計測手段と、輝点位置のずれ量が所定量
を越えた場合に位置計測手段から発つせられる出
力信号に応じてゴルフアに警報を発する報知手段
と、前記所定量の値を変更できる調整手段とを備
えてなるゴルフスイング練習装置が提供される。

〔作用〕

本考案によるゴルフスイング練習装置において
は、発光体がゴルフアに取り付けられるが、この
発光体はスイング中のゴルフアの位置や動きを強
制的に拘束するものではないので、ゴルフアはリ
ラツクスした状態でスイングを行なうことができ
る。そして、ゴルフアに取り付けた発光体から発
つせられるスポツト光の受光面上の輝点位置がア
ドレス時及びボールインパクト時に位置計測手段
により検出され、アドレス時の輝点位置に対する
ボールインパクト時の輝点位置のずれが所定量を
越えた場合に報知手段によつてゴルフアに警報が
発せられる。この場合、スポツト光の受光面上の
輝点位置のずれは発光体を取り付けたゴルフアの
取り付け部位の位置或いは向きのずれ量に比例す
るので、ゴルフアはアドレス時のフオームに対し
てボールインパクト時のフオームが所定量以上ず
れたことをその警報によつて直ちに知ることがで
きる。したがつて、ゴルフアは警報が発つせられ
なくなるようにフオームの修正を心掛けながらゴ
ルフスイングの練習を繰り返すことにより、正し
いスイングを身につけることができるようにな
る。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図ないし第４図は本考案によるゴルフスイ
ング練習装置の一実施例を示したものである。第
１図ないし第３図を参照すると、ゴルフスイング
練習装置はゴルフア１に取り付け可能な発光体２
を備えている。図示は省略されているが、発光体
２のケーシングには発行ダイオード（LED）或
いはレーザダイオード（LD）等の発光素子と電
池と電源スイツチとが設けられている。図示の例
では、発光体２のケーシングは帽子を利用してゴ
ルフア１の前頭部に取り付けられているが、必要
に応じて、バンド、ベルト等を利用してゴルフア
１の肩、腰、腕、脚等に取り付けることができ
る。

第２図に示すように、ゴルフア１の前方のマツ
ト３上にはボツクス４が設けられている。第３図
に示すように、ボツクス４はマツト３上に固定さ
れた支持ロツド５に対し図示しないジヨイントを
介してその中心軸線５ａ及び中心軸線に直交する
軸線５ｂの周りに回動可能に取り付けられてい
る。したがつて、ボツクス４の向きは自在に調整
することができる。

第３図に示すように、ボツクス４にはゴルフア
１がゴルフクラブ６（第２図参照）でボール７を
打つたときのインパクト音を検出するためのマイ
ク８と、ゴルフア１に警報音を発するための報知
手段としてのスピーカ９と、位置計測装置１０
（第１図参照）のフオトセンサ１１が設けられて
いる。更に、図示実施例においては、ボツクス４
の後述する表示ランプ１２と調整釦１３とが設け
られている。一方、例えばゴルフア１の足元のマ
ツト３上にはスタートスイツチ釦１４が設けられ
ている。なお、スタートスイツチ釦１４は必ずし
もゴルフア１の足元にある必要はないが、スター
トスイツチ釦１４が足元にあるとゴルフア１が一
人で練習を行なう場合に操作が容易になる。

第１図に示すように、位置計測装置１０は制御
部１５と位置記憶部１６とを備えている。制御部
１５及び位置記憶部１６はボツクス４内に収納し
てもよいが、ボツクス４とは別個のユニツトに設
けてもよい。

位置計測装置１０のフオトセンサ１１はシリコ
ンフオトダイオードの両面に均一な抵抗層を設
け、両抵抗層に相対向する電極を設けたものとな
つている。このフオトセンサ１１の受光面に発光
体２から発つせられたスポツト光が当たるとその
受光面上の輝点位置より光電流が生じ、発生した
電流が両面の抵抗層を通つてそれぞれの電極へ出
力される。このとき対向した電極から取り出され
る電流はスポツト光の受光面上の輝点位置から
夫々の電極までの抵抗値すなわち距離によつて分
割出力される。こうして、一方の抵抗層ではＸ座
標電流、他方の抵抗層ではＹ座標電流としてそれ
ぞれ取り出される。したがつて、この出力電流を
制御部１５内の演算回路によつて演算することに
より、受光面上の輝点の２次元位置の検出が可能
となる。このようなフオトセンサ１１を用いた位
置計測装置１０は周知であり、例えば浜松ホトニ
クス株式会社によりC1373シリーズとして製造販
売されているものを使用することができる。

次に、第５図を参照して上記ゴルフスイング練
習装置の使用方法及び位置計測装置１０の作動を
説明する。まず、ゴルフア１はスタートスイツチ
釦１４を作動させてマツト３上で第２図及び第４
図に示す如くアドレス姿勢をとる。この場合、ゴ
ルフア１が正しいアドレス姿勢をとつたときにゴ
ルフア１の例えば頭部に取り付けられている発光
体２からの出力スポツト光２ａがフオトセンサ１
１の受光面のほぼ中央に当たるようにゴルフア１
の足の位置及び発光体２の位置、向き等を調整す
ると共に、発光体２やボツクス４の向き等を予め
調整しておく。

スタートスイツチ釦１４の作動（ステツプ50）
を条件として、位置計測装置１０の制御部１５は
フオトセンサ１１からの出力信号に基づきフオト
センサ１１の受光面に当たつたスポツト光の輝点
位置を算出する。そして、好ましくは、その輝点
位置が所定時間、例えば数秒の間所定誤差の範囲
内に保たれた場合にその輝点位置をアドレス時の
輝点位置P₀として位置記憶部１６に記憶させる
（ステツプ51）。このように輝点位置が所定時間、
例えば数秒の間所定誤差の範囲内に保たれること
を条件としてアドレス時の輝点位置P₀を決定す
るのは、アドレス調整中に変動する輝点位置とア
ドレスが安定したときの受光面上の輝点位置とを
識別してアドレス時の正しい輝点位置P₀を記憶
するためである。

図示実施例においては、アドレス時の輝点位置
P₀が位置記憶部１６に記憶されたときに、制御
部１５からの信号により表示ランプ１２が点灯さ
れる。したがつて、ゴルフア１は表示ランプ１２
の点灯により位置計測装置１０が位置ずれ計測可
能な状態になつたことを確認できる。ゴルフア１
は表示ランプ１２の点灯を確認してスイングのテ
イクバツクを開始する。

テイクバツクの後、クラブ６が振り下ろされて
そのクラブヘツドがボール７に当たると、マイク
８がインパクト音を検出し制御部１５に検出信号
を送る（ステツプ52）。制御部１５はマイク８か
らのインパクト音検出信号の入力を条件として直
ちにフオトセンサ１１からの出力信号に基づきフ
オトセンサ１１の受光面に当たつたスポツト光の
輝点位置P₁を算出する（ステツプ53）。したがつ
て、インパクト時の輝点位置P₁が検出されるこ
ととなる。更に、制御部１５はアドレス時の輝点
位置P₀に対するボールインパクト時の輝点位置
P₁のずれ量を算出し、そのずれ量が許容ずれ量
±ａの範囲内にあるか否かを判別する（ステツプ
54）。

判別の結果、ずれ量が許容ずれ量±ａの範囲内
の場合には位置記憶部１６に記憶されている輝点
位置P₀を消去して処理を終了する（ステツプ
56）。

一方、ずれ量が許容ずれ量±ａの範囲を越えた
場合にはスピーカ９に出力信号を送つてスピーカ
９から警報音を発生（ステツプ55）させた後、位
置記憶部１６に記憶されている輝点位置P₀を消
去して処理を終了する（ステツプ56）。

スポツト光の輝点位置P₁のずれ量は発光体２
を取り付けているゴルフア１の取付け部位の位置
或いは向きのずれ量に比例するので、ゴルフア１
はアドレス時のフオームに対してボールインパク
ト時のフオームが所定量以上ずれたことを警報に
よつて直ちに知ることができる。したがつて、ゴ
ルフア１は警報が出なくなるようにフオームの修
正を心掛けながらゴルフスイングの練習を繰り返
すことにより、正しいスイングを身につけること
ができるようになる。

なお、上記とは逆に正しい姿勢でインパクトを
行なつた場合のみ、すなわちアドレス時の受光面
上の輝点位置P₀に対するインパクト時の受光面
上の輝点位置P₁のずれ量が許容ずれ量±ａの範
囲内にある場合のみ報知音を発生させることも可
能であるが、正しいフオームを効果的に身につけ
るためには、インパクト時のフオームがアドレス
時のフオームから所定量以上ずれた場合に警報を
発する方が好ましい。

上述した許容ずれ量±ａの大きさはボツクス４
に設けられている調整釦１３によつて調整するこ
とができる。したがつて、ゴルフア１の技量に応
じて許容ずれ量の大きさを調整することができ、
また、発光体２の取付け場所に応じて許容ずれ量
の大きさを変更することができる。例えば、発光
体２をゴルフア１の頭部に取り付けてヘツドアツ
プの癖を直す場合には許容ずれ量を小さく設定
し、発光体２をゴルフア１の腰に取り付けて腰の
スエーを直す場合には許容ずれ量を比較的大きく
設定することができる。

上述したように、発光体２は必要に応じてゴル
フア１の適所に取り付けることができるが、ゴル
フア１がスイングを行なう場合に発光体２の取付
けによつて身体の位置や動きに強制的な拘束を受
けることはない。したがつて、ゴルフア１は身体
に余分な力を入れずにリラツクスした状態でスイ
ング練習を行なうことができるようになり、練習
効果が高まる。

以上、図示実施例につき説明したが、本考案は
上記実施例の態様のみに限定されるものではな
く、実用新案登録請求の範囲に記載した考案の範
囲内において構成要素に種々の変更を加えること
ができる。例えば、報知手段としては、スピーカ
９の代わりにゴルフア１の身体に警報として例え
ば電気的な刺激を与えるものであつてもよい。ま
た、発光体やフオトセンサを複数個準備してゴル
フア１の複数箇所のフオームのずれを同時に検出
し、ずれた箇所を音声等で報知するようにしても
よい。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案による
ゴルフスイング練習装置を使用すれば、ゴルフア
は報知手段から警報が出なくなるようにフオーム
の修正を心掛けながらゴルフスイングの練習を繰
り返すことにより、強制的な拘束を受けることな
くリラツクスした状態でスイングを行ないつつ正
しいスイングを身につけることができるようにな
る。

また本考案は、ゴルフアのスエー量を数値で捕
えこの捕えた数値が適正スエー量の範囲内である
か否かを判断する所定量を、調整手段により調整
できるので、ゴルフア個々の特性に合わせて、前
記所定量をスエーのゆるやかな規制から順次厳し
い規制に変化させ、無理なくスエー量の矯正を行
うことができる。したがつてスエー量の大きいゴ
ルフアや神経質なゴルフアに極端な規制を加える
ことによるフオームの崩れやスイングの悪化を招
来することなく、いかなるゴルフアも気楽な状態
で正しいスイングを身につけることができるよう
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すゴルフスイン
グ練習装置の構成ブロツク図、第２図は第１図に
示すゴルフスイング練習装置の使用状態を示す背
面図、第３図は第１図に示すゴルフスイング練習
装置の要部の外観斜視図、第４図は第１図に示す
ゴルフスイング練習装置の使用状態を示す正面
図、第５図は第１図に示すゴルフスイング練習装
置の作動を示すフローチヤートである。 図において、２は発光体、８はマイク、９は警
報報知手段としてのスピーカ、１０は位置計測装
置、１４はスタートスイツチ釦をそれぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴルフアに取付け可能な発光体と、スタートス
   イツチと、ゴルフアがゴルフクラブでボールを打
   つたときのインパクト音を検出するマイクと、発
   光体から発つせられるスポツト光の受光面上の輝
   点位置をスタートスイツチの作動及びマイクによ
   るインパクト音の検出を条件として検出し、且
   つ、アドレス時の輝点位置に対するボールインパ
   クト時の輝点位置のずれ量を検出する位置計測手
   段と、輝点位置のずれ量が所定量を越えた場合に
   位置計測手段から発つせられる出力信号に応じて
   ゴルフアに警報を発する報知手段と、前記所定量
   の値を変更できる調整手段とを備えてなるゴルフ
   スイング練習装置。