JPH05203570A - 周囲光を抑制した反射率光度計 - Google Patents
周囲光を抑制した反射率光度計Info
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- JPH05203570A JPH05203570A JP4257606A JP25760692A JPH05203570A JP H05203570 A JPH05203570 A JP H05203570A JP 4257606 A JP4257606 A JP 4257606A JP 25760692 A JP25760692 A JP 25760692A JP H05203570 A JPH05203570 A JP H05203570A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 反射率光度計において、試薬試験具又は試験
ストリップの位置決めを簡単にすると同時に、測定値を
実際の値と異ならせる周囲光を抑制するための簡単かつ
安価で効果的な手段を提供する。 【構成】 反射率光度計において、動作検出波長を中心
として最小６０ナノメートルまで、最大２００ナノメー
トルまでの波長範囲の光の透過を阻止するスペクトルカ
バーを設けた。
ストリップの位置決めを簡単にすると同時に、測定値を
実際の値と異ならせる周囲光を抑制するための簡単かつ
安価で効果的な手段を提供する。 【構成】 反射率光度計において、動作検出波長を中心
として最小６０ナノメートルまで、最大２００ナノメー
トルまでの波長範囲の光の透過を阻止するスペクトルカ
バーを設けた。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、反射率光度計のような
反射率測定器において周囲光を抑制するための手段に関
するものである。より詳しくは、本発明は、反射率光度
計の動作検出波長を中心として最小６０ナノメートル
（nm）まで、最大２００nmまでの波長範囲の光の透過を
阻止する一方で、他の波長の光の透過を許容するスペク
トルカバーに関するものである。
反射率測定器において周囲光を抑制するための手段に関
するものである。より詳しくは、本発明は、反射率光度
計の動作検出波長を中心として最小６０ナノメートル
（nm）まで、最大２００nmまでの波長範囲の光の透過を
阻止する一方で、他の波長の光の透過を許容するスペク
トルカバーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】試薬試験具または試薬ストリップの反射
率を測定するための機器は周知である。このような機器
は、一般に、体液中のグルコース、タンパク質、ケトン
のような被検体の有無及び／又は量を測定するために試
験具又は試薬ストリップの試薬パッドからの反射率を測
定する。試薬パッドは、体液の成分（被検体）と反応し
て変色のような検出可能な変化を生じるよう設計された
試薬含浸部分である。変色を反射光により測定して、試
験中の体液に含まれる特定の被検体の定性的示度及び／
又は定量的示度を得ることができる。
率を測定するための機器は周知である。このような機器
は、一般に、体液中のグルコース、タンパク質、ケトン
のような被検体の有無及び／又は量を測定するために試
験具又は試薬ストリップの試薬パッドからの反射率を測
定する。試薬パッドは、体液の成分（被検体）と反応し
て変色のような検出可能な変化を生じるよう設計された
試薬含浸部分である。変色を反射光により測定して、試
験中の体液に含まれる特定の被検体の定性的示度及び／
又は定量的示度を得ることができる。
【０００３】周囲光、すなわち反射率測定器にとって外
部の光は、この種の機器の信号光と干渉を引き起こすこ
とがある。従って、反射率の測定は、通常、周囲光が遮
断された反射率測定器の中で行われる。通常、反射率測
定器は不透明な扉を有し、試験器や試験ストリップを設
置する際にはこの扉が開かれる。試験器等を設置したな
らば、扉を閉じて、反射率測定を行う場所から周囲光を
遮断する。
部の光は、この種の機器の信号光と干渉を引き起こすこ
とがある。従って、反射率の測定は、通常、周囲光が遮
断された反射率測定器の中で行われる。通常、反射率測
定器は不透明な扉を有し、試験器や試験ストリップを設
置する際にはこの扉が開かれる。試験器等を設置したな
らば、扉を閉じて、反射率測定を行う場所から周囲光を
遮断する。
【０００４】市販の反射率光度計に設けられた読取りヘ
ッドドアを開いたままにしておくと、測定反射率は、信
号光との周囲光の干渉のために少なくとも１０％大きく
なることがある。反射率光度計によりグルコース濃度
（［Ｇ］、単位：全血１デシリットル当たりのミリグラ
ム数［mg/dL]）を測定反射率の関数として測定する場合
にこれがどのような影響を及ぼすかを図１に示す。例え
ば、反射率が０．２５０反射率単位から０．２７５反射
率単位に変化すると（＋１０％の増加）、ユーザに示さ
れる結果は１１６．１mg/dL から８９．５mg/dL まで２
３％も変化する。機器、試薬パッド等を含めたシステム
全体に必要な臨床精度では、通常この誤差が１５％未満
でなければならない。すなわち、検出光レベルが１０％
増加しただけで、反射率測定器に要求される臨床精度を
越える２３％の誤差が生じ得るということがわかる。ま
た、これと異なる反射率レベルでは［Ｇ］に対する周囲
光の影響がさらに大きくなるということも注意すべきで
ある。このことは、比較的高いグルコース読取り値にお
いて特に当てはまる。
ッドドアを開いたままにしておくと、測定反射率は、信
号光との周囲光の干渉のために少なくとも１０％大きく
なることがある。反射率光度計によりグルコース濃度
（［Ｇ］、単位：全血１デシリットル当たりのミリグラ
ム数［mg/dL]）を測定反射率の関数として測定する場合
にこれがどのような影響を及ぼすかを図１に示す。例え
ば、反射率が０．２５０反射率単位から０．２７５反射
率単位に変化すると（＋１０％の増加）、ユーザに示さ
れる結果は１１６．１mg/dL から８９．５mg/dL まで２
３％も変化する。機器、試薬パッド等を含めたシステム
全体に必要な臨床精度では、通常この誤差が１５％未満
でなければならない。すなわち、検出光レベルが１０％
増加しただけで、反射率測定器に要求される臨床精度を
越える２３％の誤差が生じ得るということがわかる。ま
た、これと異なる反射率レベルでは［Ｇ］に対する周囲
光の影響がさらに大きくなるということも注意すべきで
ある。このことは、比較的高いグルコース読取り値にお
いて特に当てはまる。
【０００５】米国意匠特許第２４５，４３４号において
は、試薬試験具を保持するよう設計された試薬トレイを
用いて、反射率測定が周囲光の影響を実質的に受けない
場所で行われる反射率光度計に試薬試験具を挿入してい
る。
は、試薬試験具を保持するよう設計された試薬トレイを
用いて、反射率測定が周囲光の影響を実質的に受けない
場所で行われる反射率光度計に試薬試験具を挿入してい
る。
【０００６】他方、米国意匠特許第２９２，２７７号に
は、開閉可能な読取りヘッドドアを有する比較的典型的
な反射率光度計が記載されている。この読取りヘッドド
アを開いて試薬試験具を挿入した後、ドアを閉じて反射
率測定を行う。ドアを閉じると、周囲光による反射率測
定への干渉を実質的に防ぐことができる。このような反
射率光度計から試薬試験具を取り出すには、再度読取り
ヘッドドアを開く必要がある。
は、開閉可能な読取りヘッドドアを有する比較的典型的
な反射率光度計が記載されている。この読取りヘッドド
アを開いて試薬試験具を挿入した後、ドアを閉じて反射
率測定を行う。ドアを閉じると、周囲光による反射率測
定への干渉を実質的に防ぐことができる。このような反
射率光度計から試薬試験具を取り出すには、再度読取り
ヘッドドアを開く必要がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術は、
その有効性にもかかわらず、ユーザの利便性、エンジニ
アリング的簡易性及び／又は製造コストの観点から言う
と、いずれも魅力的ではない。顧客の利便性という点で
は、できる限りステップ数が少なく、操作シーケンスが
簡単であることが必要である。周囲光を抑制又は阻止す
るための従来技術の方法におけるもう一つの問題は、試
薬パッドを逆さまにして（読取りヘッドウィンドウに向
けて）反射率測定器に入れ、機器に対してドア又は蓋を
閉じたときの試薬試験具上の試薬パッドの最終位置を正
確に決めることができないので、試薬試験具を機器中に
正しく位置決めすることが困難なときがあるということ
である。
その有効性にもかかわらず、ユーザの利便性、エンジニ
アリング的簡易性及び／又は製造コストの観点から言う
と、いずれも魅力的ではない。顧客の利便性という点で
は、できる限りステップ数が少なく、操作シーケンスが
簡単であることが必要である。周囲光を抑制又は阻止す
るための従来技術の方法におけるもう一つの問題は、試
薬パッドを逆さまにして（読取りヘッドウィンドウに向
けて）反射率測定器に入れ、機器に対してドア又は蓋を
閉じたときの試薬試験具上の試薬パッドの最終位置を正
確に決めることができないので、試薬試験具を機器中に
正しく位置決めすることが困難なときがあるということ
である。
【０００８】従って、反射率光度計における試薬試験具
又は試験ストリップの位置決めを簡単にすると同時に、
測定値を実際の値と異ならせる周囲光を抑制する手段が
必要とされている。本発明は、これらの課題を解決し
て、測定のために反射率光度計中に試薬試験具を留めて
おくための複雑なトレイ機構を用いたり、周囲光による
反射率測定への干渉を抑制又は防止するために扉機構又
は蓋機構を用いたりする必要性をなくすものである。
又は試験ストリップの位置決めを簡単にすると同時に、
測定値を実際の値と異ならせる周囲光を抑制する手段が
必要とされている。本発明は、これらの課題を解決し
て、測定のために反射率光度計中に試薬試験具を留めて
おくための複雑なトレイ機構を用いたり、周囲光による
反射率測定への干渉を抑制又は防止するために扉機構又
は蓋機構を用いたりする必要性をなくすものである。
【０００９】本発明の目的は、反射率光度計において周
囲光を抑制したり除去したりするための簡単かつ効果的
な手段を提供することにある。
囲光を抑制したり除去したりするための簡単かつ効果的
な手段を提供することにある。
【００１０】本発明のもう一つ目的は、周囲光を抑制し
たり除去したりするための、反射率光度計に取り付けら
れた手段であって、反射率測定中又はその前後とも全く
移動させる必要のない手段を提供することにある。
たり除去したりするための、反射率光度計に取り付けら
れた手段であって、反射率測定中又はその前後とも全く
移動させる必要のない手段を提供することにある。
【００１１】本発明のさらに他の目的は、反射率測定を
行う直前に、試薬ストリップの試薬パッドを反射率測定
器の読取りヘッド部に位置決めすることを目視により行
い易くするための安価で効果的な手段を提供することに
ある。
行う直前に、試薬ストリップの試薬パッドを反射率測定
器の読取りヘッド部に位置決めすることを目視により行
い易くするための安価で効果的な手段を提供することに
ある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、反射率
光度計の読取りヘッド上方にスペクトルカバー手段が配
置される。このスペクトルカバーは、動作検出波長を中
心として最小６０nmまで、最大２００nmまでの範囲の波
長を有する光の透過を遮断する一方、他の波長の光は透
過させるよう設計されている。また、スペクトルカバー
は、その開口部分に試薬試験具を容易に挿入することが
できるように設計されている。従って、試薬試験具の挿
入又は取出しのためにスペクトルカバーを動かす必要が
ない。スペクトルカバーはある可視波長範囲の光を透過
させるので、ユーザはスペクトルカバーを通して内部を
見ることにより、反射率光度計中、試薬試験具を読取り
ヘッドの上方に正しくかつ都合よく位置決めすることが
できる。このように、本発明のスペクトルカバーは、周
囲光の問題を解消すると共に、反射率光度計の操作を簡
単にし、反射率光度計の製造コストを低減するものであ
る。
光度計の読取りヘッド上方にスペクトルカバー手段が配
置される。このスペクトルカバーは、動作検出波長を中
心として最小６０nmまで、最大２００nmまでの範囲の波
長を有する光の透過を遮断する一方、他の波長の光は透
過させるよう設計されている。また、スペクトルカバー
は、その開口部分に試薬試験具を容易に挿入することが
できるように設計されている。従って、試薬試験具の挿
入又は取出しのためにスペクトルカバーを動かす必要が
ない。スペクトルカバーはある可視波長範囲の光を透過
させるので、ユーザはスペクトルカバーを通して内部を
見ることにより、反射率光度計中、試薬試験具を読取り
ヘッドの上方に正しくかつ都合よく位置決めすることが
できる。このように、本発明のスペクトルカバーは、周
囲光の問題を解消すると共に、反射率光度計の操作を簡
単にし、反射率光度計の製造コストを低減するものであ
る。
【００１３】以下、本発明を添付図面に示す実施例によ
り詳細に説明する。
り詳細に説明する。
【００１４】
【実施例】図１に示すように、周囲光は光ノイズの発生
源であり、これを抑制しない限り、反射率光度計の検出
器からの光電流に著しい悪影響が生じ、反射率測定器に
より示される検出測定値に誤差が生じるおそれがある。
源であり、これを抑制しない限り、反射率光度計の検出
器からの光電流に著しい悪影響が生じ、反射率測定器に
より示される検出測定値に誤差が生じるおそれがある。
【００１５】図２は、典型的な反射率光度計の信号光及
びノイズ光の経路を示すと共に、どこで周囲光ノイズが
発生するかを示す。反射率光度計においては、読取りヘ
ッド内の信号を運ぶ光は光源、すなわちＬＥＤから出
て、読取りヘッドウィンドウを通り、試験手段又は試験
ストリップ上の試薬パッドへ入射する。試薬パッドから
反射する拡散光は、上記と同じ読取りヘッドウィンドウ
を通り、フィルタを直角に通過して検出器に入る。種々
の状況の周囲光からのノイズを帯びた光は、上記の信号
光と同様の経路に沿って伝達される他、さらに読取りヘ
ッドドアを通り抜ける。本発明は、この周囲光によって
生じるノイズ光を、その光電流に対する影響、従って反
射率光度計のユーザに示される測定値に対する影響が無
視することができる程度となるように抑制するものであ
る。
びノイズ光の経路を示すと共に、どこで周囲光ノイズが
発生するかを示す。反射率光度計においては、読取りヘ
ッド内の信号を運ぶ光は光源、すなわちＬＥＤから出
て、読取りヘッドウィンドウを通り、試験手段又は試験
ストリップ上の試薬パッドへ入射する。試薬パッドから
反射する拡散光は、上記と同じ読取りヘッドウィンドウ
を通り、フィルタを直角に通過して検出器に入る。種々
の状況の周囲光からのノイズを帯びた光は、上記の信号
光と同様の経路に沿って伝達される他、さらに読取りヘ
ッドドアを通り抜ける。本発明は、この周囲光によって
生じるノイズ光を、その光電流に対する影響、従って反
射率光度計のユーザに示される測定値に対する影響が無
視することができる程度となるように抑制するものであ
る。
【００１６】図３及び４を参照しつつ説明すると、これ
らの図には、反射率光度計に永久的に又は半永久的に取
り付けられた本発明のスペクトルカバー手段が示されて
いる。具体的には、反射率光度計は全体として１０で示
され、スペクトルカバー１４によって覆われた読取りヘ
ッド部１２を有する。この反射率光度計１０は、特定情
報の入力のための適切な入力キー又はボタン１６と、命
令情報及び反射率測定の結果を表示するためのディスプ
レイウィンドウ１８とを有する。
らの図には、反射率光度計に永久的に又は半永久的に取
り付けられた本発明のスペクトルカバー手段が示されて
いる。具体的には、反射率光度計は全体として１０で示
され、スペクトルカバー１４によって覆われた読取りヘ
ッド部１２を有する。この反射率光度計１０は、特定情
報の入力のための適切な入力キー又はボタン１６と、命
令情報及び反射率測定の結果を表示するためのディスプ
レイウィンドウ１８とを有する。
【００１７】図４においては、試薬試験具又は試験スト
リップ２０がスペクトルカバー１４の開口部２２に挿入
されている。スペクトルカバー１４は、ある可視波長を
透過させる一方、他の波長は遮断する適当なプラスチッ
ク又はガラス材料で形成されている。ここで重要なの
は、このスペクトルカバーは動作検出波長を中心として
最小６０nmまで、最大２００nmまでの波長範囲の周囲光
を抑制又は遮断するということある。従って、測定する
中心波長が約７１０nmの場合、スペクトルカバーが約６
８０nmから約７４０nmまでの波長範囲内の周囲光を遮断
することが特に重要である。場合によっては、スペクト
ルカバーは、検出波長から１００nmまでの範囲の周囲光
を抑制又は遮断しなければならないこともある。これは
特に、検出に使用する光源の波長が異常な変動を受け易
い場合、あるいは反射率機器が波長に影響を及ぼす温度
変化にさらされる場合に当てはまる。このような特別な
場合については、スペクトルカバーは、測定する中心波
長が約７１０nmのときで、約６１０nmから約８１０nmま
での波長範囲の周囲光を遮断するように設計することが
できる。いずれの場合も、このスペクトルカバー１４に
よると、ユーザはスペクトルカバー１４を通して内部を
見ることによって試薬試験具２０がどこに位置している
かを目で確認することができるため、試薬試験具２０を
読取りヘッド１２上に容易に位置決めすることができ
る。
リップ２０がスペクトルカバー１４の開口部２２に挿入
されている。スペクトルカバー１４は、ある可視波長を
透過させる一方、他の波長は遮断する適当なプラスチッ
ク又はガラス材料で形成されている。ここで重要なの
は、このスペクトルカバーは動作検出波長を中心として
最小６０nmまで、最大２００nmまでの波長範囲の周囲光
を抑制又は遮断するということある。従って、測定する
中心波長が約７１０nmの場合、スペクトルカバーが約６
８０nmから約７４０nmまでの波長範囲内の周囲光を遮断
することが特に重要である。場合によっては、スペクト
ルカバーは、検出波長から１００nmまでの範囲の周囲光
を抑制又は遮断しなければならないこともある。これは
特に、検出に使用する光源の波長が異常な変動を受け易
い場合、あるいは反射率機器が波長に影響を及ぼす温度
変化にさらされる場合に当てはまる。このような特別な
場合については、スペクトルカバーは、測定する中心波
長が約７１０nmのときで、約６１０nmから約８１０nmま
での波長範囲の周囲光を遮断するように設計することが
できる。いずれの場合も、このスペクトルカバー１４に
よると、ユーザはスペクトルカバー１４を通して内部を
見ることによって試薬試験具２０がどこに位置している
かを目で確認することができるため、試薬試験具２０を
読取りヘッド１２上に容易に位置決めすることができ
る。
【００１８】スペクトルカバー１４は動かす必要がな
い、すなわち反射率光度計上に永久的又は半永久的に設
置しておくことができるので、反射率光度計はより安価
に製造することができるのみならず、使用時の支障もよ
り少なくなる。このことは、詰まるところ、通常の使用
においてスペクトルカバーをユーザが動かしたり調節し
たりする必要がないため、反射率光度計全体の信頼性が
より高くなるということを意味する。しかしながら、ユ
ーザが反射率光度計のウィンドウを囲む読取りヘッド部
の汚れを定期的に除くことができるように、スペクトル
カバーに蝶番を付けて構成することが望ましい場合もあ
る。あるいは、スペクトルカバーは、掃除が必要である
か望ましいとき取り外し易いように、適切な位置にスナ
ップ嵌めするような構造にすることもできる。
い、すなわち反射率光度計上に永久的又は半永久的に設
置しておくことができるので、反射率光度計はより安価
に製造することができるのみならず、使用時の支障もよ
り少なくなる。このことは、詰まるところ、通常の使用
においてスペクトルカバーをユーザが動かしたり調節し
たりする必要がないため、反射率光度計全体の信頼性が
より高くなるということを意味する。しかしながら、ユ
ーザが反射率光度計のウィンドウを囲む読取りヘッド部
の汚れを定期的に除くことができるように、スペクトル
カバーに蝶番を付けて構成することが望ましい場合もあ
る。あるいは、スペクトルカバーは、掃除が必要である
か望ましいとき取り外し易いように、適切な位置にスナ
ップ嵌めするような構造にすることもできる。
【００１９】このスペクトルカバーによれば、測定前に
試薬試験具を横方向及び奥行きに関して目視により位置
決めして試験器の正確な位置を確保することができるた
め、反射率光度計の光学読取りヘッドの上方に試薬試験
具、特に試薬パッドを正しく位置決めすることができ
る。さらに、ユーザは、下向きに位置決めされる測定対
象の試薬パッドとの関連において、試薬試験具が反射率
光度計に正しく挿入されたかどうかを目で確認すること
ができる。
試薬試験具を横方向及び奥行きに関して目視により位置
決めして試験器の正確な位置を確保することができるた
め、反射率光度計の光学読取りヘッドの上方に試薬試験
具、特に試薬パッドを正しく位置決めすることができ
る。さらに、ユーザは、下向きに位置決めされる測定対
象の試薬パッドとの関連において、試薬試験具が反射率
光度計に正しく挿入されたかどうかを目で確認すること
ができる。
【００２０】スペクトルカバー１４は、図３及び４にお
いては、反射率光度計１０の読取りヘッド部１２に試薬
ストリップ２０を挿入するための開口部を一端に有する
ように示されているが、スペクトルカバーの側部から試
薬ストリップを読取りヘッド部へ導入することができる
よう、スペクトルカバー１４の一方の側部に沿って開口
部（図示省略）を設けうることが理解されよう。
いては、反射率光度計１０の読取りヘッド部１２に試薬
ストリップ２０を挿入するための開口部を一端に有する
ように示されているが、スペクトルカバーの側部から試
薬ストリップを読取りヘッド部へ導入することができる
よう、スペクトルカバー１４の一方の側部に沿って開口
部（図示省略）を設けうることが理解されよう。
【００２１】このように、本発明のスペクトルカバーに
よれば、反射率光度計のユーザは、試験手段又は試験ス
トリップ上の試薬パッドを反射率光度計の読取りヘッド
に容易に挿入することができ；試薬パッドが正しく位置
決めされていることを目視で確認することができ；試薬
パッドの近くに汚れがないことを確認することができ；
さらに、所望の信号波長範囲外の波長の周囲光を抑制す
ることができる。
よれば、反射率光度計のユーザは、試験手段又は試験ス
トリップ上の試薬パッドを反射率光度計の読取りヘッド
に容易に挿入することができ；試薬パッドが正しく位置
決めされていることを目視で確認することができ；試薬
パッドの近くに汚れがないことを確認することができ；
さらに、所望の信号波長範囲外の波長の周囲光を抑制す
ることができる。
【００２２】スペクトルカバーの構成に使用される材質
の性質は、適度の耐久性を有し、上に述べたような波長
透過特性を有するものであれば、特に限定されない。例
えば、ＧＥ Lexan ２１４８やポリカーボネート（Makr
olon ２４０１）は、スペクトルカバーの構成に使用す
ることができる好適な材質である。これらの着色プラス
チック材料は、可視範囲及び８００〜１２００nmの近赤
外（ＩＲ）域の光を透過させる。図５参照。８００〜１
２００nmの範囲の光は、例えば全誘電体の薄膜で形成さ
れたフィルタによって遮断することができる。この点に
関しては、例えばA. Brunsting他によるApplied Optics
誌、Vol.２５第１８号の「全誘電体帯域通過フィルタに
対する環境の影響（Environmental Effects on All-Die
lectricBandpass Filters）」（１９８６年９月１５
日）を参照のこと。このようなフィルタを使用した場合
の結果を図６に示す。必要ならば、このようなフィルタ
でより高価なものを用いることにより可視光（４００〜
６００nm）を遮断することも可能である。
の性質は、適度の耐久性を有し、上に述べたような波長
透過特性を有するものであれば、特に限定されない。例
えば、ＧＥ Lexan ２１４８やポリカーボネート（Makr
olon ２４０１）は、スペクトルカバーの構成に使用す
ることができる好適な材質である。これらの着色プラス
チック材料は、可視範囲及び８００〜１２００nmの近赤
外（ＩＲ）域の光を透過させる。図５参照。８００〜１
２００nmの範囲の光は、例えば全誘電体の薄膜で形成さ
れたフィルタによって遮断することができる。この点に
関しては、例えばA. Brunsting他によるApplied Optics
誌、Vol.２５第１８号の「全誘電体帯域通過フィルタに
対する環境の影響（Environmental Effects on All-Die
lectricBandpass Filters）」（１９８６年９月１５
日）を参照のこと。このようなフィルタを使用した場合
の結果を図６に示す。必要ならば、このようなフィルタ
でより高価なものを用いることにより可視光（４００〜
６００nm）を遮断することも可能である。
【００２３】スペクトルカバーを通る周囲光の可視部を
抑制する着色材料に検出器を封入することも可能であ
る。（図７参照。）
抑制する着色材料に検出器を封入することも可能であ
る。（図７参照。）
【００２４】これらの遮断効果をすべて使用することに
より、周囲光による光ノイズの通過スペクトルは図８に
示すような形になる。なお、この場合、周囲光スペクト
ルはケルビン温度で約２９００度の色温度の光源を用い
てプロットしたものである。これら３つのスペクトル領
域の総合遮断効果はグラフ底辺のゼロ処理能力関数によ
って示される。ある波長における処理能力関数の値は、
その波長における周囲光と、読取りヘッドドアと、フィ
ルタと、検出器との積である。検出器の光電流に対する
ノイズの総合効果は、検出器が感応する全波長にわたる
ノイズについて処理能力関数を積分したものである。
より、周囲光による光ノイズの通過スペクトルは図８に
示すような形になる。なお、この場合、周囲光スペクト
ルはケルビン温度で約２９００度の色温度の光源を用い
てプロットしたものである。これら３つのスペクトル領
域の総合遮断効果はグラフ底辺のゼロ処理能力関数によ
って示される。ある波長における処理能力関数の値は、
その波長における周囲光と、読取りヘッドドアと、フィ
ルタと、検出器との積である。検出器の光電流に対する
ノイズの総合効果は、検出器が感応する全波長にわたる
ノイズについて処理能力関数を積分したものである。
【００２５】測定を行うためには、所望の波長範囲内の
信号光をフィルタを通して検出器の受光面に入射させな
ければならない。この関係を図９に示す。この図のグラ
フには、信号、すなわちノイズ処理能力関数の場合と同
様に計算によって求められる全信号が有意のＤ曲線とし
て示されている。このように、検出器の光電流出力に対
する信号の総合効果は、検出器が感応する全ての波長の
処理能力関数の積分である。この図から明らかなよう
に、検出器への信号の通過は許容されるのに対し、ノイ
ズは抑制される。
信号光をフィルタを通して検出器の受光面に入射させな
ければならない。この関係を図９に示す。この図のグラ
フには、信号、すなわちノイズ処理能力関数の場合と同
様に計算によって求められる全信号が有意のＤ曲線とし
て示されている。このように、検出器の光電流出力に対
する信号の総合効果は、検出器が感応する全ての波長の
処理能力関数の積分である。この図から明らかなよう
に、検出器への信号の通過は許容されるのに対し、ノイ
ズは抑制される。
【００２６】以上の説明から、本発明が前述の目的を全
て達成し得るよう構成されていると共に、自明かつ固有
のその他の長所をも達成し得るものであるということは
明らかであろう。本発明のスペクトルカバーは、反射率
光度計の測定域の周囲光を抑制すると共に、試薬ストリ
ップの目視による位置決めを可能にするための簡単かつ
効果的な手段を与えるものである。試薬パッドを読取り
ヘッド部に挿入したり、そこから取り出したりするとき
にスペクトルカバーを動かす必要がないため、反射率光
度計から動作上の支障となり得る可動部を１つなくすこ
とができる。その結果及び試薬試験具の正確な位置決め
が可能なことによって、反射率光度計全体の信頼性が大
幅に向上する一方、反射率光度計全体の操作が著しく簡
単化される。
て達成し得るよう構成されていると共に、自明かつ固有
のその他の長所をも達成し得るものであるということは
明らかであろう。本発明のスペクトルカバーは、反射率
光度計の測定域の周囲光を抑制すると共に、試薬ストリ
ップの目視による位置決めを可能にするための簡単かつ
効果的な手段を与えるものである。試薬パッドを読取り
ヘッド部に挿入したり、そこから取り出したりするとき
にスペクトルカバーを動かす必要がないため、反射率光
度計から動作上の支障となり得る可動部を１つなくすこ
とができる。その結果及び試薬試験具の正確な位置決め
が可能なことによって、反射率光度計全体の信頼性が大
幅に向上する一方、反射率光度計全体の操作が著しく簡
単化される。
【００２７】以上に説明した本発明に対して、その趣旨
及び範囲から逸脱することなく多くの修正態様及び変形
態様なすことが可能であり、従って本発明は特許請求の
範囲の記載のみに基づいて限定されるものである。
及び範囲から逸脱することなく多くの修正態様及び変形
態様なすことが可能であり、従って本発明は特許請求の
範囲の記載のみに基づいて限定されるものである。
【００２８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反射率光度計の測定域の周囲光を簡単かつ効果的に抑制
することができ、試薬ストリップの目視による位置決め
を容易に行うことが可能であると共に、反射率光度計の
総合的信頼性を著しく改善することができる。
反射率光度計の測定域の周囲光を簡単かつ効果的に抑制
することができ、試薬ストリップの目視による位置決め
を容易に行うことが可能であると共に、反射率光度計の
総合的信頼性を著しく改善することができる。
【図１】反射率光度計におけるグルコース反射率測定に
対して周囲光が及ぼす１０％の影響を示すグラフであ
る。
対して周囲光が及ぼす１０％の影響を示すグラフであ
る。
【図２】典型的な反射率光度計内部の信号光及びノイズ
光の経路を示すフローチャートである。
光の経路を示すフローチャートである。
【図３】本発明のスペクトルカバーを用いた反射率光度
計を示す斜視図である。
計を示す斜視図である。
【図４】反射率測定を行うために試薬ストリップを図３
の反射率光度計の所定位置に挿入した状態を示す斜視図
である。
の反射率光度計の所定位置に挿入した状態を示す斜視図
である。
【図５】スペクトルカバーのスペクトル透過を示すグラ
フである。
フである。
【図６】ＩＲカットオフフィルタの走査を示すグラフで
ある。
ある。
【図７】典型的な検出器のスペクトル応答走査を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図８】周囲光による光ノイズについてのスペクトル処
理能力を示すグラフである。
理能力を示すグラフである。
【図９】本発明による反射率光度計における光信号につ
いてのスペクトル処理能力を示すグラフである。
いてのスペクトル処理能力を示すグラフである。
１０ 反射率光度計 １２ 読取りヘッド部 １４ スペクトルカバー ２０ 試薬試験具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロジャー・ディー・ソネンバーグ アメリカ合衆国、インデイアナ州、46561、 オスセオラ、レイントリー・ドライブ 55878
Claims (6)
- 【請求項１】 試薬試験具からの反射率を測定するため
の反射率光度計において、読取りヘッド部を有し、該読
取りヘッド部が、動作検出波長を中心として最小６０ナ
ノメートルまで、最大２００ナノメートルまでの波長範
囲の光が読取りヘッド部に透過することを阻止するスペ
クトルカバーで覆われていることと、試薬試験具を該読
取りヘッド部に挿入したり、そこから取り出したりする
ためにスペクトルカバーを動かす必要がないこととを特
徴とする反射率光度計。 - 【請求項２】 スペクトルカバーが着色プラスチックで
ある請求項１記載の反射率光度計。 - 【請求項３】 着色プラスチックがポリカーボネートで
ある請求項２記載の反射率光度計。 - 【請求項４】 着色プラスチックが６００〜８００ナノ
メートルの波長範囲内の光を実質的に除去する請求項２
記載の反射率光度計。 - 【請求項５】 動作検出波長から５０ナノメートルを超
える波長を有する光を除去する少なくとも１つのフィル
タをさらに含む請求項１記載の反射率光度計。 - 【請求項６】 動作検出波長が７１０ナノメートルであ
る請求項１記載の反射率光度計。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US07/754,065 US5189495A (en) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | Ambient light suppression for reflectance photometers |
| US754065 | 1991-09-03 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05203570A true JPH05203570A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=25033351
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4257606A Pending JPH05203570A (ja) | 1991-09-03 | 1992-09-02 | 周囲光を抑制した反射率光度計 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5189495A (ja) |
| JP (1) | JPH05203570A (ja) |
| AU (1) | AU2069192A (ja) |
| CA (1) | CA2077296A1 (ja) |
| DE (1) | DE4229087A1 (ja) |
| GB (1) | GB2260810A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09509491A (ja) * | 1994-02-26 | 1997-09-22 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | レインセンサ |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996008710A1 (en) * | 1994-09-14 | 1996-03-21 | X-Rite Incorporated | Compact spectrophotometer |
| CA2199870A1 (en) * | 1994-09-14 | 1996-03-21 | Thomas J. Boes | Scanning colorimeter |
| US5738828A (en) * | 1996-01-16 | 1998-04-14 | Umm Electronics Inc. | Apparatus for detecting proper strip insertion into an optical reflectance meter |
| EP1060455A4 (en) | 1998-02-10 | 2002-08-07 | Ey Lab Inc | REFLECTOR SYSTEM WITH COMPENSATION FOR THE TOPOGRAPHY OF THE SAMPLING HOLDER AND WITH SYNCHRONOUS ELIMINATION OF THE SYSTEM-RELATED NOISE |
| US6274326B1 (en) * | 1998-02-17 | 2001-08-14 | Umm Electronics, Inc. | Method and apparatus for detecting proper strip insertion into an optical reflectance meter |
| GB2373852B (en) * | 2001-03-26 | 2005-06-08 | Capital Controls Ltd | Portable light detector |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US2856540A (en) * | 1954-12-30 | 1958-10-14 | Gen Electric | Infrared detection apparatus |
| JPS61130859A (ja) * | 1984-11-27 | 1986-06-18 | シンテツクス・ダイアグノステイツク・リミテツド・パ−トナ−シツプ | ポ−タブルアナライザ− |
| US4791461A (en) * | 1984-11-27 | 1988-12-13 | Syntex (U.S.A.) Inc. | Portable analyzer |
| US4655712A (en) * | 1985-08-01 | 1987-04-07 | Croll Theodore P | Dental tray light shield |
-
1991
- 1991-09-03 US US07/754,065 patent/US5189495A/en not_active Expired - Fee Related
-
1992
- 1992-07-30 AU AU20691/92A patent/AU2069192A/en not_active Abandoned
- 1992-08-28 GB GB9218393A patent/GB2260810A/en not_active Withdrawn
- 1992-09-01 DE DE4229087A patent/DE4229087A1/de not_active Withdrawn
- 1992-09-01 CA CA002077296A patent/CA2077296A1/en not_active Abandoned
- 1992-09-02 JP JP4257606A patent/JPH05203570A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09509491A (ja) * | 1994-02-26 | 1997-09-22 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | レインセンサ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| GB2260810A (en) | 1993-04-28 |
| US5189495A (en) | 1993-02-23 |
| AU2069192A (en) | 1993-03-25 |
| DE4229087A1 (de) | 1993-03-04 |
| CA2077296A1 (en) | 1993-03-04 |
| GB9218393D0 (en) | 1992-10-14 |
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