JPH05194745A - 液晶共重合体の製造方法 - Google Patents

液晶共重合体の製造方法

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JPH05194745A
JPH05194745A JP2901192A JP2901192A JPH05194745A JP H05194745 A JPH05194745 A JP H05194745A JP 2901192 A JP2901192 A JP 2901192A JP 2901192 A JP2901192 A JP 2901192A JP H05194745 A JPH05194745 A JP H05194745A
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隆佐 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温域を含む幅広い温度範囲で強誘電性を示
す上に、高速で外部電界の変化に対して応答するととも
に、液晶パネルとして使用した場合にコントラストに優
れたものが得られる液晶共重合体の製造方法において、
分子量制御が容易に行える製造方法を提供する。 【構成】 下記一般式で表わされるジエン化合物[I] (式中、l及びmは2〜5の整数、aは1〜20の整
数、bは1〜10の整数、Zは を表わし、*は不斉炭素を表わす。)と下記一般式で表
わされるシロキサン化合物[II] (式中pは0〜3の整数を表わす。)を付加重合させて
液晶共重合体を製造する際、反応系にオレフィン性二重
結合を分子中に1個有する化合物を加えて重合反応を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子量の制御を容易に行
うことができる上に、得られる高分子主鎖末端の炭素−
炭素二重結合の数を減らすことができる液晶共重合体の
製造方法に関する。更に詳しくいえば、本発明は液晶表
示パネル等に用いられる長期安定性に優れ、広い温度範
囲でカイラルスメクチックC相(SmC*相)を示すと
ともに、外部電界の変化に対する高速応答性を有し、か
つコントラストの優れた液晶共重合体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高分子液晶は液晶表示パネルの大型化、
曲面化のために有用な液晶材料であるが、外部電界の変
化に対して高速応答性を示し、使用可能な温度範囲にお
いて十分満足する特性を有する高分子液晶は現在のとこ
ろ得られていない。例えば、特開昭63−990204
号公報において、ポリアクリレート系強誘電性高分子液
晶の合成が報告されており、優れた性能を示すことが明
らかとなっているが、この側鎖型高分子液晶において
も、なお、応答速度、使用可能な温度範囲に問題が残っ
ている。
【0003】また、特開昭63−254529号公報に
おいては、エポキシ基を有するモノマーを重合させて得
られるポリエーテル系強誘電性高分子液晶が開示されて
いる。この側鎖型高分子液晶には、室温付近を含む広い
温度範囲で外部電界刺激に対して応答するという利点は
あるものの、その応答速度が遅く、実用に供するには未
だ不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、室温域を含
む幅広い温度範囲で強誘電性を示す上に、高速で外部電
界の変化に対して応答するとともに、液晶パネルとして
使用した場合にコントラストに優れた液晶共重合体を得
ることができるとともに分子量の制御が容易な液晶共重
合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】本発明者らは先に、側鎖に芳香環を有する
鎖状炭化水素骨格とシロキサン骨格とを繰り返し単位と
して有する新規共重合体が室温域を含む幅広い温度範囲
でカイラルスメクチックC相(SmC*相)を発現する
とともに、電界変化に対する高速応答性を有することを
見出した。この共重合体は側鎖に芳香環を有し、末端に
二つの炭素−炭素二重結合を有するジエン化合物と末端
に二つの活性水素を有するシロキサン化合物をほぼ等モ
ルの割合で溶媒中、ヒドロシリル化反応を行って付加重
合させることにより得られる。しかしながら、この共重
合体の分子量を制御するにはジエン化合物/シロキサン
化合物のモル比を変えるしかなく、分子量の制御が困難
であった。またこの方法だと高分子液晶の主鎖末端に反
応性の高い炭素−炭素二重結合又はヒドロシラン構造を
残すことになり、液晶共重合体の長期安定性が悪くなる
という問題を生ずる。本発明は分子量の制御が容易な液
晶共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、ジエン化合物と
シロキサン化合物を付加重合させて液晶共重合体を製造
する際、反応系にオレフィン性二重結合を分子中に1個
有する化合物を加えて重合反応を行うことにより、前記
課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は下記一般式で表わされ
るジエン化合物[I]
【化4】 (式中、l及びmは2〜5の整数、aは1〜20の整
数、bは1〜10の整数、Zは
【0008】
【化5】 を表わし、*は不斉炭素を表わす。)と下記一般式で表
わされるシロキサン化合物[II]
【0009】
【化6】
【0010】(式中pは0〜3の整数を表わす。)を付
加重合させて液晶共重合体を製造する際、反応系にオレ
フィン性二重結合を分子中に1個有する化合物[II
I]を加えて重合反応を行うことを特徴とする液晶共重
合体の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明により得られる液晶共重合体は下記
一般式で示されるような繰り返し単位を有しており、室
温域を含む幅広い温度範囲で外部電界に対する応答性に
優れ、コントラストに優れている。
【0012】
【化7】 (式中、l、m、p、a、b、Zは前記と同じ。)
【0013】本発明の液晶共重合体の重付加反応は、好
ましくは溶媒中、触媒の存在下、ジエン化合物[I]、
シロキサン化合物[II]及びオレフィン性化合物[I
II]を反応させることに行われる。
【0014】反応に用いられる溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等が好適に用いられる。触媒としては、H2PtC
6、PtCl4、Pt、白金アセチルアセトナート、P
tCl2、PtBr2、PtI2、Pt(C24)(PP
33、[Pt(C22)Cl22等の白金及び白金化
合物、RhCl(PPh33等が好ましく用いられる。
【0015】反応温度は通常、40℃以上、好ましくは
60〜150℃である。40℃未満だと反応が遅く、反
応温度が高すぎると副反応が起こる可能性がある。反応
時間は通常30分〜20時間であり、反応温度に応じて
適宜定められる。
【0016】上記液晶共重合体の合成の際に、分子量調
節剤としてオレフィン性二重結合を分子中に1個有する
化合物を反応系に加えて反応を行うと、生成する共重合
体の分子量を容易に制御することができる。オレフィン
性化合物[III]としては、炭素数1〜10の直鎖
状、分岐状、環状のモノオレフィンが好適に用いられ
る。また、下記一般式で表わされる化合物も用いられ
る。
【0017】
【化8】
【0018】(式中、cは0〜10の整数、dは1〜2
0の整数、eは1〜10の整数、Wは
【化9】 ジエン化合物[I]/シロキサン化合物[II]のモル
比はシロキサン化合物[II]/ジエン化合物[I]<
4とすることが好ましい。モル比が4以上だと液晶共重
合体が得られ難くなる。また、オレフィン性化合物[I
II]/ジエン化合物[I](モル比)は0.01〜1
0の割合とすることが好ましく、目的とする分子量に応
じて適宜定められる。0.01未満であると分子量低下
の効果が小さく、10を超えると重合が進行しにくくな
る。
【0019】前記オレフィン性化合物[III]として
具体的には、1−ヘキセン、1−オクテン、2−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、シクロヘキセン、ビニ
ルシクロヘキサン、4′−[4′′−{10−(2−プ
ロペニルオキシ)デシルオキシ}ベンゾイルオキシ]ビ
フェニル−4−カルボキシリックアシド (S)−
(+)−1−メチルブチルエステル、4′−[4′′−
{8−(3−ブテニルオキシ)オクチルオキシ}ビフェ
ニル−4−カルボニルオキシ]ベンゾイックアシド
(S)−(+)−1−メチルヘプチルエステル等が挙げ
られる。特に液晶性を示すモノオレフィン化合物は液晶
性を損わないで主鎖末端の炭素−炭素二重結合の量を減
らすことができる。
【0020】上記液晶共重合体の製造原料として用いら
れるジエン化合物[I]は例えば、Zが
【0021】
【化10】 の場合、下記一般式
【0022】
【化11】
【0023】(式中、l及びmは前記と同じ。)で表わ
されるアルコール[IV]と一般式 X(CH2aX [V] (式中、aは1〜20の整数、Xは−Br、−I又は−
OSO264CH3である。)で表わされる二官能性化
合物[V]とを溶媒中、アルカリ試薬の存在下、エーテ
ル化反応を行い、得られた反応混合物を精製して得られ
た生成物と、4−ヒドロキシ安息香酸メチルとを溶媒
中、アルカリ試薬の存在下、エーテル化反応を行い、次
いで得られた反応混合物を精製して得られた生成物をア
ルカリ性水溶液又はアルカリ性水−アルコール混合溶液
中で加水分解し、得られた反応液を水中に投入し、鉱酸
を加えてpHを酸性にし、次いでエーテル抽出又は瀘過
によって得られた化合物に酸ハロゲン化剤を反応させ、
得られた酸塩化物と下記式で表わされるヒドロキシ化合
物[VI]とを溶媒中、エステル化反応を行うことによ
り製造することができる。
【0024】
【化12】 (式中bは前記と同じ。)
【0025】反応は例えば次のように進行する。
【0026】
【化13】
【0027】前記アルコール[IV]と二官能性化合物
[V]とを溶媒中、アルカリ試薬の存在下エーテル化反
応を行い(1)を得る。
【0028】前記アルコール[IV]の例としては具体
的に1,4−ペンタジエン−3−オール、1,5−ヘキ
サジエン−3−オール、1,6−ヘプタジエン−3−オ
ール、1,7−オクタジエン−3−オール、1,6−ヘ
プタジエン−4−オール、1,8−ノナジエン−5−オ
ール、1,10−ウンデカジエン−6−オール等が挙げ
られる。
【0029】前記二官能性化合物[V]としては、具体
的にはジブロモメタン、ジヨードメタン、ジトシルメタ
ン、ジブロモエタン、ジヨードエタン、ジトシルエタ
ン、ジブロモプロパン、ジヨードプロパン、ジトシルプ
ロパン、ジブロモブタン、ジヨードブタン、ジトシルブ
タン、ジブロモペンタン、ジヨードペンタン、ジトシル
ペンタン、ジブロモヘキサン、ジヨードヘキサン、ジト
シルヘキサン、ジブロモヘプタン、ジヨードヘプタン、
ジトシルヘプタン、ジブロモオクタン、ジヨードオクタ
ン、ジトシルオクタン、ジブロモノナン、ジヨードノナ
ン、ジトシルノナン、ジブロモデカン、ジヨードデカ
ン、ジトシルデカン、ジブロモウンデカン、ジヨードウ
ンデカン、ジトシルウンデカン、ジブロモドデカン、ジ
ヨードドデカン、ジトシルドデカン等が挙げられる。
【0030】エーテル化反応の溶媒としては、例えば
テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等
の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられ、エーテル化
反応触媒としては、例えば水素化ナトリウム等の金属水
素化物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水
酸化物又は−OHをイオン化できる塩基性化合物などが
好適に用いられる。
【0031】エーテル化反応は、アルカリ試薬と溶媒
の混合液にアルコール[IV]を導入し、室温でアルコ
キシド化し、(ただし、反応性の低い化合物及び試薬の
場合は加熱する。)次に二官能性化合物[V]を導入
し、50〜100℃で加熱攪拌することにより行われ
る。
【0032】次に化合物(1)と4−ヒドロキシ安息香
酸メチルとを溶媒中、アルカリ試薬の存在下エーテル化
反応を行い化合物(2)を得る。エーテル化反応の
溶媒としては、例えばアセトン、2−ブタノン等のケト
ン系溶媒及びテトラヒドロフラン、エーテル等のエーテ
ル系不活性溶媒が好適に用いられ、エーテル化反応試薬
としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭
酸塩又は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水
酸化物などが好適に用いられる。エーテル化反応は4
−ヒドロキシ安息香酸メチル、エーテル化反応で得ら
れた化合物(1)、アルカリ試薬、溶媒を順位不同で導
入し、50〜100℃で加熱攪拌することにより行われ
る。
【0033】次いで、アルカリ性水溶液又はアルカリ性
水−アルコール混合溶液中で必要に応じて加熱し、加水
分解を行い化合物(3)を得、その後酸ハロゲン化剤
を用いハロゲン化反応を行い、酸ハロゲン化物体にし
た後、ヒドロキシ化合物[VI]と、ピリジン等の存在
下トルエン溶媒等でエステル化反応を行い、目的とす
るジエン化合物[I]を得る。
【0034】加水分解において、アルカリとしては例
えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化
物が好適に用いられ、アルコールとしてはメタノール、
エタノール等の水溶性低級アルコール等が好適に用いら
れる。加水分解反応はエステル体、アルカリ触媒、水の
みで加熱してもよいが、更にアルコールを加えると、原
料であるエステル化合物の溶解性が向上し、反応が容易
に進行する。
【0035】のハロゲン化反応には塩化チオニル、オ
キシ塩化リン、五塩化リン等の公知の酸ハロゲン化剤が
用いられる。反応系にピリジン、トリエチルアミン等を
添加してもよい。のエステル化反応の溶媒としては、
例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系不活性溶媒及
びトルエン、ヘキサン等の炭化水素系の不活性溶媒が好
適に用いられる。
【0036】エステル化反応はフェノール及びピリジ
ン、トリエチルアミン等の3級アミンなどのハロゲン化
水素受容剤を含む溶液に、酸塩化物又は溶媒に溶かした
酸塩化物を導入し、攪拌することにより行われる。ま
た、反応性が低いときは、30〜80℃に加熱してもよ
い。
【0037】Zが
【化14】 の場合も上記反応に準じて合成される。
【0038】前記ヒドロキシ化合物[VI]における光
学活性基は光学活性アルコールR2OHを用いて次の反
応を利用して導入される。 −COOH+R2OH→−COOR2
【0039】ここで用いる光学活性アルコールR2OH
としては、(+)−2−ブタノール、(−)−2−ブタ
ノール、(+)−2−ペンタノール、(−)−2−ペン
タノール、(+)−2−ヘキサノール、(−)−2−ヘ
キサノール、(+)−2−ヘプタノール、(−)−2−
ヘプタノール、(+)−2−オクタノール、(−)−2
−オクタノール(+)−2−ノナノール、(−)−2−
ノナノール、(+)−2−デカノール、(−)−2−デ
カノール、(+)−2−ウンデカノール及び(−)−2
−ウンデカノールが挙げられる。
【0040】このようにして得られるジエン化合物
[I]の代表例としては、1−メチルブチル 4′−
[4′′−{10−(1,5−ヘキサジエン−3−イル
オキシ)デシルオキシ}ベンゾイルオキシ]ビフェニル
−4−カルボキシレート,1−メチルブチル 4−
[4′′−{8−(1,6−ヘプタジエン−4−イルオ
キシ)オクチルオキシ}ビフェニル−4′−カルボニル
オキシ]ベンゾエート等が挙げられる。
【0041】次に、本発明の方法に用いられる製造原料
である2個のSi−H結合を持ったシロキサン化合物
[II]としては、pの値が0、1、2のものはpの値
に分布はほとんどなく単一のものが用いられるが、pの
値が大きな化合物は重合度(pの値)に分布があるた
め、pの値は平均値で表わされる。したがって得られた
液晶共重合体中のpの値も平均値である。具体的には
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,
3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,
1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロ
キサン等の各種α,ω−ハイドロジェンオリゴジメチル
シロキサン等が用いられる。
【0042】上記のようにして得られた液晶共重合体は
長期安定性に優れ、かつ電界の変化に対する応答性、コ
ントラスト等の液晶材料としての特性にも優れている。
【0043】本発明によって得られる液晶共重合体にピ
リミジン化合物を配合すると得られた組成物は応答性、
コントラストが上記液晶共重合体に比べて更に改良され
る。
【0044】上記組成物における液晶共重合体の配合割
合は通常、99〜50重量%好ましくは80〜60重量
%、ピリミジン化合物の配合割合は通常、1〜50重量
%、好ましくは20〜40重量%である。ピリミジン化
合物が少ないと高速応答が十分でなく、50重量%を超
えるとチルト角が低下し、コントラストが低下する。
【0045】上記組成物の調整に好適に用いられるピリ
ミジン化合物として次に示されるような化合物が挙げら
れる。
【0046】ピリミジン化合物
【化15】
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない 実施例1
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】3−(10−ブロモデシルオキシ)−1,
5−ヘキサジエンの合成 水素化ナトリウム(含有量60%)4.1gをテトラヒ
ドロフラン(THF)50mlに懸濁させ、系をアルゴ
ン置換した。1,5−ヘキサジエン−3−オール9.8
gを含むTHF溶液50mlを滴下した。水素ガスの発
生が収まるまで室温で攪拌した。1,10−ジブロモデ
カン75gを含むTHF溶液100mlを加え7時間還
流した。生じた不溶物を瀘過により除いた後、THFを
減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製し、目的とするブロム体14.3gを得た。
(収率45%)
【0051】4′−[4′′−{10−(1,5−ヘキ
サジエン−3−イルオキシ)デシルオキシ}ベンゾイル
オキシ]ビフェニル−4−カルボキシリックアシド
(S)−(+)−1−メチルブチルエステルの合成 上記で得たブロム体19.0g、メチル 4−ヒドロキ
シベンゾエート9.2g、炭酸カリウム3.4gを2−
ブタノン50ml中で12時間還流した。生じた不溶物
を瀘過により除き、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、メチルエステル
体を得た。
【0052】上記のメチルエステル体及び水酸化カリウ
ム10.0g、水3.0gをメタノール20ml中で1
時間還流した。水50mlを加えさらに1時間還流し
た。水300mlで希釈し、希塩酸を滴下してpH=2
とした。生じた沈殿を瀘過により集め、水洗、乾燥し4
−{10−(1,5−ヘキサジエン−3−イルオキシ)
デシルオキシ}ベンゾイックアシッド16.6gを得
た。
【0053】上記カルボン酸のうちの8.3gにチオニ
ルクロリド4.0g及び触媒量のピリジンを加え85℃
に2時間加熱した。過剰のチオニルクロリドを減圧留去
した後、トルエン50mlを加え酸クロリド溶液とし
た。そこへ、(S)−1−メチルブチル 4−ヒドロキ
シビフェニル−4′−カルボキシレート6.3g、ピリ
ジン1.8gを含むトルエン溶液50mlを室温で滴下
し、室温で1日反応させた。生じた不溶物を瀘過により
除き、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製し、目的とする光学活性モノマー
4′−[4′′−{10−(1,5−ヘキサジエン−3
−イルオキシ)デシルオキシ}ベンゾイルオキシ]ビフ
ェニル−4−カルボキシリックアシド (S)−(+)
−1−メチルブチルエステル9.7gを得た。(ブロム
体からの収率50%)
【0054】共重合体の合成 上記により得られた4′−[4′′−{10−(1,5
−ヘキサジエン−3−イルオキシ)デシルオキシ}ベン
ゾイルオキシ]ビフェニル−4−カルボキシリックアシ
ド (S)−(+)−1−メチルブチルエステル4.0
0g(6.2ミリモル)、1−ヘキセン0.26g
(3.1ミリモル)及び1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサン0.84g(6.3ミリモル)を乾燥トル
エン40mlに均一に溶解させた。次に、4.2mgの
塩化白金酸6水和物を加えた後、85℃で5時間攪拌し
た。なお、反応容器内の空気は加熱を開始する前に予め
アルゴンガスで置換し、反応中に湿気や空気が容器内に
入らないように密封した。
【0055】反応混合物を室温まで冷却した後瀘過し、
瀘液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。更
にこの濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製した
後、60℃で一晩真空乾燥し、3.20gの白色粘稠物
を得た。この物質の構造は1H−NMRによって確認し
た。分子構造及びNMRスペクトルを図1に示す。また
この物質の分子量をGPCで測定したところ、Mn=
2,410、Mw=3,490であった。液晶としての
特性を下記に示す。
【0056】 113.4〜109.1℃ -20℃ Iso → SmC* → G τ10-90=23.6ms(25℃):2θ=78゜(25℃) 次に、塩化メチレンを用いて、得られた液晶共重合体6
7重量%、ミドリ化学製ピリミジン化合物P1008
33重量%の組成物を作製し、前述の方法で液晶組成物
の特性を測定した。以下にP1008の構造と液晶組成
物の特性を示す。
【0057】
【化18】
【0058】 103.5〜90℃ 87.2℃ -20℃ Iso → SmA → SmC* → G τ10-90=8.5ms(25℃):2θ=47゜(25℃)
【0059】評価方法 液晶としての特性は次のように評価した。20×10m
mの2枚のITO電極付きガラス基板間に高分子液晶を
挟み、スペーサーで膜厚を2.0μmに調整したセルを
作製した。このセルを加熱して一旦液体にした高分子液
晶を降温しながら偏光顕微鏡で観察することにより相系
列を決めた。この際にスメクチックA相(SmA)又は
カイラルスメクチックC相(SmC*)で基板間を相互
にずらして剪断法により液晶を1軸水平配向させた。応
答時間τ10-90は上記液晶セルを直交偏光子間に配置
し、電極間にステップ電圧±10Vを印加したときに透
過光強度が10%〜90%まで変化するのに要する時間
として定義した。またチルト角2θは印加電圧10Vの
符号の変化に応じて回転する消光位の変化から求めた。
なお、相転移挙動を示す式中、各記号は下記の意味を有
する。 G:ガラス相、SmC:スメクチックC液晶相、SmC
*:カイラルスメクチックC液晶相、SmA:スメクチ
ックA液晶相、Iso:等方性液体
【0060】実施例2 4′−[4′′−{10−(1,5−ヘキサジエン−3
−イルオキシ)デシルオキシ}ベンゾイルオキシ]ビフ
ェニル−4−カルボキシリックアシド (S)−(+)
−1−メチルブチルエステル1.92g(3.00ミリ
モル)、4′−[4′′−{10−(2−プロペニルオ
キシ)デシルオキシ}ベンゾイルオキシ]ビフェニル−
4−カルボキシリックアシド (S)−(+)−1−メ
チルブチルエステル0.90g(1.50ミリモル)
[特開平3−64321号公報参照]及び1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン0.40g(3.00ミ
リモル)を乾燥トルエン30mlに均一に溶解させた。
次に、2.0mgの塩化白金酸6水和物を加えた後、8
5℃で4.5時間攪拌した。なお、反応容器内の空気は
予めアルゴンガスで置換し、反応中に湿気や空気が容器
内に入らないように密封した。
【0061】反応混合物を室温まで冷却した後瀘過し、
瀘液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。更
にこの濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製後、6
0℃で一晩真空乾燥し、2.20gの白色粘稠物を得
た。この物質の構造は1H−NMRによって確認した。
分子構造及びNMRスペクトルを図2に示す。比較例の
液晶共重合体に比べて高分子主鎖末端の炭素−炭素二重
結合の数が減少していることが分る。また、この物質の
分子量をGPCで測定したところ、Mn=2,080、
Mw=3,400であり、比較例に比べて分子量を下げ
ることができた。液晶としての特性は以下のようであっ
た。
【0062】 120.9〜114.7℃ -20℃ Iso → SmC* → G τ10-90=38.8ms(25℃):2θ=68゜(25℃)次に、塩化メチレ
ンを用いて、得られた液晶共重合体67重量%、ミドリ
化学製ピリミジン化合物P1008 33重量%の組成
物を作製し、前述の方法で液晶組成物の特性を測定し
た。以下に液晶組成物の液晶としての特性を示す。 106.7〜98℃ 87℃ -20℃ Iso → SmA → SmC* → G τ10-90=6.3ms(25℃):2θ=41゜(25℃)
【0063】比較例1 4′−[4′′−{10−(1,5−ヘキサジエン−3
−イルオキシ)デシルオキシ}ベンゾイルオキシ]ビフ
ェニル−4−カルボキシリックアシド (S)−(+)
−1−メチルブチルエステル15.00g(23.40
ミリモル)と1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン3.14g(23.40ミリモル)を乾燥トルエン5
5mlに均一に溶解させた。次に、5.0mgの塩化白
金酸6水和物を加えた後、85℃で5時間攪拌した。な
お、反応容器内の空気は予めアルゴンガスで置換し、反
応中に湿気や空気が容器内に入らないように密封した。
【0064】反応混合物を室温まで冷却した後瀘過し、
瀘液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。更
にこの濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製後、6
0℃で一晩真空乾燥し、16.02gの白色粘稠物を得
た。この物質の構造は1H−NMRによって確認した。
分子構造及びNMRスペクトルを図3に示す。またこの
物質の分子量をGPCで測定したところ、Mn=3,9
00、Mw=8,900であった。液晶としての特性は
以下のようであった。
【0065】 115.5〜111℃ -20℃ Iso → SmC* → G τ10-90=88ms(25℃):2θ=76゜(25℃)
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、室温域を含む幅広い温
度範囲で強誘電性を示す上に、外部電界の変化に対する
高速応答性を有するとともに、液晶パネルとした場合に
コントラストに優れる液晶共重合体の分子量を容易に制
御することができる。また、本発明によれば、主鎖末端
の炭素−炭素二重結合の数を減らすことができるので、
安定性に優れた液晶共重合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた共重合体の分子構造及び
NMRチャート。
【図2】 実施例2で得られた共重合体の分子構造及び
NMRチャート。
【図3】 比較例1で得られた共重合体の分子構造及び
NMRチャート。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表わされるジエン化合物
    [I] 【化1】 (式中、l及びmは2〜5の整数、aは1〜20の整
    数、bは1〜10の整数、Zは 【化2】 を表わし、*は不斉炭素を表わす。)と下記一般式で表
    わされるシロキサン化合物[II] 【化3】 (式中pは0〜3の整数を表わす。)を付加重合させて
    液晶共重合体を製造する際、反応系にオレフィン性二重
    結合を分子中に1個有する化合物を加えて重合反応を行
    うことを特徴とする液晶共重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2322377B (en) * 1995-11-01 1999-07-21 Secr Defence Liquid crystal polymers
GB2322135B (en) * 1995-11-01 1999-11-03 Secr Defence Liquid crystal polymers
US6030668A (en) * 1995-11-01 2000-02-29 The Secretary Of State For Defence, In Her Britannic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland Liquid crystal polymers

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US6030668A (en) * 1995-11-01 2000-02-29 The Secretary Of State For Defence, In Her Britannic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland Liquid crystal polymers
US6099752A (en) * 1995-11-01 2000-08-08 The Secretary Of State For Defense In Her Brittanic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland Liquid crystal polymers

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