JPH0518889U - 陶磁器絵付プロツター用毛筆 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】陶磁器絵付プロッター用毛筆において、絵具顔
料の沈殿を防止して筆穂先への絵具の供給を確実にし、
しかも筆穂先への絵具の供給量を調整可能にする。 【構成】絵具タンクから筆穂先に絵具供給管路を介して
絵具を誘導供給するようになし、上記絵具供給管路に絵
具撹拌装置と、絵具流量調整弁を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は陶磁器の絵付用プロッターに用いる毛筆に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、陶磁器の絵付は熟練者が陶磁器用絵具顔料を水または油で適度に溶いた ものを筆に付けながら手作業で直接陶磁器の素焼きや焼き上げたものの上に描い ている。

【０００３】 一方、文字を毛筆で自動書きするプロッターはすでに提供されており、その毛 筆は図５に示すように墨をフェルト等に含浸せしめた墨収蔵体21を筆軸１内に収 容してこの墨収蔵体21と穂先３とを集束繊維からなる墨誘導芯22で連絡した構造 となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の考案者らは上記プロッタを利用して陶磁器の絵付を自動的に行うこと を考えているが、陶磁器用絵具は顔料系のものであり普通は水溶したものを使用 することがおおいが、微細粒状であるため絵具が沈殿しやすく、上記従来のプロ ッター用毛筆では絵具が沈殿して詰まってしまい穂先への供給ができなくなる。 しかも、陶磁器の絵付には絵柄に応じて筆穂先に付ける絵具の量を変える必要 があるが、上記構造のプロッター用毛筆では絵具の量の調節ができない。

【０００５】 またプロッターで自動的に絵付しようとする場合いちいち筆穂先に絵の具を付 けるわけにはいかないので絵の具タンクから筆穂先までパイプなどで絵の具を誘 導することが前提になる。

【０００６】 本考案はこのような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは陶 磁器の絵付をプロッターで自動的に行う場合、絵具の沈殿を防止して筆穂先に確 実に絵具を供給することができ、しかも絵具の供給量を自由に調節することがで きるプロッター用毛筆を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の陶磁器絵付プロッター用毛筆では、先端に 穂先を装着した筆軸と、絵具供給タンクから取り出されて筆軸内に挿入されその 先端を穂先部に連絡するフレキイブルな絵具供給管路と、駆動装置に連絡して絵 具供給管路ないに配備され上記駆動装置により駆動されて上記管路内を流動する 絵具を機械的に撹拌する絵具撹拌装置と、絵具供給管の途中に設けられ手動操作 により該管の流路面積を可変調整する絵具流量調整弁とを備えるものである。

【０００８】

【作用】

以上のように構成した陶磁器絵付プロッター用毛筆にあっては、絵の具タンクか パイプ状の供給管路を介して穂先に絵具が供給されることになり、その絵具は沈 殿しないように供給管路流動中に撹拌される。 また絵具流量調整弁の手動操作により、筆穂先に供給される絵具流量が調整さ れる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案を実施例に基づいて説明する。 図中１は筆軸であり、中空の円筒軸からなりその一端には適当な長さに揃えた 多数の繊維を軸方向に引き揃えると共に穂先ガイド筒２に通して形を整えた筆穂 先３を連結状に装着してある。

【００１０】 そして、上記筆軸１には絵具供給管路４を構成するシリコンチューブ５が挿入 されていて、該チューブ５は内端が穂先３の基部に隣接して設けたチューブ支持 板６を貫通して筆穂先３の軸方向中途部にまで達しており、外端がプロッター本 体Ａの図示してはいない絵具タンクに接続されている。

【００１１】 また、シリコンチューブ５により構成される絵具供給管路４のセンターにはフ レキシブルな線材７がセンター固定部材８により回転自在に保持されて挿通状に 設けられ、該線材７の内端はシリコンチューブ５の内端と同じ位置まで達し、外 端はプロッター本体Ａの図示してはいないモーターに連絡しており、モーターに 駆動されて回転するようになっている。

【００１２】 そして、上記シリコンチューブ５の筆軸１内における中途部には、内部に有底 筒状の摺動内筒９を回転摺動自在に嵌合収納した弁室構成用外側筒10を介在せし めてあり、摺動内筒９の側周面に設けた摘み11が弁室構成用外側筒10及び筆軸１ の側周面に穿設したその周方向に延びる長穴12,13 を貫通して筆軸１外側に突出 している。

【００１３】 弁室構成用外側筒10は筆軸１内径とほぼ同径に、また摺動内筒９は弁室構成用 外側筒10の内径と同径に形成されて同軸に嵌め合されており、摺動内筒９底部と この摺動内筒９を支持するために弁室構成用外側筒10に設けた隔壁状支持板14に 流量調節切り込み穴15,16 が夫々開穿されている。 上記両筒の流量調節切り込み穴15,16 は、夫々の筒９,10 の中心を中心として 同径に描かれる円の円周上に、その円周に沿って円弧状に形成されており、摺動 内筒９の回転により相互の整合面積を可変するようになっている。

【００１４】 一方、前記線材７は、弁室構成用外側筒10の隔壁状支持板14を貫通ており該貫 通部の上方と下方に夫々回転羽17,18 が取り付け固定されている。 尚、上記線材７の隔壁状支持板14貫通部には上下動防止リング19で固定された シール用ゴムリング20が線材７に取り付けられて該貫通部のシールが図られてい る。

【００１５】 而して、以上のように構成した本考案の陶磁器絵付プロッター用毛筆には、プ ロッター本体Ａの絵具タンクから絵具供給管路４を介して筆穂先３に絵具が誘導 供給されるが、その際、プロッター本体Ａのモーターにより線材７を介して回転 羽17,18 が回転駆動されるので絵具は撹拌されて顔料の沈殿が防止されるをもっ て確実に筆穂先３に供給される。

【００１６】 また、必要に応じ摘み11を操作して左右に動かせば、流量調節切り込み穴15,1 6 の整合面積が変わるので、この切り込み穴15,16 を通過して穂先３に供給され る絵具の流量が可変する。

【００１７】

【効果】

本考案は以上のように構成したから下記のごとき効果を奏する。 （１）．絵具タンクから絵具供給管路を介して筆穂先に絵の具を誘導するように し、この絵具供給管路に絵具を機械的に撹拌する絵具撹拌装置を設けたので、絵 具顔料の沈殿を防止して確実に筆穂先に誘導することができる。 （２）．絵具供給管路の途中に手動操作により管路の流路面積を可変する流量調 整弁を設けたので、絵柄に応じてこれを操作して筆穂先への絵具の供給量を自由 に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すと陶磁器絵付プロッタ
ー用の毛筆の断面図。

【図２】要部の拡大断面図。

【図３】図２のＸ−Ｘ線断面図。

【図４】本考案の毛筆を設置した陶磁器絵付プロッター
の一例を示す斜視図。

【図５】従来の毛筆プロッターの毛筆の一例を示す要部
の断面図。

【符号の説明】

１筆軸 ３筆穂先 ４絵具供給管路 ７線材（絵具撹拌装
置） ９摺動内筒（絵具流量調整弁） 10弁室構成用外側筒
（絵具流量調整弁） 17回転羽（絵具撹拌装置） 18回転羽（絵具撹拌装
置）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端に穂先を装着した筆軸と、絵具供給タ
   ンクから取り出されて筆軸内に挿入されその先端を穂先
   部に連絡するフレキイブルな絵具供給管路と、駆動装置
   に連絡して絵具供給管路ないに配備され上記駆動装置に
   より駆動されて上記管路内を流動する絵具を機械的に攪
   拌する絵具攪拌装置と、絵具供給管の途中に設けられ手
   動操作により該管の流路面積を可変調整する絵具流量調
   整弁とを備えることを特徴とする陶磁器絵付プロッター
   用毛筆。