JPH05183308A - 誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体フィルタ

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JPH05183308A
JPH05183308A JP3358291A JP35829191A JPH05183308A JP H05183308 A JPH05183308 A JP H05183308A JP 3358291 A JP3358291 A JP 3358291A JP 35829191 A JP35829191 A JP 35829191A JP H05183308 A JPH05183308 A JP H05183308A
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dielectric
hole
holes
terminal
inner conductors
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JP3358291A
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Inventor
Yoshihiro Konishi
良弘 小西
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Uniden Corp
Original Assignee
Uniden Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で簡素な誘電体フィルタを得る。 【構成】 誘電体柱41の周面医は外導体44を形成
し、軸方向一端面には短絡導体45を形成する。誘電体
柱41には軸方向に貫通する単一の透孔42を設ける。
透孔42内には、スリット46,46により分離された
関係で第一、第二の内導体43-1,43-2を設ける。こ
れら第一、第二の内導体43-1,43-2の軸方向一端を
短絡導体45に接続し、他端は開放端とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般にマイクロ波領域
等の高周波領域で使用される誘電体フィルタに関し、特
にその構造の簡素化や小型化を図るための改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘電体フィルタを構成するためには、基
本的な単位素子として、図13にその基本形が示される
誘電体共振器10がある。同図(A) は斜視図、同図(B)
は縦断面図であるが、説明すると、矩形横断面または円
形横断面等、適当なる断面形状(図示の場合は矩形断面
で例示)の誘電体柱11に対し、その内部を一方向に貫
通する透孔12を穿ち、当該透孔12がその軸方向両端
で開口している一対の端面の一方(図中では上面)を残
し、他の面部分には銀等の適当なる導電性物質を例えば
メッキ、厚膜形成技術等、適当なる公知技術により付着
させる。これにより、誘電体柱の周面上には外導体14
が形成され、透孔12の内壁面には内導体(中心導体)
13が形成されると共に、外導体14と内導体13のそ
れぞれの軸方向の一端相互が、図13(A) では見えない
方の端面上に付着した短絡導体15(図13(B) 参照)
により、短絡される。なお、図中、こうした導電性物質
の付着部分には便宜的に鏡面記号を付し(見た目に粗面
に見えるようなものの場合にも)、誘電体柱11の材料
が露出している部分(絶縁面部分)には細かなドット模
様を付すものとした。また、相対的に太い黒線で付した
部分が導体部分であり、これに対し、相対的に細い線で
示された部分は、そこには導体がないことを示してい
る。これらの点は添付全図面を通じての約束事とする。
【0003】このような構造の誘電体共振器10は、図
13(B) に示される縦断面から理解されるように、内導
体13の軸方向両端にあって導電面が形成されていない
方の一端部を第一の端子とし、外導体14の同じ側の一
端部を第二の端子とした二端子素子と考えることがで
き、原理的には一端が短絡された同軸線路であるから、
その長さを使用周波数波長λg の1/4程度に選ぶと、
実質的にキャパシタとインダクタとの並列共振回路と等
価となる。このような誘電体共振器10においてそもそ
も誘電体を用いるのは、使用周波数の自由空間波長に対
して誘電率εr の平方根分の一にまで、当該誘電体柱1
1の長さを低減するためである。したがって原則として
は、直列抵抗分等による損失を特に考えなければ、誘電
率の高い誘電体媒質、誘電体柱11として好ましいと言
うことができる。通常は適当なるセラミックスが用いら
れ、そのため、誘電体柱11はセラミックブロックと呼
ばれることもある。さらに、原理的には、内導体13で
囲まれた透孔内にも第二の誘電体媒質が充填されても構
わないが、一般には成形で作るため、空気になってお
り、またそれで十分である。
【0004】また、外導体14と内導体13とが短絡さ
れていない方の誘電体柱端面は、一般に開放面と呼ばれ
るが、これには導電性物質が全くにして付着してはいけ
ないと言うものではない。例えば図13(C) に示されて
いるように、当該端面にも外導体14と電気的に接続さ
れた状態で導電物質14’が付着されてはいるが、これ
と内導体13との間に十分な離間距離があり、両者間が
電気的に開放と認められるようになっていればそれで構
わない。後に述べる本発明の各実施例においても、開放
面には簡単のため、一切、導電性物質を付着させていな
いが、そうした各実施例における開放面と言う語も、こ
のような概念を含む語である。
【0005】しかるに従来、図13に示されるような単
位の誘電体共振器10を用いてバンドパスフィルタを構
成しようとする場合には、前後段との結合は全てC(容
量)結合かL(誘導)結合にせざるを得ず、複数段のバ
ンドパスフィルタを構成する場合には、隣接する誘電体
共振器10,・・・・・・ の内導体の開放端間相互を、個別部
品であるコンデンサまたはインダクタでそれぞれ接続し
て行かねばならなかった。しかし、これでは極めて作業
性が悪く、スペースファクタも良くないため、従来から
も、少なくとも別部品としてのコンデンサ等は使用しな
いで多段の誘電体フィルタを構成するための工夫がなさ
れた。
【0006】図14(A) ,(B) はそれぞれ、基本的な二
段フィルタに即し、そうした従来の誘電体フィルタ20
の構造例を示している。いずれの構造でも、まず、単一
の誘電体柱21に対し、互いに平行で軸方向に抜ける一
対の透孔22-1,22-2が穿たれた上で、誘電体柱21
の周面には外導体24が、各透孔内壁には第一、第二の
内導体23-1,23-2が形成され、さらに、図中におい
て見えていない誘電体柱端面にも短絡導体が形成され
る。この短絡導体は、少し後に説明する図15中にて符
号25にて示されている。こうした共通の構造に対し、
図14(A) に示されている従来例の場合には、一対の第
一、第二内導体22-1,22-2の間の部分に、軸方向に
掘られた穴26が設けられ、図14(B) に示される従来
例の場合には、横に亙るスリット27が形成されてい
る。
【0007】図15は、図14(A) ,(B) に示されてい
る誘電体フィルタ20の断面構成をも示しているが、個
別に言えば、図15(A) は偶モード励振時の電界分布
を、図15(B) は奇モード励振時の電界分布を示してい
る。しかるに、図14に示されている構造は対称構造で
あるので、偶モードの共振角周波数をωre、奇モードの
共振角周波数をωroとすると、第一、第二内導体2
-1,23-2間の結合係数k12は、 k12=2|ωre−ωro|/(ωre+ωro) ・・・・・・・・ (1) となる。そこで図15(A) を見ると、磁気的壁28の通
る孔26またはスリット27の近傍では、偶モード励振
時には第一、第二内導体23-1,23-2が同じ電位にな
るため、電界が生じないのに対し、図15(B) に示され
ているように、奇モード励振時には電気的壁29の通る
電界最大の所に孔26ないしスリット27があるので、
そこに生ずる反電場のため、内導体間の容量が減少し、
奇モード共振角周波数ωroが相対的に高くなる。その結
果、上掲の (1)式において結合k12の値が零でなくな
り、つまりは結合が生ずる。そして、この結合度k
12は、孔26やスリット27の断面寸法や深さによって
調整することができる。したがって場合により、特に孔
26とした場合には、図示のような盲孔ではなく、誘電
体柱21を軸方向(図中の上下方向)に抜ける透孔とさ
れることもある。なお、他の従来例として、例えば米国
特許第4,800,348号の第5図に示されているよ
うに、スリット27を図示の場合とは直交する関係で一
対設けたもの、すなわち、誘電体柱21の両側壁から誘
電体柱内部に向かって掘られた溝として設ける場合もあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、隣接す
る一対の内導体間を結合させるための手段として、従来
は、幾何的な形状こそ、孔やスリット、ないしは溝とい
うように、様々に異なるものの提案があったが、それら
を共通に、結合用幾何構造と呼ぶと、如何なる従来例
も、結合させるべき隣接内導体間に、そうした結合用幾
何構造を設けるという点では共通しており、逆に、それ
以外の手法を開示するものは全くなかった。これは換言
すれば、従来の誘電体フィルタでは、そうした結合用幾
何構造のための寸法を必須とし、この寸法部分を省略す
ることは構造原理上、絶対にできないから、結局はそう
した結合用幾何構造の存在自体が小型化の限界を生んで
いたことになる。そしてもちろん、結合段数が増える
程、この欠点は大きくなる。さらに、従来の誘電体フィ
ルタでは、図14(B) の構造例を借りて併示しているよ
うに、外部回路との間の接続には、入出力インピーダン
ス調整のため、どうしても結合コンデンサ31,32を
要する。ところが、一般にこうしたコンデンサ31,3
2の容量値はサブピコオーダにあり、このようなオーダ
での精度は必ずしも良くはなく、製品として実用的な価
格に留めようとすると、±50%程度の誤差をも覚悟せ
ねばならない実情にある。その結果、実際に用いたコン
デンサ31,32の値に応じ、共振器自体を再調整せね
ばならない大変な手間も生じ、生産性の悪化やコスト高
を招いていた。
【0009】本発明はこのような現状に鑑み、従来のこ
の種の誘電体フィルタに比し、より小型化の図り得る構
造原理を持つ、新たなる誘電体フィルタの提供を主たる
目的としたものである。さらに、達成すると望ましい第
二の目的として、外部回路との接続に別途なコンデンサ
部品を必要とせず、再調整の要もない誘電体フィルタを
提供することもある。また、上位の概念で言えば誘電体
フィルタに属するが、誘電体フィルタの応用装置として
も捕らえ得るデバイスとして、合理的な構成の分波器
(合波器)の提供をも第三の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、まず、上記
の主目的を達成するための知見として、従来には全く認
めることのできない、次のような卓抜した発想を得た。
すなわち、これまでに提案されているこの種の誘電体フ
ィルタは、既述した通り、結合させるべき一対の内導体
間には、具体的な三次元形状こそ、種々異なるにして
も、必ず結合用幾何構造を有しており、この点につき、
疑問が発せられることはなかった。換言すれば、内導体
を有する透孔の外側での構造についてのみ、種々の工夫
を施しているに過ぎなかったのである。これに対し、本
発明者は、そのような常識を打破し、内導体自体につ
き、何らかの改変を施すことにより、内導体を有する透
孔の外部に結合用幾何構造を求めなくても、完全に動作
する誘電体フィルタを構成し得ないかとの発想を持った
のである。もしこれが可能であれば、当然、従来は必須
であった、結合用幾何構造に対する寸法部分は不要とな
るから、誘電体フィルタとしての全体の寸法は大いに低
減できることになる。このような動機に基づき、鋭意研
究の結果、本発明者は、この種の分野において極めて画
期的と思える、次のような構成を提案するに至った。
【0011】まず、最も基本的な二段フィルタを構成す
るにしても、誘電体柱には単一の透孔を開け、この透孔
内に、軸方向に亙り所定の周方向幅を有する一対のスリ
ットによって互いに分離された第一、第二の金属膜を設
け、それらをそれぞれ第一、第二の内導体とする。各内
導体は、誘電体柱の周面に形成された外導体と、誘電体
柱一端面に形成された短絡導体とにのみ、電気的に接触
し、誘電体柱の他端面側では開放とされる。第一、第二
の内導体により囲まれた透孔内には、誘電体柱とは異な
る第二の誘電体媒質として空気が充填されていれば良い
が、空気以外にも、誘電体柱を構成する第一の誘電体媒
質とは異なる第二の誘電体媒質が充填されていれば良
い。この構造は、容易に偶数段(すなわち、nを2以上
の整数とするなら2n段)の誘電体フィルタに展開可能
である。つまり、上記の透孔とその中の第一、第二内導
体、及びそれらにより囲まれた透孔内に充填される第二
の誘電体媒質とを単位構造と定義した場合、当該単位構
造を誘電体柱の軸方向に直交する一方向に沿い、複数個
並設した構造も提案することができる。
【0012】また、同じく本発明の主たる目的を達成す
るために、第一、第二の内導体をそれぞれ独立で互いに
平行な軸方向に伸びる第一、第二の透孔内に設ける構成
も提案する。この場合の第一、第二の内導体も、誘電体
柱の周面に形成された外導体と、誘電体柱一端面に形成
された短絡導体とにのみ、電気的に接触し、誘電体柱他
端面側では開放とされる。ただし、第一、第二の内導体
は、当該各透孔内にて軸方向に亙り所定の周方向寸法を
有するスリットにより、周方向には連続しない形状とす
る。これにより、従来は必須であった、第一、第二透孔
間における結合用の幾何構造は不要となる。こうした構
造の場合には、nを1以上の整数として、奇数、偶数に
かかわらず任意n段の誘電体フィルタに展開することが
できる。すなわち、本願要旨構成中に規定されているよ
うに、誘電体柱にはそれぞれ軸方向に抜け、互いには軸
直角方向に並設関係にある複数の透孔を設け、それら複
数の透孔の各々の中にそれぞれ内導体を形成し、ただ
し、各内導体が、それぞれの透孔内において軸方向に沿
い所定の幅を有するスリットにより周方向には連続しな
い形状とする。
【0013】さらに、本発明の上記第二の目的を達成す
るためには、第一、第二の内導体を有する第一、第二の
透孔内に、それぞれスリットにより分離された関係で第
一、第二の端子形成用内導体を設ける。ただし、第一の
内導体に対向して位置する第一の端子形成用内導体や、
第二の内導体に対向して位置する第二の端子形成用内導
体は、その軸方向両端において開放とされる。第一、第
二の透孔内に設けられた第一、第二の内導体が、第一、
第二の端子形成用内導体の隣接距離に比し、短い距離で
隣接するような幾何配置とすると、当該第一、第二端子
形成用内導体を外部回路との直接接続のための端子領域
として使用することができる。この構造をn段に一般化
して考える場合には、上記第一、第二の透孔は、それぞ
れ、当該n段の最も外側に位置する一対の透孔に置き換
えて読み、第一、第二の端子形成用内導体は、そうした
両側一対の透孔内に形成されているものと読み替えれば
良い。もちろん、この場合は、当然ではあるが、第一、
第二端子形成用内導体同志の離間距離は、同一透孔内で
これらに対向する内導体と、当該各内導体に隣接の透孔
内に形成されている内導体との離間距離に比し、長くな
るので、既述した二段フィルタにおける基本条件はその
ままに満たされる。
【0014】また、複数個の透孔群の内、隣接するどれ
か一対の透孔間に第三端子形成用の透孔を設け、この中
に第三の端子形成用内導体を形成すると共に、当該第三
端子形成用内導体はその両端において開放となるよう
に、誘電体柱の一端面に設けられている短絡導体に対
し、電気的に直接に接触することのないように図ると、
三端子分波器ないしは合波器を構成することができる。
可逆定理により、分波器は合波器と同義であるので、本
願要旨構成中や後述の実施例中では、専ら分波器なる名
称を採用する。
【0015】
【実施例】図1には、本発明の最も基本的な実施例の一
つとして、二段の誘電体フィルタ40を構成した場合が
示されている。図1(A) は斜視図であり、図1(B) は図
1中、I−I線に沿う断面図である。誘電体柱41は、
この種の分野で常用されている適当なるセラミックス製
で良く、その周面には銀等の適当な金属を蒸着する等し
て外導体44が形成され、また、図1(B) の断面図の方
に良く示されているように、軸方向(図中では上下方
向)の一端面には短絡導体45が形成されている。換言
すれば、図1(A) 中で見えている上面のみが、既述の定
義による開放面となっている。
【0016】誘電体柱41には、軸方向に抜ける単一の
透孔42のみが穿たれており、その内壁には、それぞれ
軸方向に沿って伸びる第一、第二の内導体43-1,43
-2が設けられている。これら第一、第二の内導体4
-1,43-2は、それぞれ短絡導体45に対し、軸方向
の一端側で接触するが、他端は開放となっており、ま
た、互いには、それぞれ軸方向に伸び、周方向には所定
の幅のスリット46,46により分離されている。図示
の場合、透孔42の平面形状ないし横断面形状は矩形と
なっているが(後述のように、これは限定的ではな
い)、このような形状においての上記の周方向とは、各
辺をたどる方向を言う。なお、第一、第二の内導体43
-1,43-2は、透孔42の内壁の全面に金属を蒸着した
後、機械加工により、スリット46とすべき部分の金属
材料を除去することによって形成されても良いし、始め
から当該スリット46となるべき部分には金属が付着し
ないようにして形成されても良い。この点は、後述する
各実施例においての各スリット形成に関し、全く同様で
ある。
【0017】いずれにしても本発明に従う一実施例とし
ての誘電体フィルタ40は、このように極めて簡単な幾
何構造を有しており、第一、第二の内導体間に特別の結
合用幾何構造(図14,15中における既述の孔26や
スリット27等)を設けずとも、誘電体フィルタとして
機能する。換言すれば、従来は透孔の内壁にはその全面
に金属膜を設けて単一の内導体とし、これには一切、手
を付けないと言うのが常識であった所、本発明では透孔
内壁にてスリット46,46により分離された第一、第
二の内導体43-1,43-2を形成すると言う卓抜した発
想により、満足な誘電体フィルタ40を得ることが可能
となったのである。
【0018】これにつき説明するに、図1に示される構
造において、軸方向単位長における偶モード励振時のイ
ンピーダンスとキャパシタンスをそれぞれLe ,Ce
し、奇モード励振時のそれらをそれぞれLo ,Co とす
る。また、誘電体柱41を構成している誘電体媒質の誘
電率をεr1、透孔42内に充填されている第二の誘電体
媒質のそれをεr2とする。図示実施例の場合、当該第二
の誘電体媒質は一般に空気であって良いが、ここでは原
理的な説明から入るため、一応、任意媒質と考える。逆
に言えば、図1に示される実施例において、透孔42内
には空気以外、他の誘電体媒質が充填されても良い。
【0019】しかるに、もし、第一、第二の誘電体媒質
の誘電率εr1,εr2が共に等しい値であったとすると、
偶モード及び奇モードは共にTEMモードとなる。そし
て、偶モード及び奇モードの単位長あたりの各インダク
タンスをLe',Lo'、各キャパシタンスをCe',Co'と
すると、 Le'Ce'=Lo'Co' ・・・・・・・・ (2) が成立する。
【0020】次に、εr1≠εr2の場合には、図1(B) 中
の断面寸法aが波長に比して十分に小さければ、電界、
磁界の分布はそれぞれ静電界、静磁界の分布に近い準T
EMモードになる。この場合にはインダクタンスは変わ
らず、偶モード及び奇モードに対するインダクタンスを
それぞれLe ,Lo とすると、 Le =Le'; Lo =Lo' ・・・・・・・・ (3) となる。
【0021】さらに、偶モード励振時のキャパシタンス
e を考えるに、電界分布は磁気的壁48を考慮に入
れ、図2(A) 中に矢印群で示すようになるため、電界成
分は第一の誘電体媒質41中にのみあり、第二の誘電体
媒質42中にはない。したがって図2(B) の等価回路に
示されるように、 Ce =Ce' ・・・・・・・・ (4) となる。
【0022】これに対し、奇モード励振時には、図2
(C) 中の矢印群にて示されるような電界分布となるの
で、Co2 を、内導体と電気的壁49間の第二誘電体
媒質中を通る電界に基づく容量、Co ',ε1 を、内導体
と接地(外導体)間の第一誘電体媒質中を通る電界に基
づく容量、Co'',ε1 を、内導体と電気的壁49の間の
第一誘電体媒質中を通る電界に基づく容量として、図2
(D) に示されるような等価回路となる。そのため、 Co =Co2 +Co ',ε1 +Co'',ε1 ・・・・・・・・ (5) となる。したがって、第一、第二の誘電体媒質の誘電率
が共に同じ値であるならば、上記 (5)式は当然、 Co =Co'=Co1 +Co ',ε1 +Co'',ε1 ・・・・・・・・ (6) となる。
【0023】そこで、上記両キャパシタンスの比を採る
と、 Co /Co'=1−(Co1 −Co2 )/Co' =1−(Co1 /Co'){1−(εr2/εr1)} ・・・・ (7) となる。これに対し、 εr1>>εr2 ・・・・・・・・ (8) であるならば、 Co /Co'=1−(Co1 /Co') ・・・・・・・・ (9) となる。
【0024】今、図1,図2に示されている誘電体フィ
ルタ40の偶モード及び奇モードの位相定数をそれぞれ
βe ,βo とし、空気として示されている透孔内第二誘
電体媒質を仮に誘電体柱材料に置き換えた場合の位相定
数をそれぞれβe',βo'とすると、次式(10),(11),(1
2)が成立する。
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】しかるに、先掲の (3),(4) 式から、 βe =βe' ・・・・・・・・ (13) として良いから、上記 (9)式を考慮して下式(14)が成立
する。
【0029】
【数4】
【0030】第一、第二の内導体43-1,43-2の一端
が接地されているので、当該内導体の長さをlとする
と、偶モード及び奇モードは、それぞれ、 βe l=π/2, βo l=π/2 ・・・・・・・・ (15) で共振する。したがって、その共振周波数をそれぞれω
e ,ωo とすると、上記(11),(12)式から下記の(16)式
が求められる。
【0031】
【数5】
【0032】そのため、両共振モードから、第一、第二
の内導体43-1,43-2に関する結合係数kは、先掲の
(1),(14),(16)式を利用し下式(17)のように求められ
る。
【0033】
【数6】
【0034】こうして、本発明による誘電体フィルタが
有意の結合を呈し得ることが明らかであるが、本発明者
の知見によれば、この種の誘電体フィルタに代表的な材
料を用いた場合、当該結合定数kは3%から6%程度の
ものを得ることができる。したがって、例えば900M
Hz帯域にての使用を図った場合、27MHz程度の帯
域幅を得ることができ、これは実用に十分な値である。
もちろん、本発明により基本構造が提供された以上、設
計的に各部寸法を始め、各種パラメータを調整すれば、
任意の結合度を得ることができる。
【0035】ただ、さらに狭帯域を図る場合の工夫とし
ては、先掲の(17)式において、 Co1 /Co' =Co1 /(Co1 +Co ',ε1 +Co'',ε1 ) ・・・・・・・・ (18) の項を小さくすれば良く、したがって、 Co1 <<Co ',ε1 +Co'',ε1 ・・・・・・・・ (19) とすれば良い。
【0036】そこで、この条件を構造的に満たす一例と
しては、図3に示されるような構造を挙げることができ
る。すなわち、透孔42がダンベル型をしており、その
内壁に形成される金属膜を除去して第一、第二の内導体
43-1,43-2を形成するスリット46,46を、当該
ダンベル形状のくびれた部分とするのである。こうする
と、当該スリット46の幅に相当する領域Sにて、内導
体43-1,43-2により強誘電体を挟んだコンデンサ構
造が形成されるため、(19)式中のCo'',ε1 がCo1
に比して遥かに大きくなり、 Co1 <<Co'',ε1 ・・・・・・・・ (20) なる条件が満たされて、kの値は十分に小さくなる。な
お、理解のため、図3中では各電界成分に関し、対応す
る容量記号を付している。また、説明をしていない他の
部分については、先に図1,2に即して説明した所を援
用することができる。この点は、後述の他の実施例にお
いても同様とする。換言すれば、各実施例においての特
徴的な改変部分につき、特に説明を施して行く。
【0037】図4は、同様に狭帯域を持つに適当なる本
発明の他の実施例を示している。図4(A) に示される実
施例の場合も、図4(B) に示される実施例の場合も、こ
れまでの実施例とは異なり、第一、第二の内導体4
-1,43-2にそれぞれ専用の透孔42-1,42-2が設
けられている。しかし、この透孔内に設けられる第一、
第二の内導体43-1,43-2は、これまでの構造と同様
に、スリット46の存在により、当該透孔内壁の周方向
にはぐるりと連続しておらず、当該スリット46の所で
は誘電体柱の材質が露出している。図示の場合は、限定
的ではないが各透孔42-1,42-2は矩形断面を有して
おり、スリット46はその一辺の部分が軸方向に沿って
連続する領域として構成されている。また、図4(A) に
示されている実施例と、図4(B) に示されている実施例
とで異なる所は、スリット46の向きであるが、いずれ
の場合もその等価回路は図4(C) に示されるものとな
る。換言すれば、各々のスリット46を他の向きとして
も、図4(C) の等価回路を満足することができ、ないし
は満足することができれば、そうした誘電体フィルタに
対しても、以降の説明はそのまま適用することができ
る。
【0038】図4(A) ,(B) 中にも、各電界成分に関
し、対応する容量記号を付して理解を助けているが、こ
うした構造の誘電体フィルタ40の場合には、図4(C)
の等価回路に示されるように、内導体から強誘電体の誘
電体柱41による第一の誘電体媒質のみを通過して接地
に向かう電界に基づく容量Co ',ε1 と、一対の内導体
間で第一誘電体媒質のみを通過する電界に基づく容量C
o'',ε1 、そして、一対の内導体間にあって第一、第二
の誘電体媒質を共に通過する電界に基づく各容量
o''', ε1 とCo2 との直列回路が存在する。
【0039】しかるに、図1,図3に示す実施例構造も
含め、この図4に示されている実施例構造の場合にも、
仮に第二誘電体媒質の部分が第一誘電体媒質で満たされ
たとすると、偶モードも奇モードも共に完全なTEMモ
ードになり、その位相定数も等しく、 βe =βo =β ・・・・・・・・ (21) となる。そして特に、偶モード励振時には第二の誘電体
媒質の所に電界は存在しないため、常に、 βe =β ・・・・・・・・ (22) なる関係がほぼ満たされる。
【0040】そして、電気長θがπ/2付近では、以上
のように第二誘電体媒質が第一誘電体媒質により満たさ
れているとしたならば、そうした構造の等価回路は、集
中定数による等価回路として表記すれば、図5の通りと
なる。すなわち、インダクタンスL1とキャパシタンスC1
による一対の並列共振回路がインダクタンスL2とキャパ
シタンスC2の並列共振回路で結合された格好になる。
【0041】次に、透孔42(42-1,42-2)の内部
が、例えば空気のような第二の誘電体媒質により満たさ
れ、 εr1>>εr2 ・・・・・・・・ (23) なる条件が成就すると、図5中のキャパシタンスC2の値
が減少する。その減少の割合は、図2(B) 中において
(εr1/εr2)Co2 が単にCo2 に置き換えられ
たものと考えれば良い。
【0042】したがって、この場合には、図5中の並列
共振回路L2,C2はインダクティブになり、図6(A) に示
されているように、M結合(誘導性結合)となる。この
ときの偶モードの共振回路は、同図(B) に示されるよう
に、キャパシタンスC1とインダクタンスL1との並列共振
回路になり、また奇モードの共振回路は、図6(C) に示
されるように、そうしたキャパシタンスC1とインダクタ
ンスL1との並列共振回路に対し、さらにインダクタンス
M/2が並列に入った形となる。
【0043】したがって、
【数7】 において、
【数8】 から結合係数kを求めることができる。
【0044】ここで、k<<1の場合には、 (2L1/M)<<1 ・・・・・・・・ (26) となるので、この(26)式を上掲の(24),(25)式に代入す
ると、 k≒(L1/M) ・・・・・・・・ (27) となる。
【0045】なお、参考までに述べるに、仮に、εr1
<εr2であったとすると、図5に示されている等価回路
は図7(A) に示されているような容量性の結合となり、
キャパシタンスC1とインダクタンスL1とから成る一対の
並列共振回路間は容量Cで結合された場合に等価とな
る。同図(B) はこのときの偶モード等価回路、同図(C)
は奇モード等価回路であって、図6(C) に示されていた
インピーダンスM/2はキャパシタンス2Cに置き換え
られる。また、このときの結合係数kは、 k≒(C/C1) ・・・・・・・・ (28) となる。
【0046】次に、例えば一方の内導体43-1に負荷抵
抗Wを接続したとき、他方の内導体43-2の負荷Q値Q
L は、図8(A) の等価回路から求めることができる。こ
れは図5の等価回路の一方の内導体に関し、並列に負荷
Wを接続したものである。ここで、 QL >>ωC1W, ωM>>W ・・・・・・・・ (29) の条件下では、図8(A) の等価回路は図8(B) のように
なり、これは同図(C) のように変換することができる。
そして、当該図8(C) 中の抵抗Gは、L1’≒Mの下、 G≒W/(ωM)2 ・・・・・・・・ (30) と求めることができる。
【0047】したがって、(27)式をこの(30)式に代入す
れば、 QL ≒ωC1/G={(ωM)2ωC1}/W=ωL1/Wk2 と求め得、また、ωr は下式(32)で示すように、ωr'に
ずれる。
【0048】
【数9】
【0049】以上、本発明の主たる目的を達成するため
の基本的な実施例につき、幾つか説明したが、次に、既
述した第二の目的、すなわち、従来のように外部回路と
の接続に必ず個別部品であるコンデンサを用いねばなら
ない欠点を除くための構造例につき説明する。
【0050】図9に示されている実施例は、図4に示さ
れている実施例に即し、各専用の透孔42-1,42-2
にその周方向には連続しない内導体43-1,43-2を設
けた上で、新たに各透孔内に、各内導体43-1,43-2
の周方向両エッジに対してスリット47,47を介し、
自身の周方向両エッジを接触させることなく対向させた
第一、第二の端子形成用内導体51,52を設けてい
る。図9(A) は開放面側から見たいわゆるトップビュ
ー、図9(B) はいわゆるボトムビューであるが、この実
施例の第一、第二端子形成用内導体51,52は、それ
ぞれ対向している第一、第二の内導体43-1.43-2
同様、一端側で誘電体柱41の一端面に備えられている
短絡導体45に電気的に接触し、他端側が開放端となっ
ている。したがって、こうした構造の場合には、各端子
形成用内導体51,52の開放端側から直接に外部回路
への端子T1,T2を取り出すことができる。
【0051】これに対し、図10(A) ,(B) に示されて
いるように、同様に第一、第二端子形成用内導体51,
52を設けるのであるが、短絡導体45の備えられてい
る端面側においてもそれら導体が当該短絡導体45に電
気的に接触しないよう、当該端子形成用内導体51,5
2の端部近傍において短絡導体45の材料を除去した剥
離部53を設けると、第一、第二端子形成用内導体5
1,52の開放面側端部からそれぞれ外部回路への引出
端子T1,T2を取り出すことができる。
【0052】図9、図10のいずれの実施例構造の場合
も、従来のように、インピーダンス調整のためにコンデ
ンサを介して外部回路に接続する必要はなくなるので、
共振器周波数の再調整の要は、実際にもほとんどなくな
る。
【0053】図11は、基本的な上位の概念では誘電体
フィルタで40ではあるが、応用装置の一種として機能
ごとに分類すると、いわゆる分波器60を構成し得る実
施例を示している。図10に示されている一対の透孔4
-1,42-2の間に、誘電体柱41を軸方向に抜ける第
三の透孔61をさらに形成し、この内壁に第三端子形成
用の内導体62を設けると共に、その軸方向両端は開放
としたものである。したがって、短絡導体45の備えら
れている端面には、剥離部63で示されているように、
短絡導体材料の除去された部分がある。このようにする
と、第一、第二の端子形成用内導体51,52の開放面
側端部から第一、第二端子T1,T2を取り出すと共に、第
三端子形成用内導体62の剥離部63とは反対側の端部
から第三の端子TAを取り出すことで、中心周波数付近で
は図11(C) に示されているような等価回路を得ること
ができる。なお、当該等価回路中、符号Nは理想変成器
を示している。
【0054】したがって、第一の角周波数ω1 の信号が
第一端子T1から入出力し、第二の角周波数ω2 の信号が
第二端子T2から入出力する一方で、第三端子TAにはそれ
ら両信号を印加可能であるか、それら両信号を取り出す
ことの可能な分波器60を構成することができる。従前
の分波器(合波器)構造に比すと、本発明に従って構成
された分波器60は、極めて簡素であり、かつ調整のほ
とんど要らないことで格段に優れている。もちろん、こ
の種の分波器の代表的な応用例において、第三端子T
Aは、一般に二周波以上の無線周波を取扱う形態機器の
アンテナに接続して使用することができ、第一端子T1
第二端子T2のいずれか一方は送信回路に、他方は受信回
路に接続することができる。
【0055】以上、本発明の各目的を達成する基本的な
実施例につき説明したが、図1から図3までの実施例
は、容易に任意の偶数段の誘電体フィルタに展開できる
ことは明らかである。例えば図1の構成において透孔の
数を二つに増やし、それらを並設した上で、図1に示さ
れている内導体構造をそれら両透孔に対してそれぞれ設
ければ、四段の誘電体フィルタが提供できる。同様にし
て、原理的には2以上の整数nに対し、2n段の誘電体
フィルタ40を提供可能である。さらに、図4に示され
る構造において、透孔の数を三つ以上に増やし、そのそ
れぞれに同様の内導体構造を形成すれば、2以上の任意
の整数nによるn段の誘電体フィルタ40を提供するこ
とができる。特殊な場合、図1〜3に示される実施例の
構造と、図4に示される構造とを組合せることも可能で
ある。
【0056】全く同様に、図9、図10に示される実施
例においても、上記に従い、それらを多段構成に変更す
ることは、最早自明の範囲である。例えば、図9,10
に示されている一対の透孔の間に、さらに本発明に従っ
て構成された内導体とスリット構成を有する透孔が複数
個、並設されていても良い。図11に示される分波器の
場合にも、各透孔42-1,42-2と第三の透孔61の間
に、それぞれ、本発明に従って構成された内導体とスリ
ット構成を有する透孔が複数個、並設されていても良
い。この場合、第一、第二端子形成用の内導体51,5
2は、そうした並設構造の最も外側に位置することにな
る。もちろん、分波器構成は、図1,3に示された本発
明実施例に基づき、さらに複数個の透孔を持つ多段構成
にした構造とも組合せることが可能である。
【0057】さらに、図12に模式的に示されているよ
うに、誘電体柱41の断面形状や、その中に各形成され
る各透孔42-1,42-2の横断面形状、さらに、各透孔
内に形成される各内導体43-1,43-2またはこれを周
方向に切り通すスリット46の配置、形状等は、任意設
計的な問題である。そのことを模式的に示すため、図1
2(A) 中では、楕円形状の誘電体柱41の中に、これも
それぞれ楕円形状の透孔42-1,42-2が穿たれてお
り、対して図12(B) 中では、左右の透孔の横断面形
状、ひいては第一、第二内導体43-1,43-2の横断面
形状そのものが互いに異なっている。任意形状の透孔を
用いた結果、設計上での特性を求める式が少し複雑にな
ることはあっても、既述した本発明の原理に従う限り、
このような改変も任意に採用することができ、上述した
実施例群も、さらに互いに組合せることができる。
【0058】
【発明の効果】本発明によると、この種の誘電体フィル
タ技術に対し、これまでにない新たなるフィルタ構築概
念を導入でき、実際に得られる効果としても、極めて大
きいものがある。例えば、従来のように、内導体の形成
される透孔の外の部分に結合用の幾何構造を必須とする
ようなことはなくなるから、それらに要していた寸法部
分は確実に縮めることができる。したがって、誘電体フ
ィルタとしての全体形状の小型化は大いに促進し、製造
上も、結合用幾何構造を設ける場合に比して劣ることは
なく、むしろ簡素化する。さらに、本発明の特定の態様
によれば、外部回路との接続に別途なコンデンサ部品を
必要とすることもなくなり、共振器周波数の再調整作業
も省略可能となるので、生産性は大いに向上し、結局は
製品価格の低廉化を招くことができる。また、分波器構
造を得るにも極めて小型で簡素なものとすることがで
き、昨今の各種携帯機器、それも二周波数以上を取扱う
携帯機器の普及に大いに寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された第一の実施例として
の誘電体フィルタの概略構成図である。
【図2】図1に示される実施例構造の動作に関する説明
図である。
【図3】本発明の第二の実施例の概略構成図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例の概略構成図であ
る。
【図5】本発明誘電体フィルタに関し、第一、第二の誘
電体媒質が等しい場合に描ける集中定数等価回路図であ
る。
【図6】本発明誘電体フィルタに関し、第一誘電体媒質
の誘電率が第二誘電体媒質の誘電率よりも十分に大きい
ときに描くことのできる、M結合に関しての等価回路図
である。
【図7】本発明誘電体フィルタに関し、第二誘電体媒質
の誘電率が第一誘電体媒質の誘電率よりも十分に大きい
ときに描くことのできる、C結合に関しての等価回路図
である。
【図8】本発明誘電体フィルタにおいて一方の内導体に
負荷抵抗を接続した場合の他方の共振系の負荷Q値に関
する考察を施すための等価回路図である。
【図9】本発明に従い、外部回路との接続に工夫の施さ
れた誘電体フィルタの一実施例の概略構成図である。
【図10】本発明に従い、外部回路との接続に工夫の施
された誘電体フィルタの他の一実施例の概略構成図であ
る。
【図11】本発明に従い、分波器として構成された一実
施例の概略構成図である。
【図12】本発明の誘電体フィルタにおける誘電体柱形
状や透孔形状にかなりの設計自由度のあることを示す説
明図である。
【図13】この種の誘電体フィルタを構成する上で要素
的な電気回路部品となる誘電体共振器の基本的構造例の
説明図である。
【図14】従来提案されていた誘電体フィルタの基本的
構造例の概略構成図である。
【図15】従来提案されていた誘電体フィルタの動作原
理の説明図である。
【符号の説明】
40 全体としての本発明誘電体フィルタ, 41 誘電体柱, 42 透孔, 42-1 第一透孔, 42-2 第二透孔, 43-1 第一内導体, 43-2 第二内導体, 44 外導体, 45 短絡導体, 46 スリット, 47 スリット, 48 磁気的壁, 49 電気的壁, 51 第一端子形成用内導体, 52 第二端子形成用内導体, 53 剥離部, 61 第三の端子形成用の透孔, 62 第三端子形成用内導体, 63 剥離部, T1 第一の端子, T2 第二の端子, TA 第三の端子.

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の誘電体媒質から成り、周面に外導
    体が形成された誘電体柱と;該誘電体柱の内部を軸方向
    に抜ける透孔と;該透孔の内壁面にそれぞれ設けられ、
    該透孔の軸方向に亙り周方向に所定の幅を有する一対の
    スリットにより互いには分離された第一、第二の内導体
    と;該第一、第二の内導体の上記軸方向に沿う一端部を
    上記外導体の一端部に接続するため、上記誘電体柱の一
    端面に形成された短絡導体と;上記第一、第二の内導体
    により囲まれた透孔内に充填され、上記第一の誘電体媒
    質とは異なる第二の誘電体媒質と;を有して成る誘電体
    フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体フィルタであっ
    て;上記第二の誘電体媒質は空気であること;を特徴と
    する誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の誘電体フィルタ
    であって;上記透孔と上記第一、第二の内導体、及び該
    第一、第二の内導体により囲まれた透孔内に充填された
    第二誘電体媒質を単位構造とし;該単位構造が誘電体柱
    の軸方向に直交する一方向に沿い、nを2以上の整数と
    して複数n個、並設されていること;を特徴とする誘電
    体フィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の誘電体フィルタであっ
    て;上記複数個の透孔群の内、隣接するどれか一対の透
    孔間に第三端子形成用の透孔を設け;該第三端子形成用
    透孔内に第三の端子形成用内導体を形成すると共に;該
    第三端子形成用内導体はその軸方向両端において開放と
    したこと;を特徴とする、三端子分波器として利用可能
    な誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の誘電体
    フィルタであって;上記透孔の平面形状はダンベル型を
    しており;該ダンベル形状のくびれた部分を形成してい
    る一対の透孔内壁部分が、上記一対のスリットとなって
    いること;を特徴とする誘電体フィルタ。
  6. 【請求項6】 第一の誘電体媒質から成り、周面に外導
    体が形成された誘電体柱と;該誘電体柱の内部をそれぞ
    れ軸方向に抜け、互いには平行な関係にある複数個の透
    孔と;該各透孔内に設けられ、上記軸方向に沿い所定の
    幅のスリットにより周方向には連続しない内導体と;上
    記各内導体の上記軸方向に沿う一端部をそれぞれ上記外
    導体の一端部に接続するため、上記誘電体柱の一端面に
    形成された短絡導体と;上記各透孔内に充填され、上記
    第一の誘電体媒質とは異なる第二の誘電体媒質と;を有
    する誘電体フィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の誘電体フィルタであっ
    て;上記第二の誘電体媒質は空気であること;を特徴と
    する誘電体フィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の誘電体フィルタ
    であって;上記複数の透孔の中、それらの並設方向で最
    も外側に位置する一対の透孔内には、それら各透孔内に
    形成されているそれぞれの内導体に対し、軸方向に亙り
    所定の幅を有するスリットにより分離された関係で第
    一、第二の端子形成用内導体を設け;該第一、第二端子
    形成用内導体は、それぞれその軸方向両端において開放
    とすると共に;該第一、第二端子形成用内導体にそれぞ
    れ対向する内導体と、隣接の透孔に形成されている内導
    体との離間距離が、該第一、第二端子形成用内導体の離
    間距離よりも短くなっていること;を特徴とする誘電体
    フィルタ。
  9. 【請求項9】 請求項6,7または8記載の誘電体フィ
    ルタであって;上記複数個の透孔群の内、隣接するどれ
    か一対の透孔間に第三端子形成用の透孔を設け;該第三
    端子形成用透孔内に第三の端子形成用内導体を形成する
    と共に;該第三端子形成用内導体はその軸方向両端にお
    いて開放としたこと;を特徴とする、三端子分波器とし
    て利用可能な誘電体フィルタ。
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