JPH05180966A - プラズマ制御装置 - Google Patents

プラズマ制御装置

Info

Publication number
JPH05180966A
JPH05180966A JP4018366A JP1836692A JPH05180966A JP H05180966 A JPH05180966 A JP H05180966A JP 4018366 A JP4018366 A JP 4018366A JP 1836692 A JP1836692 A JP 1836692A JP H05180966 A JPH05180966 A JP H05180966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
plasma
null point
poloidal
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4018366A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2840992B2 (ja
Inventor
Mitsuji Abe
充志 阿部
Kazuhiro Takeuchi
一浩 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP4018366A priority Critical patent/JP2840992B2/ja
Publication of JPH05180966A publication Critical patent/JPH05180966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2840992B2 publication Critical patent/JP2840992B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 核融合装置において、プラズマ放電開始を低
一周電圧により行ない、かつ、放電開始時のプラズマを
安定化するに適するプラズマ制御装置を提供することに
ある。 【構成】 ポロイダル磁場を調節してプラズマ位置形状
を制御する核融合装置のプラズマ制御装置において、変
流器磁場に加え、独立に四重極磁場を加えることができ
るプラズマ制御系を形成し、このプラズマ制御系は、四
重極磁場強度指令器10とヌル点の位置を定めるヌル点
位置指令器9及びヌル点および四重極磁場強度の演算検
出器4をもって構成し、プラズマ放電開始時のプラズマ
発生前に、四重極磁場を加え、ポロイダル磁場が存在し
ないヌル点を発生させ、保持するとともに、ヌル点の位
置を計測し、負帰還して位置制御する。 【効果】 低一周電圧で核融合装置が起動できるので、
放電開始時のプラズマの安定化及び再現性が向上し、ひ
いては、装置のコストダウンが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核融合装置のプラズマ
制御装置に係わり、特に、プラズマ放電開始時に必要な
電圧を低減し、初期プラズマの安定化に有効なプラズマ
周囲の磁場制御を行うプラズマ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核融合装置では、希薄水素ガスをド−ナ
ツ状の真空容器に入れ、真空容器と鎖交する磁束(変流
器磁場による磁束)を変化させる事により、一周方向
(トロイダル方向)の電圧をかけて放電を起こし、ガス
をプラズマ状態にする。この時必要な一周電圧Vlは、
例えば、JAERI−M 86−174(日本原子力研
究所)P.30に書かれているように、20から30V
が必要であった。このような電圧をかけるためには、例
えば、「準定常核融合実験炉(FER−Q),概念設計
報告書(その1)」JAERI−M 85−177(日
本原子力研究所)P.155に書かれているように、図
2に示すような磁場を用いていた。つまり、プラズマ周
囲に配置したポロイダルコイル3により、中心部(主半
径小の部分)に磁力線を集中させて、プラズマ発生領域
11では磁力線が横切らない磁場配位{変流器磁場}を
作り、この磁場成分の強度を変え、中心部の磁場強度を
急に変化させることで一周電圧Vlを発生させていた。
放電開始時には、あらかじめ設定した変流器磁場の変化
割合に従って変化させ、この時、他のコイルは磁場を発
生しないようにしていた。従って、放電開始時には積極
的に磁場(ポロイダル磁場)を負帰還制御して調整する
ことは無かった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、放電開始時の磁場を精密に行うことは難し
く、結果として低い一周電圧で放電を開始することは出
来なかった。また、図2のポロイダルコイルには各々1
個の電源が組み合わされ、高い一周電圧はコイルの巻数
倍となって電源に加わることになる。この電圧に対抗し
てプラズマを安定に保つためには、さらに高い電圧を発
生できる電源を用いて、プラズマ位置形状制御を行う必
要があった。これらの事は電源等のコスト上昇の原因に
なっていた。図2のように、プラズマ領域全般におい
て、ポロイダル磁場を作らない変流器磁場は、設計計算
上は容易に作れるが、実際の装置ではトロイダル磁場が
作るポロイダル磁場成分(トロイダルコイルの誤差磁
場)やポロイダルコイルの設置誤差が原因の誤差磁場が
あり、結果としてプラズマ領域全般においてポロイダル
磁場が作られ易いことになる。このような誤差磁場が存
在する環境では高い一周電圧が必要になる。また、図2
のような変流器磁場において放電を開始させた時、小電
流時にもプラズマ断面積が真空容器断面程度の大きさに
なり、ジュ−ル加熱によるプラズマへのエネルギ−注入
密度が小さくなる。この事は小電流時にプラズマ加熱量
がプラズマからのふく射損失を下回ることも有り得る。
この対策には初期のエネルギ−注入量を大きくするかま
たはプラズマ電流の増加速度を早める事が必要である。
しかし、このためにはやはり高一周電圧が必要とな
る。また、放電開始時からプラズマの平衡を得るため垂
直磁場が必要になるが、プラズマ電流の増加率が大きく
一周電圧が高い装置では、必要な垂直磁場を作るため
に、やはり高電圧の電源が必要となった。このように高
い一周電圧や速いプラズマ電流の増加を必要とすること
は高電圧の電源を必要とし、また、高一周電圧かつ構造
材に誘起される渦電流に耐えるように高強度の構造設計
を必要としていた。また、速いプラズマ電流の立ち上げ
は放電初期のプラズマを不安定にし易くしていた。これ
は、渦電流による磁場がプラズマには外乱として働く
事、及び、電源や制御系の応答速度に限度がある事に原
因があった。本発明の目的は、上記事情に鑑み、核融合
装置において、プラズマ放電開始を低一周電圧により行
ない、かつ、放電開始時のプラズマを安定化するに適す
るプラズマ制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、ポロイ
ダル磁場を調節してプラズマ位置形状を制御する核融合
装置のプラズマ制御装置において、変流器磁場に加え、
独立に多重極磁場(特に、四重極磁場)を加えることが
できるプラズマ制御系を形成し、このプラズマ制御系
は、多重極磁場(特に、四重極磁場)強度指令器とヌル
点の位置を定めるヌル点位置指令器及びヌル点および多
重極磁場(特に、四重極磁場)強度の演算検出器をもっ
て構成し、プラズマ放電開始時のプラズマ発生前に、多
重極磁場(特に、四重極磁場)を加え、ポロイダル磁場
が存在しないヌル点を発生させ、保持するとともに、ヌ
ル点の位置を計測し、負帰還して位置制御することによ
り、達成される。
【0005】また、ここで、従来法の問題点である高い
一周電圧と放電開始時にプラズマが不安定になり易い点
を解決するために、放電開始時の磁場配位に注目して実
験を行った。この結果、図3のような実験結果を得た。
この実験では一周電圧Vlが4.5Vと低い電圧でプラ
ズマの放電が始まり、プラズマ電流Ipが安定に立ち上
がっている{図3(a)}。放電開始時の磁場の特徴と
して、4重極磁場によりプラズマ発生前のプラズマ領域
にポロイダル磁場の存在しない点(ヌル点)があり{図
3(b)}、このヌル点からプラズマが発生している事
である{図3(c)}。図3(a)の水平磁場は真空容
器内の平均水平磁場を計測して負帰還制御しているもの
である。この水平磁場をほぼ零にすることにより、真空
容器内にヌル点ができる様にしている。垂直磁場につい
ても同様の負帰還制御を行っている。この時の一周電圧
4.5Vは、従来20V程度必要であった事と比較する
と、大幅に低い電圧である。また、プラズマ電流を増加
させていく段階でもプラズマは安定であった。このよう
に、放電開始時にプラズマ領域に四重極磁場を加えるこ
とで低一周電圧で安定にプラズマ放電開始ができた。上
記の実験において、低い一周電圧でプラズマを安定に起
動できた事の原因は、放電が開始される前に変流器磁場
に4重極磁場を加えたことが主因である。放電を開始す
るためには従来もポロイダル磁場を弱くしていた。しか
し、必ずしもプラズマ領域全体でポロイダル磁場を零に
するのでなく、ある一点でポロイダル磁場が零の点(ヌ
ル点)があれば十分であることが上記の実験で判った。
このようなヌル点を作る磁場としては、原理的には4重
極磁場以上の多極磁場であれば何でも良い。しかし、以
下の理由により、4重極磁場が最も適している。ある誤
差磁場が存在する場合、ヌル点が基の位置から移動する
が、この移動の大きさが4重極磁場の場合が最も小さ
い。つまり、誤差磁場の存在に対し強い磁場である。ま
た、同じ大きさの磁場強度をプラズマ領域で発生しよう
とする場合、6重極磁場以上の多極磁場より小さいコイ
ル電流で発生できる点も有利である。プラズマ電流が立
ち上がってくると、プラズマ電流のフ−プ力でプラズマ
の主半径は大きくなろうとしてプラズマ位置が不安定に
なり易いが、四重極磁場はヌル点の主半径大側でフ−プ
力を抑える垂直磁場を持っており、プラズマ位置を安定
にしやすい点も利点としてある。従来法の問題点の1つ
である放電初期にプラズマ体積が大きくなり、小電流時
のふく射損失をジュ−ル加熱で補えない点についても以
下のように利点がある。つまり、放電初期のプラズマは
ヌル点があった点の近傍にのみ存在することになり、ジ
ュ−ル加熱が小さい領域に集中し、加熱密度が大きくな
り、ふく射損失を十分補う事ができる。従って、本発明
は、核融合装置の放電開始時に変流器磁場に加え、4重
極磁場をさらに加え、プラズマ発生領域にヌル点を作る
と言う点が要点である。このように作ったヌル点は、そ
の位置を磁場計測により検出し、プラズマの発生が十分
確認されるまで負帰還制御する事により、放電開始の再
現性が良くなり、プラズマが安定化できる。
【0006】
【作用】図4(a)は、一周電圧を発生するための変流
器磁場の磁力線であり、図4(b)は、プラズマ領域に
ヌル点を作る4重極磁場の磁力線である。放電開始時の
磁場は、これらを合わせたものであり、図4(c)のよ
うな磁場である。この図(c)の磁場は、図(a)と図
(b)の磁場を重ね合わせた磁場に相当する。一周電圧
は変流器磁場成分を変化させて発生させるが、プラズマ
領域では図4(c)のような磁場が、プラズマが発生す
るまで、保たれる。一周電圧が加わると、ヌル点付近に
存在した小数の電子は、トロイダル磁場の磁力線に沿っ
てトロイダル方向に加速され移動する。この時水素原子
(分子)に衝突し、プラズマ化させる。ヌル点以外の場
所の電子は、トロイダル方向に移動する間にポロイダル
断面内も移動して真空容器壁に衝突し、吸収され、プラ
ズマの発生には寄与しない。ヌル点付近の電子は、ポロ
イダル断面内の移動が少ないので、いつまでもヌル点付
近に留まり、プラズマの発生に寄与する。このため低い
一周電圧でもプラズマを発生できる。このようにしてヌ
ル点付近のみにプラズマが発生する。放電開始時には構
造材に渦電流が流れ易いので、プラズマ領域にできる磁
場は、コイル電流だけで発生する磁場とは異なってく
る。従って、放電開始時にヌル点を所定の位置に維持す
るためには、磁場配位の負帰還制御が必要である。この
ため、プラズマが十分発生するまでヌル点を計測し、コ
イル電流を調整して負帰還制御する。このヌル点位置
は、水平磁場により上下方向、垂直磁場により主半径方
向の位置が調整できる。これは、従来のプラズマ位置の
負帰還制御と同様であるが、必要な制御利得や計測パラ
メ−タが異なる場合があり、この場合、放電開始後制御
方法を変更することになる。4重極磁場の強さは、誤差
磁場が有ってもヌル点位置を真空容器内に止める事がで
き、また、放電開始時にプラズマが4重極磁場により上
下に引かれるために起こる上下位置不安定を安定化でき
る範囲の大きさとする。また、放電開始時のプラズマ
は、4重極磁場を強弱する事によりプラズマの大きさを
小・大にできる。この事を利用し、4重極磁場を調整
(負帰還、または、プレプログラム制御)することによ
つて初期プラズマの大きさを制御し、加熱密度を調整で
きる。以上のような調整機能を利用することが放電開始
時のプラズマを安定化させ、放電の再現性を向上させ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の一実施例であり、核融合装置のプラズマ
制御装置のブロック図を示す。従来の構成と比較して説
明する。従来、プラズマ制御装置としてプラズマ位置形
状制御装置があり、その構成は、図1において、磁気検
出器2、プラズマ位置形状演算装置5、電源と目標電流
(または電圧)値の演算装置からなる位置形状制御装置
6、及び、ポロイダルコイル群3である。この構成にお
いてプラズマ位置形状の負帰還制御を行っていた。その
位置形状の目標値を位置形状指令器7から出力し、変流
器磁場成分の指令値を変流器磁場指令器8から出力する
ことにより、放電初期には一周電圧をプレプログラム制
御し、プラズマ発生後は、基準プラズマ電流を出力し、
プラズマ電流を制御するものであった。本発明では以上
の構成に、ヌル点および四重極磁場強度の演算検出器
4、ヌル点位置指令器9及び四重極磁場強度指令器10
を加えた構成とする。図5にはこれらの制御系でプラズ
マ放電を開始させた時のプラズマ電流Ip、一周電圧V
l、四重極磁場強度の時間変化を示す。時刻t0で一周
電圧が加えられ、四重極磁場も同時に加える。一周電圧
は、真空容器を一周方向に流れる電流が立ち上がるまで
電圧がかかり難いため、一周電圧の上昇には遅れがあ
る。一般に四重極磁場の応答は速い。このため、四重極
磁場を加えるタイミングは一周電圧を加え始めるタイミ
ングより遅れても良い。一周電圧をかけるために変流器
磁場の強度は時刻t0からt1まで急激に変化させてい
る。時刻t1以後は、一周電圧を保つように変流器磁場
を変化させるのではなく、プラズマ電流を目標値に制御
するために変化させるようになる。つまり、時刻t0か
らt1はVl制御であり、時刻t1以後はプラズマ電流
制御である。従って、図1の変流器磁場指令器8は、時
刻t1までは図5の変流器磁場強度のような指令値を出
力するが、時刻t1以後はプラズマ電流の指令値を出力
する。この結果、プラズマ電流Ipは、時刻t0からt
2まではヌル点位置制御であり、時刻t2以後プラズマ
位置制御となる。
【0008】図6は、時刻t2以前の時刻における磁力
線と真空容器、プラズマ発生領域及びコイルの位置関係
を示す。黒丸にUP,BOT,IN,OUTと併記した
点は磁場計測点の例として示した点である。図4(c)
の磁場配位で一周電圧を加えると、x印のヌル点付近で
放電が始まり、プラズマ電流が流れ、プラズマが発生す
る。この時の磁力線が図6である。プラズマ電流が小さ
いので、真空容器12に比べてプラズマ1の大きさは小
さい、この事はジュ−ル加熱によるプラズマ1への入熱
密度が大きい事を示す。このような小さいプラズマ1で
あれば、ふく射損失も小さいので、損失以上のジュ−ル
加熱を注入する事は容易である。従って、プラズマ放電
開始時の電源容量を低減出来る。四重極磁場を強くする
と、プラズマの断面は小さくなる。しかし、上下に強く
引くようになるので、上下位置は不安定になりやすい。
従って、時刻t2までの四重極磁場の強さは、ふく射損
失がジュ−ル加熱より小さくなるように強くし、上下位
置が不安定にならないように、過大にならないように決
める。図4(c)に示したヌル点は、プラズマ領域とし
て点線で設定した位置付近に保っておく必要がある。単
純に変流器磁場と四重極磁場を重ね合わせると、図4
(c)の磁場配位となるが、図6に示すように、プラズ
マ発生領域11は真空容器壁12等で囲まれており、一
周電圧がかかった時にプラズマ領域周囲には制御できな
い渦電流が存在する事になる。このためヌル点は、図4
(c)の様に目標の位置に必ずしも出来ない。そこで、
プラズマ放電が始まるまでの時間帯でもポロイダル磁場
を負帰還制御する。つまり、図5に示した様に時刻t0
からt2までの時間帯でヌル点の位置制御を行う。これ
は、図1のヌル点位置・四重極磁場演算検出器4により
求めたヌル点位置をヌル点位置指令器9からの基準位置
に負帰還制御するものである。
【0009】ヌル点位置の検出方法としては種々考えら
れるが、ここでは、もっとも単純なプラズマ位置検出と
互換性のある方法を示す。計測する物理量は黒丸で示し
た磁場計測点UP,BOT,IN,OUTの磁束ψであ
る。ヌル点が目標位置(プラズマ領域の中心付近)に有
れば、位置のずれ(ヌル点水平位置のずれΔR,ヌル点
垂直位置のずれΔZ)は次の式で表される。
【数1】
【数2】 なお、添え字は計測位置を示す。係数C1,C2は四重
極磁場の大きさと対抗する磁気検出器の間隔や主半径の
大きさによって決まる値である。ヌル点がヌル点位置指
令器9から出力された目標位置から外れた所に存在する
場合、垂直磁場を加えることでヌル点水平位置(ΔR)
を制御し、水平磁場でヌル点垂直位置(ΔZ)を制御す
る。これらの磁場もポロイダルコイル群3で作る。この
ような磁場調整は、従来のプラズマ位置制御と同様の方
法であるが、本発明ではプラズマが存在しない場合に
も、ヌル点と四重極磁場強度に注目して積極的に磁場を
制御する事になる。また、C1,C2の値や水平、垂直
磁場の制御利得は、プラズマ位置検出・制御の場合とは
異なる数値であるので、図5の時刻t2でヌル点位置制
御からプラズマ位置制御に移るとき、これらのパラメ−
タは一般的には変更する事になる。
【0010】プラズマの放電初期にはプラズマの大きさ
(小半径)は、概略プラズマ電流を四重極磁場で割った
値の0.5乗に比例する。従って、放電初期にはプラズ
マの大きさを四重極磁場により制御できる。このため、
図5のようにプラズマ位置(形状)制御が始まる時刻t
2まではふく射損失を少なくし、放電開始(ブレ−クダ
ウン)を助けるように予め決めた大きさを四重極磁場強
度指令器10より指令して四重極磁場を加える。時刻t
2以後は四重極磁場強度指令器10はこの例では動作せ
ず、従来と同様に位置形状指令器6から出力されるプラ
ズマの大きさ、形状を制御するように四重極磁場強度を
調節する。以上のように従来のプラズマ位置形状制御装
置6に、ヌル点・四重極磁場演算検出器4、四重極磁場
強度指令器10及びヌル点位置指令器9を付加し、一周
電圧がかかり始めてプラズマ電流が立ち上がり始めるま
での時期においても、ヌル点と四重極磁場に注目して、
磁場の負帰還制御を行うことで、低い一周電圧でも安定
にプラズマの放電を開始できる。
【0011】図7は、本発明の他の実施例であり、最も
単純化した場合の例として、プレプロブラム方式により
プラズマを立ち上げる場合のプラズマ制御装置のブロッ
ク図を示す。タイミング制御器14から放電開始指令の
タイミング信号19が出力される。これに従って、変流
器磁場強度指令器8、垂直磁場強度指令器13及び四重
極磁場強度指令器10が動作を開始し、あらかじめ設定
されたプレプログラム指令信号(変流器磁場強度指令信
号20、垂直磁場強度指令信号21、四重極磁場強度指
令信号22)を電源(変流器コイル電源15、垂直磁場
コイル電源16、四重極磁場コイル電源17)に出力す
る。各コイル電源は核融合装置本体18のコイル系にコ
イル電流23を出力する。このシステムは全体として、
放電が開始される以前(ブレ−クダウン時以前)におい
て四重極磁場を独立に制御できる磁場制御装置となって
いる。
【0012】以上の図7の動作をタイムチャ−トで書く
と図8のようになる。時刻t0はタイミング制御器14
から放電開始が指令された時刻である。その時刻以前に
変流器磁場は励磁されている。時刻t0を過ぎると変流
器磁場指令値20は急激に消磁方向の指令が出力され、
プラズマ発生領域に一周電圧が発生する。この時刻t0
に合わせて四重極磁場指令値22もあらかじめ設定され
た値が出力される。垂直磁場指令値21はプラズマ電流
Ipの波形に会わせた波形で出力され、プラズマ電流I
pにあわせてプラズマ平衡が維持される。時刻t1はプ
ラズマの温度がジュ−ル加熱で上昇し、高い一周電圧が
不要になる時刻で、プラズマが十分発生できたと考えら
れる時刻である。図8の例ではこの時刻以後は四重極磁
場強度はプラズマ電流に会わせて立ち上げられ、変流器
磁場強度の変化率を低下させ一周電圧をさげる。このよ
うに一周電圧を変化させる変流器磁場やプラズマを平衡
に保つ垂直磁場とは独立に四重極磁場を制御できる磁場
制御装置を持ったプラズマ制御装置とタイミングチャ−
トのような運転方式により、核融合装置を運転すれば、
低一周電圧で安定にプラズマを発生させる事ができる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、核融合装置においてプ
ラズマ放電開始を低一周電圧で開始でき、かつ、放電開
始時のプラズマを安定化できる効果がある。これは、四
重極磁場を放電開始時に加えておくことでヌル点が存在
し、かつ、渦電流等で誤差的な磁場が存在しても、ヌル
点がプラズマ領域から外に外れ難いためで、プラズマは
このヌル点付近から安定に発生できることによる。併せ
て、ヌル点の位置を制御することができ、プラズマ放電
開始時の放電の再現性が向上する効果かある。また、プ
ラズマ放電を低い電圧で開始することができるので、電
源容量の低下、渦電流による電磁力の影響の低下あるい
は不純物の混入の防止が図れる。ひいては、プラズマ位
置形状制御系や電源装置のコストを著しく低下すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す核融合装置のプラズマ
制御装置のブロック図である。
【図2】従来の放電開始時の磁場を示す磁力線分布であ
り、変流器磁場を示す。
【図3】本発明の基礎となる実験結果の例を示す。
【図4】従来の放電開始時の変流器磁場(a)、四重極
磁場(b)及び本発明での放電開始時の磁場(c)を磁
力線分布により示す。
【図5】本発明を利用した放電開始時のプラズマ電流、
一周電圧、四重極磁場強度及び変流器磁場強度を示す。
【図6】プラズマ発生直後のポロイダル断面の磁力線分
布を示す。
【図7】本発明の他の実施例を示すプレプログラム方式
によりプラズマを立ち上げる場合のブロック図である。
【図8】本発明の他の実施例のタイムチャ−トを示す。
【符号の説明】
1 プラズマ 2 磁気検出器 3 ポロイダルコイル 4 ヌル点および四重極磁場強度の演算検出器 5 プラズマ位置形状演算装置 6 位置形状制御装置 7 位置形状指令器 8 変流器磁場強度指令器 9 ヌル点位置指令器 10 四重極磁場強度指令器 11 プラズマ発生領域 12 真空容器壁 13 垂直磁場強度指令器 14 タイミング制御器 15 変流器磁場コイル電源 16 垂直磁場コイル電源 17 四重極磁場コイル電源 18 核融合装置本体 19 タイミング信号 20 変流磁場強度指令信号 21 垂直磁場強度指令信号 22 四重極磁場強度指令信号 23 コイル電流

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポロイダル磁場を調節してプラズマ位置
    形状を制御する核融合装置のプラズマ制御装置におい
    て、プラズマ放電開始時のプラズマ発生時以前に、プラ
    ズマ発生領域に、変化する変流器磁場と多重極磁場を重
    ね合わせることを特徴とするプラズマ制御装置。
  2. 【請求項2】 ポロイダル磁場を調節してプラズマ位置
    形状を制御する核融合装置のプラズマ制御装置におい
    て、プラズマ放電開始(ブレ−クダウン)以前に、プラズ
    マ発生領域に、一周電圧を加えながら多重極磁場を発生
    させ、その強度を独立に調整することを特徴とするプラ
    ズマ制御装置。
  3. 【請求項3】 ポロイダル磁場を調節してプラズマ位置
    形状を制御する核融合装置のプラズマ制御装置におい
    て、プラズマ放電開始時のプラズマ発生時以前に、プラ
    ズマ発生領域に、一周電圧を加えながら多重曲磁場を作
    り、ポロイダル磁場が存在しないヌル点を発生させ、保
    持することを特徴とするプラズマ制御装置。
  4. 【請求項4】 ポロイダル磁場を調節してプラズマ位置
    形状を制御する核融合装置のプラズマ制御装置におい
    て、変流器磁場に加え、独立に多重極磁場を加えること
    ができるプラズマ制御系を形成し、このプラズマ制御系
    は、多重極磁場強度指令器とヌル点の位置を定めるヌル
    点位置指令器及びヌル点および多重極磁場強度の演算検
    出器からなり、プラズマ放電開始時のプラズマ発生以前
    に、多重極磁場を加え、ポロイダル磁場が存在しないヌ
    ル点を発生させ、保持するとともに、ヌル点の位置を計
    測し、負帰還して位置制御することを特徴とするプラズ
    マ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかにお
    いて、多重極磁場として四重極磁場を用いることを特徴
    とするプラズマ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、多重極磁場として四
    重極磁場を用い、ヌル点位置の負帰還制御を行うに当た
    って、ヌル点の位置の上下方向に対しては水平磁場、そ
    の水平方向に対しては垂直磁場の強度を調整することを
    特徴とするプラズマ制御装置。
JP4018366A 1992-01-08 1992-01-08 プラズマ制御装置 Expired - Fee Related JP2840992B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4018366A JP2840992B2 (ja) 1992-01-08 1992-01-08 プラズマ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4018366A JP2840992B2 (ja) 1992-01-08 1992-01-08 プラズマ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05180966A true JPH05180966A (ja) 1993-07-23
JP2840992B2 JP2840992B2 (ja) 1998-12-24

Family

ID=11969708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4018366A Expired - Fee Related JP2840992B2 (ja) 1992-01-08 1992-01-08 プラズマ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2840992B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2840992B2 (ja) 1998-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Strait et al. Resistive wall stabilization of high-beta plasmas in DIII–D
Mueller The physics of tokamak start-up
In et al. On the roles of direct feedback and error field correction in stabilizing resistive-wall modes
US3668066A (en) Dynamic stabilizer for plasma instabilities to improve plasma confinement and to increase plasma density
US3733248A (en) Plasma control by feedback
Ziemba et al. Plasma characteristics of a high power helicon discharge
JPH05180966A (ja) プラズマ制御装置
US2697167A (en) Induction accelerator
JP4399604B2 (ja) 荷電粒子ビームの軌道制御装置及びその制御方法
Sun et al. Observation of the m= 1 mode during the ramp phase of the sawtooth oscillations in LHCD plasmas on the HT-7 tokamak
JPS6051069B2 (ja) プラズマ制御装置
Schmit et al. Plasma-based accelerator with magnetic compression
JP3218504B2 (ja) 核融合装置
WO2007004704A1 (ja) 誘導電圧制御装置及びその制御方法並びに荷電粒子ビームの軌道制御装置及びその制御方法
Uesugi et al. Control of plasma current during lower hybrid current drive in the JFT-2M tokamak
US4481475A (en) Betatron accelerator having high ratio of Budker parameter to relativistic factor
US20220314024A1 (en) Superconductive electromagnet, particle accelerator, and particle beam therapy apparatus
CN101530003B (zh) 具有可变的轨道半径的电子回旋加速器
Matsumoto et al. Particle confinement during high-power neutral-beam injection in JFT-2 tokamak
Uckan et al. Feedback control and stabilization experiments on the Texas Experimental Tokamak (TEXT)
Bombarda et al. Runaway electron beam control
Nagaoka et al. Response of negative ion beamlet to RF field in beam extraction region
Kim et al. Effect of n= 1 RMP-driven Turbulence on Ion Pedestal and its role in Adaptive ELM control in KSTAR
Raitses et al. Hall Thruster with Externally Driven Breathing Oscillations
RU2468545C1 (ru) Источник тормозного излучения

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees