JPH05179631A - ダム構造 - Google Patents

ダム構造

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JPH05179631A
JPH05179631A JP34655991A JP34655991A JPH05179631A JP H05179631 A JPH05179631 A JP H05179631A JP 34655991 A JP34655991 A JP 34655991A JP 34655991 A JP34655991 A JP 34655991A JP H05179631 A JPH05179631 A JP H05179631A
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JP
Japan
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reservoir
dam
downstream
river
upstream
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Pending
Application number
JP34655991A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Kougami
拡美 向上
Isao Shiozaki
功 塩崎
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Hazama Corp
Original Assignee
Hazama Gumi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯水池の堆砂等を減少してこれの維持管理を
容易に行なうことができるとともに、貯水池及び下流河
川の洪水後の長期間の汚濁を防止でき、さらに、ダムよ
り下流流域の地形変化、海岸侵食を防止することができ
るとともに、陸水両方の植生、生態系等を分断すること
のないダム構造を提供する。 【構成】 貯水池12を挾んだ上下流の河川13,14
を連絡する河川トンネルであって、貯水池12の上流端
にのみ口17を、ダム本体11の下流に放水口18を備
え、かつ自然河川に近い勾配及び形状を有して上下流の
生態系の分断を回避するとともに、洪水流量を流下可能
な大きさの断面を有して洪水時にはその流量を流下させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダム構造に関し、特に、
貯水池を挾んだ上下流の河川を連絡するバイパストンネ
ルを備えたダム構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のダムは、コンクリートダム、フィ
ルダム等の区別なく、河川本流からの全ての河川水を一
旦貯水池に取り込んだ後にこれを下流に放流するという
基本構造を有し、ダムの貯水池は河川本流の一部を構成
している。すなわち、上流部から流下した流水、流木、
土砂、その他の浮遊物等はその一切がダムの貯水池に一
旦流入する。また、工事中に河川本流の迂回路として使
用される仮排水トンネルはダムの構築後は一般に閉塞と
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のダム構造では、流入する土砂等により貯水池に堆
砂を生じてダムの貯水容量を低下させ、したがって浚渫
により堆砂を除去する必要を生じる等、貯水池の維持管
理上の課題があった。
【0004】また、洪水時に流入した汚濁水が貯水池内
に停滞し、したがって貯水池の汚濁やこれから放水され
る汚濁水による下流河川の汚濁を長期間生じることにな
るという課題があった。
【0005】さらに、下流流域に流下すべき土砂がダム
によって遮断されるため下流流域での河川地形の変化や
海岸侵食を進行させるという課題があった。
【0006】さらにまた、栄養塩等の流下がダムによっ
て遮断されるため、また陸水両方の植生や生態系を分断
することになるという課題があった。
【0007】そこで、本発明はかかる問題点に着目して
なされたもので、堆砂等を減少して貯水池の維持管理を
容易に行なうことができるとともに、貯水池及び下流河
川の洪水後の長期間の汚濁を防止することのできるダム
構造を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、土砂や栄養塩等の下流流
域への流下を可能にしてダムより下流の河川地形等の変
化や海岸侵食の進行を防止することができるとともに、
陸水両方の植生や生態系の上下流方向の分断を回避する
ことのできるダム構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的に鑑
みてなされたもので、その要旨は、貯水池の上流端にの
み口を、ダム本体の下流に放水口を備え、所定勾配を有
して前記上下流の生態系の分断を回避するとともに洪水
時にはその流量を流下させるバイパストンネルを備えた
ことを特徴とするダム構造にある。
【0010】ここで、貯水池の上流端とは、上流河川と
貯水池との合流部のみならず、該合流部付近の河川領域
又は貯水池領域をも含むものである。
【0011】また、前記生態系の分断を生じない所定勾
配とは、例えば魚類のさく上を妨げない自然の河川勾配
をいい、特に、ダム本体の構築により貯水池の湖底に埋
没する元の河川の勾配と略同一の勾配とすることが好ま
しい。
【0012】そして、バイパストンネルは、ダム設置前
の河川洪水流量を流下しうる十分な大きさの断面を有す
るもので、例えば、200年確率の洪水流量を流下しう
る大きさの断面を有することが好ましい。
【0013】
【作用】本発明のダム構造は河川水を流下させるバイパ
ストンネルを有し、このバイパストンネルは、貯水池を
経ることなくこれを挾んだ上下流の河川を所定勾配で直
接連絡し、自然河川と同様の環境で土砂や栄養塩等が下
流流域へ流下するのを可能にするとともに貯水池へ流入
する土砂等を減少し、さらに、必要に応じてゲート操作
等を行なうことにより流量調節をしながら、場合によっ
ては洪水時の流量を下流流域へ直接流下可能にする。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。
【0015】本実施例のダム構造10は、図1に示すよ
うに、コンクリートダム、フィルダム等のダム本体11
によって形成される貯水池12を挾んで、その上流の河
川本流13とその下流の河川本流14とを、貯水池12
を経ることなく直接連絡するバイパストンネル15を備
えるものである。
【0016】バイパストンネル15は、上流の河川本流
13が貯水池12に合流する貯水池12の上流端16、
すなわち、ダム本体11によって貯水すべき計画水位と
同程度の標高における河川流域にトンネルののみ口17
が開口するとともに、ダム本体11及び貯水池12の周
囲の山岳30を貫通してダム本体11より下流の河川本
流14にその放水口18が開口する。また、バイパスト
ンネル15は、河川本流13の200年確率の洪水流量
を流下しうる大きさの断面を有している。そして、バイ
パストンネル15はその勾配が、ダム本体11の構築に
より貯水池12の湖底に埋没する元の河川の勾配と略同
一であるとともに、図3(イ)に示すように、その底部
には、元の河川の形状に従った所定幅及び所定深さの流
水溝31が形成され、さらに流水溝31の底面には、図
3(ロ)及び(ハ)に示すように、元の河川の湖底形状
に近似させて魚類のさく上を容易にするべく人工岩32
やよどみ33が千鳥状に又は一定間隔に配設されてい
る。したがって、かかる構成を有するバイパストンネル
15により、洪水時の流量を、貯水池12を経ることな
く流下させることができるとともに、通常の流水時は元
の河川と同様の状態で河川水を流下させることにより、
特に、魚類のさく上を可能にする等、貯水池12を挾ん
だ上下流の生態系の分断を回避することができる。
【0017】そして、バイパストンネル15を設置する
には、ダム本体11を構築する際に河川本流を迂回させ
るべく設置される仮排水トンネルを利用する。すなわ
ち、通常はダム本体の構築箇所をドライにするに足る範
囲で周囲の地山に設置されていた仮排水トンネルを、そ
の断面を前記洪水流量を流下しうる大きさに拡大すると
ともに、これののみ口が貯水池の計画水位と同等の標高
に位置するよう延長すれば、ダム本体11の構築後は、
仮排水トンネルをバイパストンネル15としてそのまま
利用することができる。また、図2に示すように、仮排
水トンネル19とは別に、貯水池12の上流端16と仮
排水トンネル19の入口とを連絡する湖底トンネル20
を、例えば排水パイプ等を連設して設ければ、通常の仮
排水トンネル19を利用して効率良くバイパストンネル
15を設置することができる。
【0018】また、貯水池12の上流端16には、河川
水を貯水池12に選択的に越流流入させる開閉ゲート2
1が設けられている。開閉ゲート21は、例えば図4
(イ)及び(ロ)に示すように、上下にスライドする開
閉扉22を備え、開閉扉22を上昇して上流の河川本流
13から貯水池12へ河川水が流入するのを遮断し
((イ)参照)、バイパストンネル15ののみ口17に
河川水の全てを流入させる。そして、必要に応じて開閉
扉22を下降し((ロ)参照)、河川水を越流させてこ
れを貯水池12に流入させる。
【0019】そして、上述の構成を有するダム構造10
では、河川本流13を貯水池12とは別個の構造として
備えることになるので、貯水池12とは全く別の体系で
河川維持を行なうことができ、必要ならば河川管理体制
とダム管理体制を分離独立させることもできる。また、
ダムにとって不要な通過流量を減少することができると
ともに、ゲート操作によって洪水制御を従来と同様に行
なうことにより、洪水時のダムの負担を軽減することが
できる。
【0020】また、本発明のダム構造12は、これまで
仮設構造物であった仮排水トンネルを拡幅し、永久構造
化することで足りるので、設計面・施工面で従来のダム
構造を根本的に変更することなく容易に構築することが
できる。さらに、バイパストンネル15は流路勾配が自
然河川の勾配と略同一となるとともに、流路床を河床に
似た構造とすることで、生態系への配慮も容易となる。
さらにまた、洪水と貯水を分離することにより、ダム本
体11に設けられる洪水吐23(図1参照)を削減し、
その費用をバイパストンネル15に向けることにより全
体の構築コストの上昇を避けることもできる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明のダム構造は、貯
水池を挾んだ上下流の河川を連絡するバイパストンネル
を備えるので、自然河川と同様の環境で、土砂や栄養塩
等を、貯水池を経ることなく下流流域へ流下させること
により、貯水池に流入する堆砂等を減少して貯水池の維
持管理を容易に行なうことができるとともに、洪水時の
汚濁水の貯水池への流入を減少して貯水池及び下流河川
の洪水後の長期間の汚濁を防止することができる。さら
に、下流流域での河川地形の変化や海岸侵食の進行を防
止することができるとともに、例えば魚類のさく上等を
容易にして、上流流域と下流流域の間の、陸水両方の植
生や生態系の分断を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダム構造の一実施例を示す景観図であ
る。
【図2】本発明のダム構造の他の実施例を示す景観図で
ある。
【図3】(イ)はバイパストンネルの底面形状の一実施
態様を示す概略斜視図、(ロ)及び(ハ)は(イ)のA
部拡大図である。
【図4】貯水池上流端に設けた開閉手段の一実施態様を
示す斜視図で、(イ)は河川水の貯水池への流入を遮断
した状況を、(ロ)は河川水を貯水池へ流入させる状況
を各々示すものである。
【符号の説明】
10 ダム構造 11 ダム本体 12 貯水池 13 上流の河川本流 14 下流の河川本流 15 バイパストンネル 16 貯水池の上流端 17 のみ口 18 放水口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯水池を挾んだ上下流の河川を連絡する
    河川トンネルであって、貯水池の上流端にのみ口を、ダ
    ム本体の下流に放水口を備え、所定勾配を有して前記上
    下流の生態系の分断を回避するとともに洪水時にはその
    流量を流下させるバイパストンネルを備えたことを特徴
    とするダム構造。
JP34655991A 1991-12-27 1991-12-27 ダム構造 Pending JPH05179631A (ja)

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JP34655991A JPH05179631A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 ダム構造

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002099202A1 (fr) * 2001-06-04 2002-12-12 Nagai Kosho Co., Ltd. Production hydroelectrique
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CN112962539A (zh) * 2021-02-04 2021-06-15 四川大学 一种闸底板凿槽加盖式生态放水孔

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