JPH05179271A - 酸化防止生成物 - Google Patents

酸化防止生成物

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JPH05179271A
JPH05179271A JP3262015A JP26201591A JPH05179271A JP H05179271 A JPH05179271 A JP H05179271A JP 3262015 A JP3262015 A JP 3262015A JP 26201591 A JP26201591 A JP 26201591A JP H05179271 A JPH05179271 A JP H05179271A
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mercaptan
alcohol
thiodialkanol
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JP3262015A
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Mary F Salomon
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M151/00Lubricating compositions characterised by the additive being a macromolecular compound containing sulfur, selenium or tellurium
    • C10M151/04Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M135/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing sulfur, selenium or tellurium
    • C10M135/20Thiols; Sulfides; Polysulfides
    • C10M135/22Thiols; Sulfides; Polysulfides containing sulfur atoms bound to acyclic or cycloaliphatic carbon atoms
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】潤滑粘性のあるオイル(例えば、クランクケー
ス油またはグリース)中で有用である組成物を提供す
る。 【構成】(A)β−チオジアルカノール、(B)メルカプタン
および(C)アルコールの反応生成物である次式の組成
物。 R1O[A(S)xAO]yASxASR2 (R1およびR2はヒドロカルビル基、Aはアルキレン基、
xは少なくとも1であり、そしてyは0またはそれより
大きい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオウ官能性および酸
素官能性を含む生成物に関する。この生成物は、酸化防
止剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】チオグリコールと窒素含有物質との種々
の縮合生成物が調製され得ることは、1959年9月24日に
ホルトシュミット(Holtschmitt)らにより発行されたド
イツ国特許公開第1,066,019号から知られている。ホル
トシュミットは、遊離の水酸基を有する化合物を開示し
ている。ホルトシュミットはまた、芳香環上に短い脂肪
族基を有する芳香族アミン(例えば、トルイジエン)の
使用を開示している。ダイエットリッチ(Dietrich)は、
1942年5月12日に発行された米国特許第2,282,710号に
て、石油炭化水素は、窒素官能基およびイオウ官能基の
両方を含有する化合物により安定化され得ることを述べ
ている。ダイエットリッチのイオウおよび窒素含有分子
中では、種々の環状、芳香族および線状の炭素配置が示
されている。
【0003】イオウおよび酸素含有化合物の性質から、
末端−末端縮合が可能になることは、ウッドワード(Woo
dward)による「チオグリコール重合体I、チオジグリコ
ールの塩酸触媒された自動縮合」の表題の論文、高分子
科学ジャーナル(Journal ofPolymer Science)、XLI巻、
p.219〜223(1959年)、から知られている。このウッド
ワードの論文から、さらに、分子内の多重のイオウ結合
(例えば、ジスルフィド、トリスルフィドなど)が得ら
れうることが知られている。
【0004】本発明の著者はまた、チオジグリコール単
位を含有する別の生成物(これには、それぞれ、1988年
9月6日、1988年8月16日および1989年1月17日に発行
された米国特許第4,769,164号、第4,764,299号および第
4,798,684号に開示のものが含 まれる)を提示してい
る。
【0005】アルキルチオアルカノールの調製は、ミュ
サー(Musser)らの米国特許第4,031,023号に記述されて
いる。このミュサーらの特許は、1977年6月21日に発行
され、ルーブリゾール社に譲渡されている。
【0006】さらに、β−ジチオアルカノールは、塩酸
の存在下およびアルコール中で反応するとき、反応生成
物として対応するエーテルが得られることは、リヒター
(Richter)らの「2-ヒドロキシエチルスルフィドとアル
コールおよびフェノールとの縮合」の表題の論文、高分
子科学ジャーナル、XLI巻、p.4076〜4079から知られて
いる。リヒターの論文中の技術は、さらに、1952年1月
15日に発行された米国特許第2,582,605号で報告されて
いる。
【0007】β−水酸基およびその反応生成物を含有す
る芳香族イオウ含有化合物は、フォーキン(Fokin)らの
「2-アルキル(アリール)チオエタノール中での水酸基
の求核置換」の表題の論文、Bull. Cad. Sci. USSR Di
v. Chem. Sci. 1982年、p.1667〜1672で論じられてい
る。1960年6月28日に発行されたポポフ(Popoff)らの米
国特許第2,943,112号は、ジフェニルアミン化合物を調
製することが可能であり、このような化合物は、ゴム組
成物中で酸化防止剤として用いられ得ると述べている。
【0008】1969年6月17日に発行されたドンブロ(Dom
bro)の米国特許第3,450,771号は、メルカプタンとアル
コールとを反応させることにより調製される有機スルフ
ィドを記述している。マスボール(Maasbol)らは、1981
年5月12日に発行された米国特許第4,267,375号にて、
チオールとアルコールとの反応により製造したチオエー
テルを記述している。ブット(Bott)のドイツ国特許公開
第3,225,709号は、アルカリメルカプチド、アルコール
および一酸化炭素からのチオエーテルの調製を記述して
いる。
【0009】ダイエットリッチは、1942年5月12日に発
行された米国特許第2,282,710号にて、アミノ置換され
たスルフィドまたはチオールの製造を記述している。レ
イノルズ(Reynolds)は、1966年2月1日に発
行された米国特許第3,232,936号にて、メルカプトエチ
ル基をアミンに導入することを開示している。
【0010】チオジグリコールの脱水は、1950年12月5
日に発行された米国特許第2,532,612号にて、ドウマニ
(Doumani)により記述されている。ネドウィック(Nedwic
k)らは、1960年3月29日に発行された米国特許第2,930,
815号にて、チオール、アルコール、触媒およびアセチ
レン溶媒を反応させることを開示している。ベル(Bell)
は、1950年11月28日に発行された米国特許第2,531,602
号にて、不飽和有機化合物と、スルフヒドリルおよびメ
ルカプタンとを反応させることを開示している。ワイル
ダー(Wilder)は、1970年12月15日に発行された米国特許
第3,548,008号に て、メルカプタンから得られるイオウ
含有組成物を開示している。
【0011】リード(Reid)らは、1941年2月4日に発行
された米国特許第2,230,966号にて、イオウ置換された
アルキルチオエーテルの調製を開示している。シン(Sin
gh)ら は、米国特許第4,366,307号にて、イオウおよび
酸素を含有する液状重合体を得 ることを開示してい
る。
【0012】本発明は、多価のイオウ含有組成物(例え
ば、チオジグリコール)と、メルカプタンおよびアルコ
ールとから得られる生成物に関する。好ましくはここで
得られる組成物は、このチオジグリコール構造の反対側
の末端位に残基を有する。
【0013】本明細書および請求の範囲を通じて、他に
指示がなければ、パーセントおよび比は重量基準であ
り、温度は摂氏であり、そして圧力はKPaゲージであ
る。範囲および比は例示であり、組み合わされ得る。こ
こで引用した参考文献が本発明に関連する範囲まで、そ
の内容は完全にここに援用されている。
【0014】
【発明の要約】本発明は、(A)β−チオジアルカノー
ル、(B)メルカプタンおよび(C)アルコールの反応生成物
である組成物を記述している。
【0015】好適な実施態様においては、上記反応生成
物は、上記メルカプタンおよび上記アルコールを合わせ
た当量よりも高い当量数の上記β−チオジアルカノール
から形成される。
【0016】本発明のさらに別の変形には、以下の構造
式の組成物がある:
【0017】
【化2】RO[A(S)AO]ASASR ここで、R1およびR2はヒドロカルビル基、Aはアルキレ
ン基、xは少なくとも1であり、そしてyは0またはそ
れより大きい。
【0018】好適な実施態様においては、上記組成物は
実質的に水酸基を含有しない。
【0019】好適な実施態様においては、Aは低級アル
キレン基である。
【0020】本発明の組成物は、主要量の潤滑粘性のあ
るオイルおよび/または水、またはグリース、および少
量の上記組成物を含有する。
【0021】本発明のさらに他の実施態様には、酸化を
受ける物質を含有する組成物中にて、(A)β−チオジア
ルカノール、(B)メルカプタンおよび(C)アルコールの反
応生成 物である組成物を効果的な量で使用することに
より、酸化を防止する方法がある。
【0022】
【発明の構成】
(チオジアルカノール)ここで述べる第1の成分は、
(A)β−チオジアルカノールである。このβ−チオジア
ルカノールは、次式により簡単に記述される:
【0023】
【化3】HOR3(S)xR4OH R3およびR4上の置換基は、イオウと酸素との間に2個の
炭素原子が介在するという条件で、存在可能である。も
ちろん、これらの置換基は、ここで記述のβ−チオジア
ルカノールの反応性を妨げるべきではない。さらに、こ
の置換基が存在するとき、それは、記述の組成物の酸化
防止剤としての最終用途を妨害するべきではない。
【0024】上の記述に従って、R3およびR4は、それぞ
れ、−CHR5CHR6−である。R5およびR6の両方が水素のと
き、水酸基とイオウ原子との間にエチレン基が存在す
る。先に述べたように、R5およびR6は、いずれかの非妨
害性のヒドロカルビル基であり得る。この成分および他
の成分に関してここで定義のヒドロカルビル基は、水素
および炭素および他のいずれかの非妨害性原子を含有す
る部分である。この非妨害性のために、成分の反応性ま
たはその所望の有用性が得られる。好ましくは、R5また
はR6は、水素または低級の直鎖アルキル基(例えば、プ
ロピレン部分またはブチレン部分を与えるようなメチル
またはエチル)である。R5またはR6がt-ブチル基を含む
なら、請求の組成物を形成する縮合反応は妨害されるこ
とを記しておく。しかしながら、スチレン残基は反応性
を妨害せず、R3またはR4として利用され得る。
【0025】β−チオジアルカノールは、好ましくは、
繰り返し単位1個あたり、イオウ原子を1個だけ含有す
る、すなわち、xは1である。しかしながら、xが2で
あって、それにより、分子内にジスルフィド構造を有し
ていてもよく、ある条件では、望ましい。モノスルフィ
ドとジスルフィドの混合物が存在する組成もまた可能で
ある。自動伝達流体では、モノスルフィドが望ましい。
エンジン用の潤滑油(例えば、クランク室油)では、あ
る種のジスルフィドは、酸化防止剤だけでなく耐摩耗特
性を与えるのに望ましい。
【0026】分子内のチオジグリコール繰り返し単位の
存在は、上で示す構造式にて、yの値で示される。例え
ば、チオジエタノールの自己縮合がないとき、yの値は
0である。好ましくは、重合体に対するyの値は、1〜
約5であり、最も好ましくは、1〜約3である。この重
合は、少なくとも1当量過剰のチオジアルカノールを用
いることにより、行われる。チオジアルカノールの重合
は、残りの反応成分(例えば、アルコールまたはメルカ
プタン)へのチオジアルカノールの導入とは独立して行
われ得る。他方、チオジアルカノールの重合は、その場
で、例えば、1つの容器内の反応で行われ得、この場
合、チオジアルカノールは、残りの反応成分の存在下で
重合する。この重合が他の反応と競合するとき、そのま
まの状態での競争反応により、生成物の混合物が得られ
ることにも注目すべきである。yが0の生成物を得るの
が望ましいなら、残りの反応成分を反応容器に導入し、
続いて、チオジアルカノールをゆっくりと導入すること
が提案されている。
【0027】1モルのチオジアルカノールが2官能性の
ヒドロキシ化合物であり、yが0なら、これは、2当量
のモノメルカプタンまたは2当量の1価アルコール(ま
たは、n当量のモノメルカプタンおよび2−n当量の1
価アルコール)と反応し、2モルの水が遊離されること
にも注目すべきである。
【0028】(アルコール)アルコール、R1OHは、典型
的には、1官能性アルコール(例えば、1ヒドロキシ当
量)であり、ここで、R1はヒドロカルビル基である。こ
のアルコールはまた、ポリオールR1(OH)aでもあり得、
ここで、aは1またはそれより大きく、好まし くは、
2である。R1はヒドロカルビルと述べられているもの
の、このヒドロカルビル基は、この場合には、チオジア
ルカノールの水酸基と反応しない物質に限定するのが望
ましい。この基R1がチオジアルカノールと反応する部分
を含有するなら、生成物は架橋し得るが、これは望まし
くはない。このアルコールは、好ましくは、第1級アル
コールであり、さらに好ましくは、分枝したアルコール
である。このアルコールとして特に望ましい群の物質に
は、ネオアルコールがある。特に好ましいアルコール
は、2,2,4-トリメチルペンタノールである。第2の好ま
しいアルコールはイソブチルアルコールである。これら
のアルコールはまた、ヒドロカルビル基中に、妨害性で
ないヘテロ原子(例えば、エステル構造、エーテル構
造、スルフィド構造および第3級アミン構造)を含有し
得る。
【0029】好都合には、R1は、約2個〜約30個の炭素
原子、好ましくは、4個〜約20個の炭素原子、最も好ま
しくは、約6個〜約18個の炭素原子を含有する脂肪族基
である。
【0030】本発明の組成物の特に有利な点は、生成物
の使用寿命を通して、優れた流動性および低温での配合
粘度特性を有することにある。すなわち、本発明の組成
物は、例えば、自動伝達流体に容易に配合され、さら
に、低温条件下でも、ベース流体から分離しない。アル
コールを特に選択することは、これらの特性を助長す
る。上記アルコールに加えて、ここでアルコールとして
利用し得る物質には、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、n-ブタノール、2-メチルプロパノール、
ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノ
ール、ノナノール、デカノールなどが挙げられる。
【0031】(メルカプタン)本発明で論じる次の局面
は、メルカプタンである。メルカプタンは、アルコール
が水の誘導体であるのと同様に、硫化水素の誘導体であ
る一群の有機イオウ化合物である。メルカプタンは、一
般に、チオールと呼ばれる。メルカプタンは、分子内に
−SH基を有する。本発明では、まず第一に、このメルカ
プタンは、1当量の−SH基を有する単一のチオールであ
るのが好ましい。このメルカプタンは、好ましくは、脂
肪族であり、式R2(SH)zを有する。ここで、zの値は、
チオジグリコールに由来の重合以外の別の重合を防止す
るために、典型的には1である。メルカプタンは、チオ
ジグリコールの存在下では、非常に反応性が高く、チオ
ジグリコールに由来の水酸基と縮合して、水が生じる。
本発明では、このメルカプタン残基が、チオジグリコー
ル分子の1つの末端上にあるのが望ましいので、反応成
分の量は、1個より多いメルカプタン残基を含有する物
質を最小に得られるように、制御されるべきである。
【0032】メルカプタンR(SH)xまたはR2SHは、ヒドロ
カルビル基としてのRの価値を有する。典型的には、こ
のヒドロカルビル基は、生成物に油分散性または油溶性
を与える脂肪族物質または芳香族物質である。
【0033】このメルカプタンが脂肪族物質の場合、典
型的には、約4個〜約20個の炭素原子を含有する。メル
カプタンの例には、例えば、メチルメルカプタン、エチ
ルメルカプタン、プロピルメルカプタン、n-ブチルメル
カプタン、n-ペンチルメルカプタン、およびこれらの化
合物の種々の異性体が包含される。さらに別のメルカプ
タンには、オクチルメルカプタン、デシルメルカプタン
またはドデシルメルカプタン、またはオクタデシルメル
カプタンが挙げられる。芳香族メルカプタンの例には、
チオフェノールがある。ここでさらに有用なメルカプタ
ンには、ペンダント(SH)基を含有する複素環化合物(例
えば、メルカプトチアジアゾールまたはメルカプトベン
ゾチアゾール)が挙げられる。このメルカプタンは、最
終の反応生成物がまた、実質的に水酸基を含有しないよ
うに、実質的に水酸基を含有しないのが望ましい。最終
生成物が、遊離の水酸基またはスルフヒドリル基を含有
するべきではないという点は、この後で記述のアルコー
ルの使用からも裏付けられる。
【0034】(処理条件)先に記述のように、ここでの
使用のためにチオジアルカノールの重合体単位を得るの
が望ましいなら、読者は、これらの物質を論じている章
に戻って調べることができる。
【0035】本発明では、チオジグリコール成分と反応
させるために、メルカプタンおよびアルコールを使用す
る必要がある。このアルコールおよびメルカプタンは、
互いに特に反応性ではなく、それゆえ、穏やかな条件下
では、これらの物質は、反応容器にあらかじめ配合し得
る。残りの2種の成分の混合物に、チオジグリコールま
たは重合体チオジグリコールを導入するのが好ましい。
必須ではないが、所望ならば、この反応は、ベース流体
(例えば、潤滑粘性のあるオイル、例えば、最終用途意
図の流体)中で行われる。
【0036】この反応は、典型的には、触媒量の酸(例
えば、硫酸、リン酸またはp-トルエンスルホン酸)の存
在下で行われる。この触媒の量は、典型的には、チオジ
アルカノールの0.5重量%〜3重量%である。反応温度
は、好都合には、約30℃と300℃との間、好ましくは、
約50℃〜250℃に維持される。好都合には、縮合反応で
は、還流条件下にて、トルエンのような不活性溶媒が使
用される。トルエンを使用すれば、反応の水を急速に除
去することが可能となる。
【0037】典型的には、この反応は、水がもはや形成
されなくなるまで、好都合に行われる。水は、反応成分
中に不純物として存在し得、チオジグリコールの重合、
およびアルコールおよびメルカプタンとチオジグリコー
ル成分との反応の両方によって発生する。
【0038】典型的には、この反応を完結させるのに要
する時間は、約2時間〜約10時間である。反応の完結に
続いて、カセイ塩基または他の適当な塩基で中和するこ
とにより、触媒が除去され得る。次いで、先に述べた溶
媒が減圧下で除去され、生成物が濾過され得る。
【0039】本発明の生成物は、先に述べたように、望
ましくは、種々の潤滑組成物中で利用される。これらの
物質はまた、油圧組成物、機能流体などでも使用され得
る。本発明の組成物を自動伝達流体中で使用することも
また、推せんされる。ここで記述の組成物は、優れた極
圧剤である。この組成物は、自動車オイル中で使用する
とき、好都合には、主要量の潤滑粘性のあるオイルと共
に、少量で使用される。
【0040】水ベースの組成物用のベース流体は、単に
水であり、そして流体の所望の機能的な特徴を得るのに
必要な他の成分である。所望の最終生成物が潤滑油また
は伝達流体の場合、その基油は、典型的には、本発明の
組成物と組み合わせて有用な炭化水素油である。
【0041】ここで開示のタイプの未精製油、精製油お
よび再精製油(および、互いの混合物)は、本発明の潤
滑剤および機能流体中で用いられ得る。未精製油とは、
天然原料または合成原料から、さらに精製処理すること
なく、直接得られるオイルである。例えば、レトルト操
作から直接得られるけつ岩油、蒸留から直接得られる石
油オイル、またはエステル化工程から直接得られ、かつ
さらに処理せずに用いられるエステル油は、未精製油で
ある。精製油は、1種またはそれ以上の特性を改良する
べく、1段またはそれ以上の精製段階でさらに処理され
たこと以外は、未精製油と類似している。このような精
製方法の多くは、当業者には周知である。この方法に
は、例えば、溶媒抽出、酸または塩基抽出、濾過、浸透
などがある。再精製油は、すでに使用された精製油に、
精製油を得るのに用いた工程と類似の工程を適用するこ
とにより、得られる。このような再精製油もまた、再生
された油または再生加工された油として周知であり、そ
して消費された添加剤および油の分解生成物を除去する
べく指示された方法により、しばしばさらに処理され
る。
【0042】ここで有用な合成の潤滑油には、以下の炭
化水素油およびハロ置換炭化水素油が包含される。この
炭化水素油およびハロ置換炭化水素油には、例えば、重
合されたオレフィンおよびインターポリマー化されたオ
レフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プ
ロピレン−イソブチレン共重合体、塩素化されたポリブ
チレンなど);ポリ(1-ヘキセン)、ポリ(1-オクテ
ン)、ポリ(1-デセン)など、およびそれらの混合物;
アルキルベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラ
デシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ−(2-エチルヘ
キシル)−ベンゼンなど);ポリフェニル(例えば、ビ
フェニル、テルフェニル、アルキル化されたポリフェニ
ルなど);アルキル化されたジフェニルエーテルおよび
アルキル化されたジフェニルスルフィドおよびその誘導
体、それらの類似物および同族体などがある。
【0043】アルキレンオキシド重合体およびインター
ポリマーおよびそれらの誘導体(この誘導体では、その
末端水酸基は、エステル化、エーテル化などにより修飾
されている)は、用いられ得る周知の合成潤滑油の他の
クラスを構成する。これらは、エチレンオキシドまたは
プロピレンオキシドの重合により調製されるオイル、こ
れらポリオキシアルキレン重合体のアルキルエーテルお
よびアリールエーテル(例えば、約100の平均分子量を
有するメチルポリイソプロピレングリコールエー テ
ル、約500〜1000の分子量を有するポリエチレングリコ
ールのジフェニルエー テル、約1000〜1500の分子量を
有するポリプロピレングリコールのジエチルエーテルな
ど)、またはそれらのモノ−およびポリカルボン酸エス
テル(例えば、テトラエチレングリコールの酢酸エステ
ル、混合したC3〜C8脂肪酸エステルまたはC13オキソ
酸ジエステル)により例示される。
【0044】用いられ得る合成潤滑油の他の適当なクラ
スには、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、マレイン
酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル
酸、アジピン酸、リノール酸ダイマー、マロン酸、アル
キルマロン酸、アルケニルマロン酸など)と、種々のア
ルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、ドデシルアルコール、2-エチルヘキシルアルコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエ
ーテル、プロピレングリコールなど)とのエステルが包
含される。これらエステルの特定の例には、アジピン酸
ジブチル、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)、フマル
酸ジ-n-ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン
酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル
酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコ
シル、リノール酸ダイマーの2-エチルヘキシルジエステ
ル、セバシン酸1モルとテトラエチレングリコール2モ
ルおよび2-エチルヘキサン酸2モルとの反応により形成
される複合エステルなどが包含される。
【0045】合成油として有用なエステルは、C5〜C
12モノカルボン酸と、ポリオールおよびポリオールエー
テル(例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、トリペンタエリスリトールなど)とから形成さ
れるエステルも包含する。
【0046】シリコンベースのオイル(例えば、ポリア
ルキル−、ポリアリール−、ポリアルコキシ−、または
ポリアリールオキシシロキサンオイルおよびシリケート
オイル)は、合成潤滑剤の他の有用なクラスを構成す
る。これには、例えば、テトラエチルシリケート、テト
ライソプロピルシリケート、テトラ−(2-エチルヘキシ
ル)シリケート、テトラ−(4-メチルヘキシル)シリケ
ート、テトラ−(p-tert-ブチルフェニル)シリケー
ト、ヘキシル−(4-メチル-2-ペントキシ)ジシロキサ
ン、ポリ(メチル)シロキサン、ポリ(メチルフェニ
ル)シロキサンなどがある。他の合成潤滑油には、リン
含有酸の液状エステル(例えば、リン酸トリクレジル、
リン酸トリオクチル、デカンホスホン酸のジエチルエス
テルなど)、重合したテトラヒドロフランなどが包含さ
れる。
【0047】ポリオレフィンオリゴマーは、典型的に
は、α−オレフィンの重合反応により形成される。非α
−オレフィンはオリゴマー化されて、本発明の範囲内の
合成油を与えるが、しかしながら、α−オレフィンの反
応性および低価格での入手可能性から、オリゴマー源と
して、α−オレフィンが選定される。
【0048】本発明で重要なポリオレフィンオリゴマー
の合成潤滑油には、炭化水素油およびハロ置換炭化水素
油が含まれる。これらは、例えば、重合したオレフィン
およびインターポリマー化したオレフィンとして得ら
れ、例えば、オリゴマーには、ポリブチレン、ポリプロ
ピレン、プロピレン−イソブチレン共重合体、塩素化さ
れたポリブチレン、ポリ(1-ヘキセン)、ポリ(1-オク
テン)、ポリ(1-デセン)、類似物質およびそれらの混
合物が挙げられる。
【0049】典型的には、このオリゴマーは、約6個〜
18個の炭素原子を含有するモノマーから得られる。最も
好ましくは、このオリゴマーを形成するのに用いられる
モノマーは、デセンであり、好ましくは、1-デセンであ
る。α−オレフィンとの名称は通称の名であり、1-エン
化合物というIUPAC名称は、本発明の範囲内で同じ意味
を有すると考えられ得る。
【0050】α−オレフィンからオリゴマーを形成する
ことは必須ではないものの、これは望ましい。α−オレ
フィンからオリゴマーを形成する理由には、オレフィン
モノマーが互いに結合する点で自然に分枝が起こるこ
と、およびオレフィン骨格内の別の分枝は、最終オイル
の粘度を非常に高くすることがある。このα−オレフィ
ンから形成される重合体は、水素化されていることも望
ましい。この水素化は、周知の技術に従って行われる。
重合体の水素化により、遊離ラジカルの重合後に残留し
ているアリル炭素に対する攻撃が最小にされる。
【0051】このオリゴマーの分子量は、典型的には、
平均して、約250〜約1400、好都合には、約280〜約120
0、好ましくは、約300〜約1100、最も好ましくは、約34
0〜520である。このオリゴマーの分子量の選択は、その
処方物に粘度改良剤が含有されるかどうかに大きく依存
する。すなわち、このポリオレフィンオリゴマーは、非
常な高温条件および低温条件下にて、適切な潤滑粘性が
維持されるように、濃厚効果および希釈効果のいずれか
を必要とする。
【0052】さらに望ましい合成潤滑剤は、アルキル化
された芳香族化合物である。このアルキル化された芳香
族化合物は、低温流動特性を改良する際に、特に有益で
ある。特に有用な合成潤滑剤は、α−オレフィンオリゴ
マーとアルキル化芳香族との混合物である。典型的に
は、このオリゴマーとアルキル化芳香族との混合物は、
約8:1〜約1:8の重量比である。
【0053】また、ここで含有され得る物質には、天然
油がある。天然油には、先に記述のオイルだけでなく、
動物油および植物油(例えば、ひまし油、ラード油)が
包含される。
【0054】この炭化水素ベースの流体に添加される望
ましい他の物質には、以下の物質がある:本発明の組成
物には、粘度改良物質が含有され得る。粘度指数改良剤
には、典型的には、重合したおよび共重合したメタクリ
ル酸アルキル、および窒素含有化合物と反応したスチレ
ン−無水マレイン酸インターポリマーの混合エステルが
挙げられる。清浄剤、好ましくは、オーバーベース化さ
れた清浄剤、特に、ナトリウム清浄剤、カルシウム清浄
剤またはマグネシウム清浄剤もまた有用である。スクシ
ンイミドのような無灰分分散剤もまた、ここで包含され
得る。
【0055】ポリイソブチレン化合物もまた、典型的に
は、粘度指数改良剤として用いられる。この完全に処方
された伝達流体組成物に典型的に添加され得る粘度改良
剤の量は、約1重量%〜約50重量%、好ましくは約10重
量%〜約25重量%である。
【0056】亜鉛塩もまた、潤滑剤に添加される。この
亜鉛塩は、通常、極圧剤として利用され、例えば、ジチ
オリン酸亜鉛がある。この亜鉛塩は、亜鉛金属の重量で
測定されるレベルで、約0.02重量%〜約0.2重量%、好
ましくは、約0.04重量%〜約0.15重量%で添加される。
【0057】特に、静止摩擦係数を低下させるために、
潤滑剤に含有され得る他の成分には、追加の摩擦調節剤
として有用な脂肪酸アミドがある。ここでさらに有用な
成分には、スルホン類およびスルホラン類のようなシー
ル膨潤剤が包含される。適当なシール膨潤剤は、1977年
6月14日に発行されたコーチ(Koch)の米国特許第4,029,
587号に開示されている。本発明で有用なさらに別の成
分には、シリコーンオイ ルのような泡抑制剤がある。
流動点降下剤、染料、芳香剤などのような他の典型的な
成分が、ここで含有され得る。
【0058】伝達流体、モータオイルまたは油圧流体中
で典型的に用いられる他の成分には、以下が包含され
る。
【0059】本発明の組成物中に含有され得る極圧剤お
よび腐食防止剤および酸化防止剤は、以下により例示さ
れ得る:塩素化脂肪族炭化水素(例えば、塩素化ワック
ス);有機スルフィドおよびポリスルフィド(例えば、
ベンジルジスルフィド、ビス(クロロベンジル)ジスル
フィド、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化
メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペン
テンおよび硫化テルペン);リン硫化炭化水素(例え
ば、硫化リンとテルペンチンまたはオレイン酸メチルと
の反応生成物;主として亜リン酸ジ炭化水素および亜リ
ン酸トリ炭化水素(例えば、亜リン酸ジブチル、亜リン
酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペ
ンチルフェニル、亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン
酸トリデシル、亜リン酸ジステアリル、亜リン酸ジメチ
ルナフチル、亜リン酸オレイル4-ペンチルフェニル、ポ
リプロピレン(分子量は500)で置換された亜リン酸フ
ェニル、 ジイソブチル置換の亜リン酸フェニル)を含
めたリンエステル;チオカルバミン酸金属(例えば、ジ
オクチルジチオカルバミン酸亜鉛、およびヘプチルフェ
ニルジチオカルバミン酸バリウム);ホスホロジチオ酸
の第II族金属塩(例えば、ジシクロヘキシルホスホロジ
チオ酸亜鉛、ジオクチルホスホロジチオ酸亜鉛、ジ(ヘ
プチルフェニル)ホスホロジチオ酸バリウム、ジノニル
ホスホロジチオ酸カドミウム);および五硫化リンと、
イソプロピルアルコールおよびn-ヘキシルアルコールの
等モル混合物との反応により生成されるホスホロジチオ
酸の亜鉛塩。
【0060】上記極圧剤および腐食−酸化防止剤の多く
はまた、耐摩耗剤として役立つ。ジアルキルホスホロジ
チオ酸亜鉛は、周知の例である。
【0061】本発明の組成物中で特に有用な耐摩耗剤に
は、式(R'O)2PSSHのリン含有酸(ここで、各R'は、独立
して、炭化水素ベースの基、またはそれらのリン含有酸
前駆体である)と、式(R"O)3Pの少なくとも1種の亜リ
ン酸塩(R"は炭化水素ベースの基である)とを約50℃〜
約200℃の温度の反応条件下で反応させることにより得
られるものがある。R’は、好ましくは、約3個〜約50
個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてR"は、
好ましくは、芳香族である。その塩は、好ましくは、亜
鉛塩であるが、少なくとも1種の該リン含有酸と、少な
くとも1種のカルボン酸との混合塩であり得る。これら
の耐摩耗剤は、米国特許第4,263,150号にさらに完全に
記述され、その内容は、ここに援用されている。これら
の耐摩耗剤および上で引用した耐摩耗剤は、本発明の組
成物中にて、該流体組成物の全重量を基準にして、約0.
1重量%〜約5重量%のレベル、好ましくは、約0.25重
量%〜約1重量%のレベルで提供され得る。
【0062】本発明の流体組成物中で特に有用なさらに
他の酸化防止剤には、ヒンダードフェノール(例えば、
2,6-ジ-(t-ブチル)フェノール);芳香族アミン(例え
ば、アルキル化されたジフェニルアミン);アルキルポ
リスルフィド;セレン化物;ホウ酸塩(例えば、エポキ
シド/ホウ酸反応生成物);ホスホロジチオ酸、そのエ
ステルおよび/または塩;およびジチオカルバミン酸塩
(例えば、ジチオカルバミン酸亜鉛)がある。これらの
酸化防止剤および上で述べた酸化防止剤は、好ましく
は、本発明の流体中にて、このような組成物の全重量を
基準にして、約0.025重量%〜約5重量%のレベル、さ
らに好ましくは、約0.1重量%〜約2重量%のレベルで
存在する。
【0063】本発明の組成物中で特に有用な錆防止剤に
は、アルケニルコハク酸、その無水物およびエステル、
好ましくは、テトラプロペニルコハク酸、その酸/エス
テルおよびそれらの混合物;スルホン酸金属(好ましく
は、スルホン酸カルシウムおよびバリウム);リン酸ア
ミン;およびイミダゾリンがある。これらの錆防止剤
は、好ましくは、生成物の全重量を基準にして、約0.01
重量%〜約5重量%のレベルで、好ましくは、約0.02重
量%〜約1重量%のレベルで存在する。
【0064】ここで記述の組成物には、流動点降下剤が
含有され得る。オイルベースの組成物中において、低温
特性を改良するこのような流動点降下剤の使用は、当該
技術分野で周知である。例えば、C.V.スマルヒール(C.
V.Smalheer)およびR.ケネディスミス(R.Kennedy Smith)
の「潤滑添加剤」(レジウス ヒールズ(Lezius-Hiles)
出版社、クリーブランド、オハイオ、1967年)の8ペー
ジを参照せよ。
【0065】有用な流動点降下剤の例には、ポリメタク
リレート;ポリアクリレート;ポリアクリルアミド;ハ
ロパラフィンワックスと芳香族化合物との縮合生成物;
ビニルカルボキシレート重合体;およびフマール酸ジア
ルキルと脂肪酸のビニルエステルとアルキルビニルエー
テルとの三元共重合体がある。本発明の目的のために有
用な流動点降下剤、それらの調製方法およびそれらの用
途は、米国特許第2,387,501号;第2,015,748号;第2,65
5,479号;第1,815,022号;第2,191,498号;第2,666,746
号;第2,721,877号;第2,721,878号;および第3,250,71
5号に記述され、その内容は、それらに関連した開示に
ついて、ここに援用されている。
【0066】消泡剤は、安定した泡の形成を低減させる
かまたは防止するために、用いられる。典型的な消泡剤
には、シリコーンまたは有機重合体が挙げられる。他の
消泡組成物は、「泡制御剤」(カーナー(Kerner)、ノイ
スデータ社(Noyes Data Corporation)、1976年)のp.12
5〜162に記述されている。
【0067】(組成物の用途)本発明の組成物は、典型
的には、自動伝達流体、油圧流体、機能流体または潤滑
油組成物中にて、約0.025重量%〜約5重量%、好まし
くは、約0.1重量%〜約2重量%のレベルで用いられ
る。本発明の生成物は親油性なので、生成物の混合は比
較的簡単である。本発明の組成物が、水ベースの物質中
での使用が意図されている場合、水性処方物中の活性成
分を安定に分散させるのに必要な補助剤および他の物質
を含有させるのが望ましい。水性組成物が利用されると
き、典型的には、85%まで、好ましくは、90%までの水
を含有し、残りは、本発明の活性成分、およびこのよう
な水性処方物中に典型的に存在する他の物質である。
【0068】本発明の組成物の特に有利な点は、優れた
過酸分解特性を有することにある。本発明の組成物は、
自動伝達流体またはモータオイルに容易に配合される。
【0069】
【実施例】以下は本発明の実施例である。
【0070】(実施例A)本発明に従って、1価アルコ
ール、メルカプタンおよびチオジエタノールから生成物
を製造する。この実施例で選択したアルコールはn-アミ
ルアルコールであり、そしてメルカプタンはn-ドデシル
メルカプタンである。
【0071】触媒として硫酸を使用し、適当なガラスラ
インの容器にて反応を行う。これらの反応成分は、各1
モルで使用する。200mlのトルエン溶媒の存在下にて、
このアミルアルコールおよびメルカプタンを反応容器に
加える。この反応は、3gmの硫酸で触媒される。
【0072】反応容器中の反応成分を加熱して還流し、
チオジエタノールの添加を開始する。このチオジエタノ
ールを、およそ2時間にわたって、滴下して加える。こ
の反応の進行を、共沸蒸留から集めた水の発生により測
定する。この反応の完結を確実にするために、水の最後
の発生を観察した後、還流状態でさらに4時間加熱を続
ける。
【0073】この反応混合物を100℃以下まで冷却しカ
セイソーダ液を加えて触媒を中和する。中和による溶媒
および水を、次いで、放置して減圧蒸留により除去す
る。
【0074】この生成物を、次いで、冷却し、DD-1600
濾過助剤(ケイソウ土)で濾過する。この濾液は所望生
成物であり、96%の収率で回収される。
【0075】(実施例I)従来の酸化防止剤を含有しな
い自動伝達流体を得る。この自動伝達流体100部あた
り、実施例Aの酸化防止剤1部を使用して、自動伝達流
体を調製する。ここで得た自動伝達流体は、自動伝達流
体で使用されている従来の酸化防止剤と比較して、好ま
しい性能を示す。
【0076】(実施例II)以下の成分を配合することに
より、自動車用の潤滑油を調製する: 100N鉱油;100部 カルシウムオーバーベース化されたアルキルベンゼンス
ルホン酸清浄剤;2部 マグネシウムフェネート清浄剤;2部 中性のイオウ結合フェネート;2.5部 ポリイソブチレンスクシンイミド分散剤;6部 第2級ジチオリン酸亜鉛;1部 上の基油処方物に対し、実施例Aにより調製した酸化防
止剤1部を加える。この生成物は、自動車用のクランク
ケース油中で、酸化防止剤として作用することが認めら
れる。実施例Aのジスルフィドを得る。このジスルフィ
ドを、上の実施例と同じ重量レベルで使用すると、酸化
防止作用に加えて耐摩耗作用が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】1モルのチオジアルカノールは、2官能性
のヒドロキシ化合物であり、そして、この物質は、次い
で2等量のモノメルカプタンまたは2等量の1価アルコ
ールと反応することにも注目すべきである。この反応は
また、チオジグルコールが、1等量のモノメルカプタン
と1等量の1価アルコールと反応しても進む。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:06 129:08) C10N 30:10 40:04 40:08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)β−チオジアルカノール、(B)メルカプ
    タンおよび(C)アルコールの反応生成物である組成物。
  2. 【請求項2】前記反応生成物が、前記メルカプタンおよ
    び前記アルコールを合わせた当量よりも高い当量数の前
    記β−チオジアルカノールから形成される請求項1の組
    成物。
  3. 【請求項3】前記β−チオジアルカノールがチオジグリ
    コールである請求項1の組成物。
  4. 【請求項4】前記メルカプタンが、1個より多い−SH基
    を含有する請求項1の組成物。
  5. 【請求項5】主要量の潤滑粘性のあるオイルおよび/ま
    たは水、またはグリース、および少量の請求項1の組成
    物を含有する組成物。
  6. 【請求項6】次式の組成物: 【化1】R1O[A(S)xAO]yASxASR2 ここで、R1およびR2はヒドロカルビル基、Aはアルキレ
    ン基、xは少なくとも1であり、そしてyは0またはそ
    れより大きい。
  7. 【請求項7】実質的に水酸基を含有しない請求項6の組
    成物。
  8. 【請求項8】Aが低級アルキレン基である請求項6の組
    成物。
  9. 【請求項9】主要量の潤滑粘性のあるオイルおよび/ま
    たは水、またはグリース、および少量の請求項6の組成
    物を含有する組成物。
  10. 【請求項10】酸化を受ける物質を含有する組成物中に
    て、(A)β−チオジアルカノール、(B)メルカプタンおよ
    び(C)アルコールの反応生成物である組成物を効果的な
    量で使用することにより、酸化を防止する方法。
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