JPH0516737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、パルス変調された赤外線を発する投
光器と、これに対向して設けられ常時この赤外線
パルス光を受信する受光器とで構成され、物体が
この赤外線をさえぎつたときに受光器のスイツチ
ング回路が働くように構成された赤外線式検知装
置の信号処理回路に関する。

〔従来の技術〕 従来は、受光器に入力されたパルス光がホトト
ランジスタ等により電気信号に変換され、これを
増幅し、単安定マルチバイブレータにより時間幅
一定で入力信号と同じパルス列に変換し、入光状
態を維持するといつた構成が用いられている。パ
ルス変調周波数は、数百Hzから数十ｋHz程度が一
般的である。しかしこの方法では、パルス光の強
度によつては受光しようとする周波数以外の周波
数のパルス光に対しても受光状態を維持する場合
もあり、周波数選択性の点で不充分であるといつ
た欠点があつた。また、パルス光の入光の有無の
判定を後段の積分時定数によつているため、短い
しや断時間の検出（速い物体や小さい物体の通過
の検出）を行う場合、応答性の点で問題があつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は以上の問題点を解決するため、パルス
信号の波高値に関係なく作動する波形整形回路と
リセツト及びリトリガ可能な単安定マルチバイブ
レータとパルスカウント部とを用いて、デジタル
的な信号処理で正確な周波数選択性と高速応答性
を実現しようとするものである。

〔作用〕

トリガ信号が入力されたとき、一定時間のパル
ス信号を出力するリセツト及びリトリガ可能な単
安定マルチバイブレータに高周波のパルス信号が
入力されると、この単安定マルチバイブレータの
出力が連続するため次段に接続するカウンターの
入力としての信号がなくなり計数が行なわれなく
なる。これによりローパスフイルターの作用を持
たせる。

前記単安定マルチバイブレータとは別な他のリ
セツト及びリトリガ可能な単安定マルチバイブレ
ータに前記と同じトリガ信号を入力させ、一定の
周波数以下のパルス信号が入力されたときに出力
を出させ、これを前記カウンターのリセツト信号
として使用し、一定周波数以下の信号がカウント
されないようにする。これによりハイパスフイル
ターの作用をさせる。カウンターの出力は、計数
値を自由に選定して、ある数までカウントした場
合に後段の出力回路を作動させるようにし、出力
回路の出力時間とカウンターの出力端子（カウン
ト数によつて決定）を適当に選ぶことにより応答
時間（パルス信号が途絶えてから出力回路が作動
するまでの遅れ時間）を自由に設定することがで
きるようにする。

〔実施例〕

本考案の構成を示すブロツク図を第１図に示
す。第２図は具体的回路例であり、第３図は第２
図の回路中の波形整形部の波形を示したものであ
る。

本考案の信号処理回路の波形整形部１に前段の
増幅部より第３図のａの様な信号が入力される
と、波形整形回路を通過した後は第３図ｂのよう
になる。入力信号の強弱によつてパルス信号の尖
頭値が変化しても、出力としては同じ波形がここ
では得られるため、続く回路に安定したトリガを
かけることができる。つまり入力信号の尖頭値が
あるレベル以下になるまで、その大小にかかわら
ず第３図ｂのような安定した波形に整形されるの
である。

次に第１の単安定マルチバイブレータ２である
が、これにはリトリガブルのものを使用してい
る。このため設定時間よりも短い周期の入力があ
つた場合は、出力状態が変化しない。従つて、次
段のカウンター部４が計数を進めることがない。
つまり、この単安定マルチバイブレータとカウン
ターとでローパスフイルタの働きをする。

第２の単安定マルチバイブレータ３には、第１
の単安定マルチバイブレータ２と同様に波形整形
回路１の出力が接続されている。目的とする周期
よりも短い周期の信号が入力されたときにリトリ
ガされるように設定すると、この設定した周期よ
りも長い周期の信号のときだけ出力パルスが出
る。そしてこのパルス信号を前述のカウンター部
４のリセツト信号として使用する。こうすると低
周波のパルス信号では、カウンターが作動しなく
なる。この構成によりハイパスフイルターの働き
をさせることができる。

次にカウンター部４であるが、実施例では出力
が10個あり、クロツクパルスとして前段からのパ
ルス信号が入力されるごとに順次出力が出される
ものを使用する。この出力のひとつをトリガとし
て次段にリトリガブルの単安定マルチバイブレー
タに入力させることにより、出力回路５を構成す
る。カウンターの10個の出力と出力回路５の時定
数を選ぶことにより、応答時間は正確に決定され
る。

第２図は具体的な回路例である。IC１，IC２，
IC３，IC５には、例えば4538タイプの単安定マ
ルチバイブレータを使用し、IC４のカウンター
として4017タイプのICを使用した。IC１，IC２
はほぼ同じ働きでありパルス波形を整える働きを
する。IC４はカウンターであり４カウント目で
出力を出し、５カウント目でリセツトするように
し、また第２の単安定マルチバイブレータからの
出力が入力された場合もリセツトするように構成
している。IC５はIC４から出力されるパルスの
周期よりも少し長い時間に設定する。ここで出力
を１カウント目で出し２カウント目でリセツトす
る構成に変更し、IC５の出力時間をそれに合わ
せて短くすると応答時間を短くすることができ
る。このようにしてカウンターの出力端子を選
び、IC５の出力時間を変更するだけで、正確な
応答時間を設定することができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、高周波側の
カツトオフ周波数は第１の単安定マルチバイブレ
ータ２の時定数で、低周波側のカツトオフ周波数
は第２の単安定マルチバイブレータ３の時定数
で、応答時間はカウンター部４の出力端子と出力
回路５の時定数で簡単に決定できる。

また本回路に入力する信号がある程度大きけれ
ば、その程度に関係なくデジタル的に信号を処理
することができ、外来のノイズに強く正確な周波
数選択回路を構成できるため、この種の赤外線検
知装置の信頼性向上に多大な効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すブロツク図であ
り、第２図は具体的回路例である。第３図は、第
２図の波形整形回路の動作説明用の波形図であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パルス信号が入力されることにより動作する波
   形整形回路と、前記波形整形回路の出力信号をト
   リガとして動作するリセツト及びリトリガ可能な
   第１の単安定マルチバイブレータと、前記単安定
   マルチバイブレータの出力パルスの計数を行い、
   任意の計数値に達した時に出力を出し、またリセ
   ツトパルスを入力することにより計数値のリセツ
   トを可能としたカウンタ部と、前記カウンタ部の
   出力信号をトリガ信号として任意の時間出力を出
   す出力回路と、前記波形整形回路の出力をトリガ
   信号として動作するリセツト及びリトリガ可能な
   第２の単安定マルチバイブレータとを備え、前記
   第２の単安定マルチバイブレータの出力を前記カ
   ウンタ部のリセツト信号として用いることによ
   り、特定の周期のパルス信号を選択的に処理し出
   力を出すようにしたことを特徴とする赤外線式検
   知装置の信号処理回路。