JPH05164882A - 燃料棒等の間隙の測定方法および測定装置 - Google Patents

燃料棒等の間隙の測定方法および測定装置

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JPH05164882A
JPH05164882A JP3332253A JP33225391A JPH05164882A JP H05164882 A JPH05164882 A JP H05164882A JP 3332253 A JP3332253 A JP 3332253A JP 33225391 A JP33225391 A JP 33225391A JP H05164882 A JPH05164882 A JP H05164882A
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JP
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fuel
magnetic field
fuel rods
gap
rods
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JP3332253A
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English (en)
Inventor
Hideaki Ogami
英明 大上
Masaru Ukai
勝 鵜飼
Kozo Sato
幸三 佐藤
Kazuya Okamoto
和也 岡本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、燃料棒等の間隙を簡易かつ高精度で
測定可能とすると共に、核燃料集合体の径方向断面形状
がいかなる設計になろうとも短時間かつ確実に燃料棒等
の間隙を測定し、検査し得る燃料棒等の間隙の測定方法
および測定装置を提供することにある。 【構成】本発明に係る燃料棒等の間隙の測定装置は、複
数の燃料棒およびウォータロッドをスペーサで格子状に
束ねた燃料集合体と、CF4 等の特定ガスを充填したガ
ス雰囲気室15内に設置され、核磁気共鳴現象を利用し
た測定装置11と、この測定装置11に備えられた定常
磁場を形成する静磁場コイルと傾斜磁場を形成する傾斜
磁場発生コイルと高周波磁場を印加して核磁気共鳴信号
を検出する高周波コイルとの各磁場を制御する制御手段
12と、高周波コイルで検出された核磁気共鳴信号を入
力してデータ処理を行なうデータ処理手段13とを有
し、上記データ処理手段13は、前記燃料集合体内のガ
ス分布を、燃料集合体の断面画像として処理して燃料棒
間の間隙および燃料棒とウォータロッドとの間隙を測定
するように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核燃料集合体における
燃料棒間の間隙および燃料棒とウォータロッドの間隙
(以下、燃料棒等の間隙という。)を測定する検査技術
に係り、特に核磁気共鳴現象を利用して核燃料集合体の
断層画像を短時間に精度よく得て燃料棒等の間隙を測定
する燃料棒等の間隙の測定方法および測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子炉では、多数の核燃料集合体が装荷
されて原子炉炉心が構成される。この原子炉炉心に装荷
される代表的な核燃料集合体の例を、沸騰水型原子炉の
炉心に装荷される燃料集合体を参照して図14に説明す
る。
【0003】燃料集合体1は、角筒状のチャンネルボッ
クス2に多数の燃料棒3および少なくとも1本以上のウ
ォータロッド(図示しない)がスペーサ4によって所定
の間隔に保持され、収容されたものである。各燃料棒3
の上下両端部は、上部タイプレート5および下部タイプ
レート6によってそれぞれが拘束され固定される。燃料
棒3とその隣合う燃料棒もしくはウォータロッドの間隙
は、スペーサ4により保持されているが、燃料棒が例え
ば8行8列の格子状に配列された燃料集合体の場合、お
よそ4mmと小さなものとなっている。
【0004】燃料棒の間隙は燃料棒表面から冷却材への
伝熱に重要であり、間隙がある一定値以下になると、熱
伝達の良い核沸騰状態から熱伝達の悪い膜沸騰状態に遷
移し燃料被覆管の表面温度を過度に上昇させる可能性を
生じせしめる。そのため、核燃料集合体の製造時や原子
力発電所のおよそ1年間運転後の定期検査時に、核燃料
集合体の燃料棒等の間隙が適性に保持されていることを
確認するための燃料棒等の間隙検査が実施される。
【0005】核燃料集合体の製造時における燃料棒等の
間隙検査の測定方法について図15を参照して説明す
る。
【0006】図15は、図14の核燃料集合体における
XV−XV部位における径方向断面であり、8行8列に62
本の燃料棒3とその中央部に2本のウォータロッド7が
配設されている。
【0007】従来、燃料棒等の間隙測定は、図15に示
す4面からフィラゲージ(既知の厚さの樹脂製の板ゲー
ジ)を燃料棒等の間隙に挿入することによって、燃料棒
等の間隙が適性に保持されていることを確認している。
この燃料棒等の間隙の確認検査方法をフィラゲージ法と
いう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】核燃料集合体の製造時
における燃料棒等の間隙測定は、核燃料集合体の性能を
保証するための重要な検査の1つであるが、従来のフィ
ラゲージ法では検査員が各燃料棒等の間隙(図14の核
燃料集合体の場合、約200箇所)にいちいちフィラゲ
ージを挿入しなければならず、作業性に問題があった。
【0009】また、最近、経済性向上を目的として核燃
料集合体の高燃焼度化が望まれており新型燃料の開発が
進められているが、高燃焼度化を達成するためには、燃
料集合体の照射特性データを採取し、これらのデータを
設計に反映する必要がある。照射特性データの1つとし
て燃料棒等の間隙の照射による変化データの採取が望ま
れており、燃料棒等の間隙の照射による変化を評価する
ためには製造時における燃料棒等の間隙データが必要と
なるが、上記フィラゲージ法によって燃料棒等の間隙デ
ータを採取するには、必要とする精度までの多数のフィ
ラゲージ(例えば必要精度を0.05mmとすると約50
枚を用意する必要がある)が必要となると共に、多大な
時間と作業量が必要となる。
【0010】また、今後高燃焼度化を目的とした核燃料
集合体が採用される予定である。高燃焼度化核燃料集合
体1Aの径方向断面図の一例を図16に示す。断面部
は、図14に示した核燃料集合体1と同等の位置であ
る。図16に示すように、高燃焼度化核燃料集合体1A
は、例えば8行8列に配された燃料棒3aの内、中央部
の4本の燃料棒に相当する部分に1本の太径ウォータロ
ッド7aを配し、燃焼特性の向上を図ったものである。
【0011】この高燃焼度化核燃料集合体1Aの燃料棒
等の間隙を確認する場合、通常のフィラゲージを挿入し
ても、図16に示す間隙Aすなわち燃料棒3aとウォー
タロッド7aの間隙を正確に測定することが困難であ
り、かつ従来方法で測定しようとした場合、多大な時間
と作業量が必要となるという問題が生じる。
【0012】なお、最近上記作業上の問題を克服する目
的で物質の断層画像を得る技術である高エネルギX線C
Tや高エネルギγ線CTを使用し、燃料棒やウォータロ
ッドの径方向位置を測定する方法が検討されているが、
放射線を使用する方法は核燃料集合体自身が放射線源で
あることと、燃料棒内に装填されている二酸化ウランの
遮蔽率が高いため短時間の計測で有意なS/N比を得る
ことができないという問題点が指摘されている。したが
って、精度の良い測定をするためには、非常に長い計測
時間が必要となり現実性に乏しくかつ、例えばγ線CT
の場合その線源の取扱い等の種々の問題点が指摘されて
いる。
【0013】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、燃料棒等の間隙を簡易かつ高精度で測定可能
とすると共に、核燃料集合体の径方向断面形状がいかな
る設計になろうとも短時間かつ確実に燃料棒等の間隙を
測定し、検査し得る燃料棒等の間隙の測定方法および測
定装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃料棒等の
間隙の測定方法は、上述した課題を解決するために、請
求項1に記載したように、核磁気共鳴現象を利用した測
定装置をCF4 ガス等の特定ガス中に設置し、この測定
装置内に、複数の燃料棒およびウォータロッドをスペー
サで格子状に束ねた核燃料集合体を挿入し、この核燃料
集合体内のガス分布を核磁気共鳴現象を利用して測定
し、前記燃料棒間の間隙および燃料棒とウォータロッド
との間隙を特定ガス雰囲気中で測定する方法である。
【0015】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る燃料棒等の間隙の測定装置は、請求項2に記
載したように、複数の燃料棒およびウォータロッドをス
ペーサで格子状に束ねた燃料集合体と、CF4 ガス等の
特定ガスを充填したガス雰囲気室内に設置され、核磁気
共鳴現象を利用した測定装置と、この測定装置に備えら
れた定常磁場を形成する静磁場コイルと傾斜磁場を形成
する傾斜磁場発生コイルと高周波磁場を印加して核磁気
共鳴信号を検出する高周波コイルとの各磁場を制御する
制御手段と、高周波コイルで検出された核磁気共鳴信号
を入力してデータ処理を行なうデータ処理手段とを有
し、上記データ処理手段は、前記燃料集合体内のガス分
布を、燃料集合体の断面画像として処理して燃料棒間の
間隙および燃料棒とウォータロッドとの間隙を測定する
ように構成したものである。
【0016】
【作用】本発明による燃料棒等の間隙を測定する方法お
よび装置は、静磁場発生用磁石と付随する勾配磁場発生
用コイルおよび高周コイル等の磁気共鳴現象を利用した
測定装置を特定ガス雰囲気内に設置し、検査する核燃料
集合体を測定装置内の撮像領域に移動するだけで、核燃
料集合体の径方向断面のガス分布の断面画像を得ること
ができ、安全かつ簡単で短時間に燃料棒等の間隙を正確
に精度よく計測することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照して説明する。
【0018】図1は、本発明に係る燃料棒等の間隙の測
定装置の一例を示す概略的配置図である。この間隙測定
装置は磁気共鳴映像装置(以下、MRI装置という。)
10の核磁気共鳴現象を利用して図15および図16に
示す燃料集合体1の燃料棒3(3a)間の間隙および燃
料棒3,3aとウォータロッド7,7aとの間隙を測定
するものである。
【0019】MRI装置10は検査される燃料集合体1
を挿入して収容する測定装置11と、この測定装置11
の各磁場の強さをコントロールする制御手段としての制
御盤12と、上記測定装置11で測定された核磁気共鳴
信号(以下、NMR信号という。)を入力して演算処理
するデータ処理手段としてデータ処理システム13とを
備えている。
【0020】測定装置11は、収納チャンバであるガス
雰囲気室15内に収容される。ガス雰囲気室15は給気
管16を通じて図示しないガス供給装置に接続される一
方、排気管17か接続されており、この排気管17を通
じてガス雰囲気15内の空気を排出させるようになって
いる。ガス雰囲気室15は排気管17を通じて空気が排
出された後、供給管16からCF4 ガス( 3He, 129
Xe, 131Xe等の核スピンを有する不活性ガスの同位
体でもよい。)等の特定ガスが供給され、ガス雰囲気室
15内は大気圧より若干高い圧力となるように設定され
る。
【0021】MRI装置10の核磁気共鳴現象を利用し
た測定装置11はガス雰囲気室15内に調整された後、
検査される燃料集合体1(1A)は、チャンネルボック
ス2が取り外された状態でクレーン18によって運ば
れ、測定装置11の中心(測定領域)に挿入されるよう
になっている。
【0022】MRI装置10の測定装置11は、図2に
示すように、定常磁場(静磁場)を形成する静磁場磁石
20と、この静磁場磁石20の内側に付設され、互いに
直交する3方向に一次の勾配を有する傾斜磁場を形成す
る傾斜磁場発生コイル21と、撮像対象である燃料集合
体1に高周波磁場を照射したり、撮像対象からNMR信
号を受信する高周波コイル22とを備えている。
【0023】静磁場磁石20は制御盤12に組み込まれ
た励磁用電源23によって励磁される。また、傾斜磁場
発生コイル21は、リード用傾斜磁場(Gx)、エンコ
ード用傾斜磁場(Gy)およびスライス用傾斜磁場(G
z)を発生させる3種類のコイルからなる。各傾斜磁場
Gz,Gy,Gzは静磁場方向に平行で、各々直交する
3方向に一次の勾配を持つようになっており、傾斜磁場
駆動電源24から供給される電力により励磁せしめられ
る。この駆動電源24はデータ処理システム13に組み
込まれたシーケンスコントローラ25によって制御され
る。高周波電力はシーケンスコントローラ25によって
制御される送信部26によりデュプレクサ部27を介し
て高周波コイル22に供給されるようになっている。
【0024】この燃料棒等の間隙の測定装置において
は、MRI装置10の測定装置11をCF4 ガス等の特
定ガスを充填したガス雰囲気室15に設置し、このガス
雰囲気室15内の所要位置にセットした後、燃料集合体
1からチャンネルボックス2を取り外し、このチャンネ
ルボックス2を取り外した燃料集合体1をクレーン18
を利用して測定装置11のガイド部内に案内する。すな
わち、検査対象である燃料集合体1を測定装置11の撮
像領域に移動させてセットする。このセット状態でMR
I装置10を作動させ、測定装置11の静磁場磁石20
や傾斜磁場発生コイル21および高周波コイル22を励
磁させる。高周波コイル22では高周波磁場を検査され
る燃料集合体1に照射して撮像対象である燃料集合体1
からNMR信号を受信している。
【0025】このNMR信号はデュプレクサ部27を介
して受信部28で受信されて増幅・検波され、データ処
理システム13のデータ収集部29に入力される。この
データ収集部29に入力されたNMR信号はA/D変換
されて電子計算機30に取り込まれ、フーリエ変換等の
処理が行なわれる。処理された画像は画像ディスプレイ
31に表示され、燃料集合体1内の径方向断面のCF4
ガス等の特定ガスの分布状態のMR画像を得ることがで
きる。この核磁気共鳴現象を利用して得られたMR画像
から、燃料集合体1内の燃料棒間の間隙や燃料棒とウォ
ータロッドとの間隙を正確に測定できる。
【0026】一方、データ処理システム13内のシーケ
ンスコントローラ25は電子計算機30からの信号によ
り制御盤12の駆動電源24や送信部26、データ処理
システム13のデータ収集部29を制御しており、電子
計算機30はデータ処理システム13のコンソール32
により制御されている。
【0027】図3は、MRI装置10で用いる測定装置
11に常電導型の静磁場磁石20aを採用した例を示
す。この静磁場磁石20aの静磁場コイル35は図4に
示すようにソレノイド型に巻いてあり、Z方向に静磁場
を発生する。この静磁場磁石20aを励磁するケーブル
類36や磁場調整(シム)コイル給電用ケーブル類3
7、傾斜磁場発生コイル駆動用ケーブル類38、高周波
コイル送受信用ケーブル類39が燃料貯蔵プール11外
側の各々に設置された電源23,24,26と接続され
る。
【0028】図5は、MRI装置10で用いる測定装置
11の別の例で、超電導型の静磁場磁石20bを用いた
ものを示す。この磁石20bは常電導型静磁場磁石20
aと同様に、静磁場コイルは図4に示すようにソレノイ
ド型に巻いてあり、Z方向の磁場を発生する。超電導型
静磁場磁石20aでは4種類のケーブル類36,37,
38,39の他に、超電導磁石は冷媒として液体Heや
液体N2 を用いるため、液体Heや液体N2 を供給した
り、蒸発したHeガス、N2 ガスを排気するダクト40
が付いている。これらのダクト40はガスで冷やされ着
氷の可能性もあるため断熱材41で覆われている。
【0029】超電導型静磁場磁石20bを利用する場
合、主に2つの設置方法がある。1つは液体He、液体
2 を常に補給しながら超電導状態を維持し検査すると
きにこの静磁場磁石20bを備えた測定装置11をCF
4 ガス等の特定ガスのガス雰囲気室15に設置する方法
である。この場合には常に静磁場が存在しているため設
置作業が難しくなり、また液体He等を常に補給しなけ
ればならないため維持費もかかるという問題がある。
【0030】もう1つは、検査の前に超電導型静磁場磁
石20bを励磁し、検査が終わったら消磁する方法であ
る。励磁の手順は、まず超電導型静磁場磁石20b内部
を液体N2 や液体Heで冷やした後冷媒を入れる。その
後この静磁場磁石20bをCF4 ガス等のガス雰囲気室
15にいれてから励磁用電源23により電流を供給す
る。検査終了後、電流を零にしてからCF4 ガス等のガ
ス雰囲気室15より引上げ、冷媒を回収し静磁場磁石2
0b内部を昇温させる。この場合検査の前後で静磁場磁
石20bを冷やしたり暖めたりする手間が掛かるが、設
置時に磁場が存在していないため作業が容易で、維持費
も掛からない。
【0031】図6は測定装置11の静磁場磁石20の内
周側に備えられる磁場調整用(シム)コイル43や傾斜
磁場発生コイル21、高周波コイル22の配置例を示す
断面図である。なお、各コイル43,21,22は露出
させても、ガイド部50内に納めるようにしてもよい。
【0032】磁場調整用コイル43は静磁場や傾斜磁場
を均一に調整するためのもので、通常球面調和関数の0
次から3次〜4次までの各成分に相当する磁場を各々発
生するコイル群からなる。図6に示す測定装置11の例
では、撮像対象が燃料集合体1であるため、撮像領域が
狭くても良く、広範囲に渡る磁場均一性調整は不要であ
る。また、撮像対象が決まっているため、検査ごとに磁
場調整をする必要もあまりない。よって、測定装置11
の静磁場磁石20を製作したときに、複数個の磁性体片
を磁石内筒壁面に固定することによって行われる磁場調
整をするだけでも良い。もちろん、磁場調整用(シム)
コイル43と上記磁性体片を組み合わせて行う磁場調整
法を用いれば、シムコイル43の数を減らす効果があ
る。
【0033】高周波コイル22は、静磁場中で水素原子
核が磁気共鳴する高周波を静磁場に垂直な方向にパルス
的に印加し、発生する核磁気共鳴信号(NMR信号)を
検出する役割を持ち、通常、図7に示すような鞍型コイ
ル46が用いられる。
【0034】図7に示す鞍型コイル46は、y方向に振
動する高周波磁場B1 を発生するように構成されてい
る。高周波コイル22は、効率よく送受信を行うため例
えば50オームのインピーダンス整合を行う。コンデン
サC0 とコンデンサC1 は、それぞれ同調・整合のため
のコンデンサである。本実施例では撮像対象が燃料集合
体1と決まっているため、検査毎にインピーダンス整合
する必要はなく、図8に示すように短尺の模擬核燃料集
合体47とCF4 ガス48等で構成したファントム49
を用いてあらかじめ調整しておけばよい。
【0035】次に、磁気共鳴映像(MRI)装置で実際
にMRI画像を得る場合に用いるパルスシーケンスの例
を図9に示す。まず測定装置11をガス雰囲気室15内
に設置し、この測定装置11のガイド部50内にチャン
ネルボックス2を取り外した燃料集合体1を挿入する。
そして、燃料集合体1内の所望断面の水素原子核を選択
的に励起するさせるため、高周波コイル22と傾斜磁場
発生コイル21を印加する。スライス面を選択するため
には、通常、sinc関数を磁気共鳴周波数で変調した
高周波パルスを高周波コイル22に印加すると共に、勾
配磁場コイル21はスライス面に垂直な軸方向に勾配を
持つ傾斜磁場Gzをパルス的に印加する。図9ではz方
向の傾斜磁場Gzを印加することにより、z軸に垂直な
断面を選択している。
【0036】次に選択したZ軸に垂直な断面内の直交す
る2方向の傾斜磁場Gx,Gyをパルス的に印加して、
生じる核磁気共鳴(NMR)信号を観測する。図9では
リード方向としてx方向の傾斜磁場Gxを用い、エンコ
ード方向としてy方向の傾斜磁場Gyを用いている。図
9に示す1組のシーケンスは、エンコード方向の傾斜磁
場Gyの大きさを変えながら所定の回数繰り返される。
所定の回数とは、例えば256×256マトリックスの
MRI画像を得る場合には、通常256回、あるいは1
28回になる。
【0037】図9のシーケンスによって得られる燃料集
合体1の横方向断面MR画像の例を図10に示す。燃料
棒3は無信号領域として、間隙を埋めるCF4 ガス48
等が高信号領域として現れる。燃料棒3は銅ほどの良導
電体ではないが、銅の1/10程度の導電率を持つた
め、高周波に対して遮蔽効果がある。よって、高周波コ
イル22の励磁により発生する高周波磁場の方向がy方
向のとき燃料棒3の影となる斜線部51はやや暗くな
る。
【0038】このようなMRI画像の不均一性を抑える
には、1方向に振動する高周波磁場、つまり直線偏波で
はなく、円偏波を用いると良い。円偏波を発生させるた
めに用いる高周波コイル22の1例を図11に示す。こ
れは図7と同様の鞍型コイル52,53を、発生する高
周波磁場の方向が互いに直交するように配置したもので
ある。各コイル52,53に、電力が同じで互いに90
°位相の異なった高周波を印加することにより、コイル
内側の撮像領域にてほぼ円偏波を発生することができ、
MRI画像の不均一性を抑制できる。
【0039】図12は図11の高周波コイル22を用い
る場合に必要なデュプレクサ部27の構成例を示してい
る。送信部26から送られる高周波パルスは、デュプレ
クサ54を通過して90°ハイブリッド55に送られ、
ここで90°位相の異なるパルスに分割される。受信時
には逆に、90°位相のずれたNMR信号が90°ハイ
ブリッド55により重ね合わされてデュプレクサ56を
通して受信部28に送られる。
【0040】このとき高周波コイル22の両コイル5
2,53からの信号は電圧で加算され、ノイズは電力で
加算されるためS/N増強効果が生じる。例えば、各々
の直線偏波の方向に対して対称な撮像対象から得られる
信号は、両コイル52,53において等しい信号および
ノイズを持ち、互いのノイズは相関がないので、NMR
信号の位相を合わせて加算することによりNMR信号は
2倍、ノイズは約1.4倍となり、S/Nとして約1.
4倍向上する。
【0041】デュプレクサ54,56の作動は、送信時
にデュプレクサ54がON、デュプレクサ56がOF
F、それ以外のときはデュプレクサ54がOFF、デュ
プレクサ56がONになっている。
【0042】このように高周波コイル22で円偏波を発
生することによって、図13のように濃淡ムラのないM
R画像が得られる。また、断面形状が複雑な場合、円偏
波を使用してもMR画像にむらができる可能性がある
が、検査の対象である燃料集合体1を回転させて異なる
角度から測定を行い、得られたデータを電子計算機30
により合成処理を実施することにより均一なMR画像を
得る方法や、画像処理時に、信号を0.1判定し、信号
が得られている部分の信号を同一レベルに揃えて画像の
コントラストを向上させるデータ処理方法により対応可
能である。
【0043】なお、本発明の一実施例では、測定部に機
械的な駆動系がなく、すなわち電気的な操作のみでZ方
向に複数の二次元画像が得られると共に、燃料集合体に
近接する部位が測定装置の各コイルのみであるため、耐
放射線性に優れたものとなり放射性物質を有する燃料集
合体の測定に対して信頼性、耐久性を考えた場合、非常
に優れたものである。
【0044】また、この測定装置は燃料棒等間の間隙だ
けでなく、放射性に富む長尺部材の間隔測定等にも応用
できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
気共鳴映像装置の測定装置をCF4 ガス等の特定ガス雰
囲気室内に設置し、検査する燃料集合体を撮像領域に移
動するだけで、この測定装置の静磁場コイルや傾斜磁場
発生コイルおよび高周波コイルで燃料集合体内の径方向
断面のガス分布状態の画像を磁気共鳴現象を利用して容
易に得ることができ、燃料棒間の間隙や燃料棒とウォー
タロッドとの間隙を安全かつ簡便に精度よく計測するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料棒等の間隙の測定装置の一実
施例を示す概略図。
【図2】本発明に用いる磁気共鳴映像装置の構成例を示
すブロック図。
【図3】磁気共鳴映像装置に用いる常電導型静磁場磁石
を用いた例を示す図。
【図4】静磁場磁石の発生する磁場の方向を説明するた
めの図。
【図5】静磁場磁石の別の例で超電導型磁石を用いた例
を示す図。
【図6】シムコイル、傾斜磁場発生コイル、高周波コイ
ルの配置を説明するための磁石の断面図。
【図7】高周波コイルの1例を示す図。
【図8】高周波コイルを調整するために用いるファント
ムの例を示す図。
【図9】データを得るためのパルスシーケンスの例を示
す図。
【図10】直線偏波を発生するコイルより得られた画像
の例を示す図。
【図11】円偏波を発生するための高周波コイルの構成
例を示す図。
【図12】円偏波を発生するための高周波コイルに接続
するデュプレクサ部の構成例を示す図。
【図13】円偏波を発生するための高周波コイルによっ
て得られた画像の例を示す図。
【図14】燃料集合体の縦断面図。
【図15】図14のXVーXV線に沿う横断面図。
【図16】高燃焼度化核燃料集合体の横断面図。
【符号の説明】
1 燃料集合体(撮像対象) 3,3a 燃料棒 7,7a ウォータロッド 10 磁気共鳴映像装置(MRI装置) 11 測定装置 12 制御盤(制御手段) 13 データ処理システム(データ処理手段) 15 CF4 ガス雰囲気室(ガス雰囲気室) 18 クレーン 20 静磁場磁石 20a 常電導型静磁場磁石 20b 超電導型静磁場磁石 21 傾斜磁場発生コイル 22 高周波コイル 23 励磁用電源 24 傾斜磁場駆動電源 25 シーケンスコントローラ 26 送信部 27 デュプレクサ部 28 受信部 29 データ収集部 30 電子計算機 31 画像ディスプレイ 32 コンソール 35 静磁場コイル 36 磁石励磁用ケーブル類 37 磁場調整(シム)コイル給電用ケーブル類 38 勾配コイル駆動用ケーブル類 39 高周波コイル送受信用ケーブル類 40 ダクト 41 断熱材 43 磁場調整用(シム)コイル
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 21/00 GDB A 7156−2G // G01B 7/00 Z 9106−2F 7/14 Z 9106−2F 9118−2J G01N 24/02 Y (72)発明者 岡本 和也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核磁気共鳴現象を利用した測定装置をC
    4 ガス等の特定ガス中に設置し、この測定装置内に、
    複数の燃料棒およびウォータロッドをスペーサで格子状
    に束ねた核燃料集合体を挿入し、この核燃料集合体内の
    ガス分布を核磁気共鳴現象を利用して測定し、前記燃料
    棒間の間隙および燃料棒とウォータロッドとの間隙を特
    定ガス雰囲気中で測定することを特徴とする燃料棒等の
    間隙の測定方法。
  2. 【請求項2】 複数の燃料棒およびウォータロッドをス
    ペーサで格子状に束ねた燃料集合体と、CF4 ガス等の
    特定ガスを充填したガス雰囲気室内に設置され、核磁気
    共鳴現象を利用した測定装置と、この測定装置に備えら
    れた定常磁場を形成する静磁場コイルと傾斜磁場を形成
    する傾斜磁場発生コイルと高周波磁場を印加して核磁気
    共鳴信号を検出する高周波コイルとの各磁場を制御する
    制御手段と、高周波コイルで検出された核磁気共鳴信号
    を入力してデータ処理を行なうデータ処理手段とを有
    し、上記データ処理手段は、前記燃料集合体内のガス分
    布を、燃料集合体の断面画像として処理して燃料棒間の
    間隙および燃料棒とウォータロッドとの間隙を測定する
    ように構成したことを特徴とする燃料棒等の間隙の測定
    装置。
JP3332253A 1991-02-15 1991-12-16 燃料棒等の間隙の測定方法および測定装置 Pending JPH05164882A (ja)

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US07/834,191 US5282229A (en) 1991-02-15 1992-02-12 Method and apparatus for measuring gap between adjoining fuel rods of fuel assembly
DE4204294A DE4204294B4 (de) 1991-02-15 1992-02-13 Vorrichtung und Verfahren zum Messen von Lücken zwischen benachbarten Brennstäben einer Brennstoffkassette

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101156778B1 (ko) * 2006-12-22 2012-06-18 아레바 엔피 게엠베하 재료 분석용 연료봉 피복관을 사전 처리하기 위한 방법

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KR101156778B1 (ko) * 2006-12-22 2012-06-18 아레바 엔피 게엠베하 재료 분석용 연료봉 피복관을 사전 처리하기 위한 방법

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