JPH05164627A - 熱電対を使用した高周波電極の温度測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱電対を使用した高周波電極の温度測定装置
で、簡単な構成により精度良く温度測定ができるる。 【構成】 図１に示すように高周波電極上１に熱的接触
を良好にする熱伝導性コンパウンド２と電気的に絶縁す
る高熱伝導性絶縁層（例えば窒化アルミ又はボロンメイ
トライドセラミックス等）３を順次設け、更に前記高熱
伝導性絶縁層３に接して熱電対４を配置すると共に、熱
電対に伝わる高周波成分を遮断する高周波カットフィル
ター５を介して温度形６を設けたものである。窒化アル
ミは高熱伝導性絶縁物であるから熱電対を接触して使用
できるので、精度の高い高周波電極の温度測定が可能に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、熱電対を用いた高周波
電極の温度測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、通電部分の温度測定装置には、放
射温度計、光ファイバー温度計等が用いられている。放
射温度計は試料体からでる赤外線の量を測定し、温度変
換するもので、試料体の表面温度を測定することができ
るもので、温度の測定範囲は−50℃〜3000℃程度であ
る。このように放射温度計は比較的高温測定には有効で
あるが、低温では−50℃が限界であり、また狭い所での
測定は困難で表面層の測温になり、真の内部温度が測れ
ない。

【０００３】光ファイバー温度計は先端に蛍光塗料を塗
った光ファイバーを測温したい部分に接触させるか、若
しくは測温したい試料体自身に蛍光塗料を塗って光ファ
イバー中をある種のパルス光を通して蛍光塗料に当てる
と、蛍光塗料はその温度によって光が当たってからの光
の減衰量が異なるため、それを読み取って温度に変換す
るものである。この光ファイバー温度計は−200 ℃〜40
0 ℃の範囲で測温できるが、温度計が高価であり、また
温度計の信頼性に不安がある。

【０００４】

【発明が解決すべき課題】従って、本発明は狭い場所で
あっても、精度よく高範囲の測温ができる簡単な構成
で、安価な測定装置を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】測温したい高周波電極に
熱伝導性コンパウンドを介して高熱伝導性絶縁物層を設
け、それに接触して熱電対を配置すると共に、高周波カ
ットフィルタを設けた高周波電極の温度測定装置を提供
するものである。

【０００６】

【実施例】図は本発明の構成を示すもので、高周波電源
７に接続している高周波電極１の内部に放熱用シリコン
コンパウンドなどの熱伝導率の高い熱伝導性コンパウン
ド層２とその上に窒化アルミセラミックス又はボロンメ
イトライドセラミックス等から成る３〜５mmの高熱伝導
性絶縁物３の片封じ保護層を設け、この保護層の先端に
接触する熱電対４を配置すると共に、高周波カットフィ
ルタ５を介して温度計６を熱電対に接続したものであ
る。更に保護管の開口部は断熱コンパウンドで塞がれて
いる（図示せず）。

【０００７】測温したい試料体と高熱伝導性絶縁物層
（窒化アルミ（AlN)又はボロンメイトライドセラミック
ス（BN) ）との間に熱量の移動を良くするために熱伝導
性の良いコンパウンド（放熱用シリコンコンパウンド
等）を入れ、試料体と高熱伝導性絶縁物層（AlN 又はBN
等）の温度が等しくなるようにしている。また、AlN 又
はBNは高熱伝導性の電気絶縁物であるから、熱電対４を
接触して使用することが可能で、電極１の温度がそのま
ま熱電対４に加わることになる。しかし、電極１に印加
されている高周波は熱電対４を通って温度計６に加わる
ため、誤差の原因になるので、この高周波成分を除去す
るために高周波カットフィルター５を温度計の前に設け
ている。

【０００８】なお、高周波カットフィルター５の内部配
線に熱電対と異なる金属線を用いると、その金属と熱電
対の接合部で、その接合部の温度に相当する起電力が発
生するので、高周波カットフィルタ５の内部配線には熱
電対と同種の金属が用いられる。このようにして本発明
は熱電対の起電力のみが温度計に入力されることにな
る。

【０００９】本発明は、以上のような構成で、−２００
℃〜２５０℃の範囲で測定ができる。

【００１０】本発明は、半導体製造装置の真空チャンバ
内の高周波電極の温度測定に用いる場合について、説明
をしたが、用途を特に電極に限定するものでなく、あら
ゆる高周波電極の温度測定に有効に用いられる。

【００１１】

【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、熱電対
を用いているので、簡単な構成で安価であり、測温準備
（温度計の校正等）の必要がなく、精度良く温度を測定
できる上、電極の内部等狭い所の温度も測定することが
できる等極めて実用的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成図

【符号の説明】

１ 高周波電極 ２ 熱伝導性コンパウンド ３ 高熱伝導性絶縁物 ４ 熱電対 ５ 高周波カットフィルター ６ 温度計 ７ 高周波電源

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 真徳 千葉県山武郡山武町木原2568−５ (72)発明者 鈴木 彰 千葉県成田市新泉14−３ (72)発明者 矢野 弘 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 野田 省三 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高周波電極上に熱的接触を良好にする熱
   伝導性コンパウンドと電気的に絶縁する高熱伝導性絶縁
   層を順次設け、更に前記高熱伝導性絶縁層に接して熱電
   対を配置すると共に、熱電対に伝わる高周波成分を遮断
   する高周波カットフィルターを設けたことを特徴とする
   熱電対を使用した高周波電極の温度測定装置。