JPH05163742A - 構造物の防振基礎 - Google Patents

構造物の防振基礎

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JPH05163742A
JPH05163742A JP33182391A JP33182391A JPH05163742A JP H05163742 A JPH05163742 A JP H05163742A JP 33182391 A JP33182391 A JP 33182391A JP 33182391 A JP33182391 A JP 33182391A JP H05163742 A JPH05163742 A JP H05163742A
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JP
Japan
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foundation
vibration
slab
spring
floating
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Pending
Application number
JP33182391A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Nagataki
慶明 長瀧
Hiroaki Senoo
博明 妹尾
Osamu Mizuno
修 水野
Hisayoshi Hashizume
尚慶 橋詰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Publication date
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工が比較的容易でありながら、極めて高い
防振効果を有する防振基礎を提供する。 【構成】 基礎スラブ1の上面には、弾性体たる複数の
網状ばね4を介して、浮き基礎スラブ5が載置されてい
る。浮きスラブ5の上面には所定の間隔で基礎梁8が立
設されており、これら基礎梁8の上に構造物9が建築さ
れている。アンカーボルト6は浮きスラブ5の基礎梁8
と平坦部とを貫通しており、比較的小径の網状ばね10
を介してナット11により締結されている。振動発生源
から地盤2を介して基礎スラブ1に振動が伝播した場
合、基礎スラブ1と浮きスラブ5との間に介装された網
状ばね4が弾性変形し、振動の吸収と減衰とが行われ
る。この際、ナット11の締め込み具合によって網状ば
ね10のばね定数が変化し、構造物9の上下固有振動数
が調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地盤から構造物に振
動が伝達される率を低減させるための防振基礎に関す
る。
【0002】
【従来の技術】住宅やオフィスビル等の構造物を建設す
るにあたっては、地盤の表層部分に基礎を設置する必要
がある。そして、建設敷地の表層付近の地盤が硬質であ
り、基礎を直接設置できる場合には、地盤をある程度の
深さまで掘削した後、地盤上にフーチングを構築してこ
れらを基礎梁により連結するか、あるいは基礎梁自体を
布基礎とし、これらを土台に構造物を建設していた。ま
た、建設敷地の表層付近の地盤が軟弱であり、基礎を直
接設置できない場合には、杭を硬質地盤に到るまで打設
し、この杭の頭部にフーチングを構築した後、前述した
ものと同様に構造物を建設していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上述べた
建設方法では、構造物はいずれも地盤に対して直接接触
しているため、次のような問題点があった。すなわち、
構造物の近くに大型車両が通行する道路、列車軌道、振
動を発生する工場等が在ったり、地盤の下に地下鉄が通
っているような場合、これらから発生する振動が地盤を
介して構造物に容易に伝わってしまうのである。そし
て、これらの振動は、構造物内部の人間や精密機器に対
し、不快感を与えたり誤作動を起こさせる等の種々の悪
影響を及ぼしていた。
【0004】このような事態に対処する方法として、従
来より、構造物と振動源との間の地盤に地中壁や空溝等
を構築することが試みられている。ところが、有効な振
動遮断効果を発揮させるためには、かなりの深さにまで
これらを構築する必要があると共に、その構築長も長く
なり、狭い敷地や障害物が有る場所では構築が不可能で
あり、且つコストも非常に高くなる等の欠点があった。
また、構造物の基礎部と地盤との間にゴムシートを貼っ
たり、基礎部の周りの土を砂に置換したりする方法や、
実開平3−100388号公報に記載された免振柱のよ
うに、床組等と柱との間に防振マットを介装させる方法
もあるが、ほとんど防振効果を期待できないのが現状で
あった。
【0005】本発明はこのような従来装置の問題点に着
目してなされたもので、施工が比較的容易でありなが
ら、極めて高い防振効果を有する防振基礎を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明ではこの課
題を解決するために、第1に、地盤に支持される基礎ス
ラブと、当該基礎スラブの上方に配置され、構造物本体
が載置される浮き基礎スラブと、当該基礎スラブと当該
浮き基礎スラブとの間に介装された弾性体と、当該基礎
スラブに植え込まれ、当該基礎スラブと当該浮き基礎ス
ラブとの連結に供されるアンカーボルトと、当該アンカ
ーボルトを締結するナットとを具えたことを特徴とする
構造物の防振基礎を提案する。また、第2に、上記構成
において弾性体を網状ばねとしたことを特徴とする構造
物の防振基礎を提案する。
【0007】
【作用】本発明では、地盤から基礎スラブに振動が入力
しても、その振動は介装された弾性体により吸収される
ため、構造物を搭載した浮き基礎スラブへの振動の伝播
が高い効率で防止される。そして、ナットの締め付け量
により弾性体のばね定数が変化するため、浮きスラブす
なわち構造物の固有振動数が調整される。また、弾性体
を網状ばねとしたものにあっては、網状ばねの有する大
きな内部摩擦により振動が速やかに減衰される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1には、本発明の一実施例に係る構造物の
防振基礎を側面視により示し、図2には、図1中のA部
拡大断面視を示してある。また、図3,図4には、構造
物の振動試験結果ををグラフにより示し、網状ばね挿入
による振動低減率を示してある。
【0009】図1,図2において、1は基礎スラブであ
り、掘削された地盤2内に敷かれた割栗石3の上に構築
されている。基礎スラブ1の上面には、弾性体たる複数
の網状ばね4を介して、浮き基礎スラブ(以降、浮きス
ラブと称する)5が載置されている。網状ばね4は中空
円盤形状であり、基礎スラブ1に埋め込まれたアンカー
ボルト6がその中心部を貫通するようになっている。網
状ばね4の周囲には軟質の発泡ウレタン7が充填されて
いるが、そのばね定数は網状ばね4に比して充分小さい
値に設定されている。浮きスラブ5の上面には所定の間
隔で基礎梁8が立設されており、これら基礎梁8の上に
構造物9が建築されている。アンカーボルト6には浮き
スラブ5の基礎梁8を貫通したものと平坦部を貫通して
たものとがあり、比較的小径の網状ばね10を介してナ
ット11により締結されている。図中、12は網状ばね
10と同径の平ワッシャであり、13は基礎スラブ1お
よび浮きスラブ5の端部と地盤2との間に介装された隔
離材である。
【0010】基礎の構築に当たっては、先ず地盤2を掘
削して割栗石3を敷設する。次に、隔離材13を地盤2
の内壁に設置すると共にアンカーボルト6をセットし、
コンクリートを流し込んで基礎スラブ1を構築する。基
礎スラブ1の養生が終了したら、次に基礎スラブ1の上
面に網状ばね4と発泡ウレタン7と共に基礎梁8用の型
枠をセットし、コンクリートを流し込んで浮きスラブ5
を構築する。尚、アンカーボルト6には図示しないスペ
ーサパイプを被せておき、網状ばね4および発泡ウレタ
ン7との間に空隙が形成されるようにする。浮きスラブ
5の養生が終了したら、次にスペーサパイプを抜き取
る。しかる後、アンカーボルト6の上端部に網状ばね1
0と平ワッシャ12とを嵌合させ、ナット11で締め付
けることにより基礎スラブ1と浮きスラブ5との連結を
行う。
【0011】基礎スラブ1と浮きスラブ5との連結に際
し、ナット11を強く締め込むと、網状ばね4は圧縮さ
れ、そのばね定数が高くなる。その結果、浮きスラブ5
すなわち構造物9の上下固有振動数は上昇する。逆に、
ナット11を緩めると、網状ばね4のばね定数が低くな
り、構造物9の上下固有振動数は低下する。以下、本実
施例の作用を説明する。
【0012】振動発生源から地盤2を介して基礎スラブ
1に振動が伝播した場合、本実施例では、基礎スラブ1
と浮きスラブ5との間に介装された網状ばね4が弾性変
形することにより振動の吸収が行われる。そして、網状
ばね4は、その変形時において、構成エレメント間で衝
突や滑りに起因する大きな内部摩擦を生じるため、振動
を速やかに減衰させる。尚、基礎スラブ1の下降時に
は、ナット11下部の網状ばね10は圧縮変形する。こ
の際、前述したように、ナット11の締め込み具合によ
って構造物9の上下固有振動数が変化するため、最適な
防振設計が可能となるのである。
【0013】次に、防振設計の手順を述べる。先ず、地
盤2の周波数分析を行い、交通振動等から発生する卓越
振動数を把握する。次いで、建造物9の固有振動数をこ
の卓越振動数を平方根2で除した値に設定する。しかる
後、ナット11を所定量締め込むことにより固有振動数
を調整する。尚、網状ばね4の厚みと固有振動数との関
係は予め実験等により得ておく。また、更に詳細な検討
を行う場合には、網状ばね−建造物振動モデルに、実測
交通振動波形を入力して応答計算を実施し、建造物9の
各階の最大振動が人体の恕限度を下回っていることを確
認する。
【0014】本実施例では、このようにして防振基礎を
形成した後、防振基礎上に2階建て木造住宅を建築し、
トラック走行時における振動測定を行った。その結果、
図3(1階部分)と図4(2階部分)に示すように、上
下方向(Z軸方向)の振幅について、従来(破線で示
す)に対して本実施例(実線で示す)が2〜7割低減し
たことが確認された。また、地盤2の振動を1とした場
合の各階の最大変位倍率を測定したが、図5に示すよう
に、従来に対して本実施例が、水平方向(X軸およびY
軸方向)で1〜9割に低減し、上下方向(Z軸方向)で
3割に低減したことが確認された。
【0015】以上で具体的実施例を説明したが、本発明
の実施態様はこの実施例に限られるものではない。例え
ば、上記実施例では弾性体として網状ばね4を用いた
が、ゴム等からなる他の弾性体を用いるようにしてもよ
いし、その場合に油圧ダンパー等の減衰装置を用いるよ
うにしてもよい。また、本発明を、倉庫やビルディング
等、住宅以外の構造物の基礎に適用するようにしてもよ
い。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明の防振基礎によれ
ば、基礎スラブと浮きスラブとの間に弾性体を介装させ
ると共に、基礎スラブと浮きスラブとをアンカーボルト
により連結してナットにより締め付けるようにようにし
たため、地盤の振動が構造物に伝達される率が効率よく
低減される一方、ナットの締め付け量により弾性体のば
ね定数が変化し、浮きスラブすなわち構造物の上下固有
振動数が調整できるという効果を奏する。また、弾性体
に網状ばねを用いたものにあっては、網状ばねの大きな
内部摩擦により振動の速やかな減衰が行われるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る構造物の防振基礎を示
す側面図である。
【図2】図1中のA部拡大断面図である。
【図3】構造物の振動試験結果を示すグラフである。
【図4】構造物の振動試験結果を示すグラフである。
【図5】網状ばね挿入による振動低減率を示す図表であ
【符号の説明】
1 基礎スラブ 2 地盤 4 網状ばね 5 浮き基礎スラブ 6 アンカーボルト 8 基礎梁 9 構造物 10 網状ばね 11 ナット 12 平ワッシャ 13 隔離材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋詰 尚慶 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に支持される基礎スラブと、当該基
    礎スラブの上方に配置され、構造物本体が載置される浮
    き基礎スラブと、当該基礎スラブと当該浮き基礎スラブ
    との間に介装された弾性体と、当該基礎スラブに植え込
    まれ、当該基礎スラブと当該浮き基礎スラブとの連結に
    供されるアンカーボルトと、当該アンカーボルトを締結
    するナットとを具えたことを特徴とする構造物の防振基
    礎。
  2. 【請求項2】 前記弾性体を網状ばねとしたことを特徴
    とする請求項1記載の構造物の防振基礎。
JP33182391A 1991-12-16 1991-12-16 構造物の防振基礎 Pending JPH05163742A (ja)

Priority Applications (1)

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JP33182391A JPH05163742A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 構造物の防振基礎

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JP33182391A JPH05163742A (ja) 1991-12-16 1991-12-16 構造物の防振基礎

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JPH05163742A true JPH05163742A (ja) 1993-06-29

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JP (1) JPH05163742A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001317064A (ja) * 2000-05-11 2001-11-16 Nitto Kako Kk 建物の基礎構造
JP2019090211A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 株式会社竹中工務店 防振床構造
KR200493076Y1 (ko) * 2019-10-15 2021-01-27 주식회사 금부산업 카 스토퍼

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001317064A (ja) * 2000-05-11 2001-11-16 Nitto Kako Kk 建物の基礎構造
JP2019090211A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 株式会社竹中工務店 防振床構造
KR200493076Y1 (ko) * 2019-10-15 2021-01-27 주식회사 금부산업 카 스토퍼

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