JPH05163304A - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

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JPH05163304A
JPH05163304A JP33060991A JP33060991A JPH05163304A JP H05163304 A JPH05163304 A JP H05163304A JP 33060991 A JP33060991 A JP 33060991A JP 33060991 A JP33060991 A JP 33060991A JP H05163304 A JPH05163304 A JP H05163304A
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守正 小河
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒及び水素の存在下にオレフィン及びコモ
ノマーを重合帯域で重合して所定の密度を有するポリオ
レフィンを製造する。 【構成】 重合反応で得られるポリオレフィンの密度値
を実測し、この実測値及び反応条件の運転データK1
11をコンピュータ30に取り込んで、演算処理して反
応状態を推定し、その推定値に基づき将来における反応
器で生成するポリオレフィンの密度値の推移を予測し、
その予測値と目標値との対比により運転条件の変更量を
算出し、この算出量に基づき運転条件を変更することに
より(S1〜S4 )、所定の密度値を有するポリオレフ
ィンを製造する。 【効果】 ポリオレフィンの成形方法や用途に応じ、所
望の密度のポリオレフィンを確実かつ安定に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの製造方
法に関するものである。詳しくは、チーグラー系触媒、
フィリップス系触媒等を使用して水素の存在下に、オレ
フィンを重合帯域において重合するにあたり、重合反応
で得られるポリオレフィンの物性、特に密度値を実測
し、この実測値及び反応条件の運転データをコンピュー
タに取り込んで、演算処理して反応状態を推定し、その
推定値に基づき将来における反応器で生成するポリオレ
フィンの密度値の推移を予測し、その予測値と目標値と
の対比により運転条件の変更量を算出し、この算出量に
基づき反応条件を所定の条件下に直接制御することによ
り所定の密度値を有するポリオレフィンを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィンは種々の成形
方法で成形され、多方面の用途に用いられている。これ
らの成形方法や用途に応じ、ポリオレフィンとして種々
の物性、特にメルトフロレート(溶融流れ指数。本明細
書においては、「MFR」と称す。)や密度を有するも
のが望まれる。一般にこれらの物性の調節を行うには、
触媒の種類、組成、量などを変えたり、重合条件を変更
せしめたりする方法が知られている。
【0003】ところで、ポリオレフィンを工業的規模で
製造するには、所定の温度に保たれた重合帯域内に所定
量の触媒及び助触媒、所定量のオレフィン、及び所定量
の水素、更には溶媒を供給して、所定の規格、即ち所定
MFR及び密度を有するポリオレフィンが連続的に製造
されるような条件下で運転を実施する。
【0004】しかしながら、上記の如くそれぞれの供給
量を一定にした条件下で連続重合を実施しても、重合帯
域内の状態を一定に保つことは難しい。このため、所定
の物性規格のポリオレフィンを一定の生産量で製造する
ことは殆ど不可能である。即ち、不確定性外乱による触
媒の微細な変化、活性の変化等によって、重合帯域内の
オレフィン濃度が変化する。例えば、触媒の活性の低下
があった場合には、該帯域内のオレフィン濃度が上昇
し、分子量調節剤である水素とオレフィンとの濃度の比
が低下して、生成するポリオレフィンの密度が低下す
る。このような理由のはっきりとしない微細な外乱が頻
繁に起こり、これによって重合帯域内のオレフィン濃度
が変化し、生成するポリオレフィンの物性、特にMFR
や密度等が変動することになる。
【0005】従来、このような問題を改善する方法が種
々提案されており、例えば、次の〜の方法がある。 重合反応器の液相部についてオレフィン濃度、水素
ガス濃度を実測する方法(USP3,835,106
号)。 重合反応系を監視し、その圧力を測定して最終製品
であるエチレンコポリマーの組成を均質化する方法(U
SP3,691,142号)。 重合反応器の気相部又は液相部のエチレン及び水素
濃度を監視し、これをコンピュータによる制御システム
に取り込み、エチレン及び/又は水素供給量を制御する
方法(USP4,469,853号、特開昭62−25
0010号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法のうち、
の方法では、反応器からサンプル採取に到るまでに重合
反応が進行して反応系内の状態を正確に把握できない等
の問題点がある。
【0007】また、の方法は、所望の物性、特にMF
R及び/又は密度を有するポリエチレンを製造するのに
好適な技法とは言えない。
【0008】の方法では、重合帯域内で微細な外乱が
あった場合には反応状態が変化することから、気相部又
は液相部のエチレン及び水素濃度を所定量に制御するこ
とのみでは所定のMFR又は密度のポリオレフィンを得
ることは難しい。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、所定
の密度値を有するポリオレフィンを安定かつ確実に得る
ことができるポリオレフィンを製造するための重合反応
運転支援装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオレフィン
の製造方法は、触媒及び水素の存在下にオレフィン及び
コモノマーを重合帯域で重合して所定の密度を有するポ
リオレフィンを製造するにあたり、重合帯域におけるオ
レフィン、コモノマー、水素及び触媒の供給量、気相部
のオレフィン濃度、コモノマー濃度、水素濃度及び圧
力、並びに、液相部の温度及び液面高さを検出して、そ
れらの運転データ信号をコンピュータに入力すると共
に、重合帯域より流出するポリオレフィン生成物の密度
を実測して、その実測値信号をコンピュータに入力し、
該実測値と前記運転データとを用いて下記式(1)、
(6)に基いて演算処理によって重合帯域内で瞬間的に
生成するポリオレフィンの密度を動的に逐次推定し、該
推定値より式(6)中のγ値を算出し、該γ値を用いて
今後における密度値の推移を予測し、該密度予測値で予
め定められた密度目標値との対比により、該重合帯域に
おける気相中の水素/オレフィンのモル比又はコモノマ
ー/オレフィンのモル比を算出し、該算出値に基づき遂
行されるコンピュータの演算制御出力により、重合帯域
へのオレフィン、コモノマー又は水素の供給量若しくは
触媒の供給量を調節して所定の密度を有するポリオレフ
ィンを製造することを特徴とする。
【0011】
【数2】
【0012】即ち、本発明者等は前記従来技術の問題点
を解消し、外乱等があって反応状態が変化する場合にも
迅速にその反応状態を把握し、その状態量に見合って所
定の物性のポリオレフィンを得る反応条件に変更し得る
ポリオレフィンの製造法を提供するべく鋭意検討を重ね
た結果、重合帯域における運転データ及び該重合帯域で
得られるポリオレフィンの密度の実測値をコンピュータ
に取り込み演算処理して該重合帯域内で瞬間的に生成す
るポリオレフィンの密度を動的に逐次推定し、その推定
値に基づき将来における密度の推移を予測し、その密度
予測値と所定の密度に対応した目標値との対比により、
反応条件の目標値を算出し、該算出目標値に基づいて重
合帯域の反応条件を調節することにより上記問題点が解
決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明に係るポリオレフィンの製造に用い
られる触媒としては、チーグラー系触媒、フィリップス
系触媒等が挙げられる。また、助触媒としては有機アル
ミニウム化合物が用いられる。所望により電子供与性化
合物等の第3成分を用いても良い。
【0015】溶媒としてはヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の
脂環式炭化水素等の不活性炭化水素溶媒が用いられる。
【0016】また、オレフィンとしてはエチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン−1等のα−オレフィンが挙げられる。
【0017】コモノマーとはこれらのオレフィンと共重
合される小割合の他のオレフィンを意味し、例えば、オ
レフィンとしてエチレンを用いた場合には、コモノマー
としてはプロピレン、ブテン−1等が用いられる。コモ
ノマーの使用量は、オレフィンに対して30モル%以
下、望ましくは10モル%以下である。
【0018】オレフィンの重合反応は、重合帯域にオレ
フィン、コモノマー、水素、触媒及び助触媒、所望によ
り溶媒及び第3成分を所定量供給し、通常50〜150
℃の温度、0.1〜100kg/cm2 Gの圧力及び気
相中の水素/オレフィンのモル比0.01〜1000の
反応条件下で実施される。もちろん、所望とするポリオ
レフィンの物性に応じて反応条件は上記範囲内で適宜選
択される。
【0019】以下、図面を参照して、本発明の方法の実
施例につき更に詳細に説明する。図1は本発明の一実施
例方法を説明するポリオレフィン製造プロセスのブロッ
ク図である。
【0020】図1において、重合反応器1には水素供給
ライン2、オレフィン供給ライン3、コモノマー供給ラ
イン20、溶媒供給ライン4、触媒供給ライン5、助触
媒及び第3成分供給ライン5’が接続されており、水
素、オレフィン、コモノマー、溶媒、触媒、助触媒及び
第3成分等が、製造すべきポリオレフィンの密度に応じ
て所定量連続的に供給されている。
【0021】重合反応器1の内部には上記供給物によ
り、液相部1a及び気相部1bが形成され撹拌機1cに
より撹拌されつつオレフィンの重合が行なわれる。
【0022】製造されたポリオレフィンはポリオレフィ
ン抜出ライン6から連続的に抜き出され、脱ガス槽又は
ガス分離器12に供給され、配管12Aより未反応ガス
を分離した後、送給ライン6Aを経て溶媒分離器13に
供給され、配管13Aより溶媒が分離される。次いで送
給ライン6Bを経て乾燥機(ドライヤー)14に供給さ
れ、乾燥したポリオレフィン固体とされる。これを送給
ライン6Cにより押出機15に供給してペレット化し、
ポリオレフィンペレット抜出ライン16より抜出す。
【0023】本発明において重合反応器1から抜出され
るポリオレフィン、望ましくは該抜出ライン16から抜
出されるポリオレフィンペレットをサンプリングライン
16A,16Bより所定時間毎にサンプリングし、各
々、MFR測定器17及び密度測定器18に導いて製造
されたポリオレフィンのMFR及び密度を測定する。こ
の測定値(実測値)に基づく信号はコンピュータ30に
入力される(信号K1 ,K2 )。
【0024】また、前述の水素供給ライン2、オレフィ
ン供給ライン3、コモノマー供給ライン20、溶媒供給
ライン4にはそれぞれの供給量を調節する供給弁2a,
3a,20a,4a及びそれぞれの供給量を検出する流
量検出器2b,3b,20b,4bがそれぞれ設けられ
ており、該流量検出器2b,3b,20b,4bからの
流量に相関する検知信号(K3 ,K4 ,K5 ,K6 )が
コンピュータ30に入力される。一方、後述するコンピ
ュータ30からの制御信号S1 〜S4 により、所定の密
度のポリオレフィンを生成するようにオレフィン濃度、
コモノマー濃度及び水素濃度を変更すべく触媒供給ポン
プ5aのストロークのストローク、オレフィン供給弁3
a、コモノマー供給弁20a及び水素供給弁2aの開度
が制御される。
【0025】更に、重合反応器1の気相部1bにはサン
プリングライン7が設けられており、気相部1bのガス
が開閉弁7aを経て分析装置8、例えば、ガスクロマト
グラフィに導かれ、該分析装置8によりガス中の水素濃
度、オレフィン濃度びコモノマー濃度が測定される。こ
の分析装置8で測定された水素濃度、オレフィン濃度及
びコモノマー濃度に基づく信号(K7 )も、コンピュー
タ30に入力される。
【0026】9、10は重合反応器1の気相部の圧力及
び液相部の温度の検出器であり、これら圧力検出器9及
び温度検出器10から圧力及び温度に相関する検知信号
(K8 ,K9 )もコンピュータ30に入力される。
【0027】11は重合反応器1に冷却水を供給する供
給ラインであり、その供給量を調節する供給弁11a及
びその供給量を検出する流量検出器11bが設けられて
おり、この流量検出器11bからの流量に相関する検知
信号(K10)がコンピュータ30に入力される。この冷
却水供給弁11aもまた、後述するコンピュータ30か
らの制御信号S5 により、所定の密度のポリオレフィン
を生成するように、重合温度を変更すべく、その開度が
制御される。
【0028】更に、前記脱ガス槽12にはスラリー濃度
調整のために溶媒供給ライン18が接続されており、そ
の供給量を調節する供給弁18a及びその供給量を検出
する流量検出器18bが設けられ、流量検出器18bか
らの流量に相関する検知信号(K11)がコンピュータ3
0に入力される。
【0029】なお、配管19Aは温水を冷却塔へ戻すた
めのラインであり、配管19Bは温水を循環するための
ラインである。
【0030】このように、本発明においては重合反応器
1における反応条件の運転データの信号(本実施例にお
いてはK3 〜K10)をコンピュータに取り入れ、一方、
重合反応器1より抜出されるポリオレフィン、望ましく
は脱ガス槽12、溶媒分離器13、乾燥機14及び押出
機15を経て得られるポリオレフィンペレットをMFR
測定器17及び密度測定器18で実測したMFR実測値
及び密度実測値の信号(K1 ,K2 )をコンピュータに
取り入れ、該実測値と該運転データを用いて後述する予
測モデル式(5)〜(1)に基いた演算処理によって重
合反応器内で瞬間的に生成するポリオレフィンの密度を
動的に逐次推定し、この密度推定値と下記(6)式とか
ら下記(6)式中のγ値を算出する。このγ値と重合反
応器1の反応条件の運転データ又はその変更量を用いて
下記(6)式→下記(1)式の演算処理によって今後
(将来)における重合反応器1で生成するポリオレフィ
ンの密度値の推移を予測し、この密度の予測値とその目
標値とを対比し、該予測値が目標値に一致するまで下記
(6)式の反応条件を変更して下記(6)式及び(1)
式による演算処理によって密度の推移の予測を試行錯誤
法で繰り返し、下記(6)式中の反応条件の目標値、特
に重合反応器1の気相部の水素/オレフィンのモル比又
はコモノマー/オレフィンのモル比の目標値を算出し、
該算出値に基づき遂行されるコンピュータの演算制御出
力により、重合反応器1におけるオレフィン、水素、コ
モノマー又は触媒の供給量を制御(制御信号S1 〜S
4 )することにより、重合反応器1において生成するポ
リオレフィンの密度を所定の範囲に調節するものであ
る。
【0031】以下、重合反応器1で生成するポリオレフ
ィンの密度実測値と重合反応条件の運転データ(以下
「プロセス状態量」と称する場合がある。)を用いて、
予測モデルに基いた演算処理によって重合反応器内で瞬
間的に生成するポリオレフィンの密度を推定する方法に
ついて詳述する。
【0032】なお、各符号は次のものを示す。 GL1:重合反応器1の液相容量 GL2:脱ガス槽12の液相容量 GL3:溶媒分離器13の液相容量 CP1:重合反応器1のポリマー濃度 CP2:脱ガス槽12のポリマー濃度 CP3:溶媒分離器13のポリマー濃度 FP1:重合反応器1の瞬間反応量 FOl1 :重合反応器1のオレフィン供給量 FS1:重合反応器1の溶媒供給量 FS2:脱ガス槽12の溶媒供給量 FS3:溶媒分離器13の溶媒供給量 SOl1 :重合反応器1の溶媒中へのオレフィン溶解量 ρ1 :重合反応器1の瞬間生成密度 ρ2 :重合反応器1出口の密度 ρ3 :脱ガス槽12出口の密度 ρ4 :溶媒分離器13出口の密度 ρ5 :乾燥機14出口の密度 ρ6 :押出機15出口の密度 L:遅れ時間 k:パウダー・ドロップオフ係数 k=f(添加剤種類及び濃度、押出機比エネルギ等) まず、重合反応器1、脱ガス槽12、溶媒分離器13、
乾燥機14及び押出機15におけるポリオレフィンの密
度の動特性の物質収支は下記予測モデル式によって表わ
される。
【0033】(1) 重合反応器1 非定常運転時(重合反応の開始時又は停止時、外乱
の発生時、或いは重合反応条件の変更時等の場合)
【0034】
【数3】
【0035】 定常運転時(CL1,CP1,FP1,S
Ol1 はいずれも一定)
【0036】
【数4】
【0037】(2) 脱ガス槽12 非定常運転時
【0038】
【数5】
【0039】 定常運転時(GL2,CP2は一定)
【0040】
【数6】
【0041】(3) 溶媒分離器13 非定常運転時
【0042】
【数7】
【0043】 定常運転時
【0044】
【数8】
【0045】(4) 乾燥機14
【0046】
【数9】
【0047】(5) 押出機15
【0048】
【数10】
【0049】ここで、例えば、押出機15から抜出され
るポリオレフィンペレット(粒状体)を所定時間毎にサ
ンプリングして密度測定器18によってポリオレフィン
の密度を実測し、その実測値ρ6 を用いて、式(5)→
式(4)→式(3)→式(2)→式(1)に基づいて逐
次演算処理することによって、重合反応器1内で瞬間的
に生成するポリオレフィンの密度を推定できる。この密
度推定値ρ1 と下記(6)式とからγ値を算出する。
((6)式中の各符号は前述の通り。)log ρ(t) =B
1 log(H2/Ol)G +B2 log(Co/Ol)G +B3 MFRl+γ…
(6)次にこのγ値と重合反応器1のプロセス状態量、
即ち、反応条件の運転データ又はその変更量とを用い
て、式(6)→式(1)の演算処理によって、将来(今
後)における重合反応器1で生成するポリオレフィンの
密度値の推移を予測する。
【0050】この密度の推移の予測値と密度の目標値と
を対比し、該予測値が目標値に一致するまで式(6)中
のプロセス状態量を変更して式(6)及び式(1)によ
る演算処理によって密度値の推移の予測を試行錯誤法で
繰返し、式(6)中のプロセス状態量、即ち反応条件の
目標値、特に気相部のコモノマー/オレフィンモル比の
目標値を算出する。
【0051】この目標値に基づいて、反応条件設定値変
更部38及び制御部36より制御信号S1 〜S5 を出力
し、重合反応器1におけるオレフィン、コモノマー、水
素、触媒又は助触媒の供給量等の設定値を変更すること
により、所定の密度値を有するポリオレフィンを製造す
ることができる。
【0052】なお、上記(6)式中のMFR1 (瞬間生
成MFR)は、MFR測定器17のMFR実測値より、
下記(7)式より算出できる。
【0053】
【数11】
【0054】符号: MFR1 :瞬間生成MFR MFR2 :反応器出口MFR Y:べき数
【0055】
【作用】上述の如く、本発明の方法においては、コンピ
ュータに入力された上記の信号はコンピュータ内におい
て予め設定されたプログラムに従って演算処理され、気
相部(図1の1b)における水素分圧、オレフィン分
圧、コモノマー分圧、水素/オレフィンモル比、コモノ
マー/オレフィンモル比、重合反応器内におけるポリオ
レフィン重合量、ポリマー濃度、助触媒濃度、触媒活性
等の演算値が算出され、上記のそれぞれの演算値と所定
の密度のポリオレフィンを製造するために予め設定され
たそれぞれの目標値との比較・演算処理により、その偏
差を求め、その偏差に基づく制御信号により、例えば水
素供給弁(図1の2a)を操作して上記気相部(1b)
の水素濃度を調節したり、或いはオレフィン供給弁(3
a)、コモノマー供給弁(20a)又は触媒供給ポンプ
(5a)のストロークを操作して該気相部(1b)のオ
レフィン濃度又はコモノマー濃度を調節したりして、該
気相部の水素/オレフィンのモル比又はコモノマー/オ
レフィンのモル比を所定値に調節することにより所定の
密度を有するポリオレフィンを生成するように水素濃
度、オレフィン濃度及びコモノマー濃度を制御する。
【0056】
【実施例】以下に具体的な制御例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
【0057】実施例1 図1に示す装置を用い、前述の制御方法に従ってポリオ
レフィンの製造を行なった。
【0058】図2及び図3は、図1に示される本発明方
法により、MFR及び密度の直接制御を実施した場合の
MFRの実測値(a)及びMFRの推定値(b)(図
2)並びに密度実測値(c)及び密度推定値(d)(図
3)の推移を示すグラフである。
【0059】これらの結果から、MFR及び密度の実測
値と推定値が良く一致しており、本発明方法によれば、
所望MFR及び密度のポリオレフィンを同時にかつ容易
に得ることができることが明らかである。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のポリオレフ
ィンの製造方法によれば、触媒及び水素の存在下にオレ
フィン及びコモノマーを重合帯域で重合して所定の密度
を有するポリオレフィンを確実かつ安定に、効率的に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施方法を示すポリオレフィン製造
プロセスのブロック図である。
【図2】図1に示される方法により、MFR及び密度の
直接制御を実施した場合のMFRの実測値(a)及びM
FRの推定値(b)の推移を示すグラフである。
【図3】図1に示される方法により、MFR及び密度の
直接制御を実施した場合の密度の実測値(c)及び密度
の推定値(d)の推移を示すグラフである。
【符号の説明】
1 重合反応器 2 水素供給ライン 3 オレフィン供給ライン 4 溶媒供給ライン 5 触媒供給ライン 6 ポリオレフィン抜出ライン 7 サンプリングライン 8 分析装置 12 脱ガス槽 13 溶媒分離器 14 乾燥機 15 押出機 17 MFR測定器 18 密度測定器 20 コモノマー供給ライン 30 コンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒及び水素の存在下にオレフィン及び
    コモノマーを重合帯域で重合して所定の密度を有するポ
    リオレフィンを製造するにあたり、 重合帯域におけるオレフィン、コモノマー、水素及び触
    媒の供給量、気相部のオレフィン濃度、コモノマー濃
    度、水素濃度及び圧力、並びに、液相部の温度及び液面
    高さを検出して、それらの運転データ信号をコンピュー
    タに入力すると共に、重合帯域より流出するポリオレフ
    ィン生成物の密度を実測して、その実測値信号をコンピ
    ュータに入力し、 該実測値と前記運転データとを用いて下記式(1)、
    (6)に基いて演算処理によって重合帯域内で瞬間的に
    生成するポリオレフィンの密度を動的に逐次推定し、該
    推定値より式(6)中のγ値を算出し、該γ値を用いて
    今後における密度値の推移を予測し、 該密度予測値で予め定められた密度目標値との対比によ
    り、該重合帯域における気相中の水素/オレフィンのモ
    ル比又はコモノマー/オレフィンのモル比を算出し、 該算出値に基づき遂行されるコンピュータの演算制御出
    力により、重合帯域へのオレフィン、コモノマー又は水
    素の供給量若しくは触媒の供給量を調節して所定の密度
    を有するポリオレフィンを製造することを特徴とするポ
    リオレフィン製造方法。 【数1】
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