JPH05163226A - 4−シアノシクロヘキセンの製造方法 - Google Patents

4−シアノシクロヘキセンの製造方法

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JPH05163226A
JPH05163226A JP33085091A JP33085091A JPH05163226A JP H05163226 A JPH05163226 A JP H05163226A JP 33085091 A JP33085091 A JP 33085091A JP 33085091 A JP33085091 A JP 33085091A JP H05163226 A JPH05163226 A JP H05163226A
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butadiene
chen
acrylonitrile
solution
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JP33085091A
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Souichi Yamada
創一 山田
Hidetaka Yatani
秀孝 八谷
Yoji Akazawa
陽治 赤沢
Masao Baba
将夫 馬場
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アクリロニトリルと1,3−ブタジエンとを反
応させるディールス・アルダー反応において、4−ビニ
ル−1−シクロヘキセンや重合物などの副生物の生成、
あるいは重合物の析出、付着による装置の閉塞、装置内
の壁面における重合体皮膜の形成などの障害を防止し、
4−シアノシクロヘキセンを高収率、高選択率で製造で
きる方法を提供する。 【構成】重合防止剤の存在下、アクリロニトリルと1,
3−ブタジエンとを反応させるディールス・アルダー反
応において、反応液中のアクリロニトリルと1,3−ブ
タジエンのモル比をアクリロニトリル/1,3−ブタジ
エン=1.0以上、かつ反応液中の1,3−ブタジエン
の濃度を10重量%以下に維持しながら、さらにアクリ
ロニトリルと1,3−ブタジエンのうち少なくとも1,
3−ブタジエンは逐次添加して反応させる事を特徴とす
る4−シアノシクロヘキセンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4−シアノシクロヘキセ
ン(以下、CHENと略する)の製造方法に関するもの
である。さらに詳しくは、アクリロニトリル(以下、A
Nと略する)と1,3−ブタジエン(以下、BDと略す
る)とをディールス・アルダー反応させてCHENを製
造する方法に関するものである。CHENはシクロヘキ
サンカルボグアナミンの製造に利用されるほか、各種有
機合成中間体として有用な化合物である。以下に反応式
を示す。
【0002】
【化1】
【0003】
【従来の技術】環状オレフィン類をつくるには、共役ジ
オレフィン化合物と共役オレフィン化合物とを1,4付
加し、環状オレフィン類をつくるディールス・アルダー
反応がよく知られている。この反応を円滑に進行させる
ためには、反応温度を比較的高温にして行なうことが望
ましいが、原料である共役ジオレフィン化合物及び/又
は共役オレフィン化合物、並びに生成した環状オレフィ
ン類の重合が起こりやすい。
【0004】ANとBDのディールス・アルダー反応で
はAN及びBDともに重合性が高く、特にBDは重合と
ともに2量化反応が起こりやすい。二量化反応が起こる
と4−ビニル−1−シクロヘキセン(以下、VCHと略
する)が生成してこれがCHENの選択率を下げる大き
な原因となっている。また、重合が起こると重合物の析
出によるディールス・アルダー反応用装置や熱交換器等
の付帯設備の閉塞、装置内壁面における重合物被膜の生
成による伝熱不良及びその他の障害を生ずる。このた
め、装置の長時間の連続操業が実際上困難となる。
【0005】従来、ANとBDのディールス・アルダー
反応としては、特開昭48−52748号公報や米国特
許第3379661号が知られている。これらは、重合
防止剤としてハイドロキノンを使用し、ANとBDを等
モル用いて反応器に一括仕込みで反応が行なわれてい
る。いずれも、収率に関する記載はないが、本発明者ら
の知見によれば記載の反応条件ではCHEN収率も低
く、VCH,重合物が多く生成するなど実用的ではな
い。
【0006】また、特公昭49−28490号では、A
NをBDの5倍モル量用いて反応器に一括仕込みで反応
が行われており、CHEN収率は84%と比較的高いが
収率を高めるため130℃程度の比較的低温で反応を行
っており、反応時間が長く製造効率が悪くなっている。
重合物生成に関しては記載がないが、本発明者らの検討
によれば重合物の装置内壁への付着などが起こり実用的
ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれら従来技
術の欠点、即ちこのANとBDとを反応させるディール
ス・アルダー反応によってCHENを製造する際にVC
Hや重合物などの副生物が生成してCHENの収率が低
いこと、あるいは重合物の析出による装置の閉塞等の障
害が起こることを防止し、CHENを高収率、高選択率
で製造できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、従来技
術におけるANとBDを一括に仕込む方法では、たとえ
BDよりANを過剰モル量用いていても、ANとBDの
反応が終了するまでにはBD自身の二量化反応や重合が
起こってしまい、高収率でCHENが得られないのでは
ないかと考え、更に検討した結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、重合防止剤の存在下、アクリ
ロニトリルと1,3−ブタジエンとを反応させるディー
ルス・アルダー反応において、反応液中のアクリロニト
リルと1,3−ブタジエンのモル比をアクリロニトリル
/1,3−ブタジエン=1.0以上、かつ反応液中の
1,3−ブタジエンの濃度を10重量%以下に維持しな
がら、さらにアクリロニトリルと1,3−ブタジエンの
うち少なくとも1,3−ブタジエンは逐次添加して反応
させる事を特徴とする4−シアノシクロヘキセンの製造
方法である。本発明の方法に従えば、BDは速やかにA
Nと反応しほとんど残余せず、BD自身の重合など副反
応が起こりにくい為CHENが高収率で得られる。 A
Nの使用量が過度にBDより多くてもANの廃棄または
回収操作の負荷が大きくなり不経済なだけである。従っ
てANとBDのモル比はAN/BD=1.0以上、好ま
しくは1.0〜5.0の範囲である。
【0009】また、本願発明では反応速度を高めるため
反応温度を高くしても重合体の生成が少なくて済み、短
時間の反応によって、CHENを高収率で得ることが可
能である。従って120〜250℃、より好ましくは、
150〜220℃という高温での反応がなんらの支障も
なく実施できる。
【0010】具体的な反応方法としては、(i)溶媒と
ANを反応器に仕込んだ後、BDを逐次添加で反応器に
少量ずつ添加する、(ii)溶媒を反応器に仕込んだ
後、ANとBDの混合物を逐次添加で反応器に少量ずつ
添加する方法が考えられるがいずれの方法でも行うこと
ができる。
【0011】また、本発明においてANとBDとの反応
は重合防止剤の存在下で行う。重合防止剤としてはフェ
ノチアジン系化合物、ヒンダ−ドアミン系化合物、フェ
ノ−ル系化合物あるいはアミン系化合物などが用いられ
るが、特に一般式[1]
【0012】
【化2】
【0013】で表わされるフェノチアジン系化合物及び
一般式〔2〕
【0014】
【化3】
【0015】で表わされるヒンダ−ドアミン系化合物が
好ましい。更に、フェノチアジン系化合物の具体例を以
下に示性式で示す。
【0016】(No.1) フェノチアジン
【0017】
【化4】
【0018】(No.2) ベンゾフェノチアジン
【0019】
【化5】
【0020】(No.3) アセトアミドフェノチアジン
【0021】
【化6】
【0022】また、同様にヒンダ−ドアミン系化合物の
具体例を以下に示性式で示す。
【0023】(No.4) ポリ((6−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)
イミノ−1、3、5−トリアジン−2、4−ジイル)
((2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ)ヘキサメチレン((2、2、6、6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ))
【0024】
【化7】
【0025】(No.5) コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4
−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジ
ン重縮合物
【0026】
【化8】
【0027】(No.6) 8−ベンジル−7、7、9、9−テトラメチル−3−オ
クチル−1、3、8−トリアザスピロ(4、5)ウンデ
カン−2、4−ジオン
【0028】
【化9】
【0029】(No.7) ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケ−ト
【0030】
【化10】
【0031】(No.8) ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケ−ト
【0032】
【化11】
【0033】(No.9) 1−(2−(3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−4−
(3−(3、5−ジ−t−ブチル−−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ)−2、2、6、6−テト
ラメチルピペリジン
【0034】
【化12】
【0035】(No.10) 4−ベンゾイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチル
ピペリジン
【0036】
【化13】
【0037】(No.11) ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケ−ト
【0038】
【化14】
【0039】(No.12) ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケ−ト
【0040】
【化15】
【0041】(No.13) 1−(2−(3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−4−
(3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ)−2、2、6、6−テトラ
メチルピペリジン
【0042】
【化16】
【0043】これらの重合防止剤は単独あるいは組み合
わせて用いることもできる。これらの添加量としては、
通常は溶媒を含む反応物の全重量に対して10〜10、
000ppmの範囲が選ばれる。好ましくは100〜5
000ppmの範囲の添加である。添加量が少なすぎれ
ば高重合体の生成を抑制する能力が弱く、また多すぎて
も適正添加量による能力以上の力を発揮することはな
く、単に不経済なだけである。また、これらの重合防止
剤は、反応器に最初に一括に仕込んでもよく、逐次添加
する添加液中にその一部を仕込んでもよい。
【0044】この様にして本発明に記載の方法を行うこ
とにより、VCHや重合体副生物の生成が抑制され、C
HENを高収率、高選択率で製造することが可能であ
る。
【0045】反応後残存したANは廃棄することもでき
るが、蒸留操作等により回収し再度反応に使用すること
が可能である。
【0046】さらに溶媒としては一般に本反応に不活性
なものであれば使用することが可能である。例えば、ベ
ンゼン、トルエンなどの溶媒が一般的に使用される。し
かし、重合物を溶解する効果の大きいCHEN(4−シ
アノシクロヘキセン)あるいは4−シアノシクロヘキサ
ンを用いることで重合物の析出、付着による装置の閉
息、装置内壁面における重合体皮膜の形成などの障害を
他の溶媒より効果的に防止することができる。従って、
溶媒としては本反応の目的生成物であるCHENあるい
は4−シアノシクロヘキサンが好ましい。特にCHEN
や4−シアノシクロヘキサンを溶媒として使用した場
合、他の溶媒を使用した場合と異なり溶媒としての分離
工程が不要となり工業的に有利となるのでより好まし
い。なお、ここで溶媒として用いるCHENとはANと
BDとの本反応で生成する主として4−シアノシクロヘ
キセンからなるシアノシクロヘキセン混合物でよく、蒸
留操作等でこれらの2重結合の位置の違う混合物から4
−シアノシクロヘキセンのみを特に分離して溶媒に使用
する必要はない。
【0047】またこれらの反応は、空気中で行ってもよ
いが、通常AN、BD等の気体の爆発限界を避けるため
不活性ガス存在下で反応が行われる。本反応も窒素、ア
ルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
【0048】
【実施例】以下、実施例により具体的に本発明について
説明するが、本発明方法はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例、比較例の結果を表1に示した。表
1の中で転化率の数値は、ANとBDのモル比で小さい
方の物質を基準とした。従って、実施例1〜9、比較例
1はBD基準、比較例2、3はAN基準の数値である。
【0049】実施例1 重合防止剤としてフェノチアジンを5000ppmの濃
度となるように加えたCHEN溶液340gを内容積2
Lのステンレス製オートクレーブに入れた。ステンレス
製タービン羽根を用いて毎分400回転で攪拌しなが
ら、180℃に加熱した。また別にANとBDとをモル
比で1.0:0.9の割合で混合液600gとし、フェ
ノチアジンを使用原料量に対して5000ppmの濃度
になるように加えた。この混合液をステンレス製の容器
に入れた。このANとBDの混合液を4時間一定の速度
でオートクレーブ中のCHEN溶液中に逐次添加した。
反応中の反応液中のBD濃度を調べたところ原料添加開
始後約40分後が最大濃度であり、そのときの反応液中
のBD濃度は4.3重量%であった。添加終了後更に1
時間180℃に保った。反応終了後、反応液中の重合体
副生物の生成量は1.2%であった。反応後のオートク
レーブ器壁等への付着など重合物の析出はなく、かつま
た反応液はきれいであった。ガスクロマトグラフィ−を
用いて測定を行った結果、BDの転化率98.7%、B
DあたりのCHEN収率92.3%、そしてVCH収率
5.2%であった。
【0050】実施例2 重合防止剤としてp−tert−ブチルカテコールを5
000ppmの濃度で用いた以外は実施例1と同様の反
応を行なった。結果を表1に示した。
【0051】実施例3 重合防止剤としてハイドロキノンを5000ppmの濃
度で用いた以外は実施例1と同様の反応を行なった。結
果を表1に示した。
【0052】実施例4 重合防止剤としてヒンダードアミン系化合物であるチバ
ガイギ−社製CHIMASSORB944FL[ポリ
((6−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)イミ
ノ−1、3、5−トリアジン−2、4−ジイル)
((2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ)ヘキサメチレン((2、2、6、6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ))]を5000ppm
の濃度で用いた以外は実施例1と同様の反応を行なっ
た。結果を表1に示した。
【0053】実施例5 重合防止剤としてヒンダードアミン系化合物であるチバ
ガイギ−社製TINUVIN622LD[コハク酸ジメ
チル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン重縮合物]
を5000ppmの濃度で用いた以外は実施例1と同様
の反応を行なった。結果を表1に示した。
【0054】実施例6 重合防止剤としてヒンダードアミン系化合物である三共
株式会社製サノ−ルLS−1114[8−ベンジル−
7、7、9、9−テトラメチル−3−オクチル−1、
3、8−トリアザスピロ(4、5)ウンデカン−2、4
−ジオン]を5000ppmの濃度で用いた以外は実施
例1と同様の反応を行なった。結果を表1に示した。
【0055】実施例7 CHENを340gと重合防止剤としてフェノチアジン
4.7gを内容積2Lのステンレス製オートクレーブに
入れ、ステンレス製タービン羽根を用いて毎分400回
転で攪拌しながら、この混合液を180℃に加熱した。
また別にANとBDとをモル比で1.0:0.9の割合
で混合液600gとし、この混合液をステンレス製の容
器に入れた。このANとBDの混合液を4時間一定の速
度でオートクレーブ中のCHEN溶液中に逐次添加し
た。反応中の反応液中のBD濃度を調べたところ原料添
加開始後約40分後が最大濃度であり、そのときの反応
液中のBD濃度は3.8重量%であった。添加終了後更
に1時間180℃に保った。反応終了後反応液中の重合
体副生物の生成量は0.7%であった。反応後のオート
クレーブ器壁等への付着など重合物の析出はなく、かつ
また反応液はきれいであった。ガスクロマトグラフィ−
を用いて測定を行った結果、BDの転化率98.5%、
BDあたりのCHEN収率92.9%、そしてVCH収
率4.9%であった。
【0056】実施例8 CHENを320gと、用いるBDに対してモル比で
0.1モル量であるAN29.7gそしてフェノチアジ
ン4.7gを内容積2Lのステンレス製オートクレーブ
に入れ、ステンレス製タービン羽根を用いて毎分400
回転で攪拌しながら、この混合液を180℃に加熱し
た。 また別にANとBDとをモル比で1.0:1.0
の割合で混合液600gとし、この混合液をステンレス
製の容器に入れた。このANとBDの混合液を4時間一
定の速度でオートクレーブ中のCHEN溶液中に逐次添
加した。反応中の反応液中のBD濃度を調べたところ原
料添加開始後約30分後が最大濃度であり、そのときの
反応液中のBD濃度は2.5重量%であった。添加終了
後更に1時間180℃に保った。反応終了後反応液中の
重合体副生物の生成量は0.8%であった。反応後のオ
ートクレーブ器壁等への付着など重合物の析出はなく、
かつまた反応液はきれいであった。ガスクロマトグラフ
ィ−を用いて測定を行った結果、BDの転化率98.8
%、BDあたりのCHEN収率92.9%、そしてVC
H収率5.1%であった。
【0057】実施例9 内容積2Lのステンレス製オートクレーブに、重合防止
剤として実施例4と同じCHIMASSORB944F
Lを2000ppmを加えたCHEN340gを入れ、
ステンレス製タービン羽根を用いて毎分400回転で攪
拌しながら、180℃に加熱した。また別にANとBD
とをモル比で1.0:0.9の割合で混合液600gと
し、CHIMASSORB944FLを使用原料量に対
して2000ppmの濃度となるように加えた。この混
合液をステンレス製の容器に入れた。このANとBDの
混合液を4時間一定の速度でオートクレーブ中のCHE
N溶液中に逐次添加した。添加終了後更に1時間180
℃に保った。その結果重合体副生物の量は1.8%であ
った。反応停止後オートクレーブ内に析出した重合体副
生物はなくきれいであった。ガスクロマトグラフィ−を
用いて測定を行った結果、BDの転化率98.9%、B
DあたりのCHENの収率92.4%、そしてVCHの
収率4.7%であった。
【0058】比較例1 内容積2Lのステンレス製オートクレーブに、CHEN
を340g、ANとBDとをモル比で1.0:0.9の
割合とした混合液600g、そして、重合防止剤として
フェノチアジンを溶液の全重量に対して、5000pp
mの濃度となるように加えて、オートクレーブ中で混合
溶液とした。このとき混合溶液中のBDの濃度は32.
2重量%である。ステンレス製タービン羽根を用いて毎
分400回転で攪拌しながら、ステンレス製タービン羽
根を用いて毎分400回転で攪拌しながら、オートクレ
ーブを、180℃まで昇温し反応を4時間行なった。反
応終了後反応液中の重合体副生物の生成量は8.2%で
あった。反応後のオートクレーブ器壁等へは重合体副生
物が付着、析出していた。ガスクロマトグラフィ−を用
いて測定を行った結果、ANの転化率98.5%、AN
あたりのCHEN収率79.1%、そしてBDあたりの
VCH収率は9.2%であった。
【0059】比較例2 重合防止剤としてフェノチアジンを溶液の全重量に対し
て、5000ppm加えたCHEN溶液340gを内容
積2Lのステンレス製オートクレーブに入れ、ステンレ
ス製タービン羽根を用いて毎分400回転で攪拌しなが
ら、180℃に加熱した。また別にANとBDとをモル
比で0.9:1.0の割合で混合液600gとし、フェ
ノチアジンを溶液重量に対して5000ppmの濃度に
なるように加えた。この混合液をステンレス製の容器に
入れた。このANとBDの混合液を4時間一定の速度で
オートクレーブ中のCHEN溶液中に逐次添加した。反
応中の反応液中のBD濃度を調べたところ原料添加開始
後約30分後が最大濃度であり、そのときの反応液中の
BD濃度は7.8重量%であった。添加終了後更に1時
間180℃に保った。反応終了後、反応液中の重合体副
生物の生成量は6.1%であった。反応後のオートクレ
ーブ器壁等へは重合体副生物が付着、析出していた。ガ
スクロマトグラフィ−を用いて測定を行った結果、AN
の転化率95.5%、ANあたりのCHEN収率78.
6%、そしてBDあたりのVCH収率は16.7%であ
った。
【0060】比較例3 CHENを320gと、用いるANに対してモル比で
0.1モル量であるBD30.3gそして、フェノチア
ジン4.7gを内容積2Lのステンレス製オートクレー
ブに入れ、ステンレス製タービン羽根を用いて毎分40
0回転で攪拌しながら、この混合液を180℃に加熱し
た。また別にANとBDとをモル比で1.0:1.0の
割合で混合液600gとし、この混合液をステンレス製
の容器に入れた。このANとBDの混合液を4時間一定
の速度でオートクレーブ中のCHEN溶液中に逐次添加
した。反応中の反応液中のBD濃度を調べたところ原料
添加開始後約30分後が最大濃度であり、そのときの反
応液中のBD濃度は12.8重量%であった。添加終了
後更に1時間180℃に保った。反応終了後反応液中の
重合体副生物の生成量は6.8%であった。反応後のオ
ートクレーブ器壁等へは重合体副生物が付着、析出して
いた。BDの転化率98.8%、BDあたりのCHEN
収率77.8%、そしてBDあたりのVCH収率14.
2%であった。
【0061】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 将夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒姫路製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合防止剤の存在下、アクリロニトリルと
    1,3−ブタジエンとを反応させるディールス・アルダ
    ー反応において、反応液中のアクリロニトリルと1,3
    −ブタジエンのモル比をアクリロニトリル/1,3−ブ
    タジエン=1.0以上、かつ反応液中の1,3−ブタジ
    エンの濃度を10重量%以下に維持しながら、さらにア
    クリロニトリルと1,3−ブタジエンのうち少なくとも
    1,3−ブタジエンは逐次添加して反応させる事を特徴
    とする4−シアノシクロヘキセンの製造方法。
  2. 【請求項2】重合防止剤としてフェノチアジン系化合物
    及びヒンダ−ドアミン系化合物から選ばれる少なくとも
    1つの化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】反応溶媒として4−シアノシクロヘキセン
    及び/又は4−シアノシクロヘキサンを用いることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
JP33085091A 1991-12-13 1991-12-13 4−シアノシクロヘキセンの製造方法 Pending JPH05163226A (ja)

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JP33085091A Pending JPH05163226A (ja) 1991-12-13 1991-12-13 4−シアノシクロヘキセンの製造方法

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JP (1) JPH05163226A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508268A (ja) * 2008-11-11 2012-04-05 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 環状ジアミンの製造方法

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