JPH0515749A - 塩素系有機溶剤の分離回収膜およびその膜を用いる塩素系有機溶剤の分離回収方法 - Google Patents
塩素系有機溶剤の分離回収膜およびその膜を用いる塩素系有機溶剤の分離回収方法Info
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- JPH0515749A JPH0515749A JP17248791A JP17248791A JPH0515749A JP H0515749 A JPH0515749 A JP H0515749A JP 17248791 A JP17248791 A JP 17248791A JP 17248791 A JP17248791 A JP 17248791A JP H0515749 A JPH0515749 A JP H0515749A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 コスト的に安価な、工業的に利用可能な塩素
系有機溶剤の分離回収膜およびこの膜を用いる分離回収
方法を提供する。 【構成】 孔径0.1〜1μm、空孔率30〜80%の細
孔を有する多孔質ポリテトラフロロエチレン膜の細孔内
にシリコンガムが充填されてなる塩素系有機溶剤の分離
回収膜、およびこの膜を用いて、水−塩素系有機溶剤混
合物からパーベーパレーションにより塩素系有機溶剤を
分離回収する。 【効果】 安価に、永久的に、しかも効率良く塩素系有
機溶剤を分離することができる。
系有機溶剤の分離回収膜およびこの膜を用いる分離回収
方法を提供する。 【構成】 孔径0.1〜1μm、空孔率30〜80%の細
孔を有する多孔質ポリテトラフロロエチレン膜の細孔内
にシリコンガムが充填されてなる塩素系有機溶剤の分離
回収膜、およびこの膜を用いて、水−塩素系有機溶剤混
合物からパーベーパレーションにより塩素系有機溶剤を
分離回収する。 【効果】 安価に、永久的に、しかも効率良く塩素系有
機溶剤を分離することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水−塩素系有機溶剤混
合物から塩素系有機溶剤を選択的に分離回収するための
膜およびこの膜を用いる塩素系有機溶剤の分離回収方法
に関する。
合物から塩素系有機溶剤を選択的に分離回収するための
膜およびこの膜を用いる塩素系有機溶剤の分離回収方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素系有機溶剤、例えば洗濯物のクリー
ニングや半導体の洗浄などからの排水中への溶解を含め
て混在するテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン
などの塩素系有機溶剤は発癌性物質の可能性がある、ま
たは奇形児出産の危険性があるなどの生態系破壊有害物
質として排水中の許容量が0.1ppm以下と厳しく規制され
ている。
ニングや半導体の洗浄などからの排水中への溶解を含め
て混在するテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン
などの塩素系有機溶剤は発癌性物質の可能性がある、ま
たは奇形児出産の危険性があるなどの生態系破壊有害物
質として排水中の許容量が0.1ppm以下と厳しく規制され
ている。
【0003】そして、これら塩素系有機溶剤を含む排水
処理技術としては、従来、以下の方法が知られている。 A) ストリッピング法、B) 活性炭吸着法、C) 活性汚
泥法 (バイオ法) 、D)熱分解・焼却法およびE) 超臨
界反応法。 A) は、排水中に空気又は蒸気を通して揮発性の有機物
を除く方法であり、汚染された地下水処理に現在用いら
れている。
処理技術としては、従来、以下の方法が知られている。 A) ストリッピング法、B) 活性炭吸着法、C) 活性汚
泥法 (バイオ法) 、D)熱分解・焼却法およびE) 超臨
界反応法。 A) は、排水中に空気又は蒸気を通して揮発性の有機物
を除く方法であり、汚染された地下水処理に現在用いら
れている。
【0004】B) は、排水の有機物除去に広く用いられ
ている。 C) は、分解性の有害物質を微生物で分解する方法であ
る。有機物濃度の低い排水などの処理として安価で汎用
されており、総体的な除去効果はある。 D) は、高温度により有害物質を分解する方法である。
特徴として、燃焼処理では更にスクラバー、電気集塵機
などの排ガス処理が必要となる。また、テトラクロロエ
チレン、 1,1,1−トリクロロエタンではバッチで275℃6
0分の反応条件が必要である。
ている。 C) は、分解性の有害物質を微生物で分解する方法であ
る。有機物濃度の低い排水などの処理として安価で汎用
されており、総体的な除去効果はある。 D) は、高温度により有害物質を分解する方法である。
特徴として、燃焼処理では更にスクラバー、電気集塵機
などの排ガス処理が必要となる。また、テトラクロロエ
チレン、 1,1,1−トリクロロエタンではバッチで275℃6
0分の反応条件が必要である。
【0005】E) は、有害物を高温高圧下におき、有機
性廃棄物の酸化反応を増加させて分解する方法である。
しかしながら、これらの各排水処理技術は以下に述べる
ような欠点を有する。 A) は揮発性の有機物を大気に逃すだけで根本的解決と
はならない。また、オゾン破壊などの大気汚染の心配が
ある。
性廃棄物の酸化反応を増加させて分解する方法である。
しかしながら、これらの各排水処理技術は以下に述べる
ような欠点を有する。 A) は揮発性の有機物を大気に逃すだけで根本的解決と
はならない。また、オゾン破壊などの大気汚染の心配が
ある。
【0006】B) は有機物濃度が高いと活性炭量が増え
るためコスト高となり、また活性炭の吸着力が、しだい
におちるので活性炭の再生処理が必要である。 C) は塩素系有機溶剤は生物分解されないので採用でき
ない。 D) は排ガス処理である。低濃度排水では、焼却するの
に処理時間、焼却費の負荷が大きい。有機物が高濃度の
ときはメリットがあるが、低濃度のときはメリットがな
い。また、ダイオキシン生成の危険があるなどの欠点が
ある。 E) は高温高圧条件が必要であり、安全性の点で適用が
疑問視される。
るためコスト高となり、また活性炭の吸着力が、しだい
におちるので活性炭の再生処理が必要である。 C) は塩素系有機溶剤は生物分解されないので採用でき
ない。 D) は排ガス処理である。低濃度排水では、焼却するの
に処理時間、焼却費の負荷が大きい。有機物が高濃度の
ときはメリットがあるが、低濃度のときはメリットがな
い。また、ダイオキシン生成の危険があるなどの欠点が
ある。 E) は高温高圧条件が必要であり、安全性の点で適用が
疑問視される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決する課題
は、上記従来の塩素系有機溶剤を含む排水処理技術の欠
点を解消し、分離効率に優れ、コスト的にも有利であ
り、かつ容易に処理能力の増大をはかることができ、工
業的に利用可能な分離回収膜とその膜を用いる塩素系有
機溶剤の分離回収方法を提供する点にある。
は、上記従来の塩素系有機溶剤を含む排水処理技術の欠
点を解消し、分離効率に優れ、コスト的にも有利であ
り、かつ容易に処理能力の増大をはかることができ、工
業的に利用可能な分離回収膜とその膜を用いる塩素系有
機溶剤の分離回収方法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、孔径0.1〜1μm、空孔率30〜80%の細孔を
有する多孔質ポリテトラフロロエチレン膜 (以下、PT
FE膜と略記) の細孔内にシリコンゴムが充填されてな
る塩素系有機溶剤の分離回収膜と、この膜を用いてパー
ベーパレーションにより水−塩素系有機溶剤混合物から
該塩素系有機溶剤を分離する方法である。
明は、孔径0.1〜1μm、空孔率30〜80%の細孔を
有する多孔質ポリテトラフロロエチレン膜 (以下、PT
FE膜と略記) の細孔内にシリコンゴムが充填されてな
る塩素系有機溶剤の分離回収膜と、この膜を用いてパー
ベーパレーションにより水−塩素系有機溶剤混合物から
該塩素系有機溶剤を分離する方法である。
【0009】本発明の分離回収膜は、上記特性を有する
多孔質PTFE膜の細孔にシリコンゴムを充填させたも
のであれば特に限定されず、多少の性能の差異はあるも
のの、いかなる種類のシリコンゴム充填PTFE膜でも
使用することができる。かかるPTFE膜は、たとえ
ば、寸法30cm×30cm、厚さ1〜10μmの多孔質の
(孔径0.1〜1μm、空孔率30〜80%) PTFE膜
を、2wt%シリコンゴムトルエン溶液を満たしたステン
レスバット中に室温で24時間、含浸させることにより
製造することができる。また、本発明で用いたシリコン
ゴムポリマーとしては、たとえば信越化学工業株式会社
のRTV−500を挙げることができ、それ以外にも、
以下の化学構造式を有し、分子量10000〜1000
00程度のシリコンゴムポリマーならば、同様に使用す
ることができる。
多孔質PTFE膜の細孔にシリコンゴムを充填させたも
のであれば特に限定されず、多少の性能の差異はあるも
のの、いかなる種類のシリコンゴム充填PTFE膜でも
使用することができる。かかるPTFE膜は、たとえ
ば、寸法30cm×30cm、厚さ1〜10μmの多孔質の
(孔径0.1〜1μm、空孔率30〜80%) PTFE膜
を、2wt%シリコンゴムトルエン溶液を満たしたステン
レスバット中に室温で24時間、含浸させることにより
製造することができる。また、本発明で用いたシリコン
ゴムポリマーとしては、たとえば信越化学工業株式会社
のRTV−500を挙げることができ、それ以外にも、
以下の化学構造式を有し、分子量10000〜1000
00程度のシリコンゴムポリマーならば、同様に使用す
ることができる。
【0010】
【0011】次に、浸漬した膜を取り出しテフロン板上
に乗せ、大気中 (30℃) で12時間、乾燥する。次に
膜を真空乾燥器に入れ、60℃、12時間乾燥して膜中
の溶媒を完全に除去する。これにより得られた膜は、P
TFE多孔膜の空孔内にシリコンゴムが充填された非多
孔膜である。全体の膜厚は、1〜10μmで、膜性状と
しては、しなやかさを持ち、シリコンゴム膜としての欠
点である物理的強度の低さが打ち消されている。本発明
によれば、膜性能を向上させる薄膜化とモジュール組み
立て時に要求される取扱性のふたつを両立した膜が作成
できた。
に乗せ、大気中 (30℃) で12時間、乾燥する。次に
膜を真空乾燥器に入れ、60℃、12時間乾燥して膜中
の溶媒を完全に除去する。これにより得られた膜は、P
TFE多孔膜の空孔内にシリコンゴムが充填された非多
孔膜である。全体の膜厚は、1〜10μmで、膜性状と
しては、しなやかさを持ち、シリコンゴム膜としての欠
点である物理的強度の低さが打ち消されている。本発明
によれば、膜性能を向上させる薄膜化とモジュール組み
立て時に要求される取扱性のふたつを両立した膜が作成
できた。
【0012】かかる分離回収膜を用いれば、塩素系有機
溶剤含有物、例えば水−塩素系有機溶剤混合物からパー
ベーパレーションによって塩素系有機溶剤を選択的に分
離することができる。また、本発明における塩素系有機
溶剤には、芳香族系塩素溶剤および脂肪族系塩素溶剤が
含まれ、たとえば、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−
ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロ
ロプロパン、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロ
エタン、テトラクロロエチレン、 1,1,1−トリクロロエ
タン、トリクロロエチレン、ジクロロベンゼン、ジクロ
ロトルエンなどが挙げられる。
溶剤含有物、例えば水−塩素系有機溶剤混合物からパー
ベーパレーションによって塩素系有機溶剤を選択的に分
離することができる。また、本発明における塩素系有機
溶剤には、芳香族系塩素溶剤および脂肪族系塩素溶剤が
含まれ、たとえば、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−
ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロ
ロプロパン、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロ
エタン、テトラクロロエチレン、 1,1,1−トリクロロエ
タン、トリクロロエチレン、ジクロロベンゼン、ジクロ
ロトルエンなどが挙げられる。
【0013】また、本発明における処理対象の水−塩素
系有機溶剤混合物には、半導体産業、クリーニング業
界、フロン製造業などの塩素系有機溶剤を扱う産業の排
水などがある。以下、本発明の方法を図1により説明す
る。まず、フランジ2、2間にシリコンゴム含浸PTF
E膜1をセットする。膜1の上の攪拌機付容器3に水−
塩素系有機溶剤混合物4を供給する。
系有機溶剤混合物には、半導体産業、クリーニング業
界、フロン製造業などの塩素系有機溶剤を扱う産業の排
水などがある。以下、本発明の方法を図1により説明す
る。まず、フランジ2、2間にシリコンゴム含浸PTF
E膜1をセットする。膜1の上の攪拌機付容器3に水−
塩素系有機溶剤混合物4を供給する。
【0014】次いで、真空ポンプ5を駆動して膜1の裏
側を減圧に保つ。すると、水−塩素系有機溶剤混合物4
中の塩素系有機溶剤が選択的に膜1に浸透し、膜1中に
拡散し、膜1の裏側に到達した塩素系有機溶剤は減圧に
より気化する。この気化した塩素系有機溶剤は冷却器6
によって冷却された冷却浴7に収容された受器8に補集
され、液化する。液化されなかった塩素系有機溶剤は更
に受器9で液化され、補集される。
側を減圧に保つ。すると、水−塩素系有機溶剤混合物4
中の塩素系有機溶剤が選択的に膜1に浸透し、膜1中に
拡散し、膜1の裏側に到達した塩素系有機溶剤は減圧に
より気化する。この気化した塩素系有機溶剤は冷却器6
によって冷却された冷却浴7に収容された受器8に補集
され、液化する。液化されなかった塩素系有機溶剤は更
に受器9で液化され、補集される。
【0015】なお、攪拌機付容器3において10はヒー
ターであり、11は容器3内の水−塩素系有機溶剤混合
物4の温度制御器であり、一方、12は膜1の裏側の減
圧センサー、13は冷却浴7内の温度制御器である。以
下、本発明の実施例を述べる。
ターであり、11は容器3内の水−塩素系有機溶剤混合
物4の温度制御器であり、一方、12は膜1の裏側の減
圧センサー、13は冷却浴7内の温度制御器である。以
下、本発明の実施例を述べる。
【0016】
実施例1
パーベーパレーション用分離膜1として、厚さ5μmの
PTFE膜にシリコンゴムを含浸させた膜を用い (膜面
積21.07cm2 ) 、前記図1に示した装置を用いて膜性
能を試験した。すなわち、図1に示すバッチ型パーベー
パレーション透過試験装置 (膜面積21.07cm2 ) を用
いた。膜性能は、膜1をフランジ型セル2にセットし、
膜の片面に300mlの溶剤を含む水溶液を、供給し、供
給された液をマグネチックスターラー15で攪拌した。
供給液の温度は、ヒーター10と温度制御11により3
0℃に保った。膜のもう一方の側は、真空ポンプ5によ
り真空にした。また、透過側は、真空センサー12とコ
ントロールバルブ14により真空に保った。膜を透過し
た透過物は、冷却機6で冷却された液体窒素を満たした
冷却層中のトラップ8および9で凝集させた。膜の透過
性能は、透過速度と分離係数により評価した。透過速度
Qは、単位時間に収集した透過物の量から式1により算
出した。また分離係数は、以下の式2から算出した。
PTFE膜にシリコンゴムを含浸させた膜を用い (膜面
積21.07cm2 ) 、前記図1に示した装置を用いて膜性
能を試験した。すなわち、図1に示すバッチ型パーベー
パレーション透過試験装置 (膜面積21.07cm2 ) を用
いた。膜性能は、膜1をフランジ型セル2にセットし、
膜の片面に300mlの溶剤を含む水溶液を、供給し、供
給された液をマグネチックスターラー15で攪拌した。
供給液の温度は、ヒーター10と温度制御11により3
0℃に保った。膜のもう一方の側は、真空ポンプ5によ
り真空にした。また、透過側は、真空センサー12とコ
ントロールバルブ14により真空に保った。膜を透過し
た透過物は、冷却機6で冷却された液体窒素を満たした
冷却層中のトラップ8および9で凝集させた。膜の透過
性能は、透過速度と分離係数により評価した。透過速度
Qは、単位時間に収集した透過物の量から式1により算
出した。また分離係数は、以下の式2から算出した。
【0017】
フィード液およびパーミエート液の塩素系有機溶剤濃度
の定量分析は、FIDガスクロマトグラフを用いて行な
った。塩素系有機溶剤の代表として 1,1,2−トリクロロ
エタン (以下TCEと略す)における本発明の膜の透過
速度Qおよび各有機物の分離係数αを表1に示す。
の定量分析は、FIDガスクロマトグラフを用いて行な
った。塩素系有機溶剤の代表として 1,1,2−トリクロロ
エタン (以下TCEと略す)における本発明の膜の透過
速度Qおよび各有機物の分離係数αを表1に示す。
【0018】
実施例2
塩素系有機溶剤として代表とされる 1,1,2−トリクロロ
エタンの広い濃度範囲における本発明の膜による性能試
験結果を以下に説明する。フィード側有機溶剤濃度に対
する透過量の関係を図2に示す。またフィード側有機溶
剤濃度に対する分離係数の関係を図3に示す。
エタンの広い濃度範囲における本発明の膜による性能試
験結果を以下に説明する。フィード側有機溶剤濃度に対
する透過量の関係を図2に示す。またフィード側有機溶
剤濃度に対する分離係数の関係を図3に示す。
【0019】図2に示されるように有機溶剤濃度が減少
するにつれて、透過量は減少した。また分離係数は、図
3に見られるように変化した。 実施例3 実施例1で用いた 1,1,2−トリクロロエタン以外に、本
発明の膜で一連の塩素系有機溶剤/水系について膜性能
試験を行なった。試験方法は、実施例1の試験方法と同
様である。以下にその対象溶媒および試験結果を表2に
記す。
するにつれて、透過量は減少した。また分離係数は、図
3に見られるように変化した。 実施例3 実施例1で用いた 1,1,2−トリクロロエタン以外に、本
発明の膜で一連の塩素系有機溶剤/水系について膜性能
試験を行なった。試験方法は、実施例1の試験方法と同
様である。以下にその対象溶媒および試験結果を表2に
記す。
【0020】
実施例4
本発明の方法を活性汚泥法と組合せた場合を図4に示
す。化学工場または半導体工場20におけるトリクロロ
エタン含有排水21から、本発明の方法によりパーベー
パレーション用分離膜22を用いる浸透気化法によりト
リクロロエタンを分離した。パーベーパレーション処理
前の排水21の流量は100kg/hr、排水中のトリクロ
ロエタン濃度は1000ppm であり、浸透気化処理後の
排水流量は94.1kg/hr処理後の排水中のトリクロロエ
タン濃度は1ppm に低下した。この処理ずみ排水を活性
汚泥処理槽23に供給し、排水中に残存するトリクロロ
エタンを活性汚泥により除去した。
す。化学工場または半導体工場20におけるトリクロロ
エタン含有排水21から、本発明の方法によりパーベー
パレーション用分離膜22を用いる浸透気化法によりト
リクロロエタンを分離した。パーベーパレーション処理
前の排水21の流量は100kg/hr、排水中のトリクロ
ロエタン濃度は1000ppm であり、浸透気化処理後の
排水流量は94.1kg/hr処理後の排水中のトリクロロエ
タン濃度は1ppm に低下した。この処理ずみ排水を活性
汚泥処理槽23に供給し、排水中に残存するトリクロロ
エタンを活性汚泥により除去した。
【0021】一方、分離膜22で分離されたトリクロロ
エタンは流量5.84kg/hr、濃度1.71wt%であり、蒸
留塔24に供給して更にトリクロロエタン濃度を高めた
後に、更に水を浸透気化させて分離する装置25を用い
てトリクロロエタンを精製し、得られた回収トリクロロ
エタンを再び工場20で使用に供した。また、活性汚泥
処理槽23からの排水および汚泥を分離槽26において
汚泥27と排水28に分離し、排水28はそのまま廃棄
しても良いし、またはROユニットによって更に精製し
た後に再生水として工場20に提供しても良い。また仕
様によっては、分離膜装置だけでも排水処理が可能にな
る。
エタンは流量5.84kg/hr、濃度1.71wt%であり、蒸
留塔24に供給して更にトリクロロエタン濃度を高めた
後に、更に水を浸透気化させて分離する装置25を用い
てトリクロロエタンを精製し、得られた回収トリクロロ
エタンを再び工場20で使用に供した。また、活性汚泥
処理槽23からの排水および汚泥を分離槽26において
汚泥27と排水28に分離し、排水28はそのまま廃棄
しても良いし、またはROユニットによって更に精製し
た後に再生水として工場20に提供しても良い。また仕
様によっては、分離膜装置だけでも排水処理が可能にな
る。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明の方法によれ
ば、塩素系有機溶剤含有物から有機物を効率的及び選択
的にパーベーパレーション法で分離することができ、し
かも膜の耐久性が優れているので、半永久的に工業的に
実施することができる。更に本発明の方法においては、
ポリテトラフロロエチレンにシリコンゴムを含浸させた
分離膜を用いるので、塩素系有機溶剤を高い分離係数を
維持しつつ、大きい透過速度、広い濃度範囲で効率良く
浸透気化法で分離することができる。このため分離装置
のコンパクト化、合理化、処理能力の増大、低コスト化
が計られ、化学工業などの分離精製のプロセスの短縮化
や省エネルギー化への膜分離方法の実用化に有効であ
り、産業上の有用性が、極めて大である。
ば、塩素系有機溶剤含有物から有機物を効率的及び選択
的にパーベーパレーション法で分離することができ、し
かも膜の耐久性が優れているので、半永久的に工業的に
実施することができる。更に本発明の方法においては、
ポリテトラフロロエチレンにシリコンゴムを含浸させた
分離膜を用いるので、塩素系有機溶剤を高い分離係数を
維持しつつ、大きい透過速度、広い濃度範囲で効率良く
浸透気化法で分離することができる。このため分離装置
のコンパクト化、合理化、処理能力の増大、低コスト化
が計られ、化学工業などの分離精製のプロセスの短縮化
や省エネルギー化への膜分離方法の実用化に有効であ
り、産業上の有用性が、極めて大である。
【図1】本発明分離回収方法の実施例を示す工程図であ
る。
る。
【図2】本発明の方法によるトリクロロエタンの供給濃
度と透過量との関係を示す図である。
度と透過量との関係を示す図である。
【図3】本発明の方法によるトリクロロエタンの供給濃
度と分離係数との関係を示す図である。
度と分離係数との関係を示す図である。
【図4】本発明の方法を活性汚泥処理法と組合せて使用
した実施例を示す工程図である。
した実施例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 シリコンゴム含浸ポリテトラフロロエチレン膜
4 水−塩素系有機溶剤混合物 5 真空ポンプ
8, 9 トラップ
Claims (2)
- 【請求項1】 孔径0.1〜1μm、空孔率30〜80%
の細孔を有する多孔質ポリテトラフロロエチレン膜の細
孔内にシリコンゴムが充填されてなる塩素系有機溶剤の
分離回収膜。 - 【請求項2】多孔質ポリテトラフロロエチレン膜にシリ
コンゴムを含浸させてなる膜を用い水−塩素系有機溶剤
混合物からパーベーパレーションにより該塩素系有機溶
剤を分離回収することを特徴とする塩素系有機溶剤の分
離回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17248791A JPH0515749A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 塩素系有機溶剤の分離回収膜およびその膜を用いる塩素系有機溶剤の分離回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17248791A JPH0515749A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 塩素系有機溶剤の分離回収膜およびその膜を用いる塩素系有機溶剤の分離回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0515749A true JPH0515749A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=15942899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17248791A Withdrawn JPH0515749A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 塩素系有機溶剤の分離回収膜およびその膜を用いる塩素系有機溶剤の分離回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0515749A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6814875B2 (en) | 2000-10-06 | 2004-11-09 | Yamaha Corporation | Method and device for treating waste liquid, solvent separator, and cleaning device using thereof |
US7011776B2 (en) | 2000-04-28 | 2006-03-14 | Tanabe Seiman Co., Ltd. | Method and apparatus for preparing microspheres |
US7252760B2 (en) | 2001-10-25 | 2007-08-07 | Yamaha Corporation | Waste liquid processing method and waste liquid processing apparatus using the same |
JP2009066530A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Mitsubishi Chemical Engineering Corp | Vocの回収装置 |
-
1991
- 1991-07-12 JP JP17248791A patent/JPH0515749A/ja not_active Withdrawn
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