JPH05157385A - 熱ガス機関 - Google Patents
熱ガス機関Info
- Publication number
- JPH05157385A JPH05157385A JP32472791A JP32472791A JPH05157385A JP H05157385 A JPH05157385 A JP H05157385A JP 32472791 A JP32472791 A JP 32472791A JP 32472791 A JP32472791 A JP 32472791A JP H05157385 A JPH05157385 A JP H05157385A
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- Japan
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- temperature side
- gas
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 冷暖房能力と熱効率の向上を図った熱ガス機
関を提供する。 【構成】 熱ガス機関における中温室５のガス移動容積
を高温室４のガス移動容積よりも大きく設定したことに
より、吸熱行程において作動ガスの圧力の低下度合が大
きくなって冷房能力が向上し、一方、放熱行程において
作動ガスの圧力の上昇度合が大きくなって暖房能力が向
上し、且つ高温側熱交換器１０での吸熱量が中温室５に
おけるガス移動容積の増大にかかわらず略一定であるた
め、熱効率が向上する。
関を提供する。 【構成】 熱ガス機関における中温室５のガス移動容積
を高温室４のガス移動容積よりも大きく設定したことに
より、吸熱行程において作動ガスの圧力の低下度合が大
きくなって冷房能力が向上し、一方、放熱行程において
作動ガスの圧力の上昇度合が大きくなって暖房能力が向
上し、且つ高温側熱交換器１０での吸熱量が中温室５に
おけるガス移動容積の増大にかかわらず略一定であるた
め、熱効率が向上する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は低温熱源、中温熱源およ
び高温熱源の間で作動ガスが移動することにより、高温
熱源から得た熱エネルギ（熱仕事）によって、高温熱源
と低温熱源から吸熱し、中温熱源への放熱を行う熱ガス
機関に関するものである。
び高温熱源の間で作動ガスが移動することにより、高温
熱源から得た熱エネルギ（熱仕事）によって、高温熱源
と低温熱源から吸熱し、中温熱源への放熱を行う熱ガス
機関に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】熱ガス機関は、高温および低温の二つの
ディスプレーサ（作動ガスを移動させるもの）を有し、
それぞれのディスプレーサが関与する領域によって、高
温部と低温部に分割される。高温部と低温部において
は、ディスプレーサの作動によって作動ガスの移動が生
じ、このガス移動による容積変化に相当する部分を作動
室と称すれば、各部には二つの作動室が存在し、これら
の作動室の内の一つは中温熱源と同等の温度レベルにあ
り、ここでは中温室と定義する。同様に、高温熱源と同
等の温度レベルにある作動室を高温室、低温熱源と同等
の温度レベルにある作動室を低温室と定義する。
ディスプレーサ（作動ガスを移動させるもの）を有し、
それぞれのディスプレーサが関与する領域によって、高
温部と低温部に分割される。高温部と低温部において
は、ディスプレーサの作動によって作動ガスの移動が生
じ、このガス移動による容積変化に相当する部分を作動
室と称すれば、各部には二つの作動室が存在し、これら
の作動室の内の一つは中温熱源と同等の温度レベルにあ
り、ここでは中温室と定義する。同様に、高温熱源と同
等の温度レベルにある作動室を高温室、低温熱源と同等
の温度レベルにある作動室を低温室と定義する。
【０００３】幾何学的に求められるこれらの作動室の仕
事は、それぞれの容積変化と作動空間（機関全体）内の
一様な圧力変動によって、高温室では膨張仕事、高温部
の中温室では圧縮仕事、また低温室では膨張仕事、低温
部の中温室では圧縮仕事となる。
事は、それぞれの容積変化と作動空間（機関全体）内の
一様な圧力変動によって、高温室では膨張仕事、高温部
の中温室では圧縮仕事、また低温室では膨張仕事、低温
部の中温室では圧縮仕事となる。
【０００４】かかる熱ガス機関では、三つの熱源間で熱
移動が生じるだけであるため、動作原理上、高温部およ
び低温部における二つのガス移動容積は一致し、高温部
の膨張仕事と圧縮仕事および低温部の膨張仕事と圧縮仕
事の絶対量はそれぞれ等しくなる。実際の機関において
は、特開昭６３−３１１０５０号公報に示されるよう
に、ディスプレーサを駆動するためのロッドが設けられ
ているが、このロッドの体積変化を含めて考えれば、高
温部と低温部のガス移動容積はそれぞれ等しくなるよう
に設定されているのが一般的であった。
移動が生じるだけであるため、動作原理上、高温部およ
び低温部における二つのガス移動容積は一致し、高温部
の膨張仕事と圧縮仕事および低温部の膨張仕事と圧縮仕
事の絶対量はそれぞれ等しくなる。実際の機関において
は、特開昭６３−３１１０５０号公報に示されるよう
に、ディスプレーサを駆動するためのロッドが設けられ
ているが、このロッドの体積変化を含めて考えれば、高
温部と低温部のガス移動容積はそれぞれ等しくなるよう
に設定されているのが一般的であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記公報で提示の装置
は、高温側ディスプレーサと低温側ディスプレーサのロ
ッドの径を変えることにより、高温部と低温部とを合計
した総容積を変化させ、この変化と封入された作動ガス
の圧力変化とによって軸出力のみを増大させるようにし
たものであった。
は、高温側ディスプレーサと低温側ディスプレーサのロ
ッドの径を変えることにより、高温部と低温部とを合計
した総容積を変化させ、この変化と封入された作動ガス
の圧力変化とによって軸出力のみを増大させるようにし
たものであった。
【０００６】本発明は高温部のガス移動容積に着目し、
中温室のガス移動容積を高温室のガス移動容積よりも大
きく設定することにより、冷暖房能力と熱効率の向上を
図った熱ガス機関を提供することを目的としたものであ
る。
中温室のガス移動容積を高温室のガス移動容積よりも大
きく設定することにより、冷暖房能力と熱効率の向上を
図った熱ガス機関を提供することを目的としたものであ
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、作動ガスが封入されたシリンダと、この
シリンダ内を高温室と中温室と低温室とに区画する高温
側ディスプレーサ及び低温側ディスプレーサと、高温室
と中温室とをつなぐガス流路に配置された作動ガス加熱
用の高温側熱交換器と高温側再生器及び中温側熱交換器
と、低温室と中温室とをつなぐガス流路に配置された低
温側熱交換器と低温側再生器及び中温側熱交換器とから
成る熱ガス機関において、前記中温室のガス移動容積を
前記高温室のガス移動容積よりも大きく設定するように
したものである。
決するために、作動ガスが封入されたシリンダと、この
シリンダ内を高温室と中温室と低温室とに区画する高温
側ディスプレーサ及び低温側ディスプレーサと、高温室
と中温室とをつなぐガス流路に配置された作動ガス加熱
用の高温側熱交換器と高温側再生器及び中温側熱交換器
と、低温室と中温室とをつなぐガス流路に配置された低
温側熱交換器と低温側再生器及び中温側熱交換器とから
成る熱ガス機関において、前記中温室のガス移動容積を
前記高温室のガス移動容積よりも大きく設定するように
したものである。
【０００８】
【作用】本発明では中温室のガス移動容積が高温室のガ
ス移動容積よりも大きく設定されているため、低温室で
の吸熱行程において作動ガスの圧力の低下度合が大きく
なることにより、低温側熱交換器での吸熱量が増大して
冷房能力が向上すると共に、低温部中温側熱交換器での
放熱行程において作動ガスの圧力の上昇度合が大きくな
ることにより、中温側熱交換器での放熱量が増大して暖
房能力が向上し、且つ、高温側熱交換器での吸熱量は中
温室におけるガス移動容積の増大にかかわらず略一定で
あるため、成績係数が向上する。
ス移動容積よりも大きく設定されているため、低温室で
の吸熱行程において作動ガスの圧力の低下度合が大きく
なることにより、低温側熱交換器での吸熱量が増大して
冷房能力が向上すると共に、低温部中温側熱交換器での
放熱行程において作動ガスの圧力の上昇度合が大きくな
ることにより、中温側熱交換器での放熱量が増大して暖
房能力が向上し、且つ、高温側熱交換器での吸熱量は中
温室におけるガス移動容積の増大にかかわらず略一定で
あるため、成績係数が向上する。
【０００９】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は本発明の熱ガス機関の概念図であり、１，２は作
動ガス（ヘリウムガスや水素ガス等）が封入された高温
側シリンダ及び低温側シリンダ、３は高温側シリンダ１
内を高温室４と高温側中温室５とに区画する高温側ディ
スプレーサ、６は低温側シリンダ２内を低温室７と低温
側中温室８とに区画する低温側ディスプレーサである。
図１は本発明の熱ガス機関の概念図であり、１，２は作
動ガス（ヘリウムガスや水素ガス等）が封入された高温
側シリンダ及び低温側シリンダ、３は高温側シリンダ１
内を高温室４と高温側中温室５とに区画する高温側ディ
スプレーサ、６は低温側シリンダ２内を低温室７と低温
側中温室８とに区画する低温側ディスプレーサである。
【００１０】９は高温室４と高温側中温室５とをつなぐ
高温側ガス流路で、作動ガス加熱用の高温側熱交換器１
０と高温側再生器１１及び高温部中温側熱交換器１２と
が配置されている。
高温側ガス流路で、作動ガス加熱用の高温側熱交換器１
０と高温側再生器１１及び高温部中温側熱交換器１２と
が配置されている。
【００１１】１３は低温室７と低温側中温室８とをつな
ぐ低温側ガス流路で、低温側熱交換器１４と低温側再生
器１５及び低温部中温側熱交換器１６とが配置されてい
る。
ぐ低温側ガス流路で、低温側熱交換器１４と低温側再生
器１５及び低温部中温側熱交換器１６とが配置されてい
る。
【００１２】１７は高温側中温室５と低温側中温室８と
を連通させる連通路である。
を連通させる連通路である。
【００１３】そして、高温側中温室５のガス移動容積が
高温室４のガス移動容積よりも大きく設定されており、
図１ではこの高温側中温室５の増分容積を既に含めたも
のとして表わしているが、この増分容積変化と高温側中
温室５の容積変化との位相は同位相に限定されるもので
はなく、また、増分容積を付加する機構を別途設けるこ
とも可能である。
高温室４のガス移動容積よりも大きく設定されており、
図１ではこの高温側中温室５の増分容積を既に含めたも
のとして表わしているが、この増分容積変化と高温側中
温室５の容積変化との位相は同位相に限定されるもので
はなく、また、増分容積を付加する機構を別途設けるこ
とも可能である。
【００１４】すなわち、本発明では、本発明による効果
を得るために高温室４と中温室５，８とにおけるサイク
ル上での作動ガス移動容積が規定される。
を得るために高温室４と中温室５，８とにおけるサイク
ル上での作動ガス移動容積が規定される。
【００１５】尚、低温および高温ディスプレーサ６，３
の位相は９０°に限定されるものではなく、両シリンダ
１，２の内径についても同一である必要はない。
の位相は９０°に限定されるものではなく、両シリンダ
１，２の内径についても同一である必要はない。
【００１６】ここで、本発明におけるガス移動容積につ
いて、動作原理上、以下のとおり定義する。
いて、動作原理上、以下のとおり定義する。
【００１７】熱ガス機関は、三つの熱源（高温、中温お
よび低温）の間で作動し、主として熱源間での熱移動を
生じるものであるが、この熱移動は二つの熱的な作用
（一次熱作用、二次熱作用と称する）によって可能とな
る。すなわち、熱ガス機関を高温部（高温室４，高温側
中温室５，高温側再生器１１等）と低温部（低温室７，
低温側中温室８，低温側再生器１５等）に分離すると、
ディスプレーサ３，６動作による作動ガスの移動によっ
て、当該の熱源温度と同レベルの温度に作動ガスが変化
する場合の熱的な作用が一次熱作用（再生器１１，１５
による効果）であり、このときに、構造的に設定された
ディスプレーサ３，６の位相によりディスプレーサが静
止しているため作動ガスの移動がない作動室内での上記
一次熱作用によって生じる作動ガスと熱源との熱交換が
二次熱作用である。
よび低温）の間で作動し、主として熱源間での熱移動を
生じるものであるが、この熱移動は二つの熱的な作用
（一次熱作用、二次熱作用と称する）によって可能とな
る。すなわち、熱ガス機関を高温部（高温室４，高温側
中温室５，高温側再生器１１等）と低温部（低温室７，
低温側中温室８，低温側再生器１５等）に分離すると、
ディスプレーサ３，６動作による作動ガスの移動によっ
て、当該の熱源温度と同レベルの温度に作動ガスが変化
する場合の熱的な作用が一次熱作用（再生器１１，１５
による効果）であり、このときに、構造的に設定された
ディスプレーサ３，６の位相によりディスプレーサが静
止しているため作動ガスの移動がない作動室内での上記
一次熱作用によって生じる作動ガスと熱源との熱交換が
二次熱作用である。
【００１８】したがって、高温部の一次熱作用は低温部
の二次熱作用を誘起し、反対に低温部の一次熱作用は高
温部の二次熱作用を誘起する。本発明におけるガス移動
容積とは、このような二次熱作用を誘起する各行程での
一次熱作用に関与している作動ガス移動量のことであ
り、各熱源と同等の温度レベルにある作動ガスの移動量
を意味している。
の二次熱作用を誘起し、反対に低温部の一次熱作用は高
温部の二次熱作用を誘起する。本発明におけるガス移動
容積とは、このような二次熱作用を誘起する各行程での
一次熱作用に関与している作動ガス移動量のことであ
り、各熱源と同等の温度レベルにある作動ガスの移動量
を意味している。
【００１９】上記の説明は動作原理上での考え方であ
り、実際の機関においては、作動ガスの移動に関与する
ディスプレーサ３，６や別途補助シリンダ（後述する）
を追加する場合に必要となるピストンはおおむね正弦波
状に動作するため、作動ガスの移動や静止状態は上記説
明のように明確ではない。
り、実際の機関においては、作動ガスの移動に関与する
ディスプレーサ３，６や別途補助シリンダ（後述する）
を追加する場合に必要となるピストンはおおむね正弦波
状に動作するため、作動ガスの移動や静止状態は上記説
明のように明確ではない。
【００２０】しかし、ディスプレーサ３，６やピストン
（後述する）動作による容積変化の位相から、それらの
容積変化がどの行程の一次熱作用に関与するかというこ
とは判別可能であり、また、ガス移動容積については、
当該の熱源と同等の温度レベルにある作動ガスの各行程
での最大容積と最小容積との差として求められる。
（後述する）動作による容積変化の位相から、それらの
容積変化がどの行程の一次熱作用に関与するかというこ
とは判別可能であり、また、ガス移動容積については、
当該の熱源と同等の温度レベルにある作動ガスの各行程
での最大容積と最小容積との差として求められる。
【００２１】図２は高温側中温室５のガス移動容積を高
温室４のガス移動容積よりも大きくするために、高温側
中温室５に上述の如く増分容積を付加する機能として、
高温側中温室５にピストン１８を有する補助シリンダ１
９を設けた第１の実施例であり、図１と同一の構成部品
は同一符号を付して説明は省略する。
温室４のガス移動容積よりも大きくするために、高温側
中温室５に上述の如く増分容積を付加する機能として、
高温側中温室５にピストン１８を有する補助シリンダ１
９を設けた第１の実施例であり、図１と同一の構成部品
は同一符号を付して説明は省略する。
【００２２】尚、上述の増分容積の大きさや位相及び補
助シリンダ１９の取付位置は図２に限定されるものでは
ない。
助シリンダ１９の取付位置は図２に限定されるものでは
ない。
【００２３】図３は図２における高温側ディスプレーサ
３と低温側ディスプレーサ６とピストン１８との作動行
程と、作動空間内の概略的な圧力変動を示したもので、
低温側ディスプレーサ６の変位（第１行程）によって低
温室７内の作動ガスが低温側中温室８に移動し、作動空
間内の圧力が実線の如く上昇する。
３と低温側ディスプレーサ６とピストン１８との作動行
程と、作動空間内の概略的な圧力変動を示したもので、
低温側ディスプレーサ６の変位（第１行程）によって低
温室７内の作動ガスが低温側中温室８に移動し、作動空
間内の圧力が実線の如く上昇する。
【００２４】尚、破線は補助シリンダ１９を設けない従
来の熱ガス機関の圧力を示したもので、実線で示す圧力
が破線で示す圧力よりも低くなっているのはピストン１
８が図３において右端に位置し補助シリンダ１９の内容
積分だけ高温側中温室５のガス移動容積が増えているか
らである。
来の熱ガス機関の圧力を示したもので、実線で示す圧力
が破線で示す圧力よりも低くなっているのはピストン１
８が図３において右端に位置し補助シリンダ１９の内容
積分だけ高温側中温室５のガス移動容積が増えているか
らである。
【００２５】このときに、高温側中温室５にある作動ガ
スの温度が上昇して熱源との温度差が生じるため、高温
部中温側熱交換器１２より熱量ＱMHを放出する。
スの温度が上昇して熱源との温度差が生じるため、高温
部中温側熱交換器１２より熱量ＱMHを放出する。
【００２６】そして、高温側ディスプレーサ３の変位
（第２行程）によって高温側中温室５から高温室４に作
動ガスが移動し、作動空間内の圧力が実線の如く上昇す
る。
（第２行程）によって高温側中温室５から高温室４に作
動ガスが移動し、作動空間内の圧力が実線の如く上昇す
る。
【００２７】この上昇度合が破線で示す圧力よりも大き
いのはピストン１８が図３において左端に移行して補助
シリンダ１９の内容積が零になっているからであり、こ
のとき低温側中温室８にある作動ガスの温度が上昇して
低温部中温側熱交換器１６から放出される放熱量ＱMCは
この圧力の上昇度合が大きくなることにより増大し、こ
の低温部中温側熱交換器１６で加熱された媒体と高温部
中温側熱交換器１２で加熱された媒体とを暖房用熱源と
して利用することにより高い暖房能力を得ることができ
る。
いのはピストン１８が図３において左端に移行して補助
シリンダ１９の内容積が零になっているからであり、こ
のとき低温側中温室８にある作動ガスの温度が上昇して
低温部中温側熱交換器１６から放出される放熱量ＱMCは
この圧力の上昇度合が大きくなることにより増大し、こ
の低温部中温側熱交換器１６で加熱された媒体と高温部
中温側熱交換器１２で加熱された媒体とを暖房用熱源と
して利用することにより高い暖房能力を得ることができ
る。
【００２８】次に、低温側ディスプレーサ６の変位（第
３行程）によって低温側中温室８から低温室７に作動ガ
スが移動し、作動空間内の圧力が実線の如く低下する。
３行程）によって低温側中温室８から低温室７に作動ガ
スが移動し、作動空間内の圧力が実線の如く低下する。
【００２９】このように実線の如く圧力が低下するのは
ピストン１８が左端に位置したままであり、補助シリン
ダ１９の内容積が零になっているからである。
ピストン１８が左端に位置したままであり、補助シリン
ダ１９の内容積が零になっているからである。
【００３０】このときに、高温室４にある作動ガスの温
度が低下して高温側熱交換器１０で熱量ＱHを吸入す
る。
度が低下して高温側熱交換器１０で熱量ＱHを吸入す
る。
【００３１】更に、高温側ディスプレーサ３の変位（第
４行程）によって高温室４の作動ガスが高温側中温室５
に移動し、作動空間内の圧力が実線の如く低下する。
４行程）によって高温室４の作動ガスが高温側中温室５
に移動し、作動空間内の圧力が実線の如く低下する。
【００３２】この低下度合が破線よりも大きいのはピス
トン１８が右端に移行して補助シリンダ１９の内容積分
だけ高温側中温室５のガス移動容積が増えているからで
あり、このとき低温室７にある作動ガスの温度が低下し
て低温側熱交換器１４で吸入される吸熱量ＱCはこの圧
力の低下度合が大きくなることにより増大し、この低温
側熱交換器１４で冷却された媒体を冷房用熱源として利
用することにより高い冷房能力を得ることができる。
トン１８が右端に移行して補助シリンダ１９の内容積分
だけ高温側中温室５のガス移動容積が増えているからで
あり、このとき低温室７にある作動ガスの温度が低下し
て低温側熱交換器１４で吸入される吸熱量ＱCはこの圧
力の低下度合が大きくなることにより増大し、この低温
側熱交換器１４で冷却された媒体を冷房用熱源として利
用することにより高い冷房能力を得ることができる。
【００３３】このように、吸熱量ＱCと放熱量ＱMCとが
増大するのに対し、高温側熱交換器１０での吸熱量ＱH
は高温側中温室５におけるガス移動容積の増大にかかわ
らず略一定であるため、成績係数は向上する。
増大するのに対し、高温側熱交換器１０での吸熱量ＱH
は高温側中温室５におけるガス移動容積の増大にかかわ
らず略一定であるため、成績係数は向上する。
【００３４】図４は各部位における作動ガス温度をサイ
クル中一定とし、各作動室の容積が正弦波状に変化する
ものと仮定した簡易的な計算式〔日本機械学会論文集
（Ｂ編）５７巻５４２号（１９９１−１０）、論文Ｎｏ
９１−０３７３Ａ参照〕に、本発明におけるガス移動容
積を加味して求めた機関性能であり、低温側熱交換器１
４での吸熱量ＱCと低温部中温側熱交換器１６での放熱
量ＱMCが増大し、冷房成績係数ＣＯＰC（ＱC／ＱH）及
び暖房成績係数ＣＯＰC〔（ＱMH＋ＱMC）／ＱH〕が（Ｖ
MH＋ΔＶ）／ＶMH＞１（但し、ＶMHは高温側中温室５の
ガス移動容積、ΔＶは補助シリンダ１９による増分容積
を示す）において高いことがわかる。
クル中一定とし、各作動室の容積が正弦波状に変化する
ものと仮定した簡易的な計算式〔日本機械学会論文集
（Ｂ編）５７巻５４２号（１９９１−１０）、論文Ｎｏ
９１−０３７３Ａ参照〕に、本発明におけるガス移動容
積を加味して求めた機関性能であり、低温側熱交換器１
４での吸熱量ＱCと低温部中温側熱交換器１６での放熱
量ＱMCが増大し、冷房成績係数ＣＯＰC（ＱC／ＱH）及
び暖房成績係数ＣＯＰC〔（ＱMH＋ＱMC）／ＱH〕が（Ｖ
MH＋ΔＶ）／ＶMH＞１（但し、ＶMHは高温側中温室５の
ガス移動容積、ΔＶは補助シリンダ１９による増分容積
を示す）において高いことがわかる。
【００３５】図５はピストン１８を有する補助シリンダ
１９を高温室４に設けて高温室４のガス移動容積を逆に
減少させることにより、高温側中温室５のガス移動容積
を高温室４のガス移動容積よりも大きく設定した第２の
実施例であり、この場合には高温側ディスプレーサ３の
変位（第２行程）によって作動空間内の圧力が実線の如
く上昇して低温部中温側熱交換器１６から放出される放
熱量ＱMCが増大し、この低温部中温側熱交換器１６で加
熱された媒体と高温部中温側熱交換器１２で加熱された
媒体とを暖房用熱源として利用することにより高い暖房
能力を得ることができる。
１９を高温室４に設けて高温室４のガス移動容積を逆に
減少させることにより、高温側中温室５のガス移動容積
を高温室４のガス移動容積よりも大きく設定した第２の
実施例であり、この場合には高温側ディスプレーサ３の
変位（第２行程）によって作動空間内の圧力が実線の如
く上昇して低温部中温側熱交換器１６から放出される放
熱量ＱMCが増大し、この低温部中温側熱交換器１６で加
熱された媒体と高温部中温側熱交換器１２で加熱された
媒体とを暖房用熱源として利用することにより高い暖房
能力を得ることができる。
【００３６】又、高温側ディスプレーサ３の変位（第４
行程）によって作動空間内の圧力が実線の如く低下して
低温側熱交換器１４で吸入される吸熱量ＱCが増大し、
この低温側熱交換器１４で冷却された媒体を冷房用熱源
として利用することにより高い冷房能力を得ることがで
きる。
行程）によって作動空間内の圧力が実線の如く低下して
低温側熱交換器１４で吸入される吸熱量ＱCが増大し、
この低温側熱交換器１４で冷却された媒体を冷房用熱源
として利用することにより高い冷房能力を得ることがで
きる。
【００３７】図６は図４と同様にして求めた機関性能で
あり、成績係数ＣＯＰC，ＣＯＰHが（ＶH＋ΔＶ）／ＶH
＜１（但し、ＶHは高温室４のガス移動容積を示す）に
おいて高いことがわかる。
あり、成績係数ＣＯＰC，ＣＯＰHが（ＶH＋ΔＶ）／ＶH
＜１（但し、ＶHは高温室４のガス移動容積を示す）に
おいて高いことがわかる。
【００３８】尚、第１の実施例においては補助シリンダ
１９を高温側中温室５に設けたが、この代わりに高温側
中温室５と連通している低温側中温室８に設けても良
い。このように、本発明は各行程での一次熱作用に関与
するガス移動容積を規定するものであり、本発明による
効果を得るための具体的な構造に限定されるものではな
い。
１９を高温側中温室５に設けたが、この代わりに高温側
中温室５と連通している低温側中温室８に設けても良
い。このように、本発明は各行程での一次熱作用に関与
するガス移動容積を規定するものであり、本発明による
効果を得るための具体的な構造に限定されるものではな
い。
【００３９】
【発明の効果】本発明によれば、三つの熱源（高温、中
温、低温）で動作する熱ガス機関において、低温熱源か
らの吸熱を誘起する一次熱作用に関与する中温熱源の温
度レベルにある中温室のガス移動容積を同高温熱源の温
度レベルにある高温室のガス移動容積よりも大きく設定
したので、低温熱源からの吸熱行程で作動ガスの圧力の
低下度合が大きくなることにより吸熱量が増えるため冷
房能力を向上させることができ、一方、中温熱源への放
熱行程で作動ガスの圧力の上昇度合が大きくなることに
より放熱量が増えるため暖房能力を向上させることがで
きる。
温、低温）で動作する熱ガス機関において、低温熱源か
らの吸熱を誘起する一次熱作用に関与する中温熱源の温
度レベルにある中温室のガス移動容積を同高温熱源の温
度レベルにある高温室のガス移動容積よりも大きく設定
したので、低温熱源からの吸熱行程で作動ガスの圧力の
低下度合が大きくなることにより吸熱量が増えるため冷
房能力を向上させることができ、一方、中温熱源への放
熱行程で作動ガスの圧力の上昇度合が大きくなることに
より放熱量が増えるため暖房能力を向上させることがで
きる。
【００４０】しかも、このように吸熱量及び放熱量が増
大するのに対し高温熱源からの吸熱量が中温室における
ガス移動容積の増大にかかわらず略一定であるため、成
績係数が上がり、熱効率を向上させることができる。
大するのに対し高温熱源からの吸熱量が中温室における
ガス移動容積の増大にかかわらず略一定であるため、成
績係数が上がり、熱効率を向上させることができる。
【図１】本発明の熱ガス機関の概念図である。
【図２】第１の実施例を示す熱ガス機関の説明図であ
る。
る。
【図３】第１の実施例における熱ガス機関の行程図であ
る。
る。
【図４】第１の実施例における機関性能図である。
【図５】第２の実施例における熱ガス機関の行程図であ
る。
る。
【図６】第２の実施例における機関性能図である。
１ 高温側シリンダ ２ 低温側シリンダ ３ 高温側ディスプレーサ ４ 高温室 ５ 高温側中温室 ６ 低温側ディスプレーサ ７ 低温室 ８ 低温側中温室 １０ 高温側熱交換器 １１ 高温側再生器 １２ 高温部中温側熱交換器 １４ 低温側熱交換器 １５ 低温側再生器 １６ 低温部中温側熱交換器 １８ ピストン １９ 補助シリンダ
Claims (1)
- 【請求項１】 作動ガスが封入されたシリンダと、この
シリンダ内を高温室と中温室と低温室とに区画する高温
側ディスプレーサ及び低温側ディスプレーサと、高温室
と中温室とをつなぐガス流路に配置された作動ガス加熱
用の高温側熱交換器と高温側再生器及び中温側熱交換器
と、低温室と中温室とをつなぐガス流路に配置された低
温側熱交換器と低温側再生器及び中温側熱交換器とから
成る熱ガス機関において、前記中温室のガス移動容積を
前記高温室のガス移動容積よりも大きく設定したことを
特徴とする熱ガス機関。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3324727A JP3043153B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 熱ガス機関 |
| US07/987,215 US5400599A (en) | 1991-12-09 | 1992-12-08 | Hot gas machine |
| CN92114812A CN1042256C (zh) | 1991-12-09 | 1992-12-09 | 热气机 |
| DE19924241463 DE4241463A1 (en) | 1991-12-09 | 1992-12-09 | Stirling motor with three heat sources at different temperatures - has cylinder divided into high, medium and low temperature chambers, and has variable gas displacement volumes in high and medium temp. parts |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3324727A JP3043153B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 熱ガス機関 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05157385A true JPH05157385A (ja) | 1993-06-22 |
| JP3043153B2 JP3043153B2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=18169031
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3324727A Expired - Fee Related JP3043153B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 熱ガス機関 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3043153B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20170043713A (ko) * | 2015-10-13 | 2017-04-24 | 경북대학교 산학협력단 | 가스 스프링을 이용한 벌마이어 히트 펌프 |
| KR20170043722A (ko) * | 2015-10-13 | 2017-04-24 | 경북대학교 산학협력단 | 벌마이어 히트 펌프 |
-
1991
- 1991-12-09 JP JP3324727A patent/JP3043153B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20170043713A (ko) * | 2015-10-13 | 2017-04-24 | 경북대학교 산학협력단 | 가스 스프링을 이용한 벌마이어 히트 펌프 |
| KR20170043722A (ko) * | 2015-10-13 | 2017-04-24 | 경북대학교 산학협력단 | 벌마이어 히트 펌프 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3043153B2 (ja) | 2000-05-22 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |