JPH05157386A - 熱ガス機関 - Google Patents

熱ガス機関

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JPH05157386A
JPH05157386A JP32577591A JP32577591A JPH05157386A JP H05157386 A JPH05157386 A JP H05157386A JP 32577591 A JP32577591 A JP 32577591A JP 32577591 A JP32577591 A JP 32577591A JP H05157386 A JPH05157386 A JP H05157386A
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low temperature
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chamber
gas
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Hiroshi Sekiya
弘志 関谷
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雅久 大竹
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱効率の向上を図った熱ガス機関を提供す
る。 【構成】 熱ガス機関における中温室5のガス移動容積
を低温室7のガス移動容積よりも大きく設定したことに
より、高温側熱交換器10での吸熱量と高温部中温側熱
交換器12での放熱量が減少するが、低温側熱交換器1
4での吸熱量と低温部中温側熱交換器16での放熱量が
中温室5におけるガス移動容積の増大にかかわらず略一
定であるため、熱効率(冷房及び暖房の成績係数)が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温熱源、中温熱源およ
び高温熱源の間で作動ガスが移動することにより、高温
熱源から得た熱エネルギ(熱仕事)によって、高温熱源
と低温熱源から吸熱し、中温熱源への放熱を行う熱ガス
機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱ガス機関は、高温および低温の二つの
ディスプレーサ(作動ガスを移動させるもの)を有し、
それぞれのディスプレーサが関与する領域によって、高
温部と低温部に分割される。
【0003】高温部と低温部においては、ディスプレー
サの作動によって作動ガスの移動が生じ、このガス移動
による容積変化に相当する部分を作動室と称すれば、各
部には二つの作動室が存在し、これらの作動室の内の一
つは中温熱源と同等の温度レベルにあり、ここでは中温
室と定義する。同様に、高温熱源と同等の温度レベルに
ある作動室を高温室、低温熱源と同等の温度レベルにあ
る作動室を低温室と定義する。
【0004】幾何学的に求められるこれらの作動室の仕
事は、それぞれの容積変化と作動空間(機関全体)内の
一様な圧力変動によって、高温室では膨張仕事、高温部
の中温室では圧縮仕事、また低温室では膨張仕事、低温
部の中温室では圧縮仕事となる。
【0005】かかる熱ガス機関では、三つの熱源間で熱
移動が生じるだけであるため、動作原理上、高温部およ
び低温部における二つのガス移動容積は一致し、高温部
の膨張仕事と圧縮仕事および低温部の膨張仕事と圧縮仕
事の絶対量はそれぞれ等しくなる。
【0006】実際の機関においては、特開昭63−31
1050号公報に示されるように、ディスプレーサを駆
動するためのロッドが設けられているが、このロッドの
体積変化を含めて考えれば、高温部と低温部のガス移動
容積はそれぞれ等しくなるように設定されているのが一
般的であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報で提示の装置
は、高温側ディスプレーサと低温側ディスプレーサのロ
ッドの径を変えることにより、高温部と低温部とを合計
した総容積を変化させ、この変化と封入された作動ガス
の圧力変化とによって軸出力のみを増大させるようにし
たものであった。
【0008】本発明は低温部のガス移動容積に着目し、
中温室のガス移動容積を低温室のガス移動容積よりも大
きく設定することにより、熱効率の向上を図った熱ガス
機関を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、作動ガスが封入されたシリンダと、この
シリンダ内を高温室と中温室と低温室とに区画する高温
側ディスプレーサ及び低温側ディスプレーサと、高温室
と中温室とをつなぐガス流路に配置された作動ガス加熱
用の高温側熱交換器と高温側再生器及び中温側熱交換器
と、低温室と中温室とをつなぐガス流路に配置された低
温側熱交換器と低温側再生器及び中温側熱交換器とから
成る熱ガス機関において、前記中温室のガス移動容積を
前記低温室のガス移動容積よりも大きく設定するように
したものである。
【0010】
【作用】本発明では中温室のガス移動容積が低温室のガ
ス移動容積よりも大きく設定されているため、高温室で
の吸熱行程において作動ガスの圧力の低下度合が小さく
なり、低温側熱交換器での吸熱量と低温部中温側熱交換
器での放熱量は低温側中温室におけるガス移動容積の増
大にかかわらず略一定であるため、これらの吸熱量と放
熱量の関係から冷房成績係数と暖房成績係数とが向上す
る。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の熱ガス機関の概念図であり、1,2は作
動ガス(ヘリウムガスや水素ガス等)が封入された高温
側シリンダ及び低温側シリンダ、3は高温側シリンダ1
内を高温室4と高温側中温室5とに区画する高温側ディ
スプレーサ、6は低温側シリンダ2内を低温室7と低温
側中温室8とに区画する低温側ディスプレーサである。
【0012】9は高温室4と高温側中温室5とをつなぐ
高温側ガス流路で、作動ガス加熱用の高温側熱交換器1
0と高温側再生器11及び高温部中温側熱交換器12と
が配置されている。
【0013】13は低温室7と低温側中温室8とをつな
ぐ低温側ガス流路で、低温側熱交換器14と低温側再生
器15及び低温部中温側熱交換器16とが配置されてい
る。
【0014】17は高温側中温室5と低温側中温室8と
を連通させる連通路である。
【0015】そして、低温側中温室8のガス移動容積が
低温室7のガス移動容積よりも大きく設定されており、
図1ではこの低温側中温室8の増分容積を既に含めたも
のとして表わしているが、この増分容積変化と低温側中
温室8の容積変化との位相は同位相に限定されるもので
はなく、また、増分容積を付加する機構を別途設けるこ
とも可能である。
【0016】すなわち、本発明では、本発明による効果
を得るために低温室7と中温室5,8とにおけるサイク
ル上での作動ガス移動容積が規定される。尚、低温およ
び高温ディスプレーサ6,3の位相は90°に限定され
るものではなく、両シリンダ1,2の内径についても同
一である必要はない。
【0017】ここで、本発明におけるガス移動容積につ
いて、動作原理上、以下のとおり定義する。
【0018】熱ガス機関は、三つの熱源(高温、中温お
よび低温)の間で作動し、主として熱源間での熱移動を
生じるものであるが、この熱移動は二つの熱的な作用
(一次熱作用、二次熱作用と称する)によって可能とな
る。すなわち、熱ガス機関を高温部(高温室4、高温側
中温室5、高温側再生器11等)と低温部(低温室7、
低温側中温室8、低温側再生器15等)に分離すると、
ディスプレーサ3,6動作による作動ガスの移動によっ
て、当該の熱源温度と同レベルの温度に作動ガスが変化
する場合の熱的な作用が一次熱作用(再生器11,15
による効果)であり、このときに、構造的に設定された
ディスプレーサ3,6の位相によりディスプレーサが静
止しているため作動ガスの移動がない作動室内での上記
一次熱作用によって生じる作動ガスと熱源との熱交換が
二次熱作用である。
【0019】したがって、高温部の一次熱作用は低温部
の二次熱作用を誘起し、反対に低温部の一次熱作用は高
温部の二次熱作用を誘起する。
【0020】本発明におけるガス移動容積とは、このよ
うな二次熱作用を誘起する各行程での一次熱作用に関与
している作動ガス移動量のことであり、各熱源と同等の
温度レベルにある作動ガスの移動量を意味している。
【0021】上記の説明は動作原理上での考え方であ
り、実際の機関においては、作動ガスの移動に関与する
ディスプレーサ3,6や別途補助シリンダ(後述する)
を追加する場合に必要となるピストンはおおむね正弦波
状に動作するため、作動ガスの移動や静止状態は上記説
明のように明確ではない。
【0022】しかし、ディスプレーサ3,6やピストン
(後述する)の動作による容積変化の位相から、それら
の容積変化がどの行程の一次熱作用に関与するかという
ことは判別可能であり、また、ガス移動容積について
は、当該の熱源と同等の温度レベルにある作動ガスの各
行程での最大容積と最小容積との差として求められる。
【0023】図2は低温側中温室8のガス移動容積を低
温室7のガス移動容積よりも大きくするために、低温側
中温室8に上述の如く増分容積を付加する機能として、
低温側中温室8にピストン18を有する補助シリンダ1
9を設けた第1の実施例であり、図1と同一の構成部品
は同一符号を付して説明は省略する。
【0024】尚、上述の増分容積の大きさや位相及び補
助シリンダ19の取付位置は図2に限定されるものでは
ない。
【0025】図3は図2における高温側ディスプレーサ
3と低温側ディスプレーサ6とピストン18との作動行
程と作動空間内の概略的な圧力変動を示したもので、低
温側ディスプレーサ6の変位(第1行程)によって低温
室7内の作動ガスが低温側中温室8に移動し、作動空間
内の圧力が実線の如く上昇する。
【0026】尚、破線は補助シリンダ19を設けない従
来の熱ガス機関の圧力を示したもので、実線で示す圧力
が破線で示す圧力よりも低くなっているのはピストン1
8が図3において左端に位置して補助シリンダ19の内
容積分だけ低温側中温室8のガス移動容積が増えている
からであり、このときに、高温側中温室5にある作動ガ
スの温度が上昇して熱源との温度差が生じるため、高温
部中温側熱交換器12より放出される熱量QMHが減少す
る。
【0027】そして、高温側ディスプレーサ3の変位
(第2行程)によって高温側中温室5から高温室4に作
動ガスが移動し、作動空間内の圧力が実線の如く上昇す
る。
【0028】このように実線の如く圧力が上昇するのは
ピストン18が左端に位置したままであり、補助シリン
ダ19の内容積分だけ低温側中温室8のガス移動が増え
ているからであり、このとき、低温側中温室8にある作
動ガスの温度が上昇して低温部中温側熱交換器16から
熱量QMCが放出される。この放熱量QMCと前記の放熱量
MHとを暖房用熱源として利用することにより暖房する
ことができる。
【0029】次に、低温側ディスプレーサ6の変位(第
3行程)によって低温側中温室8から低温室7に作動ガ
スが移動し、作動空間内の圧力が実線の如く低下する。
【0030】この低下度合が破線で示す圧力よりも小さ
いのはピストン18が図3において左端に移行して補助
シリンダ19の内容積が零になっているからであり、高
温室4にある作動ガスの温度が低下して高温側熱交換器
10で吸入されて熱量QHは減少する。
【0031】更に、高温側ディスプレーサ3の変位(第
4行程)によって高温室4の作動ガスが高温側中温室5
に移動し、作動空間内の圧力が実線の如く低下する。
【0032】このように実線の如く圧力が低下するのは
ピストン18が左端に位置したままであり、補助シリン
ダ19の内容積が零になっているからである。
【0033】このとき低温室7にある作動ガスの温度が
低下して低温側熱交換器14で熱量がQCが吸入され、
この低温側熱交換器14で冷却された媒体を冷房用熱源
として利用することにより冷房することができる。
【0034】かかる運転時、低温側熱交換器10での吸
熱量は低温側中温室5におけるガス移動容積の増大にか
かわらず略一定であるため、成績係数は向上する。
【0035】図4は各部位における作動ガス温度をサイ
クル中一定とし、各作動室の容積が正弦波状に変化する
ものと仮定した簡易的な計算式〔日本機械学会論文集
(B編)57巻542号(1991−10)、論文No
91−0373A参照〕に、本発明におけるガス移動容
積を加味して求めた機関性能であり、高温側熱交換器1
0での吸熱量QHと高温部中温側熱交換器12での放熱
量QMHは減少するが、低温側熱交換器14での吸熱量Q
Cと低温部中温側熱交換器16での放熱量QMCとは略一
定であるため、冷房成績係数COPC(QC/QH)と暖
房成績係数COPH〔(QMH/QMC)/QH〕が(VMC
ΔV)/VMC<1(但し、VMCは低温側中温室8のガス
移動容積、ΔVは補助シリンダ19による増分容積を示
す)において高くなることがわかる。
【0036】図5はピストン18を有する補助シリンダ
19を低温室7に設けて低温室4のガス移動容積を逆に
減少させることにより低温側中温室8のガス移動容積を
低温室7のガス移動容積よりも大きく設定した第2の実
施例であり、この場合には低温側ディスプレーサ6の変
位(第1行程)によって作動空間内の圧力が実線の如く
緩やかに上昇して高温部中温側熱交換器16から放出さ
れる放熱量QMHが減少し、又、低温側ディスプレーサ6
の変位(第3行程)によって作動空間内の圧力が実線の
如く緩やかに低下して高温側熱交換器14で吸入される
吸熱量QHが低下するが、低温部での吸熱量QCと放熱量
MCは略一定であるため、冷房及び暖房の成績係数が向
上する。
【0037】図6は図4と同様にして求めた機関性能で
あり、(VC+ΔV)/VC<1(但し、VCは低温室7
のガス移動容積を示す)において高くなることがわか
る。
【0038】尚、第1の実施例においては補助シリンダ
19を低温側中温室8に設けたが、この代わりに低温側
中温室8と連通している高温側中温室5に設けても良
い。このように、本発明は各行程での一次熱作用に関与
するガス移動容積を規定するものであり、本発明による
効果を得るための具体的な構造に限定されるものではな
い。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、三つの熱源(高温、中
温、低温)で動作する熱ガス機関において、高温熱源か
らの吸熱を誘起する一次熱作用に関与する中温熱源の温
度レベルにある中温室のガス移動容積を低温熱源の温度
レベルにある低温室のガス移動容積よりも大きく設定し
たので、高温熱源からの吸熱行程で作動ガスの圧力低下
が減少して吸熱量が減ると共に、高温部中温側熱交換器
での放熱行程で作動ガスの圧力上昇が減少して放熱量が
減るのに対し、低温熱源からの吸熱量と低温部での中温
熱源への放熱量が中温室におけるガス移動容積の増大に
かかわらず略一定であるため、冷房及び暖房の成績係数
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱ガス機関の概念図である。
【図2】第1の実施例を示す熱ガス機関の説明図であ
る。
【図3】第1の実施例における熱ガス機関の行程図であ
る。
【図4】第1の実施例における機関性能図である。
【図5】第2の実施例における熱ガス機関の行程図であ
る。
【図6】第2の実施例における機関性能図である。
【符号の説明】
1 高温側シリンダ 2 低温側シリンダ 3 高温側ディスプレーサ 4 高温室 5 高温側中温室 6 低温側ディスプレーサ 7 低温室 8 低温側中温室 10 高温側熱交換器 11 高温側再生器 12 高温部中温側熱交換器 14 低温側熱交換器 15 低温側再生器 16 低温部中温側熱交換器 18 ピストン 19 補助シリンダ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動ガスが封入されたシリンダと、この
    シリンダ内を高温室と中温室と低温室とに区画する高温
    側ディスプレーサ及び低温側ディスプレーサと、高温室
    と中温室とをつなぐガス流路に配置された作動ガス加熱
    用の高温側熱交換器と高温側再生器及び中温側熱交換器
    と、低温室と中温室とをつなぐガス流路に配置された低
    温側熱交換器と低温側再生器及び中温側熱交換器とから
    成る熱ガス機関において、前記中温室のガス移動容積を
    前記低温室のガス移動容積よりも大きく設定したことを
    特徴とする熱ガス機関。
JP3325775A 1991-12-09 1991-12-10 熱ガス機関 Expired - Lifetime JP3043154B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3325775A JP3043154B2 (ja) 1991-12-10 1991-12-10 熱ガス機関
US07/987,215 US5400599A (en) 1991-12-09 1992-12-08 Hot gas machine
DE19924241463 DE4241463A1 (en) 1991-12-09 1992-12-09 Stirling motor with three heat sources at different temperatures - has cylinder divided into high, medium and low temperature chambers, and has variable gas displacement volumes in high and medium temp. parts
CN92114812A CN1042256C (zh) 1991-12-09 1992-12-09 热气机

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