JPH05149881A - 高周波プラズマを用いた分析方法 - Google Patents
高周波プラズマを用いた分析方法Info
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- JPH05149881A JPH05149881A JP3314810A JP31481091A JPH05149881A JP H05149881 A JPH05149881 A JP H05149881A JP 3314810 A JP3314810 A JP 3314810A JP 31481091 A JP31481091 A JP 31481091A JP H05149881 A JPH05149881 A JP H05149881A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波プラズマによる発光分光分析または質
量分析において、有機溶媒による感度低下あるいは炭素
付着を防止する。 【構成】 水に難溶解性の試料を水と混合し、界面活性
剤を添加した後、振盪混合して乳化させた分析試料を用
いて、これを高周波プラズマとして分析する。
量分析において、有機溶媒による感度低下あるいは炭素
付着を防止する。 【構成】 水に難溶解性の試料を水と混合し、界面活性
剤を添加した後、振盪混合して乳化させた分析試料を用
いて、これを高周波プラズマとして分析する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油などの炭化水素
油、動植物油、各種有機溶剤など有機化学工業に使用さ
れる有機液体中の金属および非金属元素の分析方法、と
くに高周波プラズマを用いた発光分光分析および質量分
析に関するものである。
油、動植物油、各種有機溶剤など有機化学工業に使用さ
れる有機液体中の金属および非金属元素の分析方法、と
くに高周波プラズマを用いた発光分光分析および質量分
析に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トーチの誘導コイルに高周波電力を加
え、トーチに流したアルゴン等のガスをプラズマ化し、
この中にネブライザー(霧化器)で液体試料を噴霧して
高エネルギー化した、いわゆる高周波誘導結合プラズマ
すなわちICP(inductivelycoupled plasma)(以下、
単に「高周波プラズマ」という)によって励起された元
素が、基底状態にもどる際に放出する電磁波を測定し
て、元素の種類と量を測定することを、ICP発光分光
分析といい、また、前記の高エネルギー化した高周波プ
ラズマによってイオン化した試料を質量分析装置に導入
して質量分析することをICP質量分析といい、広く利
用されている。これらのICP発光分光分析およびIC
P質量分析は、液状もしくはガス状試料中の金属および
非金属元素を分析するために使用され、検出感度が極め
て高いことから、微少量〔PPM(10-6、もしくはP
PB(10-9)濃度〕の金属および非金属元素の分析に
適用される汎用の分析法である。
え、トーチに流したアルゴン等のガスをプラズマ化し、
この中にネブライザー(霧化器)で液体試料を噴霧して
高エネルギー化した、いわゆる高周波誘導結合プラズマ
すなわちICP(inductivelycoupled plasma)(以下、
単に「高周波プラズマ」という)によって励起された元
素が、基底状態にもどる際に放出する電磁波を測定し
て、元素の種類と量を測定することを、ICP発光分光
分析といい、また、前記の高エネルギー化した高周波プ
ラズマによってイオン化した試料を質量分析装置に導入
して質量分析することをICP質量分析といい、広く利
用されている。これらのICP発光分光分析およびIC
P質量分析は、液状もしくはガス状試料中の金属および
非金属元素を分析するために使用され、検出感度が極め
て高いことから、微少量〔PPM(10-6、もしくはP
PB(10-9)濃度〕の金属および非金属元素の分析に
適用される汎用の分析法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の分析法は水溶液中の成分の分析では高感度であり、そ
の特性が十分に活かされているが、炭化水素油、動植物
油および/または水に難溶解性の有機物中の成分の分析
においては、同じ濃度の水溶液試料に比較し検出力が1
00分の1近くに低下することが知られている。また有
機化合物が主成分である試料を導入し、分析を行なうと
ネブライザーに炭素質が沈着し、分析不能に至ることが
あるために、酸素もしくは、空気を別途供給する必要が
あるとされている。本発明は、上記のような従来の課題
を解決し、簡便な手段によって、効率良く且つ迅速に炭
化水素油、動植物油および/または水に難溶解性の有機
物試料中の金属および非金属元素の分析のため、ICP
発光分光分析およびICP質量分析を行なう方法を提供
するものである。
の分析法は水溶液中の成分の分析では高感度であり、そ
の特性が十分に活かされているが、炭化水素油、動植物
油および/または水に難溶解性の有機物中の成分の分析
においては、同じ濃度の水溶液試料に比較し検出力が1
00分の1近くに低下することが知られている。また有
機化合物が主成分である試料を導入し、分析を行なうと
ネブライザーに炭素質が沈着し、分析不能に至ることが
あるために、酸素もしくは、空気を別途供給する必要が
あるとされている。本発明は、上記のような従来の課題
を解決し、簡便な手段によって、効率良く且つ迅速に炭
化水素油、動植物油および/または水に難溶解性の有機
物試料中の金属および非金属元素の分析のため、ICP
発光分光分析およびICP質量分析を行なう方法を提供
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、高周
波プラズマを利用する分析に際して、水に難溶解性の試
料を水と混合し、界面活性剤を添加した後、振盪混合し
て乳化せしめた分析試料を用いて分析することにより、
上記の様な課題を解決することができた。
波プラズマを利用する分析に際して、水に難溶解性の試
料を水と混合し、界面活性剤を添加した後、振盪混合し
て乳化せしめた分析試料を用いて分析することにより、
上記の様な課題を解決することができた。
【0005】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明によってICP発光分析法またはICP質量分析
法により分析を行なう際に、効果的に感度低下防止およ
び炭素質の析出防止ができる試料は、炭化水素油、動植
物油、その他水に難溶解性の有機物等広範なものであ
る。例えば、ベンゼン、トルエン、ナフサ、ガソリン、
燈油、軽油、天然油脂、高級アルコール、高級脂肪酸エ
ステル等の有機物を挙げることができる。またはこれら
の混合物であっても本発明による効果を上げることがで
きる。
本発明によってICP発光分析法またはICP質量分析
法により分析を行なう際に、効果的に感度低下防止およ
び炭素質の析出防止ができる試料は、炭化水素油、動植
物油、その他水に難溶解性の有機物等広範なものであ
る。例えば、ベンゼン、トルエン、ナフサ、ガソリン、
燈油、軽油、天然油脂、高級アルコール、高級脂肪酸エ
ステル等の有機物を挙げることができる。またはこれら
の混合物であっても本発明による効果を上げることがで
きる。
【0006】本発明では、まず、有機物の試料を水と混
合し、界面活性剤を添加した後、撹拌、振盪または超音
波振動により混合して、有機物を水中に乳化させる。添
加する乳化剤は特に限定するものではなく、有機物を水
に乳化分散させる性能を有するものであればよく、例え
ばアルキルベンゼンスルフォン酸塩、高級アルコールエ
トキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アル
キルスルフォン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩等
が挙げられる。このうち、高級アルコールエトキシレー
ト、ノニルフェノールエトキシレートは金属成分を含ま
ないので、金属成分の分析に使用するのに好適である。
乳化剤の添加量には特に制限はなく、0.0001〜1
0重量%程度の範囲が用いられる。このようにして乳化
した試料を、ネブライザーに供給して霧化させるととも
にプラズマガスと接触せしめて、励起状態またはイオン
状態とした後、ICP発光分光分析またはICP質量分
析が行われる。
合し、界面活性剤を添加した後、撹拌、振盪または超音
波振動により混合して、有機物を水中に乳化させる。添
加する乳化剤は特に限定するものではなく、有機物を水
に乳化分散させる性能を有するものであればよく、例え
ばアルキルベンゼンスルフォン酸塩、高級アルコールエ
トキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アル
キルスルフォン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩等
が挙げられる。このうち、高級アルコールエトキシレー
ト、ノニルフェノールエトキシレートは金属成分を含ま
ないので、金属成分の分析に使用するのに好適である。
乳化剤の添加量には特に制限はなく、0.0001〜1
0重量%程度の範囲が用いられる。このようにして乳化
した試料を、ネブライザーに供給して霧化させるととも
にプラズマガスと接触せしめて、励起状態またはイオン
状態とした後、ICP発光分光分析またはICP質量分
析が行われる。
【0007】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに説明す
る。参考例 (有機溶媒系試料の調製)容積比でN−ヘプタン40
%、イソオクタン50%およびトルエン10%を混合し
た炭化水素油に対し、四エチル鉛を鉛として20wt/vo
l ppb を添加し、溶解し、混合した。これを有機溶媒系
試料として、ICP質量分析に供した。 (水溶液系試料の調製)酢酸鉛を鉛として20wt/vol
ppb となるように、水に溶解し、混合した。これを水溶
液系試料として、ICP質量分析に供した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定をした。有機溶媒系試料は、プラズマトーチ
に炭素質の析出を防止するためおよびプラズマの安定の
ため、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し測定した。
それぞれ5秒間積分したイオン強度を表1に示す。
る。参考例 (有機溶媒系試料の調製)容積比でN−ヘプタン40
%、イソオクタン50%およびトルエン10%を混合し
た炭化水素油に対し、四エチル鉛を鉛として20wt/vo
l ppb を添加し、溶解し、混合した。これを有機溶媒系
試料として、ICP質量分析に供した。 (水溶液系試料の調製)酢酸鉛を鉛として20wt/vol
ppb となるように、水に溶解し、混合した。これを水溶
液系試料として、ICP質量分析に供した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定をした。有機溶媒系試料は、プラズマトーチ
に炭素質の析出を防止するためおよびプラズマの安定の
ため、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し測定した。
それぞれ5秒間積分したイオン強度を表1に示す。
【0008】
【表1】 表1 試料溶媒の差による測定イオン強度への影響試料溶媒 鉛のイオン強度 有機溶媒 9.5 × 103 水 8.5 × 105
【0009】このように有機系溶剤では水溶液に比べ、
溶液中の鉛含有量が等しいにも拘わらず、感度が約90
分の1に低下する。すなわち、同じ濃度の鉛を含有する
試料を分析しても、有機溶媒を用いた試料は感度が低い
ことを示している。
溶液中の鉛含有量が等しいにも拘わらず、感度が約90
分の1に低下する。すなわち、同じ濃度の鉛を含有する
試料を分析しても、有機溶媒を用いた試料は感度が低い
ことを示している。
【0010】実施例 1 (有機溶媒系試料の調製)容積比でN−ヘプタン40
%、イソオクタン50%およびトルエン10%を混合し
た炭化水素油に対し、四エチル鉛を鉛として20wt/vo
l ppb を添加溶解し、混合した。 (有機溶媒系試料の乳化)上記の有機溶媒系試料9mlに
対し、シクロヘキサンに10wt/vol%となるよう高級
アルコールエトキシレートを溶解した溶液1mlを添加
し、蒸留水90mlとを混合して、20秒間振盪し乳化し
たのち測定試料とした。この乳化試料と、比較のために
有機溶媒系試料も使用し分析した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定した。有機溶媒系試料はプラズマトーチに炭
素質の析出を防止するため、およびプラズマの安定のた
めに、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し、測定し
た。それぞれ5秒間積分したイオン強度を表2に示す。
%、イソオクタン50%およびトルエン10%を混合し
た炭化水素油に対し、四エチル鉛を鉛として20wt/vo
l ppb を添加溶解し、混合した。 (有機溶媒系試料の乳化)上記の有機溶媒系試料9mlに
対し、シクロヘキサンに10wt/vol%となるよう高級
アルコールエトキシレートを溶解した溶液1mlを添加
し、蒸留水90mlとを混合して、20秒間振盪し乳化し
たのち測定試料とした。この乳化試料と、比較のために
有機溶媒系試料も使用し分析した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定した。有機溶媒系試料はプラズマトーチに炭
素質の析出を防止するため、およびプラズマの安定のた
めに、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し、測定し
た。それぞれ5秒間積分したイオン強度を表2に示す。
【0011】
【表2】 表2 乳化による測定イオン強度への影響試 料 鉛のイオン強度 有機溶媒系 9.5 × 103 乳化試料 1.08 × 105
【0012】このように有機溶媒系試料を直接分析する
と、乳化した試料に比べ、調製試料中の鉛含有量が10
倍多いにも拘わらず、感度は約11分の1に低下する。
と、乳化した試料に比べ、調製試料中の鉛含有量が10
倍多いにも拘わらず、感度は約11分の1に低下する。
【0013】実施例 2 (試料の調製)ナフサ、燈油、軽油および酢酸ブチルの
それぞれの有機溶媒に対し、四エチル鉛を鉛として20
wt/vol ppb となるように添加、混合し有機溶媒系の試
料とした。一方、これらの有機溶媒系の試料のそれぞれ
9mlに対し、シクロヘキサンに10wt/vol%となるよ
う高級アルコールエトキシレートを溶解した溶液1mlを
添加し、蒸留水90mlとを混合して、20秒間振盪し乳
化して、乳化試料とした。それぞれの有機溶媒系の試料
および乳化試料を比較測定した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定をした。有機溶媒系の試料はプラズマトーチ
に炭素質の析出を防止するためおよびプラズマの安定の
ため、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し測定した。
それぞれ5秒間積分したイオン強度を表3に示す。
それぞれの有機溶媒に対し、四エチル鉛を鉛として20
wt/vol ppb となるように添加、混合し有機溶媒系の試
料とした。一方、これらの有機溶媒系の試料のそれぞれ
9mlに対し、シクロヘキサンに10wt/vol%となるよ
う高級アルコールエトキシレートを溶解した溶液1mlを
添加し、蒸留水90mlとを混合して、20秒間振盪し乳
化して、乳化試料とした。それぞれの有機溶媒系の試料
および乳化試料を比較測定した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定をした。有機溶媒系の試料はプラズマトーチ
に炭素質の析出を防止するためおよびプラズマの安定の
ため、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し測定した。
それぞれ5秒間積分したイオン強度を表3に示す。
【0014】
【表3】 表3 イオン強度に対する乳化の影響 試 料 有機溶媒系試料の直接測定 乳化後測定 ナフサ 9.21 × 103 9.60 × 104 燈油 9.14 × 103 9.44 × 104 軽油 9.02 × 103 9.37 × 104 酢酸ブチル 9.45 × 103 9.72 × 104
【0015】このように有機系溶媒を用いた試料を直接
測定すると、乳化した試料に比べ、調製試料中の鉛含有
量が10倍多いにも拘わらず、感度が約10分の1に低
下する。
測定すると、乳化した試料に比べ、調製試料中の鉛含有
量が10倍多いにも拘わらず、感度が約10分の1に低
下する。
【0016】実施例 3 (試料の調製)ナフサに対し四エチル鉛を鉛として20
wt/vol ppb となるよう添加、混合し有機溶媒系の試料
とした。一方、乳化剤として、高級アルコールエトキシ
レート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルベ
ンゼンスフォン酸ナトリウム、アルキルスルフォン酸ナ
トリウムおよびステアリルトリメチルアンモニウムクロ
ライドのそれぞれを、シクロヘキサンに10wt/vol%
となるように溶解した溶液を調製し、そのそれぞれ1ml
を、前記の有機溶媒系の試料9mlに添加し、蒸留水90
mlとを混合して、20秒間振盪し乳化したのち測定試料
とした。比較測定として、ナフサに四エチル鉛を溶かし
た溶液に乳化剤溶液を添加した液の直接測定も併せて実
施した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定をした。ナフサのみの試料はプラズマトーチ
に炭素質の析出を防止するためおよびプラズマの安定の
ため、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し測定した。
それぞれ5秒間積分したイオン強度を表4に示す。
wt/vol ppb となるよう添加、混合し有機溶媒系の試料
とした。一方、乳化剤として、高級アルコールエトキシ
レート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルベ
ンゼンスフォン酸ナトリウム、アルキルスルフォン酸ナ
トリウムおよびステアリルトリメチルアンモニウムクロ
ライドのそれぞれを、シクロヘキサンに10wt/vol%
となるように溶解した溶液を調製し、そのそれぞれ1ml
を、前記の有機溶媒系の試料9mlに添加し、蒸留水90
mlとを混合して、20秒間振盪し乳化したのち測定試料
とした。比較測定として、ナフサに四エチル鉛を溶かし
た溶液に乳化剤溶液を添加した液の直接測定も併せて実
施した。 (ICP質量分析法による鉛含有量分析)横河電機製I
CP質量分析装置 Model 200 を使用し、質量数208
により測定をした。ナフサのみの試料はプラズマトーチ
に炭素質の析出を防止するためおよびプラズマの安定の
ため、アルゴンに対し酸素を5vol%添加し測定した。
それぞれ5秒間積分したイオン強度を表4に示す。
【0017】
【表4】 表4 イオン強度に対する乳化の影響 乳 化 剤 直接測定 乳化後測定 高級アルコールエトキシレート 9.21×103 9.60×104 ノニルフェノールエトキシレート 9.23×103 9.52×104 アルキルベンゼンスルフォン酸 9.05×103 9.39×104 ナトリウム アルキルスルフオン酸 9.11×103 9.45×104 ナトリウム ステアリルトリメチル 9.17×103 9.38×104 アンモニウムクロライド
【0018】このように、界面活性剤の種類を変えて
も、大きなイオン強度を得ることができる。以上のよう
に乳化試料は直接測定より、水および乳化剤の添加で調
製試料中の鉛濃度が10分の1と希釈されているにもか
かわらず、イオン強度が約10倍の高い値を示してい
る。このように乳化処理は検出感度を高くする効果を有
している。
も、大きなイオン強度を得ることができる。以上のよう
に乳化試料は直接測定より、水および乳化剤の添加で調
製試料中の鉛濃度が10分の1と希釈されているにもか
かわらず、イオン強度が約10倍の高い値を示してい
る。このように乳化処理は検出感度を高くする効果を有
している。
【0019】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成したので、
炭化水素油、動植物油および/または水に難溶解性の有
機物試料中の金属および非金属元素をICP発光分光分
析法およびICP質量分析法により分析を行なう場合
の、感度低下あるいはネブライザーへの炭素付着を防止
することができる。これにより、分析法の簡便化、効率
化および迅速化をはかることができる。
炭化水素油、動植物油および/または水に難溶解性の有
機物試料中の金属および非金属元素をICP発光分光分
析法およびICP質量分析法により分析を行なう場合
の、感度低下あるいはネブライザーへの炭素付着を防止
することができる。これにより、分析法の簡便化、効率
化および迅速化をはかることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】高周波プラズマを利用する分析において、
水に難溶解性の試料に水および界面活性剤を添加した
後、振盪混合して乳化せしめた分析試料を用いて分析す
ることを特徴とする、高周波プラズマを用いた分析方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3314810A JPH05149881A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 高周波プラズマを用いた分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3314810A JPH05149881A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 高周波プラズマを用いた分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05149881A true JPH05149881A (ja) | 1993-06-15 |
Family
ID=18057876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3314810A Pending JPH05149881A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 高周波プラズマを用いた分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05149881A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100401769B1 (ko) * | 2001-05-08 | 2003-10-17 | 현대자동차주식회사 | 초음파를 이용한 특수금속 및 소결합금의 전처리 방법 |
JP2005017250A (ja) * | 2003-06-30 | 2005-01-20 | Horiba Ltd | Icp分析方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59230141A (ja) * | 1983-06-13 | 1984-12-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ケイ素の分析法 |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP3314810A patent/JPH05149881A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59230141A (ja) * | 1983-06-13 | 1984-12-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ケイ素の分析法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100401769B1 (ko) * | 2001-05-08 | 2003-10-17 | 현대자동차주식회사 | 초음파를 이용한 특수금속 및 소결합금의 전처리 방법 |
JP2005017250A (ja) * | 2003-06-30 | 2005-01-20 | Horiba Ltd | Icp分析方法 |
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