JPH05149720A - 酸化物超電導膜の検査方法および検査装置 - Google Patents

酸化物超電導膜の検査方法および検査装置

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JPH05149720A
JPH05149720A JP3315089A JP31508991A JPH05149720A JP H05149720 A JPH05149720 A JP H05149720A JP 3315089 A JP3315089 A JP 3315089A JP 31508991 A JP31508991 A JP 31508991A JP H05149720 A JPH05149720 A JP H05149720A
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oxide superconducting
laser
light
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JP3315089A
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Kazuhisa Higashiyama
和寿 東山
Izumi Hirabayashi
泉 平林
Tadataka Morishita
忠隆 森下
Shoji Tanaka
昭二 田中
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KOKUSAI CHODENDO SANGYO GIJUTSU KENKYU CENTER
Hitachi Ltd
Original Assignee
KOKUSAI CHODENDO SANGYO GIJUTSU KENKYU CENTER
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学的気相成長法(CVD)により酸化物超
電導膜を種々基板上に形成する際に、従来できなかった
膜成長過程のin−situ計測を可能とする方法およ
び装置を提供する。 【構成】 酸化物超電導膜を形成する最中に、膜上に基
板または膜のブリュ−スタ−角でレ−ザ光のsおよびp
偏光を交互に照射し、その反射強度を計測する。 【効果】 成膜中の膜の膜厚、析出速度および平滑度を
計測できるため、これらの結果をもとに平滑で、均質な
酸化物超電導膜を形成することができ、作業上また経済
上有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的気相成長法(C
VD)による酸化物超電導膜の検査方法およびその検査
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物超電導膜を形成している最
中に基板上に形成された膜の厚さ、あるいは成膜速度を
検出するものとしては、水晶振動子を用いた膜厚計が知
られている。また、成膜中の膜表面の平滑性や結晶の方
位に関する情報を与えるものとしては反射高速電子線回
折(RHEED)が知られている。
【0003】これらは、いずれも酸化物超電導膜の形成
において利用されている〔例えば、T.Shigaki
etal,Appl.Phys.Lett.58(1
991、2039−2041)〕。さらに、レ−ザ光を
用いて成膜中の膜表面の性状に関する情報を得る方法も
既に報告されている。〔T.Makimoto eta
l,Jap.J.Appl.Phys.29(199
0)L207〜209など〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記水晶振動
子による膜厚測定は、スパッタリング等の物理的気相成
長法(PVD)において広く用いられるもので、成膜過
程がPVDと本質的に異なるCVD法では使用できな
い。すなわち、PVD法では、原子状あるいはイオン粒
子が直接基板等に埋積し膜を形成するため、基板近傍に
水晶振動子を設置しそこに埋積した膜重量を計測するこ
とにより、基板上の膜厚を推定できる。
【0005】これに対してCVD法では基板上に吸着し
た分子を熱エネルギ−等により分解せしめ、目的とする
元素のみを埋積させるものであるため、水晶振動子に膜
を埋積させ膜厚を計測するためには水晶振動子自体を基
板と同一温度に加熱する必要がある。しかし、一般的に
は水晶振動子の耐熱性、耐化学反応性の点からこれは困
難である。
【0006】また、前記RHEEDによるin−sit
u計測は、種々の膜形成方法において極めて有効で、析
出した膜の結晶方位の決定や原子層オ−ダでの平滑性の
決定が可能である。しかし、同分析装置は電子ビ−ムを
プロ−ブとして使用するため電子ビ−ム照射による膜の
変質が問題となるばかりでなく、高真空下で測定する必
要がある。一般にCVD法での成膜圧力は10~2〜10
0Torrと高く、RHEEDが使用できない。
【0007】前記Jap.J.Appl.Phys.2
9(1990)L207〜209に示されるようなレ−
ザ光を用いたin−situ計測技術の発展により、C
VD法おいても膜の形成過程を直接モニタすることが可
能になってきたが、これらの技術は、いずれもGaAs
等半導体分野におけるものである。この方法は、成膜中
のGaAs膜に可視レ−ザのp偏光をGaAsのブリュ
−スタ−角で入射し、その反射率をモニタ−するもので
ある。
【0008】p偏光をGaAsのブリュ−スタ−角で入
射するためのGaAs膜の母体結晶からの反射は消失
し、その結果、成長最表面の吸収種の光吸収による反射
率変化が高感度で検出される。つまり、成膜過程におけ
る表面吸収種やその存在形態の変化を反射率の変化から
知ることができる。本発明による検査法は、膜厚、成膜
速度および表面の平滑度を計測するためのもので、上記
の方法とは原理および目的とする情報が全く異なる。
【0009】光学ミラ−等の光学薄膜の製造分野では、
光を用いた膜厚の計測制御がおこなわれている(例え
ば、光薄膜技術マニュアル,オプトロニクス社、p22
9)。この方法は、膜厚計測用のモニタ基板を予め成膜
室内に設置しておき、成膜中にこれに光を照射し、モニ
タ基板上の膜厚の増加に伴う反射率の周期的変化から計
測制御を行なうものである。
【0010】この方法は、光学薄膜のように、極めて平
滑でかつ均質で、さらに光の吸収のほとんどない場合に
は有効である。しかし、酸化物超電導膜のように表面の
平滑性が低く、種々の異相が共存し、かつ光の吸収も無
視しえないほど大きい場合には、得られた反射率の変化
から直接膜厚を計測し、これを制御することは難しい
【0011】上記のように、CVD法による酸化物超電
導膜にレ−ザを照射し、in−situで析出膜の成膜
速度、膜厚および表面の平滑性を計測する手段はこれま
で知られていない。そのため、これまで所定の厚さの膜
を得るためには予め成膜時間と膜厚の関係を求めておく
必要があった。また、成膜の途中で原料ガスソ−スの劣
化等による成膜速度の変動にも対応する手段が無かっ
た。さらにCVD法では組成変動や成膜条件の変動に起
因する異相の析出が、膜の平滑性低下に大きな影響を及
ぼしていたが、これを成膜中に検知することは不可能で
あった。
【0012】本発明の目的は、成膜速度、膜厚および膜
表面の平滑度をin−situで計測することを可能と
する酸化物超電導膜の検査方法および検査装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の酸化物超電導膜の検査方法の構成は、化学的
気相成長法によって基板上に形成された酸化物超電導膜
を検査する方法において、前記基板上に酸化物超電導膜
を成膜中に、該膜上にレ−ザ光を照射して、該照射部か
ら反射する反射光の強度を計測し、該酸化物超電導膜の
成膜速度、膜厚および表面の平滑度を検知するようにし
たことである。また、上記課題を解決するための本発明
の酸化物超電導膜の検査装置の構成は加熱された基板に
対して所定角度で配置され対向した2つの光学窓(入射
窓、反射窓)を有する成膜容器に設置した酸化物超電導
膜の検査装置において、前記入射窓側には、順次設置し
たレ−ザ発振器とポ−ラライザと1/2波長板とその付
属モ−タおよびチョッパ−からなるレ−ザ照射系を、ま
た反射窓側には、順次設置した絞りと受光素子からなる
反射光検知器と、前記チョッパ−と受光素子とを接続し
たロックインアンプリファイヤと該ロックインアンプリ
ファイヤからの信号を演算処理する装置とを備えたこと
である。
【0014】
【作用】図7はレ−ザ光が基板上の膜に照射された時の
光路の説明図である。図7において、5は基板、20は
酸化物超電導膜、25はレ−ザ光、26は膜表面での反
射光、27は基板表面での反射光である。基板5上に形
成されている酸化物超電導膜20に波長λ1のレ−ザ2
5を照射すると、膜の上面で反射された光26と、膜の
下面で反射された光27とに位相差が生じる。
【0015】この光の位相差δは次式で表される。 δ=2π/λ1・2nd・cosχ±π…(1) ここでλ1はレ−ザの波長、nは膜の屈折率、dは膜
厚、χは膜内でのレ−ザの入射角である。
【0016】膜厚dの増大とともに位相差δも増加する
が、このδが2πの整数倍の時、干渉によって反射強度
は最大となり、これからπだけずれた時には最小とな
る。この結果、反射光強度は成膜速度に対応した一定の
周期で振動する。反射光強度の極大、極小を示した時の
膜厚は(1)式から判るように、レ−ザ光の波長の1/
4に比例する。このことから、各ピ−ク値を検出するこ
とにより、膜厚および成膜速度を知ることが可能とな
る。
【0017】また、膜厚の増大とともに反射光の振動の
振幅は小さくなり、かつベ−スラインの値は低下する。
これは膜厚が増加することにより、透過光の膜による吸
収量が増すことおよび膜表面上の凹凸の増大により光が
散乱するためである。膜による光の吸収量は膜厚の関数
であり、これを算出して、この反射光強度の減少速度か
ら膜表面上の平滑度を知ることができる。
【0018】このようなレ−ザ光の反射光強度の変化
は、特殊な場合を除けば、光の波長、入射角等に関わら
ず同じように解析できる。特殊な例としては、p偏光の
レ−ザが膜あるいは基板にそれぞれのブリュ−スタ−角
度で入射した場合で、この場合は反射強度の変化は上記
の場合と大きく異なる。各材料のブリュ−スタ−角θ1
は次式により算出できる。
【0019】θ1=tan~n2/n1…(2) ここでn2は材料の屈折率、n1は材料に接する物質の屈
折率である。通常この角度で物質に光が入射した場合、
p偏光成分はすべて透過してしまう。図8はp偏光が基
板のブリュ−スタ−角で照射した時の光路を示す説明図
である。図8において、21はp偏光、22はブリュ−
スタ−角である。すなわち、p偏光21を用い、基板2
0にブリュ−スタ−角22で入射した場合である。この
場合には酸化物超電導膜20の下面からの反射はなく、
検出される反射光は膜上面だけからのものとなる。
【0020】この結果、前記の干渉に基ずく反射強度の
周期的な振動は認められなくなり、また、膜自体の吸収
による反射光強度の低下も少ないため、反射光の強度変
化はほぼ膜表面での散乱、つまり表面の凹凸のみを強く
反映したものとなる。このことから、成膜中にp偏光と
s偏光を交互に、図8の条件を満足する角度で入射しそ
の反射光強度の変化をそれぞれの場合について記録すれ
ば、p偏光の反射強度変化からは膜の平滑度が、またs
偏光の反射強度変化からは膜厚、成膜速度をほぼリアル
タイムでしることができる。このようにp偏光とs偏光
での計測を組み合わせることにより、より高精度での計
測が可能となる。
【0021】図9はp偏光が膜材料のブリュ−スタ−角
で照射された時の光路を示す説明図である。p偏光を酸
化物超電導膜のブリュ−スタ−角23で入射する場合も
ほぼ同様の結果が得られる。ただし、以下の点で、基板
のブリュ−スタ−角を使用した場合(図8)と異なる。
つまり、この場合は酸化物超電導膜上面での反射はほと
んど起こらず、膜と基板界面での反射光が大部分を占め
るようになる。
【0022】干渉が生じないことは同じであるが、得ら
れる反射強度は、膜表面および膜内での散乱および膜自
体の吸収の影響をそれぞれ含むことになる。この方法
は、使用される基板が不透明で、基板のブリュ−スタ−
角による入射が意味を持たない場合や超電導膜自体の平
滑性が極めて高く、表面の凹凸よりむしろ膜を構成する
結晶粒の大きさ(結晶粒界の頻度)を評価したい時に有
効である。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例を図1〜図6を用いて説
明する。図1は本発明の酸化物超電導膜の検査装置の模
式図である。図1において、1は反応管、2はガス供給
ノズル、3はヒ−タ、4はレ−ザ入射窓、5は基板、6
はレ−ザ発振器、7はポ−ラライザ、8は1/2波長
板、9はチョッパ−、10はレ−ザ反射窓、11は絞
り、12は検出器、13はロックインアンプ、14はコ
ンピュ−タ、15はモ−タ、16支持回転機、17はガ
ス導入管である。
【0024】図1により本装置の構成を説明する。反応
管1内の原料ガス供給ノズル2近傍に基板加工用ヒ−タ
3を配置し、このヒ−タ3の上に基板5を載置できるよ
うにする。一方、反応管1のレ−ザ入射窓4を介して基
板5上にレ−ザビ−ムを照射できるようにレ−ザ発振器
6を配置する。レ−ザ発振器6と入射窓4の間の光路上
にはポ−ラライザ7、1/2波長板8、チョッパ−9を
配する。
【0025】他方、基板5から反射したレ−ザビ−ムが
反射してレ−ザ反射窓10を通過した後には、室内光を
カットするための絞り11と検出器12を設置し、シリ
コンダイオ−ドからの出力はロックインアンプ13を経
てコンピュ−タ14に接続されている。1/2波長板8
はモ−タ15で回転することができ、これによりレ−ザ
ビ−ムの偏光面を自由にかえることができる。ヒ−タ3
は支持回転機16上に設置されており、これを前後に移
動してレ−ザビ−ムの入射角を調整でき、かつ基板5を
回転できる構成となっている。
【0026】つぎに、酸化物超電導膜の形成法について
説明する。MgO(100)単結晶基板(片面研磨)上
に、YBa2Cu3Ox膜を形成した。成膜条件は以下の
通りである。すなわち原料としてY(thd)3、Ba
(thd)2、Cu(thd)2のβ−ジケトン錯体を用
いた。ここでthdとは、2、2、6、6−テトラメチ
ル−3、5−ヘプタンジオンを示す。
【0027】各原料の加熱温度は、それぞれ117℃、
225℃、101℃である。各キャリャガス(N2)の
流量は、それぞれ44、50、44ccである。また反
応管1内にはガス導入管17からO2を600cc供給
した。反応管内の膜形成時の圧力は6.0Torrであ
る。基板温度は750℃、成膜時間は2時間である。
【0028】レ−ザ光源としては、He−Neレ−ザ
(波長632.8nm)とArレ−ザ(波長514.5
nmおよび457.9nm)を使用した。各レ−ザ光の
強度はいずれも15mWとした。レ−ザビ−ムの径28
はいずれも2mmφである。成膜開始前に基板上にレ−
ザ光を照射し、反射強度を記録し始め、成膜終了と同時
に測定を終了した。成膜終了後には、1atms−O2
雰囲気下で膜を冷却するようにした。
【0029】以上のような成膜条件下で、YBa2Cu3
Ox膜を形成しながらレ−ザ反射強度を、以下に記載す
る各実施例の計測条件で測定した。 〔実施例1〕He−Neレ−ザのs偏光を入射角78゜
で照射した時の反射光強度変化を図2に示す。図2によ
れば、成膜開始後13.5min、26.5min、3
9.3min、52.1minにそれぞれ明瞭な極大、
極小が認められる。
【0030】極大を示す時点での膜厚d(nm)は
(1)式より計算して、d=0.079(2m−1)と
なる。また極小を示す時点での膜厚もd=0.079
(2m)となる。これらから算出される成膜速度はいず
れも0.35μm/hの一定値を示す。
【0031】実際に製造されたYBa2Cu3Ox膜の成
膜速度は0.30μm/hであり、ほぼよい一致を示し
ている。得られた膜の表面写真(省略)から表面はほぼ
平滑であることが確認された。これに対応して、図8に
示した反応強度のベ−スラインも一定である。 〔実施例2〕
【0032】実施例1と同様にHe−Neレ−ザのs偏
光を入射角78゜で照射し、反射光強度を測定した結果
を図3に示す。本実施例の場合、膜表面には多数の粒子
の析出が認められる。このため、図3に示した反射光強
度はこの粒子による散乱の影響でその絶対値が急激に低
下していることがわかる。この粒子によるレ−ザ光の散
乱の結果、図3のピ−ク位置は実際の位置からずれてあ
らわれていると予想される。このずれを補正するため、
想定されるベ−スライン(破線)に平行な接線を引きピ
−ク位置を算出した。
【0033】その結果、補正前のピ−ク位置が、18.
7min、54.3min、70.9minであったの
に対し、補正後は24.2min、50.5min、7
8.4minとなり、ピ−ク位置はほぼ等間隔となっ
た。この値から求めた成膜速度は0.17μm/hで、
実際の成膜速度0.14μm/hとほぼ一致している。
析出粒子等表面の凹凸が大きい場合には、反射強度のベ
−スラインはある傾きを持つようになる。しかし、この
場合膜厚あるいは成膜速度をピ−ク位置から算定するに
は上記のような補正が必要である。
【0034】〔実施例3〕本実施例では、He−Neレ
−ザの偏光面を図1に示す1/2波長板で2秒毎に0
゜、90゜(つまりp偏光、s偏光)に切り替え反射強
度を測定した。この時のレ−ザ照射角は、前記の図8を
満足するように調整された。得られた結果を図4に示
す。図4において、18はs偏光の反射強度変化曲線、
19はp偏光の反射強度変化曲線である。膜表面には、
実施例2と同様に多数の析出物が認められた。
【0035】その結果、図4のs偏光の反射強度変化曲
線18も同様にそのベ−スラインが減少している。一
方、p偏光の反射強度変化曲線19には、曲線18にみ
られるようなピ−クはほとんど認められず、反射強度は
単調に減少している。図8に示したように、基板のブリ
ュ−スタ−角に調整されたp偏光を入射すると、膜表面
での反射光のみが検出されるため、その強度変化は膜表
面の凹凸をそのまま反映している。
【0036】s偏光の反射強度曲線18からピ−ク位置
を求める場合には、p偏光の反射強度曲線19がそのま
まベ−スラインの変動に対応するため、より正確にピ−
ク位置を決定し、成膜速度を算出することができる。反
射強度から求めた成膜速度は0.20μm/hで、実際
の成膜速度は0.18μm/hであった。
【0037】〔実施例4〕Cu(thd)2原料の加熱
温度を変えることにより、Cu含有量の多い膜を種々形
成して試験した。この時、p偏光の反射強度の変化をそ
れぞれ計測した。He−Neレ−ザを用い、成膜中Mg
O基板へのレ−ザ入射角がMgOのブリュ−スタ−角に
なるように調整した。膜の〔Y〕/〔Ba〕の比は1/
2の一定とした。
【0038】反射強度曲線を直線で近似し、その傾きを
膜のCuモル比(Baを2とした時の)に対してプロッ
トした結果を図5に示す。膜表面写真(省略)から、C
u量の増加につれて、析出した粒子(CuOを主とす
る)の量が増している。これと対応して反射強度曲線の
傾きが低下することが図5から判る。
【0039】〔実施例5〕He−Neレ−ザ(波長λ=
632.8nm)より短波長のレ−ザ光を発振できるA
rレ−ザ(波長λ=514.5nm、457.9nm)
を用いて測定を行なった。測定条件は実施例3とほぼ同
様である。反射強度曲線のピ−ク位置から算出した成膜
速度と実際の成膜速度を比較した結果を図6に示す。な
お、He−Neレ−ザでの結果もあわせて示した。
【0040】両者の値は、いずれの波長のレ−ザを用い
た場合にもほぼ良い一致を示している。波長の短いレ−
ザを用いた場合は、より薄い膜厚でピ−クが検出できる
ため成膜後は早い時期に成膜速度を決定することができ
る。
【0041】前記実施例では基板材料としてMgOを用
いたが、これに限らずSrTiO3、LaAlO3、La
GaO3、Al23、Si、SiO2、NdGaO3また
はイットリア安定化ジルコニア等種々の材料基板を用い
ても同様の計測が可能であると考えられる。
【0042】また、上記材料からなる単結晶基板の多く
は透明体であるが、同材料の多結晶基板あるいは種々の
金属基板は不透明体である。そのためそのブリュ−スタ
−角でp偏光が入射するように照射しても実施例4に示
すような計測はできない。このような場合、基板のブリ
ュ−スタ−角に変えて膜のブリュ−スタ−角でp偏光を
照射することによってほぼ同様な結果を得ることが可能
と考えられる。さらに実施例3および4において、レ−
ザの入射角を膜のブリュ−スタ−角に一致させても同様
の結果を得るものと考えられる。
【0043】また、析出物の形状は配置状態に一定の規
則性があれば、測定中基板を基板面内で回転することに
より、その形状、配置状態を決定することができる。さ
らに膜自体に光学的異方性があれば、同様に基板を回転
することにより、膜の配向性結晶方位を決定することも
可能である。
【0044】さらに、種々の膜を基板上に順次積層する
場合、あるいは1種類の酸化物超電導膜を析出させる際
に膜を構成する原子層を1層ずつ積層する場合にもそれ
ぞれ応用できる。実施例に示すような検出器の出力を成
膜と並行して演算処理することにより、逐次成膜条件を
制御するために利用することも可能である。
【0045】本発明はレ−ザ光を用いた非接触、非破壊
下での計測であり、膜上にレ−ザ光を導入し、これから
の反射を取り出すポ−トがあれば如何なる構造の成膜装
置にも適用できる。さらにCVD法に限らずマグネトロ
ンスパッタリング法、レ−ザスパッタリング法、MBE
法等のPVD法による成膜にも使用できる。
【0046】使用するレ−ザ光は紫外光、可視光、赤外
光のいずれでもよく、酸化物超電導膜の種類、基板の種
類、計測方法等により選定される。また、レ−ザ光の照
射強度は反射光検出器の感度、レ−ザ光路上での損失に
応じて選定されるが、照射により膜性状の劣化が生じな
い限度内で大きくすることができる。計測値のS/N比
向上のためレ−ザ光路にチョッパ−を設置し、検知器出
力をチョッパ−と同期させたロックインアンプリファイ
ヤで計測することもできる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、成膜中の材料の膜厚、
析出速度および平滑度を容易に計測することができる。
また、使用するレ−ザ光の強度は微弱でよいので形成さ
れる膜の性能を損じることなく検査ができる。膜の形成
時にその析出速度を知ることができ、その変動に対して
迅速な対応が可能となる。また、膜表面の平滑度を検知
することが可能であり、異相析出物の発生の有無を監視
でき、さらに成膜条件を適正に制御できる。本装置によ
り、検査することにより、作業効率は向上し、経済性を
高かめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物超電導膜の検査装置の模式図で
ある。
【図2】本発明の実施例1で検出された反射光強度の変
化を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例2で検出された反射光強度の変
化を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例3で検出された反射光強度の変
化を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例4で得られた成膜速度と実際の
成膜速度との比較図である。
【図6】本発明の実施例5で得られた膜の平滑度を示す
説明図である。
【図7】レ−ザ光が基板上の膜に照射された時の光路を
示す説明図である。
【図8】p偏光が基板のブリュ−スタ−角で照射された
時の光路を示す説明図である。
【図9】p偏光が膜材料のブリュ−スタ−角で照射され
た時の光路を示す説明図である
【符号の説明】
1 反応管 2 原料ガス供給ノズル 3 ヒ−タ 4 レ−ザ入射窓 5 基板 6 レ−ザ発振器 7 ポ−ラライザ 8 1/2波長板 9 チョッパ− 10 レ−ザ反射窓 11 絞り 12 検出器 13 ロックインアンプ 18 s偏光の反射強度変化曲線 19 p偏光の反射強度変化曲 20 酸化物超電導膜 21 p偏光 22 ブリュ−スタ−角 25 レ−ザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 泉 名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団 法人 国際超電導産業技術研究センタ− 超電導工学研究所 名古屋研究室内 (72)発明者 森下 忠隆 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センタ− 超 電導工学研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センタ− 超 電導工学研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学的気相成長法によって基板上に形成
    された酸化物超電導膜を検査する方法において、前記基
    板上に酸化物超電導膜を成膜中に、該膜上にレ−ザ光を
    照射して、該照射部から反射する反射光の強度を計測
    し、該酸化物超電導膜の成膜速度、膜厚および表面の平
    滑度を検知することを特徴とする酸化物超電導膜の検査
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の検査方法において、前記
    レ−ザ光は、直線偏光でかつ偏光面が該レ−ザ光の入射
    面となす角度が0℃(平行)か、90℃(垂直)かもし
    くは0℃と90℃を交互に変化させることを特徴とする
    酸化物超電導膜の検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項1および2記載の検査方法におい
    て、前記レ−ザ光の基板への入射角が、該基板のブリュ
    −スタ−角に一致することを特徴とする酸化物超電導膜
    の検査方法。
  4. 【請求項4】 請求項1および2記載の検査方法におい
    て、前記レ−ザ光の膜への入射角が、前記酸化物超電導
    膜のブリュ−スタ−角に一致することを特徴とする酸化
    物超電導膜の検査方法。
  5. 【請求項5】 加熱された基板に対して所定角度で配置
    され、対向した2つの光学窓(入射窓、反射窓)を有す
    る成膜容器に設置した酸化物超電導膜の検査装置におい
    て、前記入射窓側には、順次設置したレ−ザ発振器とポ
    −ラライザと1/2波長板とその付属モ−タおよびチョ
    ッパ−からなるレ−ザ照射系を、また反射窓側には、順
    次設置した絞りと受光素子からなる反射光検知器と、前
    記チョッパ−と受光素子とを接続したロックインアンプ
    リファイヤと該ロックインアンプリファイヤからの信号
    を演算処理する装置とを備えたことを特徴とする酸化物
    超電導膜の検査装置。
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