JPH05148080A - 単結晶育成方法 - Google Patents

単結晶育成方法

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JPH05148080A
JPH05148080A JP34017891A JP34017891A JPH05148080A JP H05148080 A JPH05148080 A JP H05148080A JP 34017891 A JP34017891 A JP 34017891A JP 34017891 A JP34017891 A JP 34017891A JP H05148080 A JPH05148080 A JP H05148080A
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crystal
single crystal
diameter
growing
heat
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JP34017891A
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English (en)
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Eiji Kajita
栄治 梶田
Kenichi Yamashita
健一 山下
Kunihiko Kitagawa
邦彦 北川
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KYUSHU ELECTRON METAL
KYUSHU ELECTRON METAL CO Ltd
Osaka Titanium Co Ltd
Original Assignee
KYUSHU ELECTRON METAL
KYUSHU ELECTRON METAL CO Ltd
Osaka Titanium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶の引き上げ育成において、狙いとする
結晶直径が熱平衡状態で育成可能となるよう、入熱源で
あるヒーター出力を主体に制御することにより、制御遅
れと熱遍歴の問題を解消できる単結晶育成方法。 【構成】 結晶育成中に結晶引き上げ速度がステップ的
に変動しても、固液界面での熱バランスを予測するモデ
ルを使用し、熱平衡状態で育成して一定の直径で結晶が
育成されるようにヒーター出力を制御して育成するた
め、熱遍歴の変動がなく、均質かつ結晶直径などの性状
がすぐれた単結晶を自動制御にて引き上げ育成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリコン等の融液か
ら単結晶を引き上げて直径制御しながら育成する単結晶
育成方法に係り、過去及び現在の単結晶育成状況からそ
の後の育成状況を予測し育成制御を行うに際して、操作
量と被制御量との関係を時間遅れも含んだ形でモデル化
して単結晶の引き上げ固液界面への熱流入量を育成に必
要な所定量に制御し、固液界面での熱バランスを変動さ
せることなく、結晶の受ける熱遍歴を安定させて均質か
つ結晶直径などの性状がすぐれた単結晶を自動制御にて
引き上げ育成できる単結晶育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンなどの半導体単結晶育成におい
て、単結晶の直径を必要とする大きさに歩留りよく生産
することが求められている。直径制御を必要とする単結
晶育成方法は大きく分けて、チョクラルスキー法(以下
CZ法という)と、フローティングゾーン法(以下FZ
法とい)の2つがある。
【0003】CZ法により単結晶を育成する場合、単結
晶直径を所要の許容範囲に収めるには熟練した操作者で
も困難なため、単結晶直径の自動制御装置が開発されて
きた。例えば、融解物表面の温度を輻射熱検出器で測定
(特公昭53−42476号)して、加熱装置と引き上
げ速度を制御する光学式自動制御装置や、引き上げ固相
化した部分の重量と長さを測定し、予め設定した標準重
量から引き上げ速度を制御する重力式自動制御装置が提
案されている。
【0004】かかる装置において、単結晶の直径を制御
する操作量として、結晶引き上げ速度、ヒーター出力
(ヒーター温度、ヒーター入熱量)、るつぼ回転がある
が、るつぼ回転は結晶中に取り込まれる酸素の濃度に大
きく影響を与えるため、限られた場合にしか直径制御の
ために使用しておらず、従来の単結晶直径制御は引き上
げ速度(結晶育成速度)とヒーター出力を主に使用して
制御している。
【0005】一般に、単結晶直径の制御性の向上のため
に応答性の早い引き上げ速度を主な制御量とした制御が
行われてきた。ヒーター出力は目的とする平均引き上げ
速度に対し上下限を設定し、その限度から外れるときに
操作する、いわゆるカスケード制御を行っている、ま
た、これらの操作量の制御法も通常PID制御を行って
いる。
【0006】また、結晶育成に際して、結晶成長部と融
液との界面近傍の温度分布を制御することが提案(特開
昭59−64592号公報)されているが、単に技術課
題を上げるのみで制御をどのように行うか具体的な提案
は全くされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】結晶育成における制御
は基本的に物質が融液から固体に状態変化する過程を制
御することである。ここで、物質の状態変化を起こす物
理的要因は温度である。よって、結晶育成における固化
状態は結晶固液界面における熱バランスで決まる。
【0008】この熱バランスは溶融液から結晶固液界面
に流れ込む熱量と固化熱量を加えたものが固液界面にお
いて結晶へ流れる熱量に等しいことで、次式で表され
る。 γm(dTm/dZ)+εV=γs(dTs/dZ) ここで、Tm:溶融液温度、Ts:結晶温度、V:固化
率、γm,γsはそれぞれ溶融液、結晶の熱移動量に関
係する定数、ε:単位体積当たりの固化熱である。
【0009】上記式から明らかなように融液と結晶の温
度勾配が変化しなければ、固化率は一定である。単位時
間当たりの固化率が一定であれば、引き上げ速度を大き
くすると結晶直径が小さくなり、引き上げ速度を小さく
すると結晶直径が大きくなる。つまり単位時間当たりの
固化率をVとし、引き上げ速度をv,結晶直径をとする
と、固化率は引き上げ速度に結晶断面の積であるから、 V=vπ(r/2)2 と表され、Vを一定にすると、 r2=4V/vπ と、vとr2が反比例する。
【0010】以上の関係に基づいて、従来は基本的に、
溶融液温度が低下した場合、固化率Vが増加し、結晶直
径が目標とする大きさよりも大きくなる。すると引き上
げ速度vを増加させ、結晶直径を一定に保つように制御
する。また、結晶直径を一定にするための引き上げ速度
増加量が一定設定値より大きくなると、ヒーター出力を
増加させ、固化率V自体を低減させる。
【0011】逆に溶融液温度の上昇により固化率Vが低
下した場合、結晶直径が目標値より小さくなるので、引
き上げ速度vを減少させ、結晶直径rを一定に保つよう
にする。またこの場合でも引き上げ速度がある設定値よ
り小さくなると、固化率Vが増加するようにヒーター出
力を下げるという制御を行っている。
【0012】ところが、今日では従来に比較して単結晶
の直径はより大きなものが求められている。単結晶の直
径寸法が大きくなるにつれて、育成に使用するるつぼの
直径と溶融液量も大きくする必要が生じる。するとヒー
ター出力を操作してから固液界面での温度勾配が変化す
るまで時間がかかるようになる。つまりヒーター操作し
て効果が現れるまでの無駄時間が大きくなり、PID制
御のように現時点での目標に対する偏差を補償する制御
機構では制御が遅れてしまう。従って、操作量としてヒ
ーター出力を使用する割合よりも引き上げ速度を操作量
とする割合が大きくなっている。
【0013】また、前述したように結晶固液界面での結
晶化の過程は熱的に支配されており、熱バランスの変動
はそのまま結晶性の違いとなる。つまり結晶固化の過程
がミクロに異なる。また上述の議論からヒーター出力が
異なっていても同じ直径の結晶が育成可能であることか
ら、各バッチごとのヒーター出力は異なる。バッチ毎に
ヒーター出力が異なることは、バッチ毎に結晶の受ける
熱遍歴が異なることになり、熱遍歴の違いによる結晶欠
陥核の核形成が異なることになる。
【0014】従来法における引き上げ結晶の内部欠陥濃
度の結晶による差異は時として10倍以上になり、デバ
イス製造における歩留りの低下を招来しており、またシ
リコン以外の半導体結晶及び酸化物結晶においても同様
の議論が成り立つ。
【0015】この発明は、単結晶の引き上げ育成におけ
る従来の単結晶直径制御方法が有する問題点の解析から
得られた、より大きな直径の単結晶の育成での制御遅れ
の問題、熱遍歴の違いによる結晶欠陥核の核形成が大き
く異なる問題に鑑み、単結晶の引き上げ育成において、
狙いとする結晶直径が熱平衡状態で育成可能となるよ
う、入熱源であるヒーター出力を主体に制御することに
より、制御遅れと熱遍歴の問題を解消でき、均質かつ結
晶直径などの性状がすぐれた単結晶を自動制御にて引き
上げ育成できる単結晶育成方法の提供を目的としてい
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、単結晶育成
用融液から単結晶を引き上げて育成する単結晶育成方法
において、結晶の育成に伴う結晶からの単位時間当たり
の輻射抜熱量と同じ熱量を固液界面から入熱する熱平衡
状態で育成可能とするよう熱流入量を制御することを特
徴とする単結晶育成方法である。
【0017】また、この発明は、単結晶育成方法におい
て、制御パラメータとして、ヒーター出力(あるいはヒ
ーター温度またはヒーター入熱量の何れでもよい、いか
同様)、るつぼの回転、結晶回転、引き上げ速度、るつ
ぼ移動速度、結晶直径の任意の組合せもしくはこれら全
てを選定し、その過去及び現在値から固液界面への熱流
入量の将来値を予測するモデルを用いて、単結晶の引き
上げ固液界面への熱流入量を育成に必要な所定量にした
上記の熱平衡状態に制御することを特徴とする単結晶育
成方法である。
【0018】また、この発明は、単結晶育成方法におい
て、制御パラメータとして、ヒーター出力、るつぼの回
転、結晶回転、引き上げ速度、るつぼ移動速度、結晶直
径の任意の組合せもしくはこれら全てを選定し、その過
去及び現在値から固液界面への熱流入,流出量の将来値
を予測するモデルを用いて、単結晶の引き上げ固液界面
への熱流入量を育成に必要な所定量にした上記の熱平衡
状態に制御することを特徴とする単結晶育成方法であ
る。
【0019】また、この発明は、単結晶育成方法におい
て、制御パラメータとして、ヒーター出力、るつぼの回
転、結晶回転、引き上げ速度、るつぼ移動速度、結晶直
径の任意の組合せもしくはこれら全てを選定し、その過
去及び現在値から結晶直径の将来値を予測するモデルを
用いて、単結晶の引き上げ固液界面への熱流入量を育成
に必要な所定量にした上記の熱平衡状態に制御すること
を特徴とする単結晶育成方法である。
【0020】また、この発明は、上記の各構成におい
て、使用するモデルの予測将来値と目標値との偏差の自
乗和と、当該モデルから算出した制御量の自乗和に予め
求めた係数を乗じた値との和が最小となるように当該制
御量の変更量を決定して被制御量の偏差を減ずることを
特徴とする単結晶育成方法である。
【0021】
【作用】この発明は、より大きな直径の単結晶の育成に
際し、融液の量が多くなるにつれてヒーターからの入熱
量変化が結晶固液界面での熱バランスを変化させる時間
が増加するが、この時間をむだ時間と定義し、また、同
時に熱バランス変化が飽和して安定するに要する時間も
増加するが、この時間を応答時間と定義して、操作量の
変化と被制御量の変化が時間的遅れを伴うシステムにお
いて、当該制御を的確に行うためには、操作量と被制御
量との関係が時間遅れも含んだ形で明らかにされなけれ
ばならないことに着目し、CZ引き上げ炉における熱応
答の特徴的関係を明らかにし、ヒーターを操作した後、
固液界面での熱バランスがどのように変化するかをモデ
ル化することにより、この発明を完成したものである。
【0022】この発明は、シリコン等の半導体結晶及び
酸化物結晶の引き上げ用融液中の熱輸送を基本にして、
CZ引き上げ炉における熱応答の特徴的関係を明らかに
し、過去及び現在の単結晶育成状況からその後の育成状
況を予測するモデル化を達成したものであり、すなわち
操作量と被制御量との関係を時間遅れも含んだ形でモデ
ル化して単結晶の引き上げ固液界面への熱流入量を結晶
の育成に伴う結晶からの単位時間当たりの輻射抜熱量と
同じ熱量を固液界面から入熱する熱平衡状態に制御する
ものであり、固液界面での熱バランスを変動させること
なく、結晶の受ける熱遍歴を一定に安定させて、均質で
かつ狙いどおりの結晶直径を有するなど、特性並びに外
観性状がすぐれた単結晶を自動制御にて引き上げ育成で
きる。
【0023】この発明において、制御パラメータとし
て、ヒーター出力、るつぼの回転、結晶回転、引き上げ
速度、るつぼ移動速度、結晶直径の任意の組合せもしく
はこれら全てを選定し、過去の単結晶育成状況からその
後の育成状況を予測することにより育成制御を行うが、
具体的には、いずれの組合わせの場合も結晶の育成に伴
う結晶からの単位時間当たりの輻射抜熱量と同じ熱量を
固液界面から入熱する熱平衡状態で育成可能とするよう
に、選定したパラメータを操作対称として熱流入量を制
御し、固液界面での熱バランスを制御するものである。
以下に熱平衡状態での育成状況を予測するモデルの例を
説明する。
【0024】単結晶育成用融液から単結晶を引き上げに
おいて、固液界面への熱流入量の将来値(U)は、制御
パラメータとして、ヒーター出力、るつぼの回転、結晶
回転、引き上げ速度、るつぼ移動速度、結晶直径を全て
を選定した場合、下記式で表すことができる。
【0025】U=f(A,B,C,D,E,F) A=・・・・An-2、An-1、An B=・・・・Bn-2、Bn-1、Bn C=・・・・Cn-2、Cn-1、Cn D=・・・・Dn-2、Dn-1、Dn E=・・・・En-2、En-1、En F=・・・・Fn-2、Fn-1、Fnn=ヒータ出力の現在値 An-m=ヒーター出力の過去値 Bn=るつぼ回転の現在値 Bn-m=るつぼ回転の過去値 Cn=結晶回転の現在値 Cn-m=結晶回転の過去値 Dn=引き上げ速度の現在値 Dn-m=引き上げ速度の過去値 En=るつぼ移動速度の現在値 En-m=るつぼ移動速度の過去値 Fn=結晶直径の現在値 Fn-m=結晶直径の過去値
【0026】また、制御パラメータを任意の組合せ、例
えばヒーター出力、るつぼ回転と結晶直径を選定した場
合(イ)は、 U=f(A,D,F) 例えばヒーター出力と引き上げ速度を選定した場合
(ロ)は、 U=f(A,D) の如く表すことができ、いずれも選定したパラメータの
過去及び現在値から固液界面への熱流入量の将来値を予
測して、結晶からの単位時間当たりの輻射抜熱量と同じ
熱量を固液界面から入熱する熱平衡状態となるように、
上記(イ)の場合はヒーター出力および/またはるつぼ
回転を制御し、(ロ)の場合はヒーター出力および/ま
たは引き上げ速度を制御する。この制御の際に使用する
単結晶育成装置固有の制御応答性を含む単結晶育成に必
要な諸元の応答をモデル化する必要から、操作量と被制
御量との関係を時間遅れも含むように、予め選定した定
数を各制御パラメータに与える。
【0027】固液界面への熱流入,流出量の将来値を予
測するモデルは、上述した固液界面への熱流入量の予測
式とともに、結晶からの単位時間当たりの輻射抜熱量の
将来値の予測、すなわち固液界面からの熱流出量の将来
値(Uout)を下記式にて予測し、上述の如く熱流出量
の将来値をふまえた固液界面への熱流入量を予測して熱
平衡状態となるように、選定したパラメータを制御す
る。
【0028】固液界面からの熱流出量の将来値
(Uout)の予測式 Uout=U+εV
【0029】また、選定したパラメータの過去及び現在
値から結晶直径の将来値(R)を予測するモデルを用い
る場合は、R=g(U) なる予測式を使用する。例え
ば制御パラメータにヒーター出力、るつぼ回転と結晶直
径を選定した場合(イ)は、 R=g(f(A,D,F)) であり、ヒーター出力、るつぼ回転と結晶直径結晶の過
去及び現在値から予測された結晶直径の将来値に基づい
て、所定の結晶直径が得られる熱平衡状態となるよう
に、ヒーター出力および/またはるつぼ回転を制御して
固液界面への熱流入量を制御する。また、ヒーター出力
と引き上げ速度を選定した場合(ロ)は、 R=g(f(A,D)) と表すことができ、ヒーター出力と引き上げ速度の過去
及び現在値から得られる結晶直径の将来値を予測して、
所定の結晶直径が得られる熱平衡状態となるように、ヒ
ーター出力および/または引き上げ速度を制御する。
【0030】いずれのモデルを使用する場合も、使用す
る単結晶育成装置固有の制御応答性、すなわち操作量と
被制御量との関係を時間遅れも含むように、予め選定し
た定数を各制御パラメータに与えるが、被制御量の偏差
を無くすように各制御パラメータの操作量の変更量を定
めるために、当該モデルの予測将来値と目標値との偏差
の自乗和と、当該モデルから算出した制御量の自乗和に
予め求めた係数を乗じた値との和が最小となるように当
該制御量の変更量を決定する。例えば、制御パラメータ
にヒーター出力と結晶直径を選定し、結晶直径の将来値
(R)を予測するモデルを用いた場合は、結晶直径の将
来値(R)と目標値(X)との差の自乗和Σ(R−X)
2とヒーター出力変更量の自乗和Σ(Hk+1−Hk2に重
み係数(Q)を乗じた値との和を最小とするようにヒー
ター操作量を決定する。これにより単結晶育成装置固有
の制御応答性を含む単結晶育成に必要な諸元の応答をモ
デル化することが可能である。
【0031】
【実施例】
実施例1 Si単結晶引き上げにおいて、結晶直胴部において目標
直径(6インチ)154mm、引き上げ速度1.1mm
/分一定で育成を行う。また、この時の結晶回転は毎分
15回転、るつぼ回転は毎分10回転である。るつぼ移
動速度はシリコン溶融液面が一定位置を保持するように
移動させている。結晶の育成に伴う結晶からの単位時間
当たりの輻射抜熱量と同じ熱量を固液界面から入熱する
ようにヒーター出力を予測制御し、さらに結晶長さによ
り結晶からの抜熱量は異なるが、その変化を外乱として
捕らえた場合の結晶目標形状と実際に得られた結晶形状
は図1に示すとおり、直径の変動は±1%以内と直径制
御性は極めて良好である。
【0032】実施例2 実施例1において、結晶育成中に固液界面での熱バラン
スを予測するモデルを使用し、一定の直径で結晶が育成
されるようにヒーター出力を制御して育成し、かつ結晶
直径を被制御量とし、結晶形状を目標値と実測結晶直径
との偏差をなくすように制御した場合の結晶形状を図2
に示すとおり、直径の変動は±0.5%以内と直径制御
性は実施例1よりさらに良好であった。
【0033】実施例3 Si単結晶引き上げにおいて、結晶直胴部において目標
直径154mm、引き上げ速度1.1mm/分一定で育
成を行い、結晶育成中に固液界面での熱バランスを予測
するモデルを使用し、一定の直径で結晶が育成されるよ
うにヒーター出力を制御して育成するに際し、結晶直径
予測制御中にるつぼ回転をステップ的に変えた時の結晶
目標直径と実際に得られた直径を図3に示す。るつぼ回
転を33%下げた際に、図3のBに示す如く、ヒーター
出力を所定熱量に順次減少させており、得られた結晶の
直径の変動は±1.3%以内と直径制御性が極めて良好
である。
【0034】実施例4 Si単結晶引き上げにおいて、結晶直胴部において目標
直径154mm、結晶回転は毎分15回転、るつぼ回転
は結晶育成長さに依存して毎分20回転から6回転に変
化させ、結晶育成中に固液界面での熱バランスを予測す
るモデルを使用し、一定の直径で結晶が育成されるよう
にヒーター出力を制御して育成するに際し、結晶直径予
測制御中に結晶引き上げ速度をステップ的に変えた時の
結晶目標直径と実際に得られた直径を図4に示す。結晶
引き上げ速度を50%上げた際に、図4のBに示す如
く、ヒーター出力を所定熱量に順次減少させており、得
られた結晶の直径の変動は±1.4%以内と直径制御性
が極めて良好である。
【0035】
【発明の効果】この発明は、操作量と被制御量との関係
を時間遅れも含んだ形でモデル化して単結晶の引き上げ
固液界面への熱流入量を結晶の育成に伴う結晶からの単
位時間当たりの輻射抜熱量と同じ熱量を固液界面から入
熱する熱平衡状態に制御することを特徴とする。かかる
モデルを用いた制御により、制御パラメータのヒーター
出力、るつぼの回転、結晶回転、引き上げ速度、るつぼ
移動速度、結晶直径のいずれが変動しても、固液界面で
の熱バランスを変動させることなく、結晶の受ける熱遍
歴を一定に安定させて、均質でかつ狙いどおりの結晶直
径を有する単結晶を得ることができる。また、特性並び
に外観性状がすぐれた単結晶を自動制御にて引き上げ育
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶目標形状と実際に得られた結晶形状を示す
長さと結晶直径との関係を示すグラフである。
【図2】結晶目標形状と実際に得られた結晶形状を示す
長さと結晶直径との関係を示すグラフである。
【図3】るつぼ回転、ヒーター出力及び結晶直径と時間
経過との関係を示すグラフである。
【図4】結晶引き上げ速度、ヒーター出力及び結晶直径
と時間経過との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 邦彦 佐賀県杵島郡江北町大字上小田2201番地 九州電子金属株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶育成用融液から単結晶を引き上げ
    て育成する単結晶育成方法において、結晶の育成に伴う
    結晶からの単位時間当たりの輻射抜熱量と同じ熱量を固
    液界面から入熱する熱平衡状態で育成可能とするよう熱
    流入量を制御することを特徴とする単結晶育成方法。
  2. 【請求項2】 制御パラメータとして、ヒーター出力、
    るつぼの回転、結晶回転、引き上げ速度、るつぼ移動速
    度、結晶直径の任意の組合せもしくはこれら全てを選定
    し、その過去及び現在値から固液界面への熱流入量の将
    来値を予測するモデルを用いることを特徴とする請求項
    1記載の単結晶育成方法。
  3. 【請求項3】 制御パラメータとして、ヒーター出力、
    るつぼの回転、結晶回転、引き上げ速度、るつぼ移動速
    度、結晶直径の任意の組合せもしくはこれら全てを選定
    し、その過去及び現在値から固液界面への熱流入,流出
    量の将来値を予測するモデルを用いることを特徴とする
    請求項1記載の単結晶育成方法。
  4. 【請求項4】 制御パラメータとして、ヒーター出力、
    るつぼの回転、結晶回転、引き上げ速度、るつぼ移動速
    度、結晶直径の任意の組合せもしくはこれら全てを選定
    し、その過去及び現在値から結晶直径の将来値を予測す
    るモデルを用いることを特徴とする請求項1記載の単結
    晶育成方法。
  5. 【請求項5】 当該モデルの予測将来値と目標値との偏
    差の自乗和と、当該モデルから算出した制御量の自乗和
    に予め求めた係数を乗じた値との和が最小となるように
    当該制御量の変更量を決定して被制御量の偏差を減ずる
    ことを特徴とする請求項2、請求項3または請求項4記
    載の単結晶育成方法。
JP34017891A 1991-11-28 1991-11-28 単結晶育成方法 Pending JPH05148080A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108950679A (zh) * 2018-06-28 2018-12-07 西安交通大学 一种在线监测直拉单晶炉内长晶界面形状的方法

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