JPH05141912A - 表面測定装置及び表面加工装置 - Google Patents
表面測定装置及び表面加工装置Info
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- JPH05141912A JPH05141912A JP3310694A JP31069491A JPH05141912A JP H05141912 A JPH05141912 A JP H05141912A JP 3310694 A JP3310694 A JP 3310694A JP 31069491 A JP31069491 A JP 31069491A JP H05141912 A JPH05141912 A JP H05141912A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力
顕微鏡(AFM)において用いられる測定用探針の先端
形状の評価を行うために、STMやAFMに電界イオン
顕微鏡(FIM)を組み合わせたタイプの表面測定装置
及び表面加工装置に係り、STMやAFM測定時に有効
な探針先端をFIM測定時に正しく評価することのでき
る表面測定装置、及び表面加工装置を提供することを目
的とする。 【構成】 本発明は、STMやAFMに電界イオン顕微
鏡(FIM)を組み合わせたタイプの表面測定装置及び
表面加工装置において、STMやAFMの探針先端形状
を測定するために前記探針に相対するように設けられた
チャンネルプレートの法線方向が可動となるよう前記チ
ャンネルプレートを駆動する手段を備えたことを特徴と
する表面測定装置及び表面加工装置である。
顕微鏡(AFM)において用いられる測定用探針の先端
形状の評価を行うために、STMやAFMに電界イオン
顕微鏡(FIM)を組み合わせたタイプの表面測定装置
及び表面加工装置に係り、STMやAFM測定時に有効
な探針先端をFIM測定時に正しく評価することのでき
る表面測定装置、及び表面加工装置を提供することを目
的とする。 【構成】 本発明は、STMやAFMに電界イオン顕微
鏡(FIM)を組み合わせたタイプの表面測定装置及び
表面加工装置において、STMやAFMの探針先端形状
を測定するために前記探針に相対するように設けられた
チャンネルプレートの法線方向が可動となるよう前記チ
ャンネルプレートを駆動する手段を備えたことを特徴と
する表面測定装置及び表面加工装置である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体表面微細構造の観
察を行う表面測定装置と、固体表面の微細構造を加工す
る表面加工装置に関する。さらに詳しくは、電界イオン
顕微鏡を備え、探針先端の形状の評価を行なうことので
きる表面測定装置及び表面加工装置である。
察を行う表面測定装置と、固体表面の微細構造を加工す
る表面加工装置に関する。さらに詳しくは、電界イオン
顕微鏡を備え、探針先端の形状の評価を行なうことので
きる表面測定装置及び表面加工装置である。
【0002】
【従来の技術】固体表面の1つ1つの原子を観察する表
面測定装置として、走査型トンネル顕微鏡(Scanning T
unneling Microscopy ;以下「STM」とする。)がI
BMのG.Binnigらによって開発された。(サー
フェイスサイエンス誌、126巻、ページ236)この
STMは、先端が尖った探針を電気伝導性固体である試
料の表面近傍で走査しながら、信号としてトンネル電流
を測定することにより、試料表面の構造と電子状態を原
子レベルで測定するものである。探針を試料表面近傍に
設置し、また、試料表面上で走査するために、探針と機
械的に接続された圧電素子を用いる。STMの場合、信
号はトンネル電流であるため、試料は電気伝導性である
必要がある。
面測定装置として、走査型トンネル顕微鏡(Scanning T
unneling Microscopy ;以下「STM」とする。)がI
BMのG.Binnigらによって開発された。(サー
フェイスサイエンス誌、126巻、ページ236)この
STMは、先端が尖った探針を電気伝導性固体である試
料の表面近傍で走査しながら、信号としてトンネル電流
を測定することにより、試料表面の構造と電子状態を原
子レベルで測定するものである。探針を試料表面近傍に
設置し、また、試料表面上で走査するために、探針と機
械的に接続された圧電素子を用いる。STMの場合、信
号はトンネル電流であるため、試料は電気伝導性である
必要がある。
【0003】また、上記のSTMを応用して、原子間力
顕微鏡(AtomicForce Microscopy;以下「AFM」とす
る。)が開発された。このAFMは、先端が尖った深針
を有するカンチレバーを、探針が試料表面の近傍に位置
するように設置したときの、カンチレバーの変位(反
り)を測定することにより、試料表面と探針との間に働
く力を測定する。探針を試料表面に対し、相対的に走査
させながらカンチレバーの変位を測定すれば、試料表面
の形状(構造)を三次元で測定することになる。AFM
は、試料表面と探針に働く力を測定するものであって、
電流を流すものではないので、試料が絶縁体であっても
良い。
顕微鏡(AtomicForce Microscopy;以下「AFM」とす
る。)が開発された。このAFMは、先端が尖った深針
を有するカンチレバーを、探針が試料表面の近傍に位置
するように設置したときの、カンチレバーの変位(反
り)を測定することにより、試料表面と探針との間に働
く力を測定する。探針を試料表面に対し、相対的に走査
させながらカンチレバーの変位を測定すれば、試料表面
の形状(構造)を三次元で測定することになる。AFM
は、試料表面と探針に働く力を測定するものであって、
電流を流すものではないので、試料が絶縁体であっても
良い。
【0004】また、上記のSTM及びAFMなどの表面
測定装置を用いて表面構造を測定した後、表面の所望の
位置に探針を設置し、探針を試料表面に衝突させたり、
探針−試料間にパルス電圧を印加することなどによっ
て、試料表面に原子スケールの凹凸を加工したり、探針
−試料間に気体分子あるいは液体分子がある場合は、印
加電圧による電界によってその分子を試料基板に吸着さ
せたり、脱離させることができる表面加工装置も用いら
れている。
測定装置を用いて表面構造を測定した後、表面の所望の
位置に探針を設置し、探針を試料表面に衝突させたり、
探針−試料間にパルス電圧を印加することなどによっ
て、試料表面に原子スケールの凹凸を加工したり、探針
−試料間に気体分子あるいは液体分子がある場合は、印
加電圧による電界によってその分子を試料基板に吸着さ
せたり、脱離させることができる表面加工装置も用いら
れている。
【0005】上記のような表面測定装置及び表面加工装
置において、探針先端の形状は非常に重要である。探針
先端に原子1個が突出している場合には、表面評価、加
工の分解能は原子1個以下となるが、探針先端に突出し
た原子がなく、多くの原子が平面状に並び、その面が試
料表面に対して平行であるならば、表面測定及び加工の
分解能は低下し探針先端の平面の面積程度となってしま
う。
置において、探針先端の形状は非常に重要である。探針
先端に原子1個が突出している場合には、表面評価、加
工の分解能は原子1個以下となるが、探針先端に突出し
た原子がなく、多くの原子が平面状に並び、その面が試
料表面に対して平行であるならば、表面測定及び加工の
分解能は低下し探針先端の平面の面積程度となってしま
う。
【0006】このような探針先端形状を評価するため、
STMやAFMに、電界イオン顕微鏡を(Field Ion Mi
croscope;以下「FIM」とする。)を設置することが
ある。図6は、STMとFIMを組み合わせた表面測定
装置の概略図である。図6において1は探針であり、探
針1は圧電素子3によりX,Y,Z軸の各方向に駆動さ
れる。試料2はアーム4に取り付けられている。アーム
4は試料駆動モータ6によって駆動される。また、FI
M測定のためにチャンネルプレート5が探針1と対向す
るように設置されている。
STMやAFMに、電界イオン顕微鏡を(Field Ion Mi
croscope;以下「FIM」とする。)を設置することが
ある。図6は、STMとFIMを組み合わせた表面測定
装置の概略図である。図6において1は探針であり、探
針1は圧電素子3によりX,Y,Z軸の各方向に駆動さ
れる。試料2はアーム4に取り付けられている。アーム
4は試料駆動モータ6によって駆動される。また、FI
M測定のためにチャンネルプレート5が探針1と対向す
るように設置されている。
【0007】STM測定時は、図6の(b)状態のよう
に試料2表面が探針1に対向するようにアーム4を位置
し、探針1を圧電素子3による駆動手段を用いて、試料
2表面を走査させながら、トンネル電流を測定する。ま
た、FIM測定時はまず、図6の(a)状態のように試
料を探針から遠ざけ探針1がFIMのチャンネルプレー
ト5に対向するようにアーム4を位置する。この状態
で、Heガスを導入し、探針1とチャンネルプレート5
間に高電圧を印加すると、探針表面原子の真上のHe原
子はイオン化してHeイオンとなり、チャンネルプレー
ト5に引かれる。図9はチャンネルプレートの一部を拡
大した斜視図である。チャンネルプレートは、通常、図
9の斜視図に示されるように、ガラスファイバー製の電
子(イオン)増幅管9と、蛍光板10からなる。蛍光板
10はガラスにZnSなどの蛍光塗料を塗布したものが
用いられる。飛来したHeイオンは電子(イオン)増幅
管9中で増幅され、Heイオンが飛来した地点の蛍光板
10が発光する。そのチャンネルプレート上の発光位置
を感知することにより探針先端の形状を評価することが
できる。しかしながら、上記のような表面測定装置や表
面加工装置を用いる場合、以下に示すような問題点が発
生する。
に試料2表面が探針1に対向するようにアーム4を位置
し、探針1を圧電素子3による駆動手段を用いて、試料
2表面を走査させながら、トンネル電流を測定する。ま
た、FIM測定時はまず、図6の(a)状態のように試
料を探針から遠ざけ探針1がFIMのチャンネルプレー
ト5に対向するようにアーム4を位置する。この状態
で、Heガスを導入し、探針1とチャンネルプレート5
間に高電圧を印加すると、探針表面原子の真上のHe原
子はイオン化してHeイオンとなり、チャンネルプレー
ト5に引かれる。図9はチャンネルプレートの一部を拡
大した斜視図である。チャンネルプレートは、通常、図
9の斜視図に示されるように、ガラスファイバー製の電
子(イオン)増幅管9と、蛍光板10からなる。蛍光板
10はガラスにZnSなどの蛍光塗料を塗布したものが
用いられる。飛来したHeイオンは電子(イオン)増幅
管9中で増幅され、Heイオンが飛来した地点の蛍光板
10が発光する。そのチャンネルプレート上の発光位置
を感知することにより探針先端の形状を評価することが
できる。しかしながら、上記のような表面測定装置や表
面加工装置を用いる場合、以下に示すような問題点が発
生する。
【0008】STM測定時の探針のZ方向と試料表面の
水平方向のなす角度θ1と、FIM測定時の探針のZ方
向とチャンネルプレートの水平方向のなす角度θ2は、
機械的な精密度の関係で、必ずしも一致しない。すなわ
ち、通常STMで表面形状を測定する場合、探針のZ方
向と試料表面の水平方向が90度の角度をなして対向す
るように設置するが、実際表面に測定すると、90度か
らずれた角度となってしまうことがある。
水平方向のなす角度θ1と、FIM測定時の探針のZ方
向とチャンネルプレートの水平方向のなす角度θ2は、
機械的な精密度の関係で、必ずしも一致しない。すなわ
ち、通常STMで表面形状を測定する場合、探針のZ方
向と試料表面の水平方向が90度の角度をなして対向す
るように設置するが、実際表面に測定すると、90度か
らずれた角度となってしまうことがある。
【0009】探針先端の形状は必ずしも先端が尖った単
純な形状ではなく、図7に示すようにマイクロチップと
呼ばれるような小さな突起がいくつか突出したものであ
ることが多い。この様な探針を用いた場合、上記の如く
探針に対向する角度がわずかに異なると、試料表面ある
いはチャンネルプレート表面と探針先端距離が最も短く
なる有効な探針先端位置が異なってくる。図7において
試料表面の水平方向がAの場合有効な探針先端はaとな
り、試料表面の水平方向がBの場合有効な探針先端はb
となってしまう。つまり、FIMで有効であった探針先
端とSTMで有効であった探針先端とが異なってしまい
FIMで探針先端を評価する意味がなくなってしまう。
この様な現象はAFMとFIMを組み合わせた表面測定
装置及び表面加工装置においても同様に起こり得る。
純な形状ではなく、図7に示すようにマイクロチップと
呼ばれるような小さな突起がいくつか突出したものであ
ることが多い。この様な探針を用いた場合、上記の如く
探針に対向する角度がわずかに異なると、試料表面ある
いはチャンネルプレート表面と探針先端距離が最も短く
なる有効な探針先端位置が異なってくる。図7において
試料表面の水平方向がAの場合有効な探針先端はaとな
り、試料表面の水平方向がBの場合有効な探針先端はb
となってしまう。つまり、FIMで有効であった探針先
端とSTMで有効であった探針先端とが異なってしまい
FIMで探針先端を評価する意味がなくなってしまう。
この様な現象はAFMとFIMを組み合わせた表面測定
装置及び表面加工装置においても同様に起こり得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
STM又はAFMとFIMを組み合わせた形式の表面測
定装置及び表面加工装置においては、探針に対する試料
表面の角度及び探針に対するチャンネルプレートの角度
が異なり、有効な探針形状を評価することができないと
いう問題点があった。
STM又はAFMとFIMを組み合わせた形式の表面測
定装置及び表面加工装置においては、探針に対する試料
表面の角度及び探針に対するチャンネルプレートの角度
が異なり、有効な探針形状を評価することができないと
いう問題点があった。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するた
めに成されたものであり、STM,AFMなどのような
表面測定装置及び表面加工装置において有効な探針形状
を正確に評価することができる表面測定装置及び表面加
工装置を提供することを目的とする。
めに成されたものであり、STM,AFMなどのような
表面測定装置及び表面加工装置において有効な探針形状
を正確に評価することができる表面測定装置及び表面加
工装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、探針を試料表
面近傍を走査して試料表面構造を測定する手段と、前記
探針先端形状を測定する手段として前記探針に相対する
ように設けられたチャンネルプレートとを備えた表面測
定装置において、前記チャンネルプレートの法線方向が
可動となるよう前記チャンネルプレートを駆動する手段
を備えたことを特徴とする表面測定装置である。また、
本発明は、探針で試料表面近傍で走査して試料表面構造
を加工する手段と、前記探針先端形状を測定する手段と
して前記探針に相対するように設けられたチャンネルプ
レートとを備えた表面加工装置において、前記チャンネ
ルプレートの法線方向が可動なるよう前記チャンネルプ
レートを駆動する手段を備えたことを特徴とする表面加
工装置である。
面近傍を走査して試料表面構造を測定する手段と、前記
探針先端形状を測定する手段として前記探針に相対する
ように設けられたチャンネルプレートとを備えた表面測
定装置において、前記チャンネルプレートの法線方向が
可動となるよう前記チャンネルプレートを駆動する手段
を備えたことを特徴とする表面測定装置である。また、
本発明は、探針で試料表面近傍で走査して試料表面構造
を加工する手段と、前記探針先端形状を測定する手段と
して前記探針に相対するように設けられたチャンネルプ
レートとを備えた表面加工装置において、前記チャンネ
ルプレートの法線方向が可動なるよう前記チャンネルプ
レートを駆動する手段を備えたことを特徴とする表面加
工装置である。
【0013】すなわち、本発明はSTM又はAFMなど
とFIMを組み合わせた形式の表面測定装置及び表面加
工装置において、FIM測定時に用いるチャンネルプレ
ートの法線方向が、可動となるようチャンネルプレート
を駆動する駆動手段を設けたものである。図8(a)
は、チャンネルプレートの動作を示す斜視図である。チ
ャンネルプレート5は、図8に示すごとくその法線方向
が可動となる。
とFIMを組み合わせた形式の表面測定装置及び表面加
工装置において、FIM測定時に用いるチャンネルプレ
ートの法線方向が、可動となるようチャンネルプレート
を駆動する駆動手段を設けたものである。図8(a)
は、チャンネルプレートの動作を示す斜視図である。チ
ャンネルプレート5は、図8に示すごとくその法線方向
が可動となる。
【0014】チャンネルプレート5を上記の如く駆動す
る手段としては、チャンネルプレートに複数の圧電素子
などの駆動手段を設置し、各々が別々に駆動するように
制御する、などの方法がある。図8(b)は、チャンネ
ルプレートの平面図である。チャンネルプレート5には
複数個の圧電素子7が設置されている。チャンネルプレ
ートに圧電素子で構成された微動駆動手段を設置するこ
とによって、原子レベルでの微動の角度調整が可能とな
る。しかし、本発明のチャンネルプレートの駆動手段は
上記の方法に限定されるものではない。
る手段としては、チャンネルプレートに複数の圧電素子
などの駆動手段を設置し、各々が別々に駆動するように
制御する、などの方法がある。図8(b)は、チャンネ
ルプレートの平面図である。チャンネルプレート5には
複数個の圧電素子7が設置されている。チャンネルプレ
ートに圧電素子で構成された微動駆動手段を設置するこ
とによって、原子レベルでの微動の角度調整が可能とな
る。しかし、本発明のチャンネルプレートの駆動手段は
上記の方法に限定されるものではない。
【0015】本発明においては、信号として探針と試料
の間に流れるトンネル電流を用いたSTMであっても、
信号に探針と試料間に働く力を用いるAFMであっても
よい。また、STM,AFMの他にも、信号に静電容量
を用いる容量顕微鏡にも適用できる。また、表面構造を
測定する装置に限らず、試料表面に微細構造を加工する
装置にも同様に適用できる。
の間に流れるトンネル電流を用いたSTMであっても、
信号に探針と試料間に働く力を用いるAFMであっても
よい。また、STM,AFMの他にも、信号に静電容量
を用いる容量顕微鏡にも適用できる。また、表面構造を
測定する装置に限らず、試料表面に微細構造を加工する
装置にも同様に適用できる。
【0016】さらにSTMやAFMなどでは、圧電素子
が探針側に設置され探針が試料表面上を走査する構造で
あってもよいし、圧電素子が試料側に設置され試料表面
が探針に対して走査する構造であっても良い。その他、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施す
ることができる。
が探針側に設置され探針が試料表面上を走査する構造で
あってもよいし、圧電素子が試料側に設置され試料表面
が探針に対して走査する構造であっても良い。その他、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施す
ることができる。
【0017】
【作用】本発明の表面測定装置及び表面加工装置によれ
ば、FIM測定時に用いるチャンネルプレートの探針の
Z方向に対する角度が自在に変更可能になる。それによ
り、STMやAFMなどの動作時の試料表面と、チャン
ネルプレートを平行にすることが可能となり、STMや
AFMなどの測定時に有効であった探針先端の原子配置
を評価しながら表面微細構造を測定及び、加工すること
が可能となる。
ば、FIM測定時に用いるチャンネルプレートの探針の
Z方向に対する角度が自在に変更可能になる。それによ
り、STMやAFMなどの動作時の試料表面と、チャン
ネルプレートを平行にすることが可能となり、STMや
AFMなどの測定時に有効であった探針先端の原子配置
を評価しながら表面微細構造を測定及び、加工すること
が可能となる。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例を詳細に説明する。図1
は、本願発明に係る表面測定装置の概略図を示したもの
である。表面測定装置は基本的にはSTM及びFIMか
ら構成されている。また、装置全体は真空チャンバー
(図示せず)内に設置されている。
は、本願発明に係る表面測定装置の概略図を示したもの
である。表面測定装置は基本的にはSTM及びFIMか
ら構成されている。また、装置全体は真空チャンバー
(図示せず)内に設置されている。
【0019】図1において1は探針であり、圧電素子3
によりX,Y,Z軸の各方向に駆動される。試料2はア
ーム4に取り付けられている。アーム4は試料駆動モー
タ6によって駆動される。また、FIM測定のためにチ
ャンネルプレート5が探針1と対向するように設置され
ている。前記チャンネルプレート5は、直径4インチの
円形で厚さのばらつきは100オングストローム以内で
ある。さらにチャンネルプレート5の端には4か所圧電
素子7が設置され、各々がZ方向に微動駆動される。
によりX,Y,Z軸の各方向に駆動される。試料2はア
ーム4に取り付けられている。アーム4は試料駆動モー
タ6によって駆動される。また、FIM測定のためにチ
ャンネルプレート5が探針1と対向するように設置され
ている。前記チャンネルプレート5は、直径4インチの
円形で厚さのばらつきは100オングストローム以内で
ある。さらにチャンネルプレート5の端には4か所圧電
素子7が設置され、各々がZ方向に微動駆動される。
【0020】次に、本装置の動作について説明する。ま
ず最初に探針1のZ方向とチャンネルプレート5の水平
方向が正確に垂直になる操作を行なった。探針1のZ方
向は重りのついた糸を下げてこの方向がSTMの圧電素
子7のZ方向に一致するように装置全体を調整した。
ず最初に探針1のZ方向とチャンネルプレート5の水平
方向が正確に垂直になる操作を行なった。探針1のZ方
向は重りのついた糸を下げてこの方向がSTMの圧電素
子7のZ方向に一致するように装置全体を調整した。
【0021】一方、チャンネルプレート5は水平器(図
示せず)を用いて水平に設置した。STM測定時に、図
1の(b)状態のようにグラファイトの試料2表面が探
針1に対向し、かつ試料表面から10オングストローム
の距離にあるようにアーム4を調整した。次に探針1を
圧電素子3による駆動手段を用いて、試料2表面を走査
させながら、トンネル電流を測定し、試料表面を観測し
た。図2はこの状態で測定されたSTM像である。図2
において図中の線群は全てX−Y平面上でY一定でX軸
方向に走査したときの観察信号画像を示し、これは表面
の凹凸に対応する。図2ではグラファイト試料表面の炭
素原子像が測定されている。図2中のX,Y軸方向に対
する原子の配列の傾きから試料2の表面は探針1のZ方
向に対してX方向に5度、Y方向に2度傾いていること
がわかった。
示せず)を用いて水平に設置した。STM測定時に、図
1の(b)状態のようにグラファイトの試料2表面が探
針1に対向し、かつ試料表面から10オングストローム
の距離にあるようにアーム4を調整した。次に探針1を
圧電素子3による駆動手段を用いて、試料2表面を走査
させながら、トンネル電流を測定し、試料表面を観測し
た。図2はこの状態で測定されたSTM像である。図2
において図中の線群は全てX−Y平面上でY一定でX軸
方向に走査したときの観察信号画像を示し、これは表面
の凹凸に対応する。図2ではグラファイト試料表面の炭
素原子像が測定されている。図2中のX,Y軸方向に対
する原子の配列の傾きから試料2の表面は探針1のZ方
向に対してX方向に5度、Y方向に2度傾いていること
がわかった。
【0022】その後、FIM測定のためにチャンネルプ
レート5の端に設置された4つの圧電素子7にそれぞれ
別の電圧を印加しチャンネルプレート5をX方向に5
度、Y方向に2度傾けた。この操作によって、STM測
定時の試料表面の傾きとFIM測定時のチャンネルプレ
ート表面の傾きが同じになった。次にアーム4を試料駆
動モータ6によって駆動し、試料を図1の(a)状態の
位置に移動した。その後真空チャンバーにHeを導入
し、探針1とチャンネルプレート5に5kVを印加し、
FIM測定を行った。このときのFIM像が図3であ
る。図3中の点群は探針先端で山状に突出した部分を示
す。
レート5の端に設置された4つの圧電素子7にそれぞれ
別の電圧を印加しチャンネルプレート5をX方向に5
度、Y方向に2度傾けた。この操作によって、STM測
定時の試料表面の傾きとFIM測定時のチャンネルプレ
ート表面の傾きが同じになった。次にアーム4を試料駆
動モータ6によって駆動し、試料を図1の(a)状態の
位置に移動した。その後真空チャンバーにHeを導入
し、探針1とチャンネルプレート5に5kVを印加し、
FIM測定を行った。このときのFIM像が図3であ
る。図3中の点群は探針先端で山状に突出した部分を示
す。
【0023】次に真空チャンバー内を10-10 Torr
の超高真空に引き再びSTM測定を行った。このときの
STM像が図4である。中央付近に原子3個からなる山
状の形状が観察された。図2と図4のSTM像が異なる
のは、FIM測定時に試料を探針から遠くに設置し、再
び探針から約10オングストロームの距離に近付けた一
連の操作によって試料の位置が多少ずれたためか、ある
いは、探針を近付けたことにより探針に試料表面の原子
が付着し原子が移動したためであるかはこの時点では不
明である。しかし、図4における試料表面の傾きは図2
の結果と同じであることがわかった。その後再びアーム
4を図1の(a)状態の位置に設置し、図3を得たとき
と同じ条件でFIM測定したときの結果が図5である。
図5によれば探針先端形状は、図3と似た構造であるが
異なる像であり、図3の表面に原子が3個なくなった構
造となっている。これらの結果は、STM動作時の探針
を試料表面に近付ける際、探針表面に存在した原子が試
料表面に移動したことを示している。つまり、図2と図
4のSTM像が異なる原因は主に探針先端に存在した原
子が試料表面に移動したことであるといえる。また、本
実施例においては、本発明の機構をSTMに用いた例を
示したが、AFMにも適用できることは当然である。
の超高真空に引き再びSTM測定を行った。このときの
STM像が図4である。中央付近に原子3個からなる山
状の形状が観察された。図2と図4のSTM像が異なる
のは、FIM測定時に試料を探針から遠くに設置し、再
び探針から約10オングストロームの距離に近付けた一
連の操作によって試料の位置が多少ずれたためか、ある
いは、探針を近付けたことにより探針に試料表面の原子
が付着し原子が移動したためであるかはこの時点では不
明である。しかし、図4における試料表面の傾きは図2
の結果と同じであることがわかった。その後再びアーム
4を図1の(a)状態の位置に設置し、図3を得たとき
と同じ条件でFIM測定したときの結果が図5である。
図5によれば探針先端形状は、図3と似た構造であるが
異なる像であり、図3の表面に原子が3個なくなった構
造となっている。これらの結果は、STM動作時の探針
を試料表面に近付ける際、探針表面に存在した原子が試
料表面に移動したことを示している。つまり、図2と図
4のSTM像が異なる原因は主に探針先端に存在した原
子が試料表面に移動したことであるといえる。また、本
実施例においては、本発明の機構をSTMに用いた例を
示したが、AFMにも適用できることは当然である。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように本願発明によれば、
FIMのチャンネルプレートの傾きを微細に変化するこ
とによって、STMやAFMなどの表面測定装置の測定
の際有効な探針先端形状が、FIMにより正確に測定す
ることができる。したがって、探針先端が測定前後でど
の様に変化したか、また、変化しないでSTM測定でき
たかどうかなどを正確に評価することができる。
FIMのチャンネルプレートの傾きを微細に変化するこ
とによって、STMやAFMなどの表面測定装置の測定
の際有効な探針先端形状が、FIMにより正確に測定す
ることができる。したがって、探針先端が測定前後でど
の様に変化したか、また、変化しないでSTM測定でき
たかどうかなどを正確に評価することができる。
【図1】 本発明の実施例に用いた表面測定装置の概略
図。
図。
【図2】 実施例の表面測定装置を用いて測定した、試
料の表面構造を示す図。
料の表面構造を示す図。
【図3】 実施例の表面測定装置を用いて測定した、探
針先端形状を示す図。
針先端形状を示す図。
【図4】 実施例の表面測定装置を用いて測定した、試
料の表面構造を示す図。
料の表面構造を示す図。
【図5】 実施例の表面測定装置を用いて測定した、探
針先端形状を示す図。
針先端形状を示す図。
【図6】 従来の表面測定装置または表面加工装置の概
略図。
略図。
【図7】 探針先端形状を示す断面図。
【図8】 (a)チャンネルプレートの変位を示す斜視
図。(b)チャンネルプレートの構成を示す平面図。
図。(b)チャンネルプレートの構成を示す平面図。
【図9】 チャンネルプレートの構造を示す斜視図。
1…探針 2…試料 3…探針駆動のための圧電素子 4…アーム 5…チャンネルプレート 6…試料移動のためのモータ 7…チャンネルプレート駆動のための圧電素子 8…本体 9…電子(イオン)増幅管 10…蛍光板
Claims (2)
- 【請求項1】探針を試料表面近傍を走査して試料表面構
造を測定する手段と、前記探針先端形状を測定する手段
として前記探針に相対するように設けられたチャンネル
プレートとを備えた表面測定装置において、前記チャン
ネルプレートの法線方向が可動となるよう前記チャンネ
ルプレートを駆動する手段を備えたことを特徴とする表
面測定装置。 - 【請求項2】探針で試料表面近傍で走査して試料表面構
造を加工する手段と、前記探針先端形状を測定する手段
として前記探針に相対するように設けられたチャンネル
プレートとを備えた表面加工装置において、前記チャン
ネルプレートの法線方向が可動なるよう前記チャンネル
プレートを駆動する手段を備えたことを特徴とする表面
加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3310694A JPH05141912A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 表面測定装置及び表面加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3310694A JPH05141912A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 表面測定装置及び表面加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05141912A true JPH05141912A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=18008341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3310694A Pending JPH05141912A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 表面測定装置及び表面加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05141912A (ja) |
-
1991
- 1991-11-26 JP JP3310694A patent/JPH05141912A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120903 |