JPH0514120B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0514120B2
JPH0514120B2 JP58157942A JP15794283A JPH0514120B2 JP H0514120 B2 JPH0514120 B2 JP H0514120B2 JP 58157942 A JP58157942 A JP 58157942A JP 15794283 A JP15794283 A JP 15794283A JP H0514120 B2 JPH0514120 B2 JP H0514120B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential
stage
impeller
fluid
user
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58157942A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6050299A (ja
Inventor
Toshoshi Iino
Hiromi Kaneko
Saburo Iwasaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP15794283A priority Critical patent/JPS6050299A/ja
Publication of JPS6050299A publication Critical patent/JPS6050299A/ja
Publication of JPH0514120B2 publication Critical patent/JPH0514120B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、給水用の多段遠心ポンプ等の多段流
体機械に関し、特にケーシングに作用する流体力
の低減に好適な多段流体機械に関する。
〔従来の技術〕
従来の、例えばボイラ給水に用いられる多段遠
心ポンプ等の多段流体機械は、各段の羽根車およ
び各段のデイフユーザがボリユートケーシング
(以下この発明においてはデイフユーザ等と略称
する)が、軸横断面で同一周方向位置に取付けら
れているため、各段のデイフユーザ等に作用する
流体加振力が同位相となる。従つて、1段当りり
のデイフユーザ等に作用する流体加振力に段数を
乗じた力がケーシング全体に作用していた。
これに対して、多段流体機械の振動騒音を低減
するために、例えば特開昭49−78202号公報に記
載のように、流体の通路長さを調整することによ
り脈動を相殺する方法が開示されている。また、
デイフユーザ等の入口と羽根車の出口の間隙を大
きくして振動騒音を低減する方法やデイフユーザ
等の入口や羽根車出口を3次元にスキユーをつけ
てひねり、両者の干渉を緩和して振動騒音を低減
する方法も知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来技術の第1の手段は特
殊なダブルボリユートケーシングのときのみに有
効で一般のデイフユーザ等には、適用できない欠
点があり、又、第2,第3の手段では多段流体機
械の効率や他の特性を悪化させる難点があり、そ
れらの特性を考慮すると、大きな効果は期待でき
ず実用性に乏しいという問題があつた。
また、このような多段流体機械のケーシングに
作用する流体加振力は、羽根車の羽根枚数とデイ
フユーザ等の羽根枚数の積から得られる、基本周
波数(羽根車羽根枚数×回転速度)のある倍数の
成分のみが選択的に大きくなることが理論計算に
より明らかにされている。一方、実験による結果
からもこの事実は確認されているが、上記従来技
術では配慮されていなかつた。
本発明の目的は、多段のデイフユーザに作用す
る流体加振力を低減することにより、振動、騒音
が小さくなる多段流体機械を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、ケーシング内に軸装した回転軸に
装着された多段の羽根車に対し前記ケーシングに
配設された多段の羽根付デイフユーザを有する多
段流体機械において、前記各段の羽根車の周方向
に取付け位置と前記各段の羽根付デイフユーザの
周方向の取付け位置との関係は、 段数をNs、羽根車の羽根枚数をNi、デイフユ
ーザの羽根枚数をNdとし、lを任意の整数とし
た時に、kNi±1=lNdを満たす最も小さな正の
整数kの値をk〓とすると、j段目の羽根車の周
方向の取付け位置を基準位置から反回転方向に測
つてβijとし、j段目のデイフユーザの周方向取付
け位置を基準位置から回転方向に測つてβdj(rad)
とした場合、 Ns 〓 〓j=1 [〓{k〓Niω(t−βij/ω)−βdj(k〓〓1)
}]=0 となるようにβij,βdjを選定することによつて達
成される。
〔作用〕
多段流体機械のデイフユーザ等に作用する流体
加振力は、羽根車の羽根枚数と羽根車の回転角速
度の積を基本角周波数とする調和成分である。そ
こで、各デイフユーザ等の羽根1枚に作用する、
低次から高次までの流体力を求め、デイフユーザ
等単段として和をとり、次いで全段の和をとる。
この場合、羽根に作用する力は、x方向、y方向
の各成分毎に分ける。
そこで、羽根車の羽根枚数、デイフユーザ等の
羽根枚数、羽根車の回転速度の影響を含む形で流
体加振力を調和成分の級数に展開する。単段につ
いては演算により、流体加振力は3角関数の除算
の形に簡単化される。ここで、流体加振力が有限
であるためには、分母の項が0であることが必要
で、その結果調和成分の特定の次数のみがデイフ
ユーザ等に作用することが知られる。
多段流体機械の場合には、デイフユーザ等に作
用する流体加振力は、各段のデイフユーザ等およ
び羽根車の取付け位置(各段の周方向の相対位置
関係)も影響するので、その影響を含む形で調和
成分の級数に展開する。単段におけると同様の演
算を施すと、流体加振力は調和成分の特定の次数
のみがデイフユーザ等に作用していることが知ら
れる。一般に、低次の項ほど加振力の振幅が大き
いから、デイフユーザ等に作用する最低次の項の
流体加振力の和が0となるように、羽根車および
デイフユーザ等の取付け位置を選定する。
これにより、高次の調和成分によるデイフユー
ザ等への影響は残るものの、最低次の調和成分を
無くしたので、デイフユーザ等へ及ぼす流体加振
力の作用を小さくでき、振動騒音を低減できる。
〔実施例〕
はじめに、振動騒音を低減することを目的とす
る本発明の背景をなす解析法についてその概略を
述べる。
(解析の原理) 多段流体機械の解析に用いる記号を次の様に定
める。
Ni:羽根車の羽根枚数 Nd:デイフユーザ等の羽根枚数(シングルボ
リユートケーシングの場合はNd=1、ダ
ブルボリユートケーシングの場合はNd
2) ω :羽根車の回転角速度 Fx:ケーシングに作用するx方向の流体加振
力の総和 Fy:ケーシングに作用するy方向の流体加振
力の総和 Fxj:j段目のデイフユーザ等に作用するx方
向の流体加振力 Fyj:j段目のデイフユーザ等に作用するy方
向の流体加振力 Fxji:j段目のデイフユーザ等のi番目の羽
根に作用するx方向の流体加振力 Fyji:j段目のデイフユーザ等のi番目の羽根
に作用するy方向の流体加振力 fxsp:基準の段の基準のデイフユーザ等の羽根
に作用するx方向の流体加振力の正弦成分
(形状、運転条件、及び調和成分の次数に
よつて定まる定数) fxcp:同上のx方向余弦成分 fysp:同上のy方向正弦成分 fycp:同上のy方向余弦成分 そこで、j段目のデイフユーザ等のi番目の羽
根に作用するx方向およびy方向の流体加振力の
k次の調和成分は、1番目の羽根を基準にする
と、次式で表わされる。
fxji(k)=fxsp(k)〓(kNiμ)〓λ +fysp(k)〓(kNiμ)(−〓λ) +fxcp(k)〓(kNiμ)〓λ +fycp(k)〓(kNiμ)(−〓λ) …(1) fyji(k)=fysp(k)〓(kNiμ)〓λ +fxsp(k)〓(kNiμ)(−〓λ) +fycp(k)〓(kNiμ)〓λ +fxcp〓〓(kNiμ)(−〓λ) …(2) ここで、 μ=ω{t−2π(i−1)/Ndω} …(3) λ=2π(i−1)/Nd …(4) である。
これより、j段目のデイフユーザ等に作用する
x方向およびy方向の流体加振力のk次の調和成
分は、 Fxj(k)=Ndi=1 fxji〓 …(5) Fyj(k)=Ndi=1 fyji(k) …(6) である。ここで、解析演算を簡単にするため、
fxji(k)の第1項およびfyji(k)の第2項、すなわち、
fxspに関する項のみを考える(他の項についても
同様である)。三角関数の和と積の公式を用いて、 Fxj(k)=Ndi=1 〔fxsp(k)〓(kNiμ)〓λ〕=1/2fxspNdi=1 〔〓μ1+〓μ2〕 …(7) ここで、 μ1=kNiωt−2/Ndπ(kNi−1)(i−1) …(8) μ2=kNiωt−2/Ndπ(kNi+1)(i−1) …(9) 次に、〓μ1および〓μ2の項について各々和をと
る。ここで、三角関数の級数の和に関する公式
(例えば、岩波全書「数学公式」17頁、1972参
照)を用いると、 Fxj(k)=1/2fxspNdi=1 〓μ1+1/2fxspNdi=1 〓μ2 =1/2fxsp〓μ2〓μ4/〓μ5+1/2fxsp
〓μ6〓μ7/〓μ6…(10) μ3=kNiωt −1/Nd(Nd−1)(kNi+1) …(11) μ4=π(kNi+1) …(12) μ5=1/Ndπ(kNi+1) …(13) μ6=kNiωt−1/Ndπ(Nd−1)(kNi−1) …(14) μ7=π(kNi−1) …(15) μ8=1/Ndπ(kNi−1) …(16) 式(10)でFxj(k)が0とならないのは、次の2つの
場合に限られる。すなわち、 kNi+1=l+×Ndを満たす整数l+かまたは、
kNi−1=l-×Ndを満たす整数l-のどちらか一
方だけが存在する場合(〓μ5=0または〓μ8
0)。
この場合、 Fxj(k)=1/2Ndfxsp〓(kNiωt) …(17) である。
kNi+1=l+×Ndを満たす整数l+と、kNi
1=l-×Ndを満たす整数l-が共に存在する場合
(〓μ5=0かつ〓μ8=0)。
この場合、 Fxj(k)=NdFxsp〓(kNiωt) …(18) である。そして、(l++l-)Nd=2となり、(l+
l-)は整数、Ndも整流ゆえ、Ndの値はNd=1、
またはNd=2の時に限られる。
同様にy方向についても、 Fyi(k)=Ndi=1 〔fxsp(k)〓(kNiμ)(−〓λ)〕 =1/2fxspNd 〓 〓i=1 〔〓μ1−〓μ2〕=1/2fxsp〓μ6〓μ7/〓μ8
1/2fxsp〓μ3〓μ4/〓μ5…(19) となり、Fyj(k)が0とならないのは、次の場合に
限られる。すなわち、 kNi+1=l+×Ndを満たす整数l+かまたは
kNi−1=l-×Ndを満たす整数l-のどちらか一
方だけ存在する場合(〓μ8=0または〓μ5
0)。
この場合、Fyj(k)はl±の符号に対応して、 Fyj(k)=〓1/2Ndfxsp〓(kNiωt) …(20) Nd=1またはNd=2のときは、 kNi+1=l+×Ndを満たす整数l+と、kNi−1
=l-×Ndを満たす整数l-が共に存在する(〓μ8
0かつ〓μ5=0)ことがあるが、その場合でも
Fyj(k)は0となる。
以上の演算から知られるように、j段目のデイ
フユーザ等に作用する加振力は、Niωを基本角
周波数とする調和成分の全てを含むわけではな
く、調和成分の次数をkとすると、 kNi+1=lNdを満たす整数lの存在するkに
対応する次数の成分のみを含むことが明らかにな
つた。
例えば、Ni=5,Nd=9とすると、kが2,
7,11,…のとき、上式を満たす整数lが存在す
るので、加振力の周波数は10ω,35ω,55ω,…
となる。
次に多段流体機械のケーシングに作用する流体
加振力について検討する。
ケーシングに作用する流体加振力は、とりもな
おさず上記デイフユーザ等に作用する流体加振力
の総和となる。しかし、従来の多段流体機械のよ
うに各段の羽根車や、デイフユーザ等の周方向の
取り付け位置が軸横断面で同一位置姿勢である
と、各段のデイフユーザ等に作用する流体加振力
の移送が全ての周波数について等しくなり、当然
のことながら上述のように加振力の振幅が段数倍
されることになる。
そこで、この発明においては、各段のデイフユ
ーザ等に作用する流体加振力の総和を低減するた
めに、各段の羽根車と各段のデイフユーザ等の周
方向取付け位置をずらすようにした。
すなわち、j段目の各羽根車の周方向取付け位
置を、基準位置から反回転方向に測つてβij(rad)
とし、j段目の各デイフユーザ等の周方向取付け
位置を基準位置から回転方向に測つてβdj(rad)
とする。
そこで、式(7)以降の導出と同様に、fxspに関す
る項のみを対象として、まず前記)項の場合に
ついて考える。この場合、ある次数kに対して、
kNi+1=lNdを満足する整数lが複合±のどち
らかについてのみ存在するので、各段のデイフユ
ーザ等に作用するx方向の流体加振力の総和は、
式(17)より Fx(k)=1/2fxspNdNsj=1 〔〓λ1〓βdi〓〓λ1(−〓βdi)〕 =1/2fxspNdNsj=1 (〓λ2) …(21) で表わされる。ここで、 λ1=kNiω(t−βij/ω−βdj/ω)…(22) λ2=kNiω(t−βij/ω)−βdj(kNi〓) …(23) また、y方向の流体加振力については、x方向
と同様であるので省略する。
式(21)から明らかなように、Fxの振幅は、βij
βdjによつて変化する。式(21)より、流体加振力は
正弦波の和として表わされ、これらの正弦波の位
相が揃つた時に、振幅は最大となるから、式(23)
よりβij=0,βdj=0の時に流体加振力は最大と
なる(なお、Fxの振幅を最大とするβij,βdjの値
は0以外にも存在する)。
したがつて、βij,βdjの値を0としたとき、す
なわち、各段の羽根車や、デイフユーザ等の周方
向取付け位置を基準位置と同一位置としたときと
比べ、βij,βdjの少なくとも1つでも0以外の値
とする、すなわち、各段の羽根車やデイフユーザ
等のうち少なくとも1つでもその周方向取付け位
置をずらして配設すれば、理論的には各段のデイ
フユーザ等の作用する流体加振力の総和が低減さ
れることになる。
次に前)項の場合について検討する。この場
合、ある次数kに対して、kNi±1=lNdを満足
する整数lが複号±の両方に対して、同時に存在
する。そして、それはNd=1、またはNd=2に
限られ、Fyj=0でもある。これより、 Fy(k)=NdfxspNsj=1 〔〓λ1〓βdj〕=1/2NdfxspNsj=1 〔〓β2+〓λ3〕 …(24) となる。ここで、 λ2=kNiω(t−βij/ω)−βdj(kNi−1) …(25) λ3=kNiω(t−βij/ω)−βdj(kNi+1) …(26) である。式(24)〜(26)より、βij=0,βdj=0の時、
Fx(k)の振幅が最大となるので、前述の)項の
場合と同様に展開できる。
そこで、さらに効果的に流体加振力の総和を低
減するために、βijやβdjをどのように選べばよい
かについて検討する。
式(21)または式(24)からも明らかなように、k
次の調和成分1個だけに着目して、Fx(k)を0と
するようなβijやβdjを選ぶことは可能であるが、
2個以上の調和成分を同時に0とすることはでき
ない。
しかしながら、各段のデイフユーザ等に作用す
る流体加振力は、Niωを基本角周波数とする調
和成分の全てを含むわけではなく、kNi±1=
lNdを満たす整数lが存在するk次の調和成分の
周波数のみを含む。
また、1枚のデイフユーザ等の羽根に作用する
力fxspは、一般にNiωを基本周波数とする調和成
分の全てを含むが、次数kが小さいほど大きい。
そのため、kNi±1=lNdを満たす整数lが存
在する正の整数(次数)kのうち最少次数のk〓
に注目して、k〓次の流体加振力が0となるよう
に、βijやβdjを選べば、流体加振力は大幅に低減
されることが分かる。
例えば、前述のNi=5,Nd=9の例では、k〓
=2となるので、2次の調和成分に注目して、こ
れを0とするようなβijやβdjを選べばよいことに
なる。
すなわち、式(21)または式(24)においてk=k〓
と置けば、Nsj=1 (〓λ4)=0 …(27) λ4=k〓Niω(t−βij/ω)−βdj(k〓Ni〓1) …(28) となるようにβijやβdjを選定すればよい。
ここで、複号〓のどちらをとるかは、 k〓Ni±1=lNdが、複号±のどちらの場合に
満たされるかと対応している。
さらに、複号±が両方とも満たされる場合
(Nd=1またはNd=2の場合)は、上述の複号
〓の両者を同時に満たすようなβijやβdjを選ばな
ければならない。
そこで、式(27),(28)を満たすβijやβdjの実用設
計上の簡単な選定について検討する。まず、各段
のデイフユーザの周方向の取付け位置は同一とし
(βdj=0)、羽根車の周方向の取付け位置を基準
位置に対して、βij=(j−1)βipだけ反回転方向
にずらして取付ける(ただし、jの番号付けは任
意である)。
そこで、上記k〓に対応する周波数の流体加振
力の総和を0とするための条件式は、 Ndj=1 〓μλ5=0 …(29) λ5=k〓Niωt−k〓Niβip(j−1) …(30) となる。三角関数の級数の和の公式を用いて、 〓λ6〓λ7/〓λ8=0 …(31) λ6=k〓Niωt−1/2(Ns−1)k〓Niβip …(32) λ7=1/2k〓NiNsβip …(33) λ8=1/2k〓Nsβip …(34) が得られる。式(31)〜(34)が成立するためには、 βip=2n1π/k〓NiNs …(35) n1:整数 n1/Ns≠整数 …(36) とすればよいことになる。
なお、この場合全段の羽根車の流体加振力の総
和を理論的に0とするようなβipについて計算し
たが、全段の羽根車を各グループが2段以上ある
場合の態様を含む所定数のグループに分け、各グ
ループ毎の加振力の総和を0とするようにβip
決めてもよい。
次に、各段の羽根車の周方向取付け位置を同一
とし(βij=0)、デイフユーザ等の取付け位置を
各段ごとに等角度ずらす場合について検討する。
この場合、以下の演算が成立するのはNd≧3の
場合に限られる。
すなわち、j段目のデイフユーザ等の周方向の
取付け位置を基準位置に対して、βdj=(j−1)
βdpだけ、回転方向にずらして変位して取付ける
ものとする(ただし、jの番号付けは任意であ
る)。この時、前記k〓に対応する周波数の流体
加振力の総和を0とするための条件式は Ndj=1 〓λ9=0 …(37) λ9=k〓Niωt−βdp(k〓Ni〓1)(j−1) …(38) となる。ここで、複号〓のいずれを選定するか
は、k〓Ni1=lNdの式で、複号±のどちらが成
立するかによる。
三角関数の級数の和の公式を用いて、 〓ξ1〓ξ2/〓ξ3=0 …(39) ξ1=k〓Niωt−1/2(Ns−1)(k〓Ni〓1)βdp …(40) ξ2=1/2(k〓〓1)Nsβdp …(41) ξ3=1/2(k〓〓1)βdp …(42) となる。この式(39)〜(42)が成立するためには、 βdp=2n2π/Ns(k〓Ni〓1) …(43) n2/Ns≠整数 …(44) とすればよい。
なお、ここでは全段の流体加振力の総和を0と
するようなβdpについて演算したが、全段をそれ
ぞれが2段以上の複数段を有するグループに分
け、上記したと同様の方法で、各グループ毎に流
体加振力の総和を0とするようにβdpを決めても
よい。
(多段遠心ポンプにおける実施例) 次に、この発明を多段遠心ポンプに用いた実施
例について、図面を用いて説明する。
第1図は、多段流体機械としての多段デイフユ
ーザポンプ1を示したもので、そのケーシング2
には、従来例と同様に6個のデイフユーザ3が軸
方向に所定間隔で設けらている。そして、回転軸
4がケーシング2内を貫通し、ケーシング2の両
端に設けた軸支承部で回動自由に支持されてい
る。この回転軸4にはデイフユーザ3と同数個の
羽根車5が取りつけられている。この羽根車の羽
根枚数Niは、いずれもNi=5であり、デイフユ
ーザ3の羽根枚数NdはNd=9である。この羽根
車とデイフユーザの軸横断面を第2図に示す。
多段デイフユーザポンプ1に、説明の便宜上、
第3図に示す様に、右から段番号jをj=1,2
…と付ける。
そこで、この実施例のデイフユーザポンプ1の
全てのデイフユーザに使用する流体加振力の総和
を0にする手段を、上記理論解析に基づいて説明
する。
本実施例においては、Ni=5,Nd=9である
から、任意の整数lに対して、kNi±1=lNd
満たすkの最小値k〓は2であり、上式は複号±
の−のときに成立する。すわち、先述の理論解析
に従えば、1段のデイフユーザ3に作用する流体
加振力の最低次の角周波数は、k〓Niω=10ωと
なる。
ちなみに、次に低い角周波数は7次の成分
(35ω)となり、2次の成分に比べて充分に小さ
い。
そこで、各段のデイフユーザ3に作用する2次
の角周波数の成分を6段のデイフユーザ3につい
て総和をとる。この値を0にするためには、上記
理論からは種々の設計が可能であるが、まず各段
の羽根車5の周方向の取付け位置のみをずらすこ
とを対象とする。全段を1つのグループとして、 βip=2n1π/k〓NiNs …(45) n1/Ns≠整数 …(46) を適用すると、Ns=6,n1=1,2,3,4,
5,7,…であるから、n1=1とすると、 βip=2π/2×5×6=π/30 …(47) すなわち、j段目の羽根車5の周方向の取付け位
置βijを、 βij=π/30(j−1) とすれば良いことになる。
このように、羽根車5の取付け位置を変えた場
合の実施例を第4図aに示す。なお、この実施例
においては、羽根車5を説明の便のため、ラジア
ル羽根で示している。
また、全段をj=1〜3の3段で構成されるグ
ループと、j=4〜6の3段で構成されるグルー
プの2つのグループに分けて、それぞれのグルー
プでデイフユーザに作用する流体加振力の総和を
0にする場合を考える。この場合、 βip′=2n1′π/k〓NiNs …(48) n1′/Ns′≠整数 …(49) において、Ns′=3,n1′=1,2,4,5,7,
…であるから、n1′=1とすると、 βip=2π/2×5×3=π/15 …(50) となる。すなわち、各グループにおけるj′段目の
羽根車5の周方向の取付け位置を、 βij′=π/15(j′−1) とすればよい。
第4図bに、この結果に基づく羽根車5の周方
向取付け状態を示す。この場合も羽根車はラジア
ル羽根で示している。また、この実施例では、モ
デル化説明のため、j=1とj=4の羽根車5の
周方向取付け位置を同一としているが、任意の位
置関係で良いことは言うまでもない。
さらに、2つのグループに分ける分け方は、2
段のグループと4段のグループに分けることも可
能である。
次に、全段をj=1,2の2段で構成されるグ
ループ、j=3,4の2段で構成されるグループ
と、j=5,6の2段で構成されるグループの3
つのグループに分けて、それぞれのグループでデ
イフユーザ3に作用する流体加振力の総和を0と
する場合について考える。この場合、 βip′=2n1′π/k〓NiNs …(51) n1′/Ns′≠整数 …(52) となる。Ns′=2,n1′=1,3,5,7…である
から、n1′=1とすると、 βip′=2π/2×5×2=π/10 …(53) すなわち、各グループにおけるj′段目の羽根車の
周方向取付け位置βij′を、 βij′=π/10(j′−1) とすればよい。この結果に基づく羽根車5のずら
した取付けの取付け状態を第4図cに示す。この
例においても、羽根車5はラジアル羽根で示して
いる。また、説明のモデル化のため、j=1,j
=3,j=5の羽根車5の周方向の取付け位置を
同一としているが、任意の位置関係で良いことは
勿論である。
上記のように、羽根車を所定のグループに分け
て、それぞれのグループ毎にデイフユーザ3に作
用する流体加振力の総和を0とする場合、当然の
ことながら、デイフユーザ3の周方向の取付け位
置については、グループ内で同一であれば充分で
あつて、全段同一である必要はない。
次に、各段のデイフユーザ3の周方向取付け位
置のみをずらして取付け、流体加振力の総和を0
にする場合について説明する。
まず、全段を1つのグループと見なす場合につ
いて検討する。この場合、式(43),(44)より、 βdp=2n2π/Ns(k〓Ni〓1) …(54) n2/Ns≠整数 …(55) であるから、Ns=6,n=1,2,3,4,5,
7…の場合、ns=1として βdp=2π/6×(2×5+1)=π/33 …(56) となる。これより、j段目のデイフユーザ3の周
方向の取付け位置を、 βdj=π(j−1)/33 とすればよい。
第5図aは、この設計に基づいて各段のデイフ
ユーザ3の周方向取付け位置をずらして設置した
例を示したものである。ここでは、説明の便宜
上、デイフユーザ3の羽根車はラジアル羽根で示
している。
次に、全段をj=1〜3の3段で構成されるグ
ループと、j=4〜6の3段で構成されるグルー
プとに分けて、それぞれのグループでデイフユー
ザ3に作用する流体加振力の総和を0とする場合
について検討する。この場合、 βdp′=2n2′π/Ns(k〓Ni〓1) …(57) n2′/Ns′≠整数 …(58) であるから、Ns′=3,n2′=1,2,4,5,7
…について、n2′=1とすると、 βdp′=2π/3×(2×5+1)=π/33 …(59) となる。これより、各グループにおけるj′段目の
デイフユーザの周方向の取付け位置βdi′を、 βdj′=2π(j′−1)/33 とすればよい。
第5図bは、この設計に基づいて各段のデイフ
ユーザ3の周方向取付け位置をずらして設置した
例を示したものである。ここでは、デイフユーザ
3の羽根はラジアル羽根で示している。また、j
=1とj=4のデイフユーザ3の周方向取付け位
置を同一としているが、任意の位置関係でよいこ
とは言うまでもない。
次に全段をj=1,2の2段で構成されるグル
ープ、j=3,4の2段で構成されるグループと
j=5,6の2段で構成されるグループとの3つ
のグループに分け、各グループ毎にデイフユーザ
3に作用する流体加振力の総和を0にする場合に
ついて検討する。この場合、 βdp′=2n2′π/Ns′(k〓Ni〓1) …(60) n2′/Ns′≠整数 …(61) であるから、Ns′=2,n2′=1,3,5,7,
…について、n2′=1とすると、 βdp′=2π/2×(2×5+1)=π/11 …(62) となる。これより、j′段目のデイフユーザ3の周
方向の取付け位置βdj′は、 βdj′=π/11(j′−1) とすれば良い。
第5図cは、この設計に基づいて各段のデイフ
ユーザ3の周方向取付け位置をずらして設置した
例を示したものである。ここでは前述同様デイフ
ユーザ3の羽根をラジアル羽根で示している。ま
た、j=1,3,5のデイフユーザ3の周方向取
付け位置を同一としているが、任意の位置関係で
良いことは勿論である。
また、デイフユーザ3を所定のグループに分け
て、各グループ毎にデイフユーザ3に作用する流
体加振力の総和を0にする実施例においては、当
然のことながら、羽根車5の周方向取付け位置
は、グループ内で同一であれば充分であつて、全
段同一である必要はない。
なお、本発明は上述したデイフユーザに限るも
のではなく、ボリユートケーシングを有する構成
や多段遠心コンプレツサーでもよく、本発明の理
論が適用可能な多段ターボ形流体機械一般に適用
できる。
〔発明の効果〕
以上、この発明によれば、多段デイフユーザポ
ンプ等の多段流体機械のデイフユーザ等に使用す
る流体加振力のうち通常最も大きい、最低次の周
波数成分を0とできるので、多段流体機械の振動
や騒音の低減を図ることができる。
また、羽根車やデイフユーザ等の周方向の取付
け位置を理論設計に基づいて基準位置からずらす
ことにより、各段のデイフユーザ等に作用する流
体加振力の総和を0とすることが可能になり、振
動、騒音が小さい多段流体機械を提供することが
できる。
また、デイフユーザ等や羽根車自体の取付け構
造は従来と同じであり、単に羽根車やデイフユー
ザ等の周方向取付け位置を変えるのみであるの
で、部品点検等の変更はなく、工作上の組み付け
問題にすぎず、製造コストが高くなつたり、メン
テナンスコストが高くなることもなく、安価に騒
音の低減が図られる。
さらに、騒音、振動が低減されるので、周囲の
計測等に影響を与えず、作業環境を良くし、周辺
機器のガタや耐久性の低下という問題を生ぜず、
高信頼性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の1実施例の多段流体機械の
軸縦断面図である。第2図は、羽根車とデイフユ
ーザの関係を説明する軸横断面図である。第3図
は第1図の主要部のモデル化説明図、第4図は各
段の羽根車の周方向取付け位置を示す実施例のモ
デル化軸横断面図、第5図は各段のデイフユーザ
の周方向取付け位置を示す実施例のモデル化軸横
断面図である。 2…ケーシング、3…デイフユーザ、5…羽根
車。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ケーシング内に軸装した回転軸に装着された
    多段の羽根車に対し、前記ケーシングに配設され
    た多段の羽根付デイフユーザを有する多段流体機
    械において、前記各段の羽根車の周方向の取付け
    位置と前記各段の羽根付デイフユーザの周方向の
    取付け位置との関係は、 段数円Ns、羽根車の羽根枚数をN1、デイフユ
    ーザの羽根枚数をNdとし、lを任意の整数とし、
    KNi±1=lNdを満たす最も小さな正の整数kの
    値をk〓とすると、j段目の羽根車の周方向の取
    付け位置を基準位置から反回転方向に測つてβij
    (rad)とし、j段目のデイフユーザの周方向取
    付け位置を基準位置から回転方向に測つてβdj
    (rad)とした場合、 Ns 〓 〓j=1 [〓{k〓Niω(t−βij/ω)−βdj(K〓〓1)
    }]=0 となるようにβij,βdjを選定することを特徴とす
    る多段流体機械。
JP15794283A 1983-08-31 1983-08-31 多段流体機械 Granted JPS6050299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15794283A JPS6050299A (ja) 1983-08-31 1983-08-31 多段流体機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15794283A JPS6050299A (ja) 1983-08-31 1983-08-31 多段流体機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6050299A JPS6050299A (ja) 1985-03-19
JPH0514120B2 true JPH0514120B2 (ja) 1993-02-24

Family

ID=15660832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15794283A Granted JPS6050299A (ja) 1983-08-31 1983-08-31 多段流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6050299A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6429700A (en) * 1987-07-23 1989-01-31 Hitachi Ltd Multistage fluidic machine
JP3482668B2 (ja) * 1993-10-18 2003-12-22 株式会社日立製作所 遠心形流体機械
JP4859417B2 (ja) * 2005-09-09 2012-01-25 株式会社ケー・エフ・シー ロックボルト施工法及びアタッチメント
JP4951418B2 (ja) * 2007-06-01 2012-06-13 株式会社日立産機システム 多段遠心ポンプ
JP5753715B2 (ja) * 2011-03-29 2015-07-22 株式会社川本製作所 排水ポンプ

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5587899A (en) * 1978-12-27 1980-07-03 Kubota Ltd Multi-stage pump
JPS5885386A (ja) * 1981-11-16 1983-05-21 Mitsubishi Electric Corp 電動機駆動ポンプ系統の異常検出装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5587899A (en) * 1978-12-27 1980-07-03 Kubota Ltd Multi-stage pump
JPS5885386A (ja) * 1981-11-16 1983-05-21 Mitsubishi Electric Corp 電動機駆動ポンプ系統の異常検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6050299A (ja) 1985-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5857834A (en) Centrifugal fluid machine
He Computation of unsteady flow through steam turbine blade rows at partial admission
Zangeneh et al. On the role of three-dimensional inverse design methods in turbomachinery shape optimization
US3572962A (en) Stator blading for noise reduction in turbomachinery
JP6499636B2 (ja) 異なる後縁プロフィルを持つベーンを交互に配置したベーン配置
Gallus et al. The influence of blade number ratio and blade row spacing on axial-flow compressor stator blade dynamic load and stage sound pressure level
JPH0514120B2 (ja)
Kushner Disc vibration-rotating blade and stationary vane interaction
Stapelfeldt Advanced methods for multi-row forced response and flutter computations
Reese et al. Large eddy simulation of acoustical sources in a low pressure axial-flow fan encountering highly turbulent inflow
Horlock et al. Non-uniform flows in axial compressors due to tip clearance variation
Rza˛ dkowski et al. 3D Unsteady forces of the transonic flow through a turbine stage with vibrating blades
Akin et al. Actively controlled radial flow pumping system: manipulation of spectral content of wakes and wake-blade interactions
JP3912331B2 (ja) 遠心形流体機械
Benra et al. Numerical investigation of the transient flow in a centrifugal pump stage
Rzadkowski et al. Unsteady forces acting on rotor blades in five and half compressor stage
Jo¨ cker et al. Mode Shape Sensitivity of the High Pressure Turbine Rotor Excitation Due to Upstream Stators
Sorokes et al. Analytical and Test Experiences Using a Rib Diffuser in a High Flow Centrifugal Compressor Stage
JP2006046226A (ja) 動静翼の励振低減構造
Farkas The development of a multi-stage heavy-duty transonic compressor for industrial gas turbines
Leng et al. The Effects of Non-uniform Blade Spacing on Compressor Rotor Forced Response and Aeroacoustic Behavior
Henderson et al. The Influence of Unsteady Rotor Response on a Distorted Flow Field
Fleeter Forced response unsteady aerodynamic experiments
RU2280169C2 (ru) Осевая турбомашина с пониженным уровнем пульсаций давления, возбуждающих вибрации лопаток и излучаемый шум
Kodama et al. CFD Prediction of Unsteady Pressures due to Fan Rotor–Stator Interaction