JPH05138787A - 積層複合材料 - Google Patents

積層複合材料

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JPH05138787A
JPH05138787A JP3309406A JP30940691A JPH05138787A JP H05138787 A JPH05138787 A JP H05138787A JP 3309406 A JP3309406 A JP 3309406A JP 30940691 A JP30940691 A JP 30940691A JP H05138787 A JPH05138787 A JP H05138787A
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composite material
light
optical fiber
fibers
deformation
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JP3309406A
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English (en)
Inventor
Akiji Anahara
明司 穴原
Yoshiharu Yasui
義治 安居
Fujio Hori
藤夫 堀
Yasuchika Mita
泰哉 三田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M11/00Testing of optical apparatus; Testing structures by optical methods not otherwise provided for
    • G01M11/08Testing mechanical properties
    • G01M11/083Testing mechanical properties by using an optical fiber in contact with the device under test [DUT]
    • G01M11/086Details about the embedment of the optical fiber within the DUT

Abstract

(57)【要約】 【目的】複合材料内部の形状変化を常時監視可能な機能
を複合材料それ自身が備え、内部に発生した歪の現状を
リアルタイムで外部に報知する機能をもつ積層複合材料
を提供する。 【構成】連続繊維が相互に平行に配列されたシート状の
層又は連続繊維から成る平面織物の層が、少なくとも2
層以上に重ねられ、マトリックス材料で繊維間を充填、
硬化された複合材料の内部に光ファイバー4が一体的に
埋設されている。複合材料の外周より外側に導出された
光ファイバー4の両端が、光電変換装置の投光側ユニッ
ト5及び受光側ユニット6にそれぞれ接続されている。
光ファイバー4は複合材料の変形に対応して変形し、光
ファイバー4の変形によりその光透過性が変化する。光
ファイバー4の透過光量の変化に基づいて複合材料の変
形が検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層複合材料に係り、詳
しくは複合材料内部の形状変化を示す情報を取り出すこ
とが可能な積層複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、複合材料の中で最も高剛性、高強
度を持つ機能性に優れたものは、平面的な織物やUDプ
リプレグ(繊維を一方向にシート状に配列するとともに
樹脂を付着した中間基材)など連続繊維が所定方向に配
列された平面状のシートを多層に重ねてマトリックスを
(含浸)硬化して作成された積層複合材料と呼ばれるも
のである。この積層複合材料は繊維配列の面内方向の比
剛性・比強度などは、金属をも凌ぐ優れた特性を示し、
高度の信頼性を必要とされる軽量化材料として種々の分
野、特に宇宙・航空、鉄道、自動車等の高速移動体分野
を始めとして、急速に導入が進められ、非常に重要な機
能性材料として今後ますます広範な利用が期待されてい
る。
【0003】全ての材料が安全に継続使用されるために
は、その材料のもつ許容荷重−変形量以下の使用条件で
扱われねばならないことは言うまでもない。複合材料を
設計する場合、予めその部材に加えられるであろう負荷
応力を予測し、それに耐える強度に経験的に知られた安
全係数を乗じて諸種の設計因子を設定し、製作、使用さ
れてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】積層複合材料も他の材
料と同様に、材料のもつ許容荷重−変形量以下での使用
という条件が守られねばならない。しかし、積層複合材
料は特定の方向に機能を強化された材料であるため、何
か特異な条件が加わると、脆さを露呈して所定の機能を
維持できなくなる虞がある。複合材料が設計時に予め設
定した所定の許容範囲で使用されているかについての保
証は必ずしも明確とは言えず、長時間にわたる使用過程
では予期せぬ事故に出会うチャンスも多い。例えば整備
の際に工具を落としたり、あるいは飛来した小石が衝突
するなどにより外部からは見えない複合材料内部での損
傷、亀裂などの管理不能な事故が発生する場合がある。
又、突発的に負荷が予測値を超えることもあり得る。さ
らにマトリックス材が環境条件のため思わぬ経時変化を
起こし、異常に劣化していくこともあり得る。
【0005】このような不測の事態に対しても安全を見
込むあまり設計時の安全係数を大きくとると、重く、大
きな部材となってしまい、複合材料化のメリットが失わ
れてしまう。又、点検を頻度多く実施したとしても、通
常の点検範囲では材料内部での異常に関しては、ほとん
ど検出能力はないと言える。仮に検出し得たとしてもそ
れは過去の履歴を検出しているに過ぎず、その現象が起
こっている時点では何の情報も得られず、極端に言えば
めくら運転をしている状態と言えなくもない。従って、
思わぬトラブルになる虞がある。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであってその目的は、複合材料内部の形状変化を常時
監視可能な機能を複合材料それ自身が備え、内部に発生
した歪の現状をリアルタイムで外部に報知する機能をも
つ、いわば神経系統を備えた全く新規な積層複合材料を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明の積層複合材料では、連続繊維
が相互に平行に配列されたシート状の層又は連続繊維か
ら成る平面織物の層が、少なくとも2層以上に重ねら
れ、マトリックス材料で繊維間を充填、硬化された複合
材料の内部に光透過性に優れた連続繊維が一体的に含ま
れ、かつその光透過性に優れた連続繊維の両端が複合材
料の少なくとも周縁部まで導出されている。
【0008】又、請求項2に記載の発明の積層複合材料
では、前記光透過性に優れた連続繊維は、連続繊維が相
互に平行に配列されたシート状の層間に配列され、その
配列方向が少なくともいずれか一方のシート状の層を構
成する連続繊維の配列方向と平行である。
【0009】
【作用】光透過性に優れた連続繊維(光透過性繊維)
は、変形を検出したい方向に配列され、マトリックスに
よって周囲の繊維材料と一体的に固定されて積層複合材
料の一部を構成する。光透過性繊維は積層複合材料の変
形に伴って変形する。光透過性繊維の光透過性は繊維の
変形により変化し、光透過性繊維の一端から入力された
光信号の出力量が繊維の変形に対応して変化する。光透
過性繊維の出力側の光量変化を検出することにより、積
層複合材料の変形量が検出される。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を強化用の積層材として、ガ
ラス繊維のすだれ織物を使用した積層複合材料に具体化
した一実施例を図1〜図5に従って説明する。すだれ織
物とは単一方向にのみ強化繊維が配列され、直角方向の
糸はポリエステル繊維などの合成繊維を粗な密度でつな
ぎに配した織物をいう。
【0011】図1に示すように平行に配列された連続繊
維としてのガラス繊維1をつなぎ糸2で連結したすだれ
織物3が複数層に積層されている。各層を構成するすだ
れ織物3は繊維強化軸となるガラス繊維1の配列方向が
積層複合材料の長手方向に対して0°、±45°及び9
0°となるように積層されている。0°方向に配列され
たガラス繊維の一部が光透過性に優れた連続繊維(光透
過性繊維)としての光ファイバー4と置換され、実線で
示すように複数(この実施例では2本)の光ファイバー
4が積層材の一部を構成している。光ファイバー4の埋
設位置は複合材料の外層寄りに設定されている。前記の
ように積層されたガラス繊維1及び光ファイバー4の隙
間にマトリックス樹脂(図示せず)が含浸・硬化されて
積層複合材料が作成されている。光ファイバー4は両端
が複合材料の外周より外まで導出されている。光ファイ
バー4の配設位置は複合材料の使用目的により適宜設定
される。光ファイバー4には単芯のプラスチック製の光
ファイバーを用いた。
【0012】積層複合材料の外側に導出された各光ファ
イバー4の端部が光電変換装置の投光側ユニット5及び
受光側ユニット6にそれぞれ接続される。投光側ユニッ
ト5は電気信号を光に変換して光信号として光ファイバ
ー4の一端に入力する。受光側ユニット6は光ファイバ
ー4の他端に至った信号を再び電気信号に変換して出力
するようになっている。投光側ユニット5及び受光側ユ
ニット6は図示しない制御装置に接続される。そして、
制御装置からの制御信号に基づいて投光側ユニット5か
ら光信号が光ファイバー4へ入力され、受光側ユニット
6の出力が光ファイバー4の透過光量の変化データとし
て制御装置へ出力されて複合材料内部の変形情報がオン
ラインで得られる。制御装置の記憶装置には光ファイバ
ー4の変形及び環境変化(湿度、温度等)と対応する透
過光量変化のデータが記憶されており、そのデータと受
光側ユニット5で検出された変化データに基づいて複合
材料の変形量が検出される。従って、複合材料の使用状
況が直接確認され、安全な許容範囲で使用されているか
否かがリアルタイムで確実に把握できる。又、前記デー
タにより異常事態発生時には即座に回避行動に結びつく
処置をとることが可能となる。従って、許容範囲内での
使用に対する信頼性を高め得るばかりでなく、設計時の
安全係数を従来よりもはるかに小さく抑えることがで
き、複合材料化の目的の一つである軽量化のメリットを
大幅に向上させることができる。なお、光電変換装置を
使用せずに光ファイバー4に直接光信号を入力するとと
もに、出力光を電気信号に変換せずに光信号のまま処理
することも可能である。
【0013】長期の使用によりマトリックス内部に水分
が浸透し、複合材料の強度が標準条件での値より低下す
る虞がある場合には、制御装置の記憶装置に予め測定さ
れた吸湿レベルでの複合材料の許容変形量を記憶させて
おく。そして、光ファイバー4として湿度により透過光
量が変化するプラスチック光ファイバーを用いるととも
に、透過光量の変化を湿度の影響を受け易い波長900
nm付近の光と、湿度の影響を受け難い波長650nm
の光とで検出し、予め測定された吸湿レベルでの複合材
料の許容変形量の範囲に収めるように、加えられる荷重
を操作することも可能である。すなわち、光ファイバー
4としてプラスチック光ファイバーを用いて湿度の影響
による光量の変化をも検出することにより、使用条件に
対応して複合材料が許容使用条件で使用されているか否
かについて信頼性の高い判断対処が可能となる。
【0014】又、複合材料使用時に温度が上昇すると熱
膨張による変形を起こすため、光ファイバー4の光量変
化により複合材料内部の温度を知ることができ、許容使
用条件からの逸脱による危険な状況を回避できる。熱と
荷重が同時に加わった場合、光ファイバー4の変形は両
者による変形の合計値となるが、複合材料の熱膨張係数
は極めて小さいので、機械的な変形によってほぼ支配さ
れることになる。従って、変形による温度の検出は荷重
のほとんど無視される場合に限られる。
【0015】積層複合材料製作過程では積層された繊維
の集合体を一定の圧力下で加熱し、樹脂の含浸・硬化を
進めるが、複合材料の形状がバルク化するほど、外周か
らの熱伝達、樹脂の発熱反応などが相互に影響して、材
料内部の温度分布が大きくばらつく傾向がある。従来は
雰囲気温度あるいは外周部の温度しか測定できず、内部
温度については推定しかできなかった。そのため、硬化
条件を適正に保つことが困難で、得られた複合材料内部
にクラックなどの欠陥部が発生し易く、トラブルの大き
な原因となっていた。しかし、本発明の場合、内部の温
度を光ファイバーの熱膨張などによる変形を利用して、
リアルタイムに検出することが可能であるため、その内
部温度に基づいて熱処理条件をコントロールすることに
より、高精度の硬化条件設定が可能となり、上記のトラ
ブルを大幅に解消することができる。
【0016】又、図1には90°方向に光ファイバー4
を埋設した場合を鎖線で示した。このように配置された
光ファイバー4を0°方向の光ファイバー4と併用して
も、単独で用いてもよい。しかし、図1に示すように複
合材料の厚さ方向の中央部に配列したため、変形の検出
機能が複合材料の外層の近くに配列した0°の場合より
劣っていた。光ファイバー4の挿入は、積層面内のあら
ゆる方向に可能であり、それらの全てに埋設しても差し
支えない。しかし、あまり多くの比率で光ファイバーを
挿入することは、複合材料強度を阻害する虞があるた
め、注意すべきことは言うまでもない。
【0017】光ファイバー4を埋設する場合、基本的に
は光ファイバー4を屈曲させず、できる限り直線的に配
設する方が好ましい。このように配設した場合は透過光
量を大きくとれるため、光量の変化を容易に検出でき
る。しかし、投受光装置の配置の問題や検出したい変形
の方向などの影響で、光ファイバーをL字型やU字型な
どの形状で配設することも可能である。
【0018】光ファイバーの種類には大別して、プラ
スチック光ファイバー、ガラス光ファイバー、石英
光ファイバーの3種がある。各光ファイバーはそれぞれ
に特性が異なっているが、そのいずれをも用いることが
できる。しかし、一般的に見て織物内部の光の伝送であ
るため、伝送距離はほとんど問題にならず、曲げ及び衝
撃に対する安定性、耐久性等の方が重要であり、その意
味ではプラスチック光ファイバーは扱い易い。しかし、
プラスチック光ファイバーには耐熱性が低いという問題
がある。従って、実際の使用条件や、複合材化する場合
の含浸・硬化時の熱処理温度(昇温)範囲なども十分考
慮して選定しなければならない。
【0019】一般に光ファイバーは図5に示すように、
光を透過する芯材(コア)7と、その周囲を覆う屈折率
の低い被覆材(クラッド)8とを有している。そして、
コア7及びクラッド8が擦過や屈曲によって損傷を受け
ないように、周囲にプラスチック製の1次被覆9、緩衝
層10及び2次被覆11などの保護膜が形成されてい
る。通常、1次被覆9及び緩衝層10はシリコン樹脂に
より形成され、2次被覆11はナイロンで形成されてい
る。本発明においても加工時の損傷を防ぎ、透過光量を
保持するため、保護膜を持った光ファイバーが用いられ
る。しかし、本発明では光ファイバー4はマトリックス
により被覆・保護されるため、保護膜は比較的軽度のも
のでよい。従って、光ファイバーの最外周の保護膜(2
次被覆11)は不要であり、一般的にはこの最外周の保
護膜を除去して用いても差し支えない。又、補強材入り
の保護膜を持ったものは組織された織物との間に物性差
を生じ易いため、避けた方が好ましい。ただし、クラッ
ドを覆う最内層の保護膜は、クラッドの表面の損傷を避
けるためにも最低の膜厚は必要である。
【0020】積層複合材料の変形は、光ファイバー4の
一端から入力した光信号が複合材料内部を経由して受光
ユニット5に受光された時の光量の変化により検出され
る。すなわち、複合材料の変形に伴って光ファイバー4
が変形するとその変形量に対応して透過光量が変化する
ため、受光側における光量変化を検出することにより複
合材料の変形を検出できる。
【0021】光ファイバー4は複合材料製作過程(積
層、樹脂含浸・硬化、後加工等)で、周囲の繊維やマト
リックスからの外力を受けて、多少の屈曲や圧縮あるい
は伸長を生じる。一方、光ファイバーは屈曲や圧縮によ
りその透過光量が変化するため、複合材料製作過程で生
じる変形により透過光量が素材本来の値とは異なったも
のとなる。しかし、使用に供する時点での透過光量をベ
ースとし、その値からの変化量を検出し、織物の変形と
対応させればよく、通常の織物の変形に対しては、一定
レベルの入力信号に対する出力信号の変化量(微分値)
として検出すればよい。又、非常に長期間の使用による
漸減(増)的な変化に対しては、使用初期の光量からの
変化量として検出することが可能である。
【0022】光ファイバーの透過光量が繊維の変形でど
の程度の影響を受けるかについては、従来、種々研究が
なされている。図2〜図4に光ファイバーの変形あるい
は湿度の影響の引用データ(川久保宏之:プラスチック
光ファイバー,1989.12.16,冬樹社)を示す。
【0023】図2は石英光ファイバー及びプラスチック
光ファイバー(三菱レイヨン株式会社製:エスカEH4
001)の、伸度と光量保持率(伸び0をベースとした
透過光量の割合)及び引張り応力との関係を示す。図2
から明らかなように、石英光ファイバー及びプラスチッ
ク光ファイバーの両者とも、伸び変形を受けた時、透過
光量が次第に低下する。従って、この光量の変化を検出
することにより、光ファイバーすなわち複合材料がどの
程度変形しているかが判明する。
【0024】又、図2は石英光ファイバーに比べてプラ
スチック光ファイバーの方が大きな伸びに耐えることを
示している。従って、プラスチック光ファイバーの方が
複合材料製品が数%もの大きな変形を行う場合にも、変
形に追随してその変形量を表すことができる。又、石英
光ファイバーに比べて柔軟で、複合材料製作過程での取
扱いも容易なため、プラスチック光ファイバーの方が本
発明に好適な素材である。
【0025】図3は2種のプラスチック光ファイバー
(三菱レイヨン株式会社製:エスカEH4001,SH
4001)を円弧状に曲げた場合の、曲げ半径と光量保
持率との関係を示す。図3から明らかなように、両者と
も強く曲げる(小さな半径で曲げる)程、透過光量が低
下する。従って、小さな曲率半径で曲げる必要のある繊
維に代えて光ファイバーを挿入することは、透過光量の
減少を招くばかりでなく、繊維そのものの破断をも招き
かねないので注意すべきである。しかし、変形の検出は
光ファイバーが複合材料内に挿入されて製品となり、そ
の使用が開始された時点の透過光量を基準とした光量の
変化を検出することにより行われる。従って、もし透光
機能を損ねることなく製品化できれば、透過光量レベル
の低さそのものは、増幅度の向上によってカバーされる
ため、ほとんど問題とならない。そのために例えば局部
的に曲率半径の大きな組織を工夫することは、大きな損
傷を与えない有効な手段であり、かかる手段を用いるこ
とにより、光ファイバーを任意の軸方向にも配置でき、
全ての方向の変形を精度良く検出することが可能であ
る。
【0026】図4は65℃の温水に5000時間浸漬し
たプラスチック光ファイバーの波長に対する増加損失の
大きさの関係を示す。プラスチック光ファイバーの透過
光量は湿度によっても変化し、図4に示すようにその割
合は光の波長により異なる。図4から明らかなように、
波長900nmでは波長650nmの場合に比較して増
加損失の大きさが2桁以上大きく、湿度の影響を受け易
い。そして、特にプラスチック光ファイバーでは、周囲
の環境が多湿状態の場合、保護膜があっても若干の吸収
は避けられず、透過光量が変化する。従って、光量変化
の原因が変形によるものか、吸湿によるものかを区分す
る必要がある。
【0027】吸湿の影響を考慮しない場合は、湿度の影
響を受け難く実用波長帯でもある波長650nmの光を
用いる。又、吸収の影響を考慮する場合は、湿度の影響
を受け難い波長650nmの光と、湿度の影響を受け易
い波長900nmの光との2種の光を用いてそれぞれの
光量変化を検出し、変形及び吸湿それぞれの影響を区分
する。この場合、一般に変形速度に比較して湿度の変化
速度は小さいため、常時の観測は変形に対応する波長6
50nmの光を用い、湿度の影響を検出する場合のみ波
長900nm付近の光に切り換えるとよい。
【0028】(実施例2)次に積層材としてUDプリプ
レグ(繊維を一方向にシート状に配列するとともに樹脂
を付着した中間基材)を用いた積層複合材料に具体化し
た実施例を図6〜図8に従って説明する。図6に連続繊
維としてカーボン繊維12を用いたUDプリプレグ(シ
ート厚さ0.12mm)13を複合材料の長手方向(紙
面に直交する方向)に対して0°、90°、±45°の
4方向に配列するとともに、シートの間に光ファイバー
4(直径0.7mm)を挟んで積層し、加圧状態で加熱
・硬化させて得た複合材料の光ファイバー4の近辺の構
造を示す。なお、カーボン繊維12の配列方向の角度を
図に付記する。
【0029】光ファイバー4は0°方向に沿って配列さ
れたUDプリプレグ13の2層の間に、同じく0°方向
に配列されている。光ファイバー4の直径がUDプリプ
レグ13の厚さに比較して太く、UDプリプレグ13の
柔軟性が低いため、図6に見られる如く、光ファイバー
4のために湾曲させられた2層のUDプリプレグ13の
間隙に概略三角形の樹脂だまり14が生じている。光フ
ァイバー4が複合材料と共に変形し、透過光量の変化と
なって検出されるには、言うまでもなく光ファイバー4
が複合材料と一体的に結合されていなければならない。
しかし、樹脂だまり14のような樹脂リッチな部位は他
の部位に比較して繊維比率が小さいため、荷重を受けた
時その部分が亀裂発生の引金となり易く、複合材料本来
の強度を保ち得ない場合が起こる可能性がある。
【0030】樹脂だまり14に起因する前述の問題を解
決するには、次の二つの対策が有効である。第1の対策
では図7に示すように、光ファイバー4の両側に生じる
空隙に幅の狭いUDプリプレグ13を2層に重ねて、光
ファイバー4に平行に配列し、その裾野は2層の末端を
ずらせてなだらかに積層材料の厚みにつながるように配
置した。この対策により亀裂発生の問題点が大幅に解決
されると同時に、積層板の外面もなだらかな平面をな
し、高品位の複合材料が得られた。
【0031】第2の対策では図8に示すように、光ファ
イバー4の両側に生じる空隙をさけるために、UDプリ
プレグ13の一部を光ファイバー4の配列方向に沿って
裁断して、光ファイバー4の直径に見合う断面円形の空
洞15を設けた。そして、光ファイバー4が空洞15内
に収容された状態で配列し、光ファイバー4の厚みを完
全に吸収して樹脂だまりによる問題点も解決した。
【0032】前記のような対策を施したUDプリプレグ
13の繊維配列の一方向に沿って単芯のプラスチック製
の光ファイバー4埋設したカーボン繊維積層複合材料
を、樹脂の硬化後、航空機の尾翼の一部として成形し
た。光ファイバー4の埋設位置は、積層板に曲げ変形が
加わった時、その変形量が大きく現れるように、複合材
料の外層近くに設定した。飛行中に加えられる荷重を模
擬的に加えたところ積層板の受ける変形は光ファイバー
4の光量変化としてリアルタイムで操縦席に模した外部
検出装置に伝えられ、尾翼の所定位置の変形量が常に許
容範囲内であることが確認されつつ、安全に運行される
シミュレーション結果が得られた。
【0033】なお、本発明は前記両実施例に限定される
ものではなく、例えば、第1実施例においても光ファイ
バー4の埋設部近傍における樹脂だまりの発生を防止す
るため、第2実施例と同様な対策を施してもよい。又、
光ファイバー4の配列方向は光ファイバー4を挟む状態
で積層されるUDプリプレグ13あるいはすだれ織物3
の繊維の配列方向と必ずしも一致させる必要はなく、い
ずれか一方の繊維と配列方向を一致させたり、図9に示
すように光ファイバー4を挟むUDプリプレグ13の繊
維と直交する方向に配列したり、斜めに配列してもわん
曲して配列してもよい。又、平面織物やUDプリプレグ
13を構成する連続繊維の素材は炭素繊維やガラス繊維
に限らず、複合材料の使用目的により合成繊維、セラミ
ック繊維、金属繊維などから適宜選択される。連続繊維
とは細径のフィラメントが多数本、平行的に収束された
ものを一般的には指す。しかし、これに限定されるもの
ではなく、非常に繊維長の長い繊維を僅かな撚りで収束
した一種の(牽切)紡績糸なども連続繊維に含まれる。
平面織物としてすだれ織物以外の通常の平面織物を用い
てもよい。又、光ファイバー4を平面織物の一部に織り
込んでもよい。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の複合材料
はその内部の変形をリアルタイムで検出可能なため、許
容条件範囲を参照しながら使用することにより、使用時
の信頼性が高まる。又、安全係数を小さく設定すること
が可能となって贅肉のないスリムな複合材料が作成で
き、軽量化の目的が確実に達成できる。又、仮に異常な
負荷応力が加わって許容条件範囲を超える異常な変形が
発生しても、異常を直ちに検出して対処することが可能
となり、不測の事態によるトラブルを未然に防止するこ
とができる。又、熱膨張による光透過性繊維の光量変化
により複合材料内部の温度を知ることができ、許容使用
条件からの逸脱による危険な状況を回避できる。又、短
期間の変形のみならず、長期間にわたる漸増的な変形に
ついても、使用開始初期の光量レベルをベースにして検
出することが可能となり、材料の疲労に関連した状況に
ついても充分な情報が得られる。更に、積層複合材料製
作過程で硬化されつつある複合材料内部の温度を直接検
出できるため硬化温度の正確な制御が可能となり、高精
度の硬化条件を設定でき内部に欠陥部のない複合材料が
確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の積層複合材料に光電変換装置を接
続した概略斜視図である。
【図2】光ファイバーの伸度と光量保持率及び引張り応
力との関係を示す図である。
【図3】プラスチック光ファイバーを屈曲させた場合の
曲げ半径と光量保持率との関係を示す図である。
【図4】吸湿したプラスチック光ファイバーへの入力光
の波長と光量損失の関係を示す図である。
【図5】光ファイバーの断面構造を示す模式図である。
【図6】第2実施例の複合材料のUDプリプレグと光フ
ァイバーの配置関係を示す図である。
【図7】樹脂だまりを防止するためのUDプリプレグと
光ファイバーの配置関係を示す図である。
【図8】樹脂だまりを防止するためのUDプリプレグと
光ファイバーの配置関係を示す図である。
【図9】変更例の複合材料のUDプリプレグと光ファイ
バーの配置関係を示す図である。
【符号の説明】
1…連続繊維としてのガラス繊維、3…平面織物として
のすだれ織物、4…光透過性繊維としての光ファイバ
ー、5…投光側ユニット、6…受光側ユニット、13…
シート状の層としてのUDプリプレグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01J 1/02 M 7381−2G (72)発明者 三田 泰哉 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維が相互に平行に配列されたシー
    ト状の層又は連続繊維から成る平面織物の層が、少なく
    とも2層以上に重ねられ、マトリックス材料で繊維間を
    充填、硬化された複合材料の内部に光透過性に優れた連
    続繊維が一体的に含まれ、かつその光透過性に優れた連
    続繊維の両端が複合材料の少なくとも周縁部まで導出さ
    れている積層複合材料。
  2. 【請求項2】 前記光透過性に優れた連続繊維は、連続
    繊維が相互に平行に配列されたシート状の層間に配列さ
    れ、その配列方向が少なくともいずれか一方のシート状
    の層を構成する連続繊維の配列方向と平行である請求項
    1に記載の積層複合材料。
JP3309406A 1991-11-25 1991-11-25 積層複合材料 Pending JPH05138787A (ja)

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