JPH05138010A - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JPH05138010A
JPH05138010A JP3300570A JP30057091A JPH05138010A JP H05138010 A JPH05138010 A JP H05138010A JP 3300570 A JP3300570 A JP 3300570A JP 30057091 A JP30057091 A JP 30057091A JP H05138010 A JPH05138010 A JP H05138010A
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yeast
microcapsule
hydrophobic liquid
liquid
paper
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JP3300570A
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English (en)
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Mamoru Ishiguro
守 石黒
Naotake Ishiwaki
尚武 石脇
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Kirin Brewery Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単位菌体量に多量の疎水性液体を迅速に摂取
し得ることを可能にし、しかも通常の取扱い時には堅牢
性に富む皮膜であるが、内包された物質を取出す際に
は、効率よく破壊し得る皮膜を有する酵母菌を使用した
マイクロカプセルの製造方法を提供する。 【構成】 酵母菌体内に疎水性液体を内包してなるマイ
クロカプセルの製造方法において、酵母菌が、培養工程
終了後、その酵母菌懸濁液に実質的に栄養源が供給され
ない条件下で酸素を供給して得られた酵母菌であるマイ
クロカプセルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵母菌をマイクロカプ
セル皮膜として有するマイクロカプセルの製造方法に関
するものである。
【従来の技術】マイクロカプセルは1μm〜数百μmま
での大きさの微粒子として液体、固体、気体を内包し、
そのまわりを薄い皮膜で均一に覆ったものであり、具体
的には、無色及び有色染料、医薬品、農薬、香料、飼料
素材及び食品素材等を内包させたマイクロカプセルが工
業的に製品化されている。
【0002】マイクロカプセルは、ある特性をもった物
質の外側に薄膜を形成させることでその特性も同時に封
じ込めてしまうことが可能で、必要時に皮膜を破壊すれ
ば内包された物質を取り出すことができるものである。
従来より知られているマイクロカプセルの製造方法とし
ては、 (1)ゼラチンによるコアセルベーション法(米国特許
第2800457号、同2800458号明細書など) (2)外相(水相)より皮膜を形成するin situ 法(特
公昭36−9168号、同47−23165号、特開昭
48−57892号、同51−9079号、同54−4
9984号、同54−25277号公報等)
【0003】(3)内相と外相間の皮膜形成反応を利用
した界面重合法 が有力な方法として知られている。また、米国特許第4
001480号明細書においては脂質含有量が40〜6
0%の真菌類中に、その脂質に可溶性の物質をカプセル
化する方法が開示されている。さらに、特開昭58−1
07189号公報では、成長微生物の脂質含量の増量方
法として、培地から回収した脂質含量10wt%以上の
成長微生物(例えば油脂形成性酵母菌、ビール酵母菌な
ど)に脂質増量用有機物質(例えば脂肪族アルコール
類、エステル類、芳香族炭化水素類、水添芳香族炭化水
素類)から選択される液体を包含せしめた後、これら脂
質増量用有機物質に可溶な芯物質となるべき液体をカプ
セル化してなる微生物カプセルが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記カプセル化法にお
いては、内包物の保護力に優れた緻密な皮膜を有するマ
イクロカプセルが得られ、工業的にも広く応用されてい
るものもあるが、製造面について数々の問題点を有して
いることも事実である。すなわち、(1)のコアセルベ
ーション法については反応に係わるpH、温度、時間な
どの調整操作が複雑であり、またカプセル化工程に長時
間を要する等の問題点を有する。
【0005】(2)のin situ 法及び(3)の界面重合
法については、反応性の高い皮膜基材を比較的高温で反
応させるため、不安定な物質あるいは熱変性しやすい物
質のカプセル化には向かない、等の欠点を有している。
また、微生物を利用したマイクロカプセル化法は天然
物、しかも生物体の一部を素材として用い、かつそのカ
プセル化のメカニズムも従来の方法とは全く性質を異に
するものである。しかし、上記の微生物を利用したマイ
クロカプセルの製造法を開示した特許明細書中の実施例
を詳細に検証して見ると、初期添加酵母菌(膜材)が内
包し得る疎水性液体の量が現在工業的に用いられている
方法に比べ相対的に少なく、しかも多量に摂取させよう
とすればカプセル化に長時間を要するという欠点がある
ことが明らかとなった。
【0006】さらに、本発明者らは、これらの提案に基
づき、微生物を利用したマイクロカプセルを作成し、感
圧複写紙を製造し、タイプライタ−筆記等による発色性
の比較を行なったところ、前記(1)コアセルベ−ショ
ン法や(2)in situ 法により得られるマイクロカプセ
ルと比較して皮膜となる部分の物理的強度が高いため
か、得られたシート上には同等量の染料が塗抹されてい
るのにもかかわらず相対的に低い発色濃度しか得られ
ず、特に多数枚の複写を得ることは困難であった。
【0007】本発明は微生物を利用したマイクロカプセ
ル化法において、単位菌体量に多量の疎水性液体を迅速
に摂取し得ることを可能にし、しかも通常の取扱い時に
は堅牢性に富む皮膜であるが、内包された物質を取出し
たい際には効率よく破壊し得る皮膜を有するマイクロカ
プセルの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微生物を
用いたカプセル化法の前記問題点を解決するべく検討し
たところ、次の手法により上記の問題が解決されること
を見いだした。すなわち、酵母菌体内に疎水性液体を内
包してなるマイクロカプセルの製造方法において、酵母
菌として、培養工程終了後、その酵母菌分散液に実質的
に栄養源が供給されない条件下で酸素を供給して得られ
た酵母菌を用いることにより前記問題点の解決が可能と
なった。
【0009】本発明は一般的に次の4工程から成る。 1.酵母菌の培養工程 2.1.で得られた酵母分散液に酸素を供給する工程(以
降、通気処理工程と称す。) 3.疎水性液体の調製工程 4.混合及び攪拌を伴ったカプセル化工程 以下、上記各工程の詳細について説明する。
【0010】[1.酵母菌の培養工程]酵母菌は通常炭
素源、窒素源、及び無機金属源等を摂取して出芽又は分
裂を繰り返しながら増殖していく。とりわけ酵母菌の増
殖にとっては炭素源の摂取が不可欠であり、具体的には
グルコース、マルトース、シュークロース等の糖質を主
炭素源としてその酵母菌に適した条件下で培養を行う
が、通常好気的で、かつ15〜30℃の温度条件下で培
養を行なうことが増殖には好ましい。上記の方法によっ
て得られた酵母菌を引き続き通気処理工程に移しても構
わないが、その酵母菌をさらに糖質を主炭素源とする培
地に添加した後、約0〜15℃の比較的低温で無酸素条
件下で醗酵をさせる、いわゆる嫌気発酵に供した後通気
処理工程に供することにより得られた場合において本発
明の効果は一層高められる。嫌気発酵は一般にビール、
清酒、ワイン等の醸造において糖質をエタノールに変換
することを主目的として行なわれている工程である。本
発明ではこれら醸造産業の副産物として得られる、ビー
ル酵母、清酒酵母、ワイン酵母と俗称される酵母も好適
に利用することができる。本発明で用いられる酵母菌と
しては、次の様な菌種が用いられる。
【0011】サッカロマイセス属の サッカロマイセス・セレビッシェ (Saccharomy
cescerevisiae) サッカロマイセス・ルーキシ (Saccharomy
ces rouxii) サッカロマイセス・カールスバーゲンシス(Saccharomy
cescarlsbergensis) キャンディダ属の キャンディダ・ウティリス (Candida ut
ilis) キャンディダ・トロピカリス (Candida tr
opicalis ) キャンディダ・リポリティカ (Candida li
polytica) キャンディダ・フレーベリ (Candida fl
averi )
【0012】酵母菌の形状は種類によって種々の形があ
るが、なるべく球形に近い形態のものが好ましく、粒径
は1〜20μmの範囲が好ましい。 [2.通気処理工程]本発明においては酵母の分散液に
次のような通気処理操作により酸素供給を行なう。尚、
本発明でいう、「実質的に栄養源が供給されない条件
下」とは、通気処理工程以降は、酵母菌の増殖に必要な
栄養成分の意図的な添加を行なわないことを意味し、培
養工程から残存している栄養源、もしくは酵母菌の代謝
によって排出された化合物までを取り除くことを意味す
るものではない。
【0013】通気方法は、主として酸素が酵母菌分散液
中に充分に供給されるのであれば特にその方法に限定は
されないが、通常の供給方法、例えば細管からの通気、
攪拌、振盪、エアーのバブリング等を用いることができ
る。通気量は、0.5v/v/min 以上、好ましくは1.0
v/v/min 以上の対分散液通気量容積比率で供給されるこ
とが望ましく、その通気量が多いほど本発明の目的には
効果的である。処理温度は、通常10〜40℃、好まし
くは20〜30℃の範囲で、時間は15〜60時間、好
ましくは24〜50時間である。処理時間がこの範囲よ
り短いと本発明の効果は不十分であり、逆にこの範囲よ
り長時間処理を行なっても効果の向上は僅かであるた
め、この範囲の時間に留めることが望ましい。
【0014】酸素は分子状酸素として供給されるが、酸
素源としては酸素ガスの他、例えば空気、酸素を富化し
た空気、酸素と窒素、あるいは酸素と炭酸ガス等との混
合物が用いられる。通気処理を施す際の酵母菌の分散液
中の濃度は、あまり高すぎると酵母分散液の流動性が失
われるため、分散液を105℃で1時間乾燥したときの
乾燥重量が対分散液の重量比で15%以下となるよう調
整することが好ましい。また必要であれば、通気処理工
程中は処理液の泡による極端な容積の増大を防ぐため消
泡剤を添加してもよい。使用される消泡剤は、酵母菌の
活動あるいは、それ以降のカプセル化工程に悪影響を与
えなければ特に限定はされないが、モノグリセライド系
のものが好ましい。
【0015】通常、酵母菌に通気処理を施す操作は、培
養時に菌体濃度の増加を目的にいわゆる好気培養を行な
うものであるが、上記の様に非栄養条件下で通気処理を
施した酵母菌をマイクロカプセルの壁膜として利用する
こと、さらにその操作により疎水性液体の菌体内への摂
取量が増大するという事実は本発明者らにより始めて見
い出されたものである。培養工程後の通気処理により代
謝機能のみならず、細胞壁、細胞膜にも微妙な変化が生
じているものと考えられる。上記通気処理工程を経た酵
母菌は、生のままでも乾燥した状態でもよく、さらに増
殖能力のない死滅した状態でもよい。
【0016】また、これらの酵母菌中には、水もしくは
極性溶剤に可溶性の酵素及びタンパク質、アミノ酸成
分、糖質分、核酸成分等の菌体内組織が存在している
が、本発明においてはこれら菌体内成分を種々の方法で
抽出した後の酵母菌残渣を用いることが望ましい。菌体
内成分の抽出方法については、酵母菌分散液中に、自己
消化を発現させ得る化合物を添加した後、加温、攪拌を
施す手法が用いられ、具体的には特願平2−10443
2号明細書記載の手法を用いることにより、本発明に適
した酵母菌残渣が得られる。これらの酵母菌もしくは酵
母菌残渣は適当な分散剤を用い水溶液中に分散される。
【0017】[3.疎水性液体の調製工程]本発明で用
いられる、酵母菌中に内包される疎水性液体は、実質的
に水不溶性の液体、もしくは加熱により液体となるもの
であれば使用可能であり、綿実油、大豆油、コーン油、
オリーブ油、ヒマシ油、魚油、各種脂肪酸、各種ステロ
イド等の動植物油から抽出される油性液体や、感圧複写
紙用として利用する場合にはパラフィン油、塩素化パラ
フィン、塩素化ジフェニル、ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ジブチルマレエート、o−ジクロル
ベンゼン、ジイソプロピルナフタレンの如きアルキル化
ナフタレン、1−フェニル−1−キシリルエタン等が挙
げられる。
【0018】これらの疎水性液体には目的に応じ、染
料、香料、薬理活性物質、食品素材、飼料素材などが溶
解もしくは分散され、得られたマイクロカプセルは感圧
複写紙の他、化粧品、医薬品、食品、飼料、農薬等とし
て使用される。当該物質は、それ自体が水溶性液体に非
混和性の疎水性液体であれば上記疎水性液体に溶解、分
散する事無く単独で使用することも可能である。
【0019】[4.混合及び攪拌をともなったカプセル
化工程]疎水性液体と酵母分散液との混合は、通常酵母
分散液中に疎水性液体を添加することにより行われる。
この場合、疎水性液体の酵母分散液中への添加は、単独
でそのまま添加しても良いが、より均一な状態で酵母菌
と接触させるためには、適当な乳化剤を含む水溶液で分
散させて乳化状態とした後、添加した方が好ましい。
【0020】カプセル化工程における温度は特に限定は
されないが、好ましくは20〜70℃である。時間は一
般的に1時間以上必要であるが、内包される疎水性液体
の量、カプセル化温度等により適宜変えることができ
る。カプセル化工程時に必要であれば、酵素、乳化剤、
分散剤の他、硬膜剤、pH調節剤、防腐剤、紫外線劣化
防止剤、酸化防止剤、耐水化剤、消泡剤等を添加するこ
とも可能である。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例中に示された酵母菌重量は、全て乾燥
状態での重量である。 実施例1 [酵母菌の培養]下記培地成分からなる培地3リットル
を5リットルの容器に添加し滅菌処理した後、ビール酵
母(Saccharomyces cerevisiae)を一白金耳植菌し、温
度20℃で通気処理を施しながら菌体濃度が40g/リッ
トルになるまで培養を行なった。
【0022】 次にこの酵母懸濁液を遠心分離し酵母菌を回収し、麦芽
10wt%の麦芽液を糖化して得られたいわゆる麦汁
(主成分マルトース)10リットルに10g添加し、1
0℃の温度条件にて通気処理を施さずに72時間静置し
嫌気発酵を行なった。 [通気処理工程]培養工程が終了した上記酵母懸濁液の
温度を25℃に上げ、さらに通気量をコンプレッサーに
より毎分3.0リットル、攪拌はパドル型攪拌翼により
毎分75回転とし、40時間通気処理を施した。また、
懸濁液には消泡剤として少量の市販のモノグリセリド系
製剤を予め添加しておいた。通気処理を経た酵母菌体は
遠心分離により回収した。
【0023】[菌体内成分の溶出処理工程]上記遠心分
離処理後、酵母菌スラリーを用い水で10%酵母懸濁液
を調製した後、回転式振盪培養機中で温度50℃の条件
下で24時間振盪し、菌体内の水溶性成分を菌体外に溶
出させ酵母菌残渣を得た。遠心分離操作により溶出液と
酵母菌残渣を分離したところ、初期添加酵母菌重量の4
0wt%が溶出したことが確認できた。
【0024】[4.混合及び攪拌をともなったカプセル
化工程]次に、乳化剤として0.5wt%のノニオン系
界面活性剤(花王アトラス製、商品名Tween−8
0)水溶液20g中に、疎水性液体として3−N−メチ
ルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン(日本曹逹製黒色発色染料、商品名PSD−1
50)1.0gを含む高沸点疎水性液体(日本石油化学
製、商品名ハイゾールSAS−296)20gを激しく
攪拌しながら添加し、平均粒径5μmの疎水性液体の乳
化液を得た。この乳化液を上記酵母菌残渣10gを含む
懸濁液100g中に添加した後、回転式振盪機中で温度35
℃、攪拌スピード200rpmの条件下で2.5時間振
盪を続けた。その結果、疎水性液体は全て酵母菌中に内
包され、マイクロカプセル化が完了した。このマイクロ
カプセル懸濁液をそのまま坪量40g/m2 の上質紙に
約5g/m2 の塗抹量でバーコートを施したところ、発
色良好な感圧複写紙用上用紙が得られた。
【0025】実施例2 [酵母菌の培養工程]実施例1と同容器に麦芽を糖化し
て得られたいわゆる麦汁(主成分マルトース)3リット
ルを添加し加熱滅菌した後、ビール酵母(Saccharomyces
cerevisiae)を 一白金耳植菌し菌体濃度が20g/リ
ットルになるまで通気処理を施しながら培養を行なっ
た。次にこの酵母懸濁液を遠心分離し酵母菌を回収し、
麦汁10リットルに20g添加し、5℃の温度条件下で
通気処理を施さず120時間静置し嫌気発酵を行なっ
た。 [通気処理工程]培養工程が終了した上記酵母懸濁液の
温度を30℃に上げ、通気量をコンプレッサーにより毎
分7.5リットル、攪拌はパドル型攪拌翼により毎分7
5回転とし、40時間通気処理を施した。また、懸濁液
には消泡剤として少量の市販のモノグリセリド系製剤を
予め添加しておいた。通気処理を経た酵母菌体は遠心分
離により回収した。
【0026】以下実施例1と同様にして、溶出処理及び
カプセル化工程を経て感圧複写紙用マイクロカプセル懸
濁液を得た。このマイクロカプセル懸濁液をそのまま坪
量40g/m2 の上質紙に約5g/m2 の塗抹量でバー
コートを施したところ、発色良好な感圧複写紙用上用紙
が得られた。 比較例 実施例1において、通気処理を行なうことなく酵母菌残
渣懸濁液中に疎水性液体の乳化液を添加し同様にカプセ
ル化を2.5時間行なったが、得られた酵母菌懸濁液中
には酵母菌体内に内包しきれなかった乳化粒子が残存し
ていた。この懸濁液をそのまま実施例1と同様にして感
圧複写紙用上用紙を得た。
【0027】[評価法]上記実施例及び比較例で得られ
た感圧複写紙用上用紙の発色性とマイクロカプセルの堅
牢性を次の方法により評価比較した。 発色性:上用紙を市販の感圧複写紙用下用紙(三菱製紙
製 三菱NCR紙スーパー品N−40)と対向させ、1
5kg/cmの圧力が加えられた1対のロール間に1回
通過させて発色させ、1時間後の発色部分の発色濃度を
市販の色差計(日本電色工業(株)製カラーディファレ
ンシャルメーターND−101DP型)を用いて測定し
た。(値が小さいほど発色濃度が高いことを示す)
【0028】堅牢性:上用紙と発色性試験で用いたもの
と同じ下用紙を塗布面が対向するように重ね合わせ、5
kg/m2 の軽荷重を加え、105℃の雰囲気で12時
間放置した後の下用紙面の反射率を測定した。(評価は
値が大きいものほどマイクロカプセル皮膜の堅牢性に優
れている。すなわち皮膜の堅牢性に劣るものや、カプセ
ル外に染料溶液が残存しているものは、熱処理中に染料
が対向する下用紙に容易に転写する結果、反射率は低い
値が得られる。) また、数値は次の算式により得られ
た値を用いて判定を行なった。
【0029】 以上の測定方法に基づき、各シートを評価した結果を表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明に示されるように、マイクロカプ
セルの壁材となる酵母菌を培養した後、それ以降は栄養
源が供給されない条件下で、酸素を供給して得られた酵
母菌を用いることにより、その操作を行なわない場合に
比べ摂取される疎水性液体が多量かつ迅速に内包される
ことが可能になった。さらに、本発明を感圧紙用マイク
ロカプセルに応用した場合、従来までに知られているマ
イクロカプセル化法と比較しても何ら遜色のない発色性
と皮膜の堅牢性が得られることが可能になった。以上の
如く、本発明は微生物を用いたマイクロカプセル化法と
して品質的、工業的に優れた手段である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/16 C12R 1:865) 7804−4B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵母菌体内に疎水性液体を内包してなる
    マイクロカプセルの製造方法において、酵母菌が、培養
    工程終了後、酵母菌懸濁液に実質的に栄養源が供給され
    ない条件下で酸素を供給して得られた酵母菌であること
    を特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
JP3300570A 1991-11-15 1991-11-15 マイクロカプセルの製造方法 Pending JPH05138010A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08508204A (ja) * 1993-03-31 1996-09-03 シー・ピー・シー・インターナショナル・インコーポレイテッド 物質をバイオカプセルにカプセル封入する方法
CN105168180A (zh) * 2015-09-30 2015-12-23 中国人民解放军第三军医大学 一种基于酵母微囊的口服靶向载体系统及其制备方法
US10638750B2 (en) 2004-05-20 2020-05-05 Eden Research Plc Compositions containing a hollow glucan particle or a cell wall particle encapsulating a terpene component, methods of making and using them
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