JPH05135721A

JPH05135721A - Ｘ線管

Info

Publication number: JPH05135721A
Application number: JP29272391A
Authority: JP
Inventors: Akio Toritani; 秋雄鳥谷
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1991-11-08
Filing date: 1991-11-08
Publication date: 1993-06-01

Abstract

(57)【要約】【目的】この発明は、構造が簡単で組立ても容易な陽
極構体を有するＸ線管を提供することを目的とする。【構成】この発明のＸ線管は、真空容器10の一部を気
密に貫通して一対の冷媒循環用パイプ31,32 が並列的に
設けられ、これら冷媒循環用パイプの先端部に陽極構体
13のターゲット支持体16が機械的に保持固定されてなる
Ｘ線管であり、この発明の目的を達成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、Ｘ線管に係わり、と
くにその陽極構体の冷却構造体の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば蛍光Ｘ線分析に使用される固定陽
極型Ｘ線管は、実開昭６０−８４０５８号公報に開示さ
れるような構成である。それは、図５に示すように、ガ
ラス容器11とともに真空容器を構成する金属容器12が接
地電位とされ、その内側に配置された陽極構体13が正の
高電位で動作されるようになっている。Ｘ線透過窓14に
対向してＸ線発生用のロジウムからなるターゲット15が
設けられている。このターゲットを支持する有底円筒状
の銅製ターゲット支持体16の外周に、円筒状のウェネル
ト電極17が配置され、その端部外周にリング状のフィラ
メント陰極18が配置されている。ターゲット支持体16
は、これと同等径の陽極支持筒19にろう接され、これは
封着リング20を介してガラス容器11に気密封着されてい
る。陽極支持筒19およびターゲット支持体16の内側に、
第１の通水パイプ21が挿入され、陽極支持筒19の図示下
端部に径大な第２の通水パイプ22が接合されている。第
１の通水パイプ21と第２の通水パイプ22とは、同軸状に
配置され、矢印で示すように冷却水が循環され、Ｘ線管
の動作中、ターゲット支持体16およびターゲット15が冷
却される。第１の通水パイプ21は、通水孔のある位置決
め用のスペーサリング23で陽極支持筒19の下端部に支持
されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図５のような従来構造
は、陽極支持筒19によりターゲット支持体16および同軸
状の一対の通水パイプ21,22が支持されているので、機
械的には強固に保持されるが、構造が複雑で、組立ても
繁雑になる不都合がある。この発明は、以上のような不
都合を解消し、構造が簡単で組立ても容易な陽極構体を
有するＸ線管を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、真空容器の
一部を気密に貫通して一対の冷媒循環用パイプが並列的
に設けられ、これら冷媒循環用パイプの先端部に陽極構
体のターゲット支持体が機械的に保持固定されてなるＸ
線管である。

【０００５】

【作用】この発明によれば、並列的に設けられた一対の
冷媒循環用パイプでターゲット支持体が機械的に支持さ
れる構成であるため、構造が簡単で、したがって組立て
も容易である。また、陽極構体の冷却効率もよく、信頼
性の高いＸ線管が得られる。

【０００６】

【実施例】以下、その実施例を図面を参照して説明す
る。なお、同一部分は同一符号であらわす。図１乃至図
４に示す実施例は、蛍光Ｘ線分析用のＸ線管である。要
部を説明すると、一対のほぼ真直ぐな同径のステンレス
製冷媒循環用パイプ31,32 の先端部に、有底円筒状の銅
製ターゲット支持体16が気密ろう接されている。このタ
ーゲット支持体16には、予め、パイプ31,32 の先端が密
に嵌合する穴がおよび冷媒通路16a が形成されていて、
これらパイプ31,32 の先端を挿入してろう接すればよい
構造である。そして、これらパイプ31,32 の中間部に、
厚肉の封着金属板33が同じく真空気密にろう接されてい
る。そのためこの封着金属板33には、予め、並列のパイ
プ31,32 が密に貫通する孔が形成されていて、この孔に
両パイプを貫通させたうえで真空気密にろう接した構造
である。この封着金属板33の開口端は、ガラス容器11に
封着された封着リング34に気密溶接されて、真空容器10
の一部を構成している。このようにして、一対の並列的
に装着された冷媒循環用パイプ31,32 は、陽極構体13を
機械的に支持するとともに、冷媒を矢印の如く循環させ
てターゲット支持体16およびターゲット15を冷却する。

【０００７】なお、同図の符号35はＸ線管を内部に収容
するハウジング、36は高電圧ケーブルを受け入れるリセ
プタクル、37は通水用のらせん絶縁パイプ、38は絶縁
筒、39は陽極接続導線、40は陽極構体近傍の真空容器冷
却用通水パイプをあらわしている。ハウジング35の内部
には、絶縁油または絶縁ガスが充填されている。また、
動作中は、冷媒循環用パイプに純水のような電気的に高
抵抗の冷媒が循環させられる。

【０００８】

【発明の効果】この発明によれば、並列に設けられた一
対の冷媒循環用パイプでターゲット支持体が機械的に支
持されるとともに冷却される構成であるため、構造が簡
単で、組立ても容易である。また、陽極構体の冷却効率
もよく、信頼性の高いＸ線管が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す縦断面図。

【図２】図１の要部拡大図。

【図３】その一部横断面図。

【図４】同じく一部横断面図。

【図５】従来構造を示す要部拡大縦断面図。

【符号の説明】

10…真空容器、13…陽極構体、16…ターゲット支持体、
31,32 …冷媒循環用パイプ、33…封着金属板。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ターゲット支持体とこの支持体に固着さ
れたＸ線発生用ターゲットとを有する陽極構体が真空容
器内に配設され、この陽極構体のターゲット支持体に冷
媒が真空容器外から導入、排出される構成のＸ線管にお
いて、上記真空容器の一部を気密に貫通して一対の冷媒循環用
パイプが並列的に設けられ、これら冷媒循環用パイプの
先端部に上記陽極構体のターゲット支持体が機械的に保
持固定されてなることを特徴とするＸ線管。