JPH05135355A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05135355A
JPH05135355A JP32509791A JP32509791A JPH05135355A JP H05135355 A JPH05135355 A JP H05135355A JP 32509791 A JP32509791 A JP 32509791A JP 32509791 A JP32509791 A JP 32509791A JP H05135355 A JPH05135355 A JP H05135355A
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JP
Japan
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magnetic
recording medium
layer
coercive force
magnetic powder
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JP32509791A
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Makoto Noda
誠 野田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短波長領域及び長波長領域における複写再生
出力を極めて向上させることができる磁気記録媒体を提
供する。 【構成】 記録済の磁気記録媒体に圧接され、その状態
で複写用バイアス磁界が印加されて、記録済磁気記録媒
体の記録信号が複写される磁気記録媒体において、上記
磁気記録媒体の非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを
主体とする磁性層が二層に形成され、 該磁性層の上層
部分に主として使用する磁性粉末の保磁力Hc1 が30
kA/m以上70kA/m以下で、かつ上記磁性層の下
層部分に主として使用する磁性粉末の保磁力Hc2 の上
記Hc1に対する比Hc2 /Hc1 が0.25以上0.
80以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録済の磁気記録媒体
の記録信号を転写するために磁気複写装置に使用される
磁気記録媒体に係り、特に非磁性支持層上に二層型の磁
性層が形成された磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビデオ信号やオーディオ信号等
が記録された磁気記録媒体の複製を作製する方法の一つ
として、元になる記録済の磁気記録媒体(以下、「マス
ター媒体」という。)に複写用の磁気記録媒体(以下、
「スレーブ媒体」という。)をこれらの両磁性層が密着
するように重ね合わせ、この状態で外部からバイアス磁
界を印加してマスター媒体上の記録信号をスレーブ媒体
上に転写する、所謂接触磁界磁気複写方法が知られてい
る。
【0003】このような磁気複写方法を実施する磁気複
写装置としては、高透磁率の軟質磁性材料によって形成
された転写ドラムと、該転写ドラムにより重合された状
態で走行ガイドされるマスター媒体とスレーブ媒体とを
圧接する媒体圧接機構と、マスター媒体に記録された信
号を複写するために、減磁量を増加させない程度のバイ
アス磁界を印加するための磁気ヘッドとから構成されて
いる。このような装置は、例えば、本出願人により実開
昭63−44214号として提案されており、最近では
この種の磁気複写装置が一般的に使用されるようになっ
てきた。
【0004】また、このような磁気複写装置に使用され
るスレーブ媒体としては、Co被着型鉄酸化物磁性粉末
や六方晶系のバリウムフェライト磁性粉末等を使用して
作製された磁気記録媒体が広く知られている。
【0005】一方、この磁気記録媒体に記録される信号
には、幅広い波長領域の信号が用いられている。例え
ば、ディジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等
のデジタル信号が記録されるシステムにおいては、デー
タ信号に用いられる最短でサブミクロンオーダーの短波
長信号から、トラッキング信号に用いられる数十ミクロ
ンオーダーの長波長信号までの領域の信号が用いられて
いる。また、例えば、8mmやS−VHS等のビデオテ
ープレコーダ(VTR)システムにおいては、輝度信号
に用いられる最短でサブミクロンオーダーの短波長信号
をはじめとして、カラー信号や音声信号等に用いられる
ミクロンオーダーから数十ミクロンオーダーの長波長信
号までの領域の信号が用いられている。従って、スレー
ブ用の磁気記録媒体には、実用上重要な特性の一つとし
て、短波長領域において優れた転写再生出力を有してい
るだけでなく、長波長領域においても優れた転写再生出
力を有していることが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な特性を有する磁気記録媒体にあっては、非磁性支持体
上に磁性層を二層に形成し、その各々の磁性層の塗布厚
み,磁性材料,あるいは配向処理方法等を規定すること
によって、磁気複写時において短波長領域及び長波長領
域において優れた転写再生出力を得ることができる磁気
記録媒体が種々提案されている。
【0007】しかしながら、このように磁性層を二層に
形成した磁気記録媒体において、より優れた転写再生出
力を得ようとする場合、各々の磁性層に使用すべき磁性
粉末の最適な保磁力ついては未だ不明確であるという問
題があった。
【0008】本発明の目的は、上記課題に鑑み、短波長
領域及び長波長領域における転写再生出力を極めて向上
させることができる磁気記録媒体を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に係
る磁気記録媒体によれば、記録済の磁気記録媒体に圧接
され、その状態で複写用バイアス磁界が印加されて、記
録済磁気記録媒体の記録信号が複写される磁気記録媒体
において、上記磁気記録媒体の非磁性支持体上に磁性粉
末と結合剤とを主体とする磁性層が二層に形成され、
該磁性層の上層部分に主として使用する磁性粉末の保磁
力Hc1 が30kA/m以上70kA/m以下で、かつ
上記磁性層の下層部分に主として使用する磁性粉末の保
磁力Hc2 の上記Hc1 に対する比Hc2 /Hc1
0.25以上0.80以下であることにより、達成され
る。
【0010】好ましくは、上記磁性層の上層部分に主と
して使用される磁性粉末が、六方晶系のフェライト磁性
粉末であり、かつ該上層部分が層面に対して垂直方向に
磁場配向されていることにより、達成される。
【0011】
【作用】上記構成によれば、非磁性支持体上に磁性粉末
と結合剤とを主体とする磁性層を二層に形成し、その上
層部分に主として使用する磁性粉末の保磁力Hc1 を3
0kA/m以上70kA/m以下と規定し、その下層部
分に主として使用する磁性粉末の保磁力Hc2 の上記H
1 に対する比Hc2 /Hc1 を0.25以上0.80
以下に規定している。このように磁性層を二層に形成し
ているのは、上層部分と下層部分との特性を変えること
によって記録磁化を安定に残留させ、これにより、記録
感度及び再生感度を、単層に比して向上させることがで
きるからである。ここで、保磁力Hcとは、磁性層に逆
向きの磁場を作用させて、磁性層の磁化が0になったと
きの逆磁場の強さをいう。
【0012】上記二層型の磁性層の上層部分に主として
使用される磁性粉末は、その保磁力Hc1 が30kA/
m以上70kA/m以下の範囲である。すなわち、上記
保磁力Hc1 を30kA/m以上としたのは、該Hc1
が30kA/mより小さい場合には、ヘッドによりバイ
アス磁界が印加されたときの記録信号の自己減磁損失が
大きく、短波長領域と長波長領域との両領域において転
写再生出力が大きく劣化するからである。また、上記保
磁力Hc1 を70kA/m以下としたのは、該Hc1
70kA/mより大きい場合には、実用上印加されてい
るバイアス磁界の大きさではバイアス磁界強度が不足す
るようになり、同様に、短波長領域において転写再生出
力が大きく劣化する結果となるからである。尚、上記バ
イアス磁界は、マスター媒体に記録された信号が減磁し
ないように強度設定され、印加されるものである。
【0013】一方、上記二層型の磁性層の下層部分に主
として使用される磁性粉末は、その保磁力Hc2 の上記
上層部分に主として使用される磁性粉末の保磁力Hc1
に対する比Hc2 /Hc1 が0.25以上0.80以下
の範囲である。上記保磁力の比Hc2 /Hc1 を0.2
5以上としたのは、該Hc2 /Hc1 が0.25より小
さい場合には、磁気層の深層部分における記録信号の自
己減磁損失が大きく長波長領域における転写再生出力が
大きく劣化するからである。また、上記保磁力の比Hc
2 /Hc1 を0.80以下としたのは、該Hc2 /Hc
1 が0.80より大きい場合には、長波長領域において
転写再生出力の大きな向上は見られないからである。
【0014】上記保磁力の比Hc2 /Hc1 が0.80
より大きい場合に、長波長領域における転写再生出力の
大きな向上は見られない理由は、以下の原因によるもの
と推定され、文献「M.Noda,et al,IEE
E Trans.Magn.Vol.26,No.1,
p.81,1990」における掲載図を図2に示して説
明する。すなわち、磁気複写においては、マスター媒体
からスレーブ媒体へ複写される記録信号は、通常のリン
グ型磁気ヘッドによって記録される場合と異なり、スレ
ーブ媒体の磁場配向方向によらず、常に、図示されてい
るような半円形の磁化モードMを形成する。従って、ス
レーブ媒体上に記録信号が転写される際には、二層型の
磁性層においては、上層部分の保磁力よりも下層部分の
保磁力がある程度小さい方が、記録磁化が半円形の磁化
モードを安定して形成し易くなるため、転写再生出力の
向上により大きな効果を発揮すると考えられるからであ
る。尚、図中、1は磁気テープの表面,2は磁性層,3
はビット幅である。
【0015】また、上記二層型の磁性層の上層部分に主
として使用される磁性粉末が、六方晶系のフェライト磁
性粉末等の平板状磁性粉末であり、かつ該上層部分が層
面に対して垂直方向に磁場配向処理されていると、この
上層部分の磁性層が短波長領域における転写再生出力の
向上を担うだけでなく、長波長領域における記録信号を
安定に転写する役割をも担うものである。このように上
層部分の磁性層を形成する磁性粉末に六方晶系のフェラ
イト磁性粉末等の平板状磁性粉末を使用するのは、上層
部分の垂直配向処理が容易になるからである。また、上
層部分を層面に対して垂直方向に磁場配向処理すると、
記録の高密度化に対応し易くなるからである。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る磁気記録媒体の好適な実
施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下に
述べる実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技
術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の
範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の
記載がない限り、これらの態様に限られるものではな
い。
【0017】本発明に係る磁気記録媒体は、その非磁性
支持体上に二層の磁性層が形成されている。該磁性層の
各々の層を形成するには磁性塗料が使用される。上記磁
性層の下層部分に使用される磁性塗料は、バリウムフェ
ライト磁性粉末(平均板径0.05マイクロメートル,
平均板状比5):100重量部,結合剤として塩化酢酸
ビニル系樹脂:8重量部と塩化ビニル系樹脂:7重量
部,研磨剤としてAl2 3 :5重量部,帯電防止剤と
してカーボン粉末:2重量部,潤滑剤としてレシチン:
2重量部,メチルエチルケトン:60重量部,トルエ
ン:40重量部,シクロヘキサン:30重量部の組成物
をボールミル等により充分に粉砕・混合して分散させ、
平均メッシュ間隔が5マイクロメートルのフィルターで
濾過した後、これに硬化剤としてコロネート−L(日本
ポリウレタン社製):3重量部を添加して製造する。
【0018】次に、非磁性支持体としての厚さ9マイク
ロメートルのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、上記下層部分に使用する磁性塗料を、乾燥塗膜厚が
約2マイクロメートルになるように通常のグラビアコー
ター等を用いて約3マイクロメートル塗布する。
【0019】このようにして非磁性支持体上に二層型磁
性層の下層部分に形成された塗膜が未乾燥の状態で、こ
れにフィルムの長手方向に沿って磁場配向処理を施した
後、充分に乾燥させ、さらにこれにカレンダー処理を施
した後、アニーリング処理を行って、下層部分の磁性層
を硬化させる。
【0020】そして、この下層部分の磁性層上に、二層
型の磁性層の上層部分を形成するための磁性塗料が、そ
の乾燥塗膜厚が約1マイクロメートルに成るように上記
グラビアコーター等を用いて塗布される。この上層部分
を形成するための磁性塗料は、上述したと同様の組成物
をボールミル等により充分に粉砕・混合して分散させ、
平均メッシュ間隔が5マイクロメートルのフィルターで
濾過した後、これに硬化剤としてコロネート−L(日本
ポリウレタン社製):3重量部を添加して製造したもの
である。
【0021】このようにして下層部分の磁性層上に形成
された上層部分の塗膜が未乾燥の状態で、これに層面に
対して垂直方向の磁場配向処理を施した後、充分に乾燥
させ、さらにこれにカレンダー処理を施した後、アニー
リング処理を行って、上層部分の磁性層を硬化させる。
【0022】最後に、非磁性支持体上に二層の磁性層が
形成されたものを約3.8mm幅に裁断して、本実施例
の磁気記録媒体としての磁気テープが作製される。
【0023】以上のようにして作製される本実施例の磁
気記録媒体は、その二層型磁性層の上層部分を形成する
ための磁性塗料に含有されるバリウムフェライト磁性粉
末の保磁力Hc1 が、30kA/m以上70kA/m以
下の範囲に設定されている。且つ、上記二層型磁性層の
下層部分を形成するための磁性塗料に含有されるバリウ
ムフェライト磁性粉末の保磁力Hc2 の上記Hc1 に対
する比Hc2 /Hc1 が0.25以上0.80以下の範
囲に設定されている。
【0024】次に、上記実施例の作用を説明する。上記
実施例の作用効果を確認すべく、上述のように規定した
保磁力Hc1 ,Hc2 の範囲内で、該保磁力Hc1 ,H
2 を3通りに変化させて本実施例の磁気記録媒体の供
試材1〜3を作製した。さらに、本実施例の保磁力Hc
1 ,Hc2 の範囲の有効性を確認すべく、上記範囲以外
の保磁力Hc1 ,Hc2 を有する比較材1〜4を作製し
た。尚、これら供試材1〜3及び比較材1〜4に使用し
たバリウムフェライト磁性粉末の保磁力Hc1 ,Hc2
は、予め、0.071ccの容器に120mgのバリウ
ムフェライト磁性粉末を充填し、試料振動型磁力計(V
SM)を用いて最大外部磁界1.5Tで室温(296
K)にて2.5×10-3T/secの磁界掃引速度で測
定したものである。
【0025】そして、これら供試材1〜3及び比較材1
〜4の磁気テープには、全てR−DAT用の磁気複写装
置を使用し、複写速度:4.0m/sec,圧着方式:
エアー圧着方式,転写ドラム:軟質磁性鉄,バイアスヘ
ッド:リング型フェライトヘッド(ギャップ長:200
マイクロメートル,ターン数:35turns),バイ
アス周波数:200kHz,バイアス電流:1.7Ap
−p,マスター媒体:メタル塗布型テープ(長手方向保
磁力:167kA/m)の複写条件で、記録信号の転写
実験を行った。尚、マスター媒体の記録条件は、相対速
度:3.133m/sec,記録ヘッド:TSSフェラ
イトヘッド(ギャップ長:0.25マイクロメートル,
ターン数:23turns,トラック幅:22マイクロ
メートル),記録波長:24.1マイクロメートル(1
30kHz)及び0.67マイクロメートル(4.7M
Hz),記録電流:最適記録電流(4.7MHz)及び
システム設置値(130kHz)である。
【0026】上述の条件において記録信号が転写された
供試材1〜3及び比較材1〜4の磁気テープについて、
ソニー製R−DATデッキ(DTC−1000) 及びス
ペクトラムアナライザーを使用して、スペクトラムアナ
ライザー設置値:R.B.W=10kHz,V.B.W
=1kHzの再生出力測定条件にて、その複写再生出力
を測定した。
【0027】図1に上記供試材1〜3及び比較材1〜4
の複写再生出力の測定結果を示す。尚、上述のように、
表1中のHc1 は上層部分に使用した磁性粉末の保磁力
であり、Hc2 は下層部分に使用した磁性粉末の保磁力
である。図1によれば、供試材1〜3の4.7Hzの短
波長における転写再生出力が−0.5dB以内であり、
130Hzの長波長における転写再生出力が+1dB以
上である。これに対し、比較材1〜4の4.7Hzの短
波長における転写再生出力が最大−1.5dBまで劣化
し、130Hzの長波長における転写再生出力が−0・
5〜+2.5dBと改善が見られなかった。ただし、比
較例1の転写再生出力を0dBとしている。すなわち、
表1から明らかなように、二層型磁性層の上層部分に使
用する磁性粉末の保磁力Hc1 を30kA/m以上70
kA/m以下と規定し、かつ下層部分に使用する磁性粉
末の保磁力Hc2 の上記Hc1 に対する比Hc2 /Hc
1 を0.25以上0.80以下に規定することによっ
て、非磁性支持体上に二層の磁性層を有する磁気記録媒
体において、短波長領域における転写再生出力を大きく
劣化させることなく、長波長領域における複写再生出力
を改善することができることが判る。
【0028】上記二層型の磁性層の上層部分の保磁力H
1 を30kA/m以上としたのは、実験により、該H
1 が30kA/mより小さい場合には、記録信号の自
己減磁損失が大きく、短波長領域と長波長領域との両領
域において転写再生出力が大きく劣化すると判明したか
らである。また、該上層部分の保磁力Hc1 を70kA
/m以下としたのは、実験により、該Hc1 が70kA
/mより大きい場合には、実用上印加されているバイア
ス磁界の大きさではバイアス磁界強度が不足するように
なり、同様に、短波長領域において転写再生出力が大き
く劣化する結果となると判明したからである。
【0029】一方、上記二層型の磁性層の下層部分の保
磁力の比Hc2 /Hc1 を0.25以上としたのは、実
験により、該Hc2 /Hc1 が0.25より小さい場合
には、磁気層の深層部分における記録信号の自己減磁損
失が大きく長波長領域における転写再生出力が大きく劣
化すると判明したからである。また、該下層部分の保磁
力の比Hc2 /Hc1 を0.80以下としたのは、実験
により、該Hc2 /Hc1 が0.80より大きい場合に
は、長波長領域において転写再生出力の大きな向上は見
られないと判明したからである。
【0030】また、本実施例にあっては、上記二層型磁
性層の上層部分に主として使用される磁性粉末として、
六方晶系のバリウムフェライト磁性粉末等の平板状磁性
粉末を使用し、かつ上記上層部分を非磁性支持体に対し
て垂直方向に磁場配向処理している。その理由は、この
ような上層部分は短波長領域における転写再生出力の向
上を担うだけでなく、長波長領域における転写信号を安
定に記録する役割をも担うと考えられるからである。こ
のような六方晶系フェライト磁性粉末の組成は、一般式
MO・n(Fe2 3 )で表すことができる。ただし、
ここでMはBa,Sr,Caの内、少なくとも一種を表
し、n=5〜6である。この場合には、磁性粉末の保磁
力を制御するために、上記六方晶系フェライト磁性粉末
にCo,Ti,Ni,Mn,Cu,Zn,In,Ge,
Nb,Snの少なくとも一種を添加し、該六方晶系フェ
ライト磁性粉末のFeの一部をこれら元素で置換しても
良い。例えば、バリウムフェライト磁性粉末において上
記添加元素によりFeの一部を置換した場合には、その
組成は一般式BaO・n((Fe1-m m 2 3 )で
表すことができる。ただし、ここでXはCo,Ti,N
i,Mn,Cu,Zn,In,Ge,Nb,Snの少な
くとも一種を表し、m=0〜0.2、n=5〜6であ
る。尚、上記二層型磁性層の上層部分に使用される磁性
粉末は、上記六方晶系フェライト磁性粉末の他、如何な
るものであっても良いが、前述のように上層部分が層面
に対して垂直方向に磁場配向処理されていることが好ま
しい。上記上層部分の磁性層を形成する磁性粉末に六方
晶系のフェライト磁性粉末等の平板状磁性粉末が好まし
いのは、上層部分の垂直配向処理が容易になるからであ
る。また、上層部分を層面に対して垂直方向に磁場配向
処理するのが好ましいのは、記録の高密度化に対応し易
くなるからである。
【0031】さらに、上記二層型磁性層の下層部分に使
用される磁性粉末は、ガンマフェライトのような鉄酸化
物もしくはその表面にCo等を被着させたCo変成鉄酸
化物等の針状磁性粉末、あるいは六方晶系のバリウムフ
ェライト磁性粉末のような平板状磁性粉末等、如何なる
ものであっても良いが、前述のように記録磁化が半円形
の磁化モードを形成しやすくなるように、磁性層の長手
方向に磁場配向処理されていることが好ましい。
【0032】そして、本発明において使用されるマスタ
ー媒体は如何なるものであっても良いが、マスター媒体
上の記録磁化のバイアス磁界による減磁ができるだけ小
さくなるように、該マスター媒体の磁化容易軸方向の保
磁力が120kA/m以上である強磁性金属粉末を使用
した所謂メタル塗布型磁気記録媒体、もしくは強磁性金
属薄膜を真空蒸着等の方法により非磁性支持体上に蒸着
した所謂蒸着磁気記録媒体を使用することが好ましい。
【0033】尚、本発明に係る磁気記録媒体をスレーブ
媒体として使用し、これにマスター媒体から記録信号を
転写した後は、本発明に係る磁気記録媒体はマスター媒
体として使用され得るものである。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る磁気記
録媒体によれば、非磁性支持体上に二層に形成された磁
性層の上層部分と主として使用する磁性粉末の保磁力H
1 と、下層部分に主として使用する磁性粉末の保磁力
Hc2 とを規定することによって、短波長領域及び長波
長領域において極めて優れた転写再生出力を得ることが
できる、という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の実施例及び比較例
における転写再生出力の測定結果である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体の作用を考察するた
めの説明図である。
【符号の説明】
M 半円形の磁化モード 1 磁気テープの表面 2 磁性層 3 ビット幅 Hc1 磁性層の上層部分の保磁力 Hc2 磁性層の下層部分の保磁力

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録済の磁気記録媒体に圧接され、その
    状態で複写用バイアス磁界が印加されて、記録済磁気記
    録媒体の記録信号が複写される磁気記録媒体において、 上記磁気記録媒体の非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤
    とを主体とする磁性層が二層に形成され、 該磁性層の
    上層部分に主として使用する磁性粉末の保磁力Hc1
    30kA/m以上70kA/m以下で、かつ上記磁性層
    の下層部分に主として使用する磁性粉末の保磁力Hc2
    の上記Hc1 に対する比Hc2 /Hc1 が0.25以上
    0.80以下であることを特徴とする、磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁性層の上層部分に主として使用さ
    れる磁性粉末が、六方晶系のフェライト磁性粉末であ
    り、かつ該上層部分が層面に対して垂直方向に磁場配向
    処理されていることを特徴とする、請求項1に記載の磁
    気記録媒体。
JP32509791A 1991-11-14 1991-11-14 磁気記録媒体 Pending JPH05135355A (ja)

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