JPH0513472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、重ね積みしたパレツトを順次取り出
して、そのパレツト上に載置されているワークの
処理を容易とし、用済み後の空パレツトを回収し
て再び積層するパレツト移送装置に関するもので
ある。

〔従来技術〕

自動加工システムや自動組み立てシステムに
おいて、従来は加工対象物や部品などのワークや
荷物を管理し、所定の場所に搬送していく装置が
自動倉庫として知られているが、パレツトをベル
トコンベアのような水平移動手段などで順次工作
機械や組み立て装置の所定位置まで移送して工作
加工や組み立てを行う場合には、パレツトを定着
することが難しい上、用済み後の空パレツトの後
始末を手際良く行うことができなかつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

このように、自動加工システムや自動組み立て
システムにおいて、従来のパレツト移送装置で
は、パレツトを平面的に移送する形式であるため
に、据付面積を広く必要とするほか、パレツト移
送のための機構が大型化してしまうという問題が
あつた。

本考案は、ワークを載せたパレツトを積層スト
ツクすることによつて、構成を小型に且つ簡素化
することができるパレツト移送装置を提供しよう
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記課題を解決するための手段とし
て、ワークを載せたパレツトを重ね積みし、その
中の最上段のパレツトを所定の位置まで上昇又は
降下させる昇降可能な第１パレツト載置台と、こ
の第１パレツト載置台上にあるパレツトの受け渡
しを所定の高さ位置で行い、当該パレツトを定位
置に保持する出没フオークとパレツト包囲枠から
成るパレツト保持手段、相互に隣接させた受け渡
し位置と用済みパレツト置場との間を水平に往復
動するパレツト保持手段と、パレツト保持手段上
にある空パレツトの受け渡しを行い、当該パレツ
トを受け渡し時に若干上昇させた後に降下する第
２パレツト載置台とを備えた構成を採用するもの
である。

〔作用〕

本考案のパレツト移送装置は、ワークを載せた
パレツトを第１パレツト載置台上に積み重ねてこ
れをストツクし、ストツクされているパレツトを
第１パレツト載置台と共に上昇移動させ、最上段
に達したパレツトをパレツト保持手段によつて前
後左右方向から位置決めすることによつて、ワー
クの加工処理や組み立て加工などを可能とし、ワ
ークの処理が終わると、パレツト保持手段と共に
そのパレツトを第２パレツト載置台の直上に平行
移動させ、当該パレツトをその第２パレツト載置
台の上に移してストツクする。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

自動組み立てシステムに適用した本実施例のパ
レツト移送装置１は、所望の被加工材や組み立て
部品（以下単にワークと記す）Ｗを所定の配列で
載せて積層ストツクしたパレツト２を順次取り出
し、そのパレツト２に配列したワークＷを組み立
て装置３が順次採り出して、空になつたパレツト
２を再び回収して積層ストツクするものである。

パレツト移送装置１において、４はワークＷを
載せたパレツト２を積層載置するための第１パレ
ツト載置台であり、この第１パレツト載置台４は
ベツド５に立設固定した１対の直立ガイドレイル
６に昇降自在に係合支持され、ボールねじナツト
７にねじ嵌合されたボールねじ軸８の回転によつ
て矢印ａ方向に昇降駆動するようになつている。
なお、ボールねじ軸８は、モータ駆動される図示
しないタイミングベルトと、同ベルトによつて回
転伝動されるギア９を介して駆動されるものであ
る。

上記第１パレツト載置台４の降下限界位置は当
該第１パレツト載置台４に固定したドグ１０にリ
ミツトスイツチ１１を接触させることにより検出
する。同様に、第１パレツト載置台４の上昇限界
位置は当該第１パレツト載置台４に固定した別の
ドグ１２にリミツトスイツチ１３を接触させるこ
とにより検出する。

２０は上記第１パレツト載置台４によつて所定
の高さ位置まで上昇した最上段のパレツト２を受
け取つて所定の高さに維持するためのパレツト保
持枠である。このパレツト保持枠２０は、第２図
及び第３図に示すように、パレツト２の外径より
も僅かに大きな４面形の枠体で、その左右対称位
置に夫々２個づつ対称に設けた油圧シリンダ２１
のピストンロツド２１′を出没フオークとしてパ
レツト２の底面下に進出させることによりパレツ
ト２を支える。また、パレツト保持枠２０に支え
られたパレツト２の位置決めは、位置決め用油圧
シリンダ２２のピストンロツド２２′を出没フオ
ークして、パレツト２をパレツト保持枠２０の奥
部に押圧することにより行う。２３は上記第１パ
レツト載置台４によつて上昇するパレツト２の上
端を検出するセンサであり、また、２４はパレツ
ト２の有無を検出するセンサであつて、夫々フレ
ーム２５に設けられている。尚、上記センサ２３
によつて検出されるパレツト２の高さは上記リミ
ツトスイツチ１３によつて検出されるパレツト載
置台４の上昇限界位置よりも低い位置に設定され
ている。

上記パレツト保持枠２０は、フレーム２５に水
平固定した１対の水平ガイドレイル３０に往復移
動自在に支持されているが、上記フレーム２５に
固定配置したパレツト保持枠移動用の油圧シリン
ダ３１に内蔵されているピストン３２に磁気吸着
固定した外部ボデイ３３に固定され、上記油圧シ
リンダ３１の作用で起動するピストン３２と一体
に外部ボデイー３３を介して矢印ｂ方向の水平方
向に往復駆動するようになつている。

上記パレツト保持枠２０の左動限界位置及び右
動限界位置は、ストツパとして機能するシヨツク
アブゾーバ３４で規制するが、当該パレツト保持
枠２０に固定したドグ３５にリミツトスイツチ３
６が接触することにより、パレツト保持枠２０が
左動限界位置に到達したことを検出し、また、パ
レツト保持枠２０に固定した別のドグ３７にリミ
ツトスイツチ３８が接触することにより、パレツ
ト保持枠２０が右動限界位置に到達したことを検
出する。

第１図及び第２図において４０は、右動限界位
置を採るパレツト保持枠２０から空になつたパレ
ツト２を受け取つてこれを積層ストツクする第２
パレツト載置台である。この第２パレツト載置台
４０は、ベツド５に立設固定した一対の直立ガイ
ドレイル４１に昇降自在に嵌入支持されており、
ボールねじナツト４４にねじ嵌合するボールねじ
軸４２の回転によつて矢印ｃ方向に昇降駆動する
ようになつている。尚、ボールねじ軸４２はモー
タ駆動される図示しないタイミングベルトと同ベ
ルトによつて回転伝動されるギア４３を介して駆
動される。

上記第２パレツト載置台４０の降下限界位置は
当該第２パレツト載置台４０に固定したドグ４５
にミツトスイツチ４６を接触させることにより検
出する。同様に、第２パレツト載置台４０の上昇
限界位置は当該第２パレツト載置台４０に固定し
た別のドグ４７に別のリミツトスイツチ４８を接
触させることにより検出する。尚、上記第２パレ
ツト載置台４０の上表面又はその上に積層ストツ
クされる空パレツト２の上端を検出するためのセ
ンサ４９がフレーム２５に設けられている。この
センサ４９によつて検出されるパレツト２の高さ
はパレツト保持枠２０から下方に渡される空パレ
ツト２を安定状態に載せ得る高さに設定する。

上記第１パレツト載置台４及び第２パレツト載
置台４０の昇降駆動制御、並びにパレツト保持枠
２０の往復駆動制御は、各種リミツトスイツチ１
１，１３，３６，３８，４６，４８やセンサ２
３，２４による検出信号、及び組み立て装置３か
ら出力されるワーク供給の要求信号に基づいてパ
レツト移送装置１が行う。

次にパレツト移送装置１の作用を説明する。

組み立て装置３の電源を入れると、上記センサ
２４が所定のサンプリングタイミングに従つてパ
レツト支持枠２０内にパレツト２が有るか否かを
検出し、ない場合には、上記センサ２４の信号に
よつて第１パレツト載置台４の上に積層載置され
ている最上段のパレツト２を上記センサ２３が検
出するまで第１パレツト載置台４を上昇させる。
このときパレツト保持枠２０は左動限界位置にあ
り、この位置で油圧シリンダ２１のピストンロツ
ド２１′をパレツト２の底面下に進出させてパレ
ツト２を支え、その後に、第１パレツト載置台４
を、パレツト支持枠２０の移動の邪魔に成らない
位置まで降下させておく。また、パレツト保持枠
２０に支えられたパレツト２は、位置決め用油圧
シリンダ２２のピストンロツド２２′でパレツト
保持枠２０の奥部に押圧され、これによつてパレ
ツト２はパレツト保持枠２０内に位置決め固定さ
れる。この状態は第３図に示される状態である。
この状態で、組み立て装置３はパレツト保持枠２
０に位置決め固定されたパレツト２から順次ワー
クＷを取り出して自動組み立てを行う。

尚、パレツト支持枠２０にパレツト２がない場
合に第１パレツト載置台４を上昇移動させたと
き、リミツトスイツチ１３によつてその上昇限界
位置が検出されると、パレツト移送装置１はワー
クＷを載せた新たなパレツト２を第１パレツト載
置台４に供給すべき旨の警報を発する。

組み立て装置３によるパレツト２からのワーク
Ｗの採り出しが完了すると、ワークの供給を要求
する信号が組み立て装置３から送られ、パレツト
保持枠２０を右動限界位置まで駆動して空のパレ
ツト２を第２パレツト載置台４０の直上まで移動
させる。次に、位置決め用油圧シリンダ２２のピ
ストンロツド２２′を復動させてパレツト保持枠
２０に支えられている空パレツト２の位置決め固
定状態を解離すると、第２パレツト載置台４０が
上昇して当該空パレツト２を更に持ち上げ、該パ
レツト２の上端をセンサ４９が検出すると、これ
に基づいて第２パレツト載置台４０の上昇移動が
停止される。そして、その空パレツト２を支えて
いる油圧シリンダ２１のピストンロツド２１′を
復動させて当該空パレツト２の底面下から後退さ
せると、第２パレツト載置台４０がその空パレツ
ト２を受け取り、第２パレツト載置台４０が降下
移動を開始して、リミツトスイツチ４６の検出に
基づいて降下限界位置で停止する。次いで、パレ
ツト保持枠２０を左動限界位置まで移動して第１
パレツト載置台４の直上に移動する。この後は、
センサ２４によつてパレツト２の無いことが検出
されたときと同様に、第１パレツト載置台４を上
昇させて、積層載置されている最上段のパレツト
２を新たにパレツト保持枠２０に位置決め固定す
ることにより、組み立て装置３は、このパレツト
２から順次ワークＷを取り出して自動組み立てを
行う。

尚、上記リミツトスイツチ４６が第２パレツト
載置台４０の降下限界位置を検出したときに、上
記センサ４９が空パレツト２の上端を検出したと
きは、最早、新たな空パレツトを第２パレツト載
置台４０に受け入れることができないため、パレ
ツト移送装置１は空パレツトを第２パレツト載置
台４０から取り出す旨の警報を発する。

上記実施例では本考案を自動組み立てシステム
に適用した場合について説明したが、自動加工シ
ステムにも同様に適用することができる。また、
第１パレツト載置台及び第２パレツト載置台の昇
降支持機構並びに駆動機構、さらにはパレツト保
持枠の機構は、上記実施例に限定されず適宜の支
持機構や駆動機構に代えることができる。また、
パレツト保持枠のようなパレツト保持手段におけ
るパレツトの位置決め固定機構は油圧シリンダを
用いる構造に限定されず適宜の係止機構に変更す
ることができる。

〔考案の効果〕

本考案のパレツト移送装置は、ワークを載せた
パレツト並びに空のパレツトを積み重ねストツク
することにより、工作機械や組み立て装置との間
でパレツトを直接受け渡ししなくて済む上、工作
機械や組み立て装置ではパレツトを位置決めする
ための専用付帯設備が不要になり、従来のベルト
コンベアなどよりもパレツト移送のための機構を
小型に且つ簡素化することができ、さらに自動加
工システムや自動組み立てシステムの無用な大型
化を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るパレツト移送装置の１実施
例を示すもので、第１図は正面図、第２図は部分
平面図、第３図は側面図である。 １……パレツト移送装置、２……パレツト、３
……組み立て装置、４……第１パレツト載置台、
６……直立ガイドレイル、７……ボールねじナツ
ト、８……ボールねじ軸、２０……パレツト保持
枠、２１……油圧シリンダ、２１′……ピストン
ロツド、２２……位置決め用油シリンダ、２２′
……ピストンロツド、３０……水平ガイドレイ
ル、３１……油圧シリンダ、４０……第２パレツ
ト載置台、４１……直立ガイドレイル、４２……
ボールねじ軸、４４……ボールねじナツト、Ｗ…
…ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを載せたパレツトを重ね積みし、その中
   の最上段のパレツトを所定の位置まで上昇又は降
   下させる昇降可能な第１パレツト載置台と、この
   第１パレツト載置台上にあるパレツトの受け渡し
   を所定の位置で行い、当該パレツトを定位置に支
   持する出没フオークとパレツト包囲枠とから成る
   パレツト保持手段と、相互に隣接させた受け渡し
   位置と用済みパレツト置場との間を水平に往復動
   するパレツト保持手段の移動手段と、この移動手
   段上にある空パレツトの受け渡しを行い、当該パ
   レツトを受け渡し時に若干上昇させた後に降下す
   る第２パレツト載置台とを備えたパレツト移送装
   置。