JPH05133449A - 歯付ベルト装置用歯車および歯付ベルト装置 - Google Patents
歯付ベルト装置用歯車および歯付ベルト装置Info
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- JPH05133449A JPH05133449A JP3293193A JP29319391A JPH05133449A JP H05133449 A JPH05133449 A JP H05133449A JP 3293193 A JP3293193 A JP 3293193A JP 29319391 A JP29319391 A JP 29319391A JP H05133449 A JPH05133449 A JP H05133449A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、多数の歯29の歯面30が凹形に
湾曲している、歯付ベルト装置のための歯数nとピッチ
Tが任意である歯車、およびこのような歯車を備えた歯
付ベルト装置に関する。本発明では、歯車2の歯面範囲
30のすべての曲率中心31がピッチ円の半径方向外方
に位置するように、しかも好ましくはピッチTの9%〜
14%だけピッチ円よりも半径方向外方に位置するよう
に、歯面30が少なくとも、歯先円33からピッチTの
12%と28%の間の半径方向範囲32において、凹形
に湾曲している。 【効果】 原料コストと運転騒音を増大させずに、歯付
ベルト装置の出力密度を高めることができる。
湾曲している、歯付ベルト装置のための歯数nとピッチ
Tが任意である歯車、およびこのような歯車を備えた歯
付ベルト装置に関する。本発明では、歯車2の歯面範囲
30のすべての曲率中心31がピッチ円の半径方向外方
に位置するように、しかも好ましくはピッチTの9%〜
14%だけピッチ円よりも半径方向外方に位置するよう
に、歯面30が少なくとも、歯先円33からピッチTの
12%と28%の間の半径方向範囲32において、凹形
に湾曲している。 【効果】 原料コストと運転騒音を増大させずに、歯付
ベルト装置の出力密度を高めることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の歯と、それぞれ
二つの歯の間にある歯溝とを備え、歯の歯面が凹形に湾
曲している、歯付ベルト装置のための歯数とピッチが任
意である歯車および歯付ベルト装置に関する。
二つの歯の間にある歯溝とを備え、歯の歯面が凹形に湾
曲している、歯付ベルト装置のための歯数とピッチが任
意である歯車および歯付ベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車の歯の形を採寸する場合、基準線と
してピッチ円が用いられる。以下、“ピッチ円”とは、
直径D=(n・T)/πを有する、歯車中心軸線と同心
の円であると理解される。ベルト装置を構成する場合、
負荷と温度が普通である用途のときには、ベルトピッチ
は歯車ピッチに一致する。ベルトのピッチ線、すなわち
半径方向断面における引張りストランドの中心線は、歯
噛み合い範囲において、歯車ピッチ円と重なっている。
してピッチ円が用いられる。以下、“ピッチ円”とは、
直径D=(n・T)/πを有する、歯車中心軸線と同心
の円であると理解される。ベルト装置を構成する場合、
負荷と温度が普通である用途のときには、ベルトピッチ
は歯車ピッチに一致する。ベルトのピッチ線、すなわち
半径方向断面における引張りストランドの中心線は、歯
噛み合い範囲において、歯車ピッチ円と重なっている。
【0003】技術水準では、凸形に湾曲した歯面を有す
るすべての歯車歯の場合に、ベルトの歯が歯車歯溝内に
挿入されるときの、ベルトピッチ線上の瞬間的な中心の
位置に対応して、歯面の曲率中心がピッチ円の半径方向
内方に位置しており、最も外側の場合でもピッチ円上に
位置している(ドイツ連邦共和国特許第3629789
号明細書参照)。更に、技術水準では、歯面半径が歯付
ベルト歯元幅の半径と同じであるかまたは小さい。
るすべての歯車歯の場合に、ベルトの歯が歯車歯溝内に
挿入されるときの、ベルトピッチ線上の瞬間的な中心の
位置に対応して、歯面の曲率中心がピッチ円の半径方向
内方に位置しており、最も外側の場合でもピッチ円上に
位置している(ドイツ連邦共和国特許第3629789
号明細書参照)。更に、技術水準では、歯面半径が歯付
ベルト歯元幅の半径と同じであるかまたは小さい。
【0004】特に頭上カム軸を備えた乗用車用四サイク
ルエンジンを製作する場合に、歯付ベルト(タイミング
ベルト)を使用すると、質量低減のために、歯付ベルト
装置の高い出力密度が所望される。歯付ベルト装置の出
力密度を高めることは、従来は高価な原料の使用によっ
てしか達成出来なかった。
ルエンジンを製作する場合に、歯付ベルト(タイミング
ベルト)を使用すると、質量低減のために、歯付ベルト
装置の高い出力密度が所望される。歯付ベルト装置の出
力密度を高めることは、従来は高価な原料の使用によっ
てしか達成出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、原料
コストを増大させずに、かつ運転騒音を増大させずに、
歯付ベルト装置の出力密度を高めることである。
コストを増大させずに、かつ運転騒音を増大させずに、
歯付ベルト装置の出力密度を高めることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明に従
い、歯面範囲のすべての曲率中心がピッチ円の半径方向
外方に位置するように、歯面が少なくとも、歯先円から
ピッチの12%と28%の間の半径方向範囲において、
凹形に湾曲していることによって解決される。
い、歯面範囲のすべての曲率中心がピッチ円の半径方向
外方に位置するように、歯面が少なくとも、歯先円から
ピッチの12%と28%の間の半径方向範囲において、
凹形に湾曲していることによって解決される。
【0007】この解決策の背後には、ベルトが半径方向
内側の歯面範囲において大きな支持作用をするときにの
み、歯付ベルト装置の出力密度のそれ以上の増大が可能
であるという認識がある。一方、ベルトの歯元近くでは
材料が機能を発揮しないこと(歯元亀裂)により、それ
以上負荷を高めることはもはや不可能である。ベルト歯
元の範囲においてベルト歯が周方向で歯溝の方へ縮小す
る形状よりも少しだけ狭くなっていることにより、支持
力成分の再分配が達成される。この場合、この小さな寸
法は半径方向内方へ向けて、すなわち歯面中心の方へ、
零まで小さくなる。すなわち、歯元は“二番取り”され
ている。
内側の歯面範囲において大きな支持作用をするときにの
み、歯付ベルト装置の出力密度のそれ以上の増大が可能
であるという認識がある。一方、ベルトの歯元近くでは
材料が機能を発揮しないこと(歯元亀裂)により、それ
以上負荷を高めることはもはや不可能である。ベルト歯
元の範囲においてベルト歯が周方向で歯溝の方へ縮小す
る形状よりも少しだけ狭くなっていることにより、支持
力成分の再分配が達成される。この場合、この小さな寸
法は半径方向内方へ向けて、すなわち歯面中心の方へ、
零まで小さくなる。すなわち、歯元は“二番取り”され
ている。
【0008】負荷を再分配させるために設けられたベル
ト歯元のこの二番取り部は、歯面曲率中心を、ベルトの
瞬間的な回転中心から半径方向外方へピッチ円を越える
まで離れるようずらすことにより実現される。これは大
きな歯面半径を可能にする。特に、ピッチTの12%か
ら28%まで延びる歯面範囲おける歯面の曲率半径は、
歯車のピッチTの85%〜95%である。この歯車で
は、歯面があまり湾曲していない、すなわち従来よりも
真っ直ぐであり、歯面の傾斜は歯の高さにわたってあま
り変化しない。歯面半径は、歯溝幅(歯面半径から歯先
半径への移行部のところで測定した歯溝幅)またはベル
ト歯元幅よりも大きい。
ト歯元のこの二番取り部は、歯面曲率中心を、ベルトの
瞬間的な回転中心から半径方向外方へピッチ円を越える
まで離れるようずらすことにより実現される。これは大
きな歯面半径を可能にする。特に、ピッチTの12%か
ら28%まで延びる歯面範囲おける歯面の曲率半径は、
歯車のピッチTの85%〜95%である。この歯車で
は、歯面があまり湾曲していない、すなわち従来よりも
真っ直ぐであり、歯面の傾斜は歯の高さにわたってあま
り変化しない。歯面半径は、歯溝幅(歯面半径から歯先
半径への移行部のところで測定した歯溝幅)またはベル
ト歯元幅よりも大きい。
【0009】歯元の湾曲が終了し、歯面が始まり、歯面
が終了し、歯先湾曲が始まるという定義上の問題を回避
するために、本発明に従って曲率中心がピッチ円の外側
にある歯面の最小範囲は、歯先円から出発してピッチT
の12%〜28%の半径方向範囲に制限される。
が終了し、歯先湾曲が始まるという定義上の問題を回避
するために、本発明に従って曲率中心がピッチ円の外側
にある歯面の最小範囲は、歯先円から出発してピッチT
の12%〜28%の半径方向範囲に制限される。
【0010】この歯面範囲に関して、今までの試験結果
では、曲率中心がピッチTの9%〜14%だけピッチ円
の半径方向外方に位置している。半径方向外方へ更にず
らすと、走入ひいては摩耗が困難になる。半径方向外方
へのずれが小さい場合には、負荷能力が不充分である。
最も重要な用途の場合、すなわちカム軸駆動装置の場合
には、半径方向外方への曲率中心の最適なずれはピッチ
の11%と12%の間である。
では、曲率中心がピッチTの9%〜14%だけピッチ円
の半径方向外方に位置している。半径方向外方へ更にず
らすと、走入ひいては摩耗が困難になる。半径方向外方
へのずれが小さい場合には、負荷能力が不充分である。
最も重要な用途の場合、すなわちカム軸駆動装置の場合
には、半径方向外方への曲率中心の最適なずれはピッチ
の11%と12%の間である。
【0011】歯面内の曲率半径の変化は、試験結果に従
って、走入状態の大幅な改善をもたらさない。製作およ
び製作チェックを簡単にするために、本発明による特徴
と、ピッチTの12%から28%まで延びる範囲32に
おける各歯面30が一つの曲率中心31を中心として湾
曲しているという公知の特徴とを組み合わせることが推
奨される。
って、走入状態の大幅な改善をもたらさない。製作およ
び製作チェックを簡単にするために、本発明による特徴
と、ピッチTの12%から28%まで延びる範囲32に
おける各歯面30が一つの曲率中心31を中心として湾
曲しているという公知の特徴とを組み合わせることが推
奨される。
【0012】本発明による歯車は特に、ドイツ連邦共和
国特許出願第4009070.1号に従って形成された
歯付ベルトと対をなして使用するために適している。こ
の場合、凸形に湾曲した歯付ベルト歯面が少なくとも、
歯先高さの25%〜80%まで延びる半径方向範囲にお
いて、すべての曲率中心がピッチ線の半径方向外側に位
置するような曲率を有する。その際、ベルト歯先高さと
は、歯元線から出発して半径方向内方へ歯先線まで達す
る寸法であると理解される。ベルト歯元線はベルトの内
面の半径方向最も外側の点を通って延びている。“半径
方向内方”または“半径方向外方”は専門用語であり、
通常は歯付ベルトがドラム上で製作される円形のベルト
形状に関して明らかである。
国特許出願第4009070.1号に従って形成された
歯付ベルトと対をなして使用するために適している。こ
の場合、凸形に湾曲した歯付ベルト歯面が少なくとも、
歯先高さの25%〜80%まで延びる半径方向範囲にお
いて、すべての曲率中心がピッチ線の半径方向外側に位
置するような曲率を有する。その際、ベルト歯先高さと
は、歯元線から出発して半径方向内方へ歯先線まで達す
る寸法であると理解される。ベルト歯元線はベルトの内
面の半径方向最も外側の点を通って延びている。“半径
方向内方”または“半径方向外方”は専門用語であり、
通常は歯付ベルトがドラム上で製作される円形のベルト
形状に関して明らかである。
【0013】本発明によるベルト装置のために使用され
るベルトは好ましくは、ドイツ連邦共和国特許出願第4
009070.1号の請求項2と3のベルトである。こ
の場合、ベルトピッチ線とベルト歯面の曲率中心の間の
半径方向の距離は、ベルトピッチの8%〜20%であ
り、ベルト歯面は一つの曲率中心を有する。その際、有
利な他の実施形では、ベルト歯ピッチ線の半径方向外方
にあるベルト歯面の歯面曲率中心とベルト歯ピッチ線と
の間隔は、ピッチ円の半径方向外方にある歯車歯面の曲
率中心とピッチ円との間隔よりも、1.5%〜3%だけ
小さい。
るベルトは好ましくは、ドイツ連邦共和国特許出願第4
009070.1号の請求項2と3のベルトである。こ
の場合、ベルトピッチ線とベルト歯面の曲率中心の間の
半径方向の距離は、ベルトピッチの8%〜20%であ
り、ベルト歯面は一つの曲率中心を有する。その際、有
利な他の実施形では、ベルト歯ピッチ線の半径方向外方
にあるベルト歯面の歯面曲率中心とベルト歯ピッチ線と
の間隔は、ピッチ円の半径方向外方にある歯車歯面の曲
率中心とピッチ円との間隔よりも、1.5%〜3%だけ
小さい。
【0014】本発明による歯車は好ましくは、次のよう
な歯付ベルトと対をなして使用される。すなわち、歯面
曲率中心がドイツ連邦共和国特許出願第400907
0.1号の請求項1に従ってピッチ線の外側にあり、ベ
ルト歯先高さの25%〜80%にわたって延びるベルト
歯面範囲において歯面の曲率半径がベルト歯先幅の20
5%と235%の間であるような歯付ベルトと対をなし
て使用される。その際、ベルト歯先幅とは、ベルト歯元
線から測定すべきベルト歯先高さの80%のところで生
じる幅であると理解される。これは技術水準に比べて大
きなベルト歯面半径を生じる。特に、大きな歯車歯面半
径と共に、歯高さにわたって非常に望ましい負荷分布を
生じる。このベルト形状はドイツ連邦共和国特許出願第
4009070.1号のベルト形状に一致する。しか
し、本発明では、このようなベルトは伸開線状の歯車の
歯とではなく、本請求項1の歯車の歯と組み合わせられ
て、歯付ベルト装置を形成する。
な歯付ベルトと対をなして使用される。すなわち、歯面
曲率中心がドイツ連邦共和国特許出願第400907
0.1号の請求項1に従ってピッチ線の外側にあり、ベ
ルト歯先高さの25%〜80%にわたって延びるベルト
歯面範囲において歯面の曲率半径がベルト歯先幅の20
5%と235%の間であるような歯付ベルトと対をなし
て使用される。その際、ベルト歯先幅とは、ベルト歯元
線から測定すべきベルト歯先高さの80%のところで生
じる幅であると理解される。これは技術水準に比べて大
きなベルト歯面半径を生じる。特に、大きな歯車歯面半
径と共に、歯高さにわたって非常に望ましい負荷分布を
生じる。このベルト形状はドイツ連邦共和国特許出願第
4009070.1号のベルト形状に一致する。しか
し、本発明では、このようなベルトは伸開線状の歯車の
歯とではなく、本請求項1の歯車の歯と組み合わせられ
て、歯付ベルト装置を形成する。
【0015】製作と製作監視を簡単にするために、歯車
の歯面はそれぞれ一つの曲率中心を中心にして湾曲して
いる。この中心はピッチTの9%〜14%、特に11%
〜12%だけピッチ円の半径方向外側に位置している。
の歯面はそれぞれ一つの曲率中心を中心にして湾曲して
いる。この中心はピッチTの9%〜14%、特に11%
〜12%だけピッチ円の半径方向外側に位置している。
【0016】
【実施例】次に、二つの図に基づいて本発明を詳しく説
明する。
明する。
【0017】まだ公開されていない、本出願人の先願で
あるドイツ連邦共和国特許出願第4009070.1号
の対象物と類似の対象物が本願で図示されているので、
本願と先願のドイツ連邦共和国特許出願を一緒に容易に
読めるようにするために、本願では、この先願のドイツ
連邦共和国特許出願と同じ参照符号が使用される。
あるドイツ連邦共和国特許出願第4009070.1号
の対象物と類似の対象物が本願で図示されているので、
本願と先願のドイツ連邦共和国特許出願を一緒に容易に
読めるようにするために、本願では、この先願のドイツ
連邦共和国特許出願と同じ参照符号が使用される。
【0018】図1は歯付ベルト装置用の本発明による歯
車2を示している。歯車2の歯29の間の歯溝23は、
この図に示していない(図2に示している)歯付ベルト
1のベルト歯を収容する働きをする。歯29の歯面30
は凹形に湾曲している。歯面の形状の特徴は、力伝達に
とって重要な範囲の歯面の湾曲中心31が、一点鎖線で
示したピッチ円26の半径方向外側に位置していること
にある。力伝達のために重要な歯面範囲は、この出願の
範囲内では、歯先円33から半径方向内方へ歯車ピッチ
Tの12%〜28%だけ延びる範囲32であると定義す
る。
車2を示している。歯車2の歯29の間の歯溝23は、
この図に示していない(図2に示している)歯付ベルト
1のベルト歯を収容する働きをする。歯29の歯面30
は凹形に湾曲している。歯面の形状の特徴は、力伝達に
とって重要な範囲の歯面の湾曲中心31が、一点鎖線で
示したピッチ円26の半径方向外側に位置していること
にある。力伝達のために重要な歯面範囲は、この出願の
範囲内では、歯先円33から半径方向内方へ歯車ピッチ
Tの12%〜28%だけ延びる範囲32であると定義す
る。
【0019】場合によって存在する、ベルトピッチと歯
車ピッチとの差は、良好な機能を発揮するベルト装置の
場合には、ピッチ自体と比較して非常に小さい。図で
は、両ピッチが同一であるということから出発してい
る。従って、同じ参照符号Tを使用している。歯車のピ
ッチ円は歯噛み合い範囲において、ベルトのピッチ線、
すなわち引張りストランドの曲げ中立線と重なってい
る。
車ピッチとの差は、良好な機能を発揮するベルト装置の
場合には、ピッチ自体と比較して非常に小さい。図で
は、両ピッチが同一であるということから出発してい
る。従って、同じ参照符号Tを使用している。歯車のピ
ッチ円は歯噛み合い範囲において、ベルトのピッチ線、
すなわち引張りストランドの曲げ中立線と重なってい
る。
【0020】図1は本発明による歯車2の好ましい実施
例を示している。この場合、力の伝達のために重要な歯
面範囲32の曲率中心31は、ピッチTの11.3%だ
けピッチ円26の半径方向外側に設けられている。その
際、前記範囲32の各歯面30は横断面が円の扇形とし
て形成されている。すなわち、一つの中心の回りに湾曲
している。この歯面範囲32の曲率範囲34はピッチT
の88.75%である。図示した歯車は23の歯数を有
する。
例を示している。この場合、力の伝達のために重要な歯
面範囲32の曲率中心31は、ピッチTの11.3%だ
けピッチ円26の半径方向外側に設けられている。その
際、前記範囲32の各歯面30は横断面が円の扇形とし
て形成されている。すなわち、一つの中心の回りに湾曲
している。この歯面範囲32の曲率範囲34はピッチT
の88.75%である。図示した歯車は23の歯数を有
する。
【0021】図1は縮尺通りの図である。10:1の縮
尺の場合には、一点鎖線で示したピッチ円26上に8.
000mmのピッチTが生じる。その結果、ピッチ円の
周の長さは184mmで、ピッチ円の直径は58.56
9mmである。歯車ピッチ円26と歯先円33との半径
方向の間隔35は0.686mmである。破線で示した
歯先円の直径は57.197mmである。
尺の場合には、一点鎖線で示したピッチ円26上に8.
000mmのピッチTが生じる。その結果、ピッチ円の
周の長さは184mmで、ピッチ円の直径は58.56
9mmである。歯車ピッチ円26と歯先円33との半径
方向の間隔35は0.686mmである。破線で示した
歯先円の直径は57.197mmである。
【0022】歯面30は半径RF =7.100mmのそ
れぞれ一つの円弧によって描かれている。歯面の曲率中
心31は歯溝中心線36に関してそれぞれ反対側で、歯
溝中心線から4.236mmの間隔37と、ピッチ円2
6から0.904mm(=11.3%T)の(半径方
向)間隔aをおいて設けられている。
れぞれ一つの円弧によって描かれている。歯面の曲率中
心31は歯溝中心線36に関してそれぞれ反対側で、歯
溝中心線から4.236mmの間隔37と、ピッチ円2
6から0.904mm(=11.3%T)の(半径方
向)間隔aをおいて設けられている。
【0023】前記の歯面30には、歯元弧状部38が半
径方向内方へ向けて接線方向に接続している。この歯元
弧状部の曲率中心M38は、歯溝中心線36から1.15
6mm離れていて、その半径は0.600mmである。
その結果、接続点39は歯車中心Mから半径25.97
7mm上にある。これは歯先円33に対して2.621
mmの間隔があることを意味する。ピッチTが8mmの
場合、歯面弧状部30の半径方向内側の境界部は32.
8%の近くである。
径方向内方へ向けて接線方向に接続している。この歯元
弧状部の曲率中心M38は、歯溝中心線36から1.15
6mm離れていて、その半径は0.600mmである。
その結果、接続点39は歯車中心Mから半径25.97
7mm上にある。これは歯先円33に対して2.621
mmの間隔があることを意味する。ピッチTが8mmの
場合、歯面弧状部30の半径方向内側の境界部は32.
8%の近くである。
【0024】歯面弧状部30の他の側で、それぞれ一つ
の歯先弧状部40が接線方向に接続している。この歯先
弧状部の曲率中心M40は歯溝中心線36から3.404
mm離れており、その半径は0.900mmである。そ
の結果、接続点41は歯車中心Mからの半径27.90
0mm上にある。これは歯先円33に対して0.699
mmの間隔を意味する。これはピッチの8.7%であ
る。
の歯先弧状部40が接線方向に接続している。この歯先
弧状部の曲率中心M40は歯溝中心線36から3.404
mm離れており、その半径は0.900mmである。そ
の結果、接続点41は歯車中心Mからの半径27.90
0mm上にある。これは歯先円33に対して0.699
mmの間隔を意味する。これはピッチの8.7%であ
る。
【0025】好ましい実施形の場合には、歯面曲率中心
31をピッチ円の半径方向外側に配置するという思想
が、8.7%Tから32.8%Tまでの歯面範囲におい
て維持される。特許請求の範囲の請求項1で述べた12
%Tから28%Tまでの範囲は最小の範囲として解釈す
べきである。
31をピッチ円の半径方向外側に配置するという思想
が、8.7%Tから32.8%Tまでの歯面範囲におい
て維持される。特許請求の範囲の請求項1で述べた12
%Tから28%Tまでの範囲は最小の範囲として解釈す
べきである。
【0026】図2は図1による歯車2と、まだ公開され
ていないドイツ連邦共和国特許出願第4009070.
1号明細書記載の歯付ベルト1との組合せを示してい
る。歯付ベルト1は負荷に依存して歯が変形しない状態
が示してある。運転中、歯付ベルトの輪郭が歯車の輪郭
と重なっているところで、特に歯付ベルトの歯先22の
両突出部のところで、押圧が生じる。
ていないドイツ連邦共和国特許出願第4009070.
1号明細書記載の歯付ベルト1との組合せを示してい
る。歯付ベルト1は負荷に依存して歯が変形しない状態
が示してある。運転中、歯付ベルトの輪郭が歯車の輪郭
と重なっているところで、特に歯付ベルトの歯先22の
両突出部のところで、押圧が生じる。
【0027】ベルト歯面(ベルト側面)4の曲率半径6
は7.100mmである。すなわち、3.411mmの
ベルト歯先幅Bの208%である。ベルト歯面4の曲率
中心5はピッチ線3の外方向0.642mmの位置にあ
る。すなわち、8.000mmのピッチTの8.02%
の位置にある。これは、ベルト歯先高さHの25%と8
0%の間を延びるベルト歯面領域10に関する。ベルト
歯先高さは本実施例では3.030mmである。
は7.100mmである。すなわち、3.411mmの
ベルト歯先幅Bの208%である。ベルト歯面4の曲率
中心5はピッチ線3の外方向0.642mmの位置にあ
る。すなわち、8.000mmのピッチTの8.02%
の位置にある。これは、ベルト歯先高さHの25%と8
0%の間を延びるベルト歯面領域10に関する。ベルト
歯先高さは本実施例では3.030mmである。
【0028】本発明による歯車は、代替材料と無関係
に、かつ出力密度以外の特性、特に低騒音回転を悪化せ
ずに、出力密度を数パーセント高めることを可能にす
る。これは特に、歯面曲率中心が半径方向外方へずれて
いることによって達成される。利点は特に、この思想が
同様にベルトにも適用される、すなわちベルト歯面の湾
曲中心が半径方向外方へずれている本発明による歯付ベ
ルト装置において、顕著である。
に、かつ出力密度以外の特性、特に低騒音回転を悪化せ
ずに、出力密度を数パーセント高めることを可能にす
る。これは特に、歯面曲率中心が半径方向外方へずれて
いることによって達成される。利点は特に、この思想が
同様にベルトにも適用される、すなわちベルト歯面の湾
曲中心が半径方向外方へずれている本発明による歯付ベ
ルト装置において、顕著である。
【0029】前記思想は驚くべきことである。なぜな
ら、ヨーロッパ特許出願公開第0049962号によっ
てこのような曲率半径の変化が宣伝された後で、基礎と
なる一連の試験が歯先高さに関する最適の曲率半径の変
化を突き止めたからである。
ら、ヨーロッパ特許出願公開第0049962号によっ
てこのような曲率半径の変化が宣伝された後で、基礎と
なる一連の試験が歯先高さに関する最適の曲率半径の変
化を突き止めたからである。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の歯車と歯付
ベルト装置は、原料コストと運転騒音を増大させずに、
歯付ベルト装置の出力密度を高めることができる。
ベルト装置は、原料コストと運転騒音を増大させずに、
歯付ベルト装置の出力密度を高めることができる。
【図1】歯付ベルト装置用の本発明による歯車を示す図
である。
である。
【図2】図1の歯車と、ドイツ連邦共和国特許出願第4
009070.1号によるベルトとを備えた本発明によ
る歯付ベルト装置を示す図である。
009070.1号によるベルトとを備えた本発明によ
る歯付ベルト装置を示す図である。
1 歯付ベルト 2 歯車 3 ベルト1のピッチ線 4 ベルト歯面 5 ベルト歯面4の曲率中心 6 ベルト歯面4の曲率半径 10 ベルト歯面範囲 22 歯付ベルト1の歯先 23 歯車2の歯溝 26 歯車2のピッチ円 29 歯車2の歯 30 歯29の歯面 31 歯面30の曲率中心 32 歯車ピッチTの12〜28%の歯面範囲 33 歯先円 34 歯面30の曲率半径 35 歯車ピッチ円26と歯車歯先円33の間
の半径方向間隔 36 歯溝23の中心線 37 歯溝中心線36と曲率中心31との間隔 38 歯元弧状部 39 歯元弧状部38と歯面弧状部30との接
続点 40 歯先弧状部 41 歯先弧状部40と歯面弧状部30との接
続点 a 歯面曲率中心31からピッチ円26までの
半径方向距離 B ベルト歯先幅 H ベルト歯先高さ M 歯車中心 M38 歯元弧状部38の曲率中心 M40 歯先弧状部40の曲率中心 RF 歯面30の半径 T 歯車2と歯付ベルト1の歯面30のピッ
チ
の半径方向間隔 36 歯溝23の中心線 37 歯溝中心線36と曲率中心31との間隔 38 歯元弧状部 39 歯元弧状部38と歯面弧状部30との接
続点 40 歯先弧状部 41 歯先弧状部40と歯面弧状部30との接
続点 a 歯面曲率中心31からピッチ円26までの
半径方向距離 B ベルト歯先幅 H ベルト歯先高さ M 歯車中心 M38 歯元弧状部38の曲率中心 M40 歯先弧状部40の曲率中心 RF 歯面30の半径 T 歯車2と歯付ベルト1の歯面30のピッ
チ
Claims (9)
- 【請求項1】 多数の歯(29)と、それぞれ二つの歯
(29)の間にある歯溝(23)とを備え、歯(29)
の歯面(30)が凹形に湾曲している、歯付ベルト装置
のための歯数(n)とピッチ(T)が任意である歯車
(2)において、歯面範囲(30)のすべての曲率中心
(31)がピッチ円(26)の半径方向外方に位置する
ように、歯面(30)が少なくとも、歯先円(33)か
らピッチ(T)の12%と28%の間の半径方向範囲
(32)において、凹形に湾曲していることを特徴とす
る歯車。 - 【請求項2】 ピッチ(T)の12%から28%まで延
びる歯面範囲(32)のすべての曲率中心(31)が、
ピッチ(T)の少なくとも9%、最大でも14%だけ、
ピッチ円(26)の半径方向外方に位置していることを
特徴とする請求項1の歯車。 - 【請求項3】 各歯面(30)が、ピッチ(T)の12
%から28%まで延びる範囲(32)において、一つの
曲率中心(31)を中心に湾曲していることを特徴とす
る請求項1の歯車。 - 【請求項4】 歯面(30)の曲率半径(34)が、ピ
ッチ(T)の12%から28%まで延びる歯面範囲(3
2)において、歯車(2)のピッチ(T)の85%〜9
5%であることをを特徴とする請求項1の歯車。 - 【請求項5】 ベルトがドイツ連邦共和国特許出願第4
009070.1号の請求項1に従って形成され、歯先
高さ(H)の歯を有するベルト(1)が、横断面凸形に
湾曲した歯面(4)を備え、歯先高さ(H)の25%と
80%の間のベルト歯面範囲(10)のすべての曲率中
心(5)がピッチ線(3)の半径方向外方に位置するよ
うに、ベルト歯面(4)が少なくとも前記半径方向範囲
(10)において凸形に湾曲していることを特徴とする
歯付ベルト装置。 - 【請求項6】 ベルト歯面(4)の曲率半径(6)が、
歯先高さ(H)の25%から80%まで延びるベルト歯
面範囲(10)において、ベルト歯先幅(B)の205
%と235%の間であることを特徴とする請求項5の歯
付ベルト装置。 - 【請求項7】 少なくとも一つの歯車(2)が請求項1
〜4のすべてを組み合わせて形成されていることを特徴
とする請求項6の歯付ベルト装置。 - 【請求項8】 歯付ベルト(1)がドイツ連邦共和国特
許出願第4009070.1号の請求項2と3の組み合
わせに従って形成され、それによって歯先高さ(H)の
25%から80%まで延びるベルト歯面範囲(10)に
おいて、各ベルト歯面(4)が一つの曲率中心(5)を
中心にして湾曲し、この曲率中心がピッチ寸法(T)の
少なくとも8%、最大でも20%だけ、ピッチ線(3)
から半径方向外方に位置していることを特徴とする請求
項5の歯付ベルト装置。 - 【請求項9】 ベルト歯ピッチ線(3)の半径方向外方
にあるベルト歯面(4)の歯面曲率中心(5)とベルト
歯ピッチ線との間隔が、ピッチ円(26)の半径方向外
方にある歯車歯面(30)の曲率中心(31)とピッチ
円との間隔よりも、1.5%〜3%だけ小さいことを特
徴とする請求項8の歯付ベルト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293193A JPH05133449A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 歯付ベルト装置用歯車および歯付ベルト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293193A JPH05133449A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 歯付ベルト装置用歯車および歯付ベルト装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05133449A true JPH05133449A (ja) | 1993-05-28 |
Family
ID=17791623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3293193A Withdrawn JPH05133449A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 歯付ベルト装置用歯車および歯付ベルト装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05133449A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113029060A (zh) * | 2021-04-30 | 2021-06-25 | 西安法士特汽车传动有限公司 | 一种齿形定位方法及齿形定位控制系统 |
-
1991
- 1991-11-08 JP JP3293193A patent/JPH05133449A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113029060A (zh) * | 2021-04-30 | 2021-06-25 | 西安法士特汽车传动有限公司 | 一种齿形定位方法及齿形定位控制系统 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990204 |