JPH05133122A - 可搬式ライザー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人間を安全に支持するのに十分堅牢であり、
しかも迅速かつ容易に動かすのに十分軽量である関節式
の可搬型ライザーを提供すること。 【構成】 可搬式ライザー３０は、全体として基部３２
と、略矩形の階段部材３４と、階段部材３４を枢動可能
にかつヒンジ止め可能に基部３２に接続するヒンジ継手
３６とを備えている。基部３２は一体に形成された回旋
形内部又は内側支持体及びバッフル壁構造体を備え、適
当な低密度で高容積の材料にて充填することが出来る。
階段部材３４は基部３２及び階段部材３４の相補的ヒン
ジ凹所６４、６６内に受け入れられたヒンジブロック１
１２を備える二軸線ヒンジにより基部に作用可能に結合
される。ヒンジは自動水平型であり、可能なあらゆる形
態にて略平滑で水平なライザー支持面を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人間または物体を地
面、床、舞台等の上に支持する可搬式ライザーに関する
ものである。より具体的には、本発明は、迅速かつ静粛
および便宜に動かすことができ、各種の形態に形状変化
させることのできる可搬式ライザーに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】折り畳み式または可搬式舞台は従来技術
で公知である。米国特許第4,580,766号（バーキンショ
ウ（Burkinshaw））は、各種の催し物を実演するための
折り畳み式の舞台または立ち上がり台を開示している。
この舞台は、両端に第１および第２の端部フレームと、
該端部フレーム間の側部フレームとを備える舞台モジュ
ールにより形成され、該舞台は幅および高さ寸法の異な
る折り畳み式の階段を備えることができる。側部フレー
ムの各々は、ヒンジ状に接続された副フレームを備えて
おり、これにより、モジュール全体を「蛇腹式」に内方
に折り畳むことができる。プラットフォームおよびフレ
ームは、接続した場合でも、別個の構成要素であり、プ
ラットフォーム対フレームおよびフレーム同士のロック
手段または係合手段が必要とされる。

【０００３】多少類似している米国特許第2,841,831号
（マッキントッシュ（Mackintosh））は、床スラブまた
はパネルを脚部フレームおよびガイド突張りにより折り
畳み可能に支持された折り畳み式舞台を開示している。
これらパネルは、「ジグザグ状」に折り畳み得るように
ヒンジ止めされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記バーキンショウお
よびマッキントッシュの米国特許に開示された舞台は、
それぞれの所期の目的に十分適したものであるが、プラ
ットフォームまたは該プラットフォームを形成するパネ
ルと別個のフレーム機構または構造体を必要とする。更
に、バーキンショウおよびマッキントッシュの特許に開
示された舞台を取り扱う際、相当な騒音が発生する。

【０００５】米国特許第310,226号（ライス（Rice）
等）は折り畳み式階段を提供することを目的とするもの
である。このライス等の特許は、垂直ボルトまたはロッ
ド「ａ」によりヒンジ止めしまたは枢着させた一連の望
ましくは三角形の階段「Ｂ」が設けられた箱またはプラ
ットフォーム「Ａ」からなる折り畳み式階段を開示して
いる。これら階段は、箇所「ｂ」にて相互に関して枢動
させることができ、これら階段は箱から引き出すかまた
は箱内に完全に折り畳むことができるようにしてある。
各階段の一端には、階段の後方のスペースを隠すケーシ
ングが設けられている。しかしながら、ライス等の階段
では解決できない幾つかの問題点がある。第一に、階段
の後方にスペースがあるため、階段を移動させかつ折り
畳むとき騒音が発生する。第二に、三角形の形状の階段
では、各三角形の階段の頂部領域にの水平方向支持面が
小さくなってしまうため、人間を支持する点で矩形の形
状の階段程安全ではない。第三に、一組以上の折り畳み
式階段を相互に接続しかつ固着する方法については、何
等の開示も為されていない。

【０００６】米国特許第3,035,671号（シャーマン（Sic
herman））は、体育に使用される可搬型の折り畳み式階
段を提供することを目的とするものである。この階段は
幅約２２８.６ｍｍ（９インチ）、床からの高さ約４５
７.２ｍｍ（１８インチ）の中央階段の両側部にヒンジ
状に取り付けられた幅約２２８.６ｍｍ（９インチ）、
高さ約２２８.６ｍｍ（９インチ）の２つの折り畳み式
階段からなるものである。これら２つの階段は、枢動可
能な折り畳み式である突張りにより支持されており、中
央階段の上方で折り畳まれる格納位置から展開した伸長
位置まで可動である。しかし、管状骨組体が必要とさ
れ、格納形態および使用形態という２つの配置または形
態のみが可能である。使用時、階段は上面の面積の等し
い形状にのみ展開可能である。階段を接続するヒンジは
露出しており、立ち上がり領域を備えているため、不均
一な表面が生じる。さらに、管状脚部の突張りおよびば
ねクリップが必要であり、これらクリップまたは突張り
を完全にロックしまたは展開させていない場合には、階
段は不安定となるおそれがある。

【０００７】米国特許第1,514,055号（ローソン（Lawso
n））に開示されたような階段状のディスプレイスタン
ドもまた公知となっている。このローソンのスタンド
は、踏み段、ライザーおよび直立の側部支持板を備えて
おり、これらは全て肘継ぎヒンジにより接続される。該
スタンドは、直立側部、踏み段およびライザーを閉じた
平行な状態に折り畳んで収容することができる。一組の
階段状ディスプレイユニット以上を相互に接続しかつ固
着する方法については、何等開示されておらず、また、
これらは展開および折り畳み中に騒音が発生する。

【０００８】現在の折り畳み式舞台および可搬式ライザ
ーの場合、安全でコスト的に有利な製造、便宜で静粛か
つ迅速な組み立ておよび移動をすることは困難であり、
更に、多数の形態を実現する機能を好適な程度に実現す
ることができないことは明らかである。従って、人間ま
たは物体を地面、舞台、床等の上方に支持する堅牢かつ
効率的で、移動および形状の変更が容易で安全かつ静粛
な可搬式ライザーの開発が要請されていた。

【０００９】本発明の一つの目的は、人間を安全に支持
するのに十分堅牢であり、しかも迅速かつ容易に動かす
のに十分軽量である関節式可搬型ライザーを提供するこ
とである。

【００１０】本発明の別の目的は、各種の形態に迅速か
つ容易に形状を変更できるようにし、これにより、ライ
ザーが各種の高さ寸法および配置状態にて人間または物
体を地面、床、舞台等の上方に支持するのを容易にする
可搬式ライザーを提供することである。この形態は、ラ
イザーが単一の略平坦な上昇した最上部の支持面を提供
する少なくとも１つのプラットフォームの形態、均一で
ない表面を有する２つの平行な支持面が提供されるライ
ザーの着座形態、および各々が異なる面内にありかつ略
等しい面積を有する３つの支持面を備える階段状の形状
を提供するライザー立ち上がり形態を含むことが望まし
い。

【００１１】本発明の他の目的は、適当に耐久性があり
かつ剛性で、別個の支持フレーム機構を必要としない可
搬式の形状変更可能なライザーユニットまたは組立体を
提供することである。更に、ライザーを組み立て、形状
を変更しまたは移動させるために、短時間で、かつ特別
な工具を必要としないことである。本発明の可搬式ライ
ザーは、小学校および中学校、託児所および教会を含む
施設の多くの目的に使用することができる。特に、該ラ
イザーは、実演の途中で背景または人間を迅速かつ静粛
に再配置することが必要とされる舞台芸術の分野で有用
である。

【００１２】本発明の更に別の目的は、人間または物体
を地面、床または舞台等の上方に支持する可搬式ライザ
ーであって、略平滑で均一な仕上げ面および水平な可視
可能な水平および垂直面を提供する可搬式ライザーを提
供することである。

【００１３】本発明の更に別の目的は、使用、移動、形
状変更を静粛に行い得るライザーを提供することであ
る。該ライザーは、少なくとも１つの一体の回旋型ライ
ザーおよびバッフル内壁構造体を備えており、略中空の
基部および階段部材の他の部分に膨張材料を充填するか
否かは任意である。膨張材料を充填するか否かに拘わら
ず、本発明のライザーの別の利点は、人間が従来技術の
ライザー上に乗るときに発生されるこもった「太く響
く」騒音、および従来技術のライザーを移動しまたは折
り畳むときに生じる騒音を共に最小にできることであ
る。しかも、かかるライザーは容易に移動させるのに十
分軽量である。

【００１４】本発明のライザーのその他の利点は、移動
および再組立てするときに必要な人手数を最小限にする
ことにより、労力を効率的に活用できる点である。更
に、基部、各階段部材は単一の一体の部材として成形さ
れ、これにより、別個の折り畳み支持体またはフレーム
構造体およびその他の構成要素が不要である。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は、人間または物
体を地面、床、舞台等の上方に支持する可搬式ライザー
を提供するものである。該ライザーは、全体として、基
部と、略矩形の階段部材と、該階段部材を基部に枢動可
能にヒンジ止め状に接続するヒンジ手段とを備えてい
る。階段部材を操作することにより、ライザーは格納形
態を含む各種の作用可能な形態に形状を変更させること
ができる。

【００１６】基部は、略連続的な比較的肉厚の薄い壁ま
たは外板および一体の回旋状の内側または内部支持体に
より形成された略中空の単一体と、バッフル壁構造体と
を備えており、該基部は適当に低密度の容積の大きい材
料で略充填することができる。 階段部材の各々も同様
の構造とすることができる。但し、階段部材は内部支持
壁を備えるか否は任意である。階段部材の各々は基部お
よび階段部材の相補的なヒンジ凹所内に受け入れられた
ヒンジブロックを含む少なくとも１つの２軸線ヒンジに
より基部に作用可能に結合される。これらヒンジは自動
高さ調整型であり、可能なあらゆる形態において、略平
滑で水平なライザー支持面を提供するものである。該ラ
イザーは、プラスチック材料にて回転成形法により成形
することができ、個々の階段部材またはライザー全体を
動かし易くする一体の把持部を備えている。２以上の隣
接するライザーを使用し、ライザー組立体を形成するこ
とができ、本発明は、隣接するライザーを接続するコネ
クタキーも含むものである。

【００１７】

【実施例】本発明のその他の目的および利点は、以下の
詳細な説明および添付図面並びに特許請求の範囲を参照
することにより、より一層明らかになりかつ理解される
であろう。

【００１８】本発明による可搬式ヒンジ止めライザー３
０は、全体として、基部３２と、少なくとも２つの階段
部材３４と、複数の接続ヒンジ継手３６とを備えてい
る。図１乃至図３および図１３において、ライザー３０
は、地面、床、舞台等の上に略水平方向に着座する状態
で示してある。

【００１９】図１および図９を参照すると、基部３２
は、２つの対向する略平行な側壁３８と、正面壁４０
と、正面壁４０に対して平行な後部壁４２と、略平坦な
支持上面４４と、底部４５とを有する略閉じた多角形の
平面状本体を備えている。地面、舞台または床に接触す
る複数の足部４７が底部４５に接続されている。該足部
４７は、基部３２に螺合結合可能であるが、同様にその
他の接続方法を採用することも可能である。上面４４は
異なるが平行な面内にある下方水平面４６および上方水
平面４８を備えている。正面を向いた中間壁５０が下方
水平面４６と上方水平面４８との間で略垂直に伸長しか
つこれら水平面を接続する。上述の壁、上面および水平
面は全て相互に略平行または垂直な関係にあり、これら
は共に、直線状の交差端縁に沿って連続的にかつ剛性に
接続される。

【００２０】少なくとも２つの離間する一体に形成され
た持ち上げハンドル５４が各側壁３８の下方領域および
基部３２の後部壁４２に形成されている。図１０および
図１１を参照すると、指を受け入れる持ち上げハンドル
５４は、丸味を付けた端縁５８を有する開口５６を備え
ている。角度を付けた連続的な内壁６０が略５°の角度
で底部から頂部に向けて、基部３２の上方水平面４８の
表面方向に略外方にテーパーが付けられている。指を受
け入れる凹所領域６２が持ち上げハンドル５４の各々の
最上方部分に形成されている。

【００２１】図９を参照すると、第１対のヒンジ凹所６
４、６６が上方水平面４８の外面と基部３２の後部壁４
２とが交差することにより形成される端縁に隣接してい
る。これらヒンジ凹所６４、６６の各々は、１つの持ち
上げハンドル５４の上方にありかつその持ち上げハンド
ルと略直線状に位置している。第２対のヒンジ凹所６
８、７０は、中間壁５０と基部３２の上方水平面４８の
外面とが交差することにより形成される端縁に隣接して
いる。図１２を参照すると、基部３２のヒンジ凹所６
４、６６、６８、７０の各々は対向しかつ平行なヒンジ
凹所の端部壁７２、７４と、平滑に湾曲状または円弧状
のヒンジ凹所壁７６とを備えている。ヒンジピン穴７８
がヒンジ凹所の端部壁７２、７４の各々に形成されてい
る。

【００２２】図１および図４を参照すると、階段部材３
４は、少なくとも第１の低階段部材８０と、第２の高階
段部材８２（図４に図示）とを備えている。これら２つ
の階段部材８０、８２は、端部壁８４、８６、正面側壁
８８、後部側壁９０およびそれぞれ互換性がありかつ反
転可能な頂部壁９２および底部壁９４を有する多角形の
略矩形である。正面および後部、頂部および底部という
名称は、特に、階段部材８０、８２の壁に使用する場
合、図３に示した部材８０、８２の位置および方向に関
するものである。階段部材８０、８２の全ての壁は、相
互に略平行にまたは垂直状態に配置されており、壁の接
続部分は略直線状の連続的な端縁である。階段部材８
０、８２は、略同様であるが、高階段部材８２は低階段
部材８０よりも比較的大きい。しかし、階段部材８０、
８２はその端部壁８４、８６間の長さが等しく、またそ
の長さは側壁３８間の基部３２の長さに等しい。更に、
階段部材８０、８２のその正面壁８８と後部壁９０との
間の幅は略等しい。高階段部材８２の頂部壁９２と底部
壁９４との間の高さまたは厚さは低階段８０の高さまた
は厚さを上廻るため、この高階段部材８２の体積は、低
階段部材８０の体積より大きい。

【００２３】少なくとも１つの手掛り部分９８が階段部
材３４の各端部壁８４、８６に形成されている。図５、
図７および図８には、その１つの手掛り部分９８、特に
高階段８２の端部壁８６の手掛り部分９８が示してあ
る。複数の手掛り部分９８の各々は、略同一で浅く、手
掛り部分の凹所１００が階段部材８０、８２の端部壁８
４、８６に一体に形成されており、丸味を付けた端縁１
０２を備えている。

【００２４】再度、図３を参照すると、第１の対の離間
したヒンジ凹所１０４、１０６は、低階段部材８０の後
側壁９０および頂部壁９２が交差することにより形成さ
れる端縁に隣接している。低階段部材のヒンジ凹所１０
４、１０６は、基部３２のヒンジ凹所６８、７０と相補
的である。同様に、第２の対の離間した凹所１０８、１
１０が高階段８２の正面側壁８８および頂部壁９２が交
差することにより形成される端縁に隣接している。第２
の対のヒンジ凹所１０８、１１０は上方水平面の上面４
８および後部壁４２が交差することにより形成される基
部３２の端縁にてヒンジ凹所６４、６６に相補的であ
る。

【００２５】接続ヒンジ継手３６は、基部ヒンジ凹所６
４、６６、６８、７０と、相補的な階段部材ヒンジ凹所
１０４、１０６、１０８、１１０と、複数のヒンジブロ
ック１１２とを備えている。図４、図６、図１２には、
全てのヒンジ凹所の典型例として高階段部材８２のヒン
ジ凹所１０８を使用して、複数の略同一のヒンジ凹所の
更に詳細が図示されている。ヒンジ凹所の各々は、平行
な対向したヒンジ凹所端部壁７２、７４と、湾曲した略
後方のヒンジ凹所壁７６とを備えている。直線状のヒン
ジピン穴７８が各端部壁７２、７４に隣接している。よ
り具体的には、各ヒンジピン穴７８は、各端部壁７２、
７４と一体に関係するヒンジピン取り付け具１１４を介
して位置決めされる。隆起ビード１１６、１１８は湾曲
したヒンジ凹所壁７６の最上方領域に近接している。平
行な隆起ビード１１６、１１８は端部壁７２から端部壁
７４まで伸長している。

【００２６】全てのヒンジ凹所は、図１７、図１８およ
び図１９に示した略同一のヒンジブロック１１２を受け
入れまたはその一部を受け入れる。ヒンジブロック１１
２の各々は、一対の空所１２２、底部壁１２４、頂部壁
１２６、側壁１２７および端部壁１２８を有する略矩形
の部材である。各側壁１２７は、壁１２７の全長に沿っ
て伸長する直線状の長手方向に伸長するリブストッパ１
３０を備えている。各ヒンジブロック１１２は、４つの
ヒンジピン穴１３２、１３４、１３６、１３８と、各端
部壁１２８に形成された一対の穴１３２、１３４および
１３６、１３８とを備えている。図１８および図１５に
図示するように、ヒンジピン穴１３２、１３４、１３
６、１３８は、ヒンジピン１４４を受け入れる２つの平
行なヒンジピン穴１４０、１４２を形成し得るように穿
孔されたものである。ヒンジピン１４４は相互に平行で
あり、ヒンジピン穴１４０、１４２を通って連続的に伸
長し、基部３２および階段部材８０、８２に形成された
ヒンジピン穴取り付け具１１４内に伸長する。

【００２７】全てのヒンジ継手３６の典型例を示す図１
５および図１６を参照すると、１つのヒンジブロック１
１２は、低階段部材８０を基部３２に接続する状態で示
してある。低階段８０の端部壁８４および基部３２の端
部壁３８は、一体のヒンジピン受け入れ肩部１４８およ
び穴１５０を備えている。該穴１５０は、成形工程中に
成形するか、または、穿孔、打ち抜きまたはその他の適
当な方法で形成することができ、ヒンジブロック１１２
を介してヒンジピン取り付け穴１４０、１４２と直線状
としている。ピン１４４をブロック１１２内に挿入した
後、釦形頭プラグ１５２が各穴１５０内に受け入れられ
る。

【００２８】図９、図９Ａ、図１０および図１１を参照
すると、ライザー３０の基部３２は、一対の波形リボン
状の連続的なウェブ１５６、１５８を有する回旋型の一
体に形成された内部支持体およびバッフル壁構造体１５
４を備えている。内部ウェブ１５６、１５８は基部３２
の底部壁４５と上面４４との間で垂線から僅かな角度を
成して連続的に伸長し、基部３２に対する略「８の字」
形の略中空の閉じた管状部材を画成する。ウェブ構造体
１５６、１５８の各々は、基部３２の他の部分を形成す
る壁または外板と一体に形成され、基部３２のそれぞれ
正面側部４０および後側部４２に対して平行な２つの対
向する平行な長い方の側部１６０、１６２と、基部３２
の側壁３８に対して平行な２つの対向する平行な短い方
の側部１６４、１６６とを備えている。内部ウェブ１５
６、１５８の各々は、複数の台形状末端支持板１６８を
交互に備えるように形成される。短い方の側部１６４、
１６６の板１６８と同様、長い方の側部１６０、１６２
の隣接する板１６８は平行な面内に位置している。

【００２９】「８の字」形の基部３２の２つの開放した
中央領域１７０、１７２は、ウェブ１５６、１５８によ
り形成される。これら中央領域１７０、１７２は、基部
３２の底部４５に隣接する開放した下方領域を備えてお
り、基部３２の上面４４の上側に近接しかつ該上側に対
して平行な平坦な床の副壁１７４により閉じられてい
る。該床の副壁１７４は、ウェブ１５６、１５８に接続
され、閉じた小さい空洞状の副床の２つの空所１７６、
１７８を形成する。基部３２の正面壁４０に最も近い副
床の空所１７６の一部は、基部３２の下方水平面４６の
下方に位置し、略「Ｌ字」形である。空所１７６、１７
８の容積は、管状基部３２の容積より著しく小さい。

【００３０】図９、図１０および図１１を参照すると、
基部の充填穴１８４が基部ヒンジ凹所６４、６６、６
８、７０の後部壁７６に形成されている。基部の通気穴
１８５が持ち上げハンドル５４に形成されている。図
４、図５、図６を参照すると、階段の充填穴１８６が階
段部材のヒンジ凹所１０４、１０６、１０８、１１０に
形成される一方、階段部材の通気穴１８７は任意の選択
した手掛り部分９８に形成されている。

【００３１】本発明のヒンジ止めしたライザー３０は、
相互に接続し、図１３および図１４に図示するライザー
組立体１８８を形成することができる。個々のライザー
３０を接続するコネクタキー１９０は図２０、図２１に
示してある。コネクタキー１９０の各々は基部３２の側
壁３８および後部壁４２に形成される持ち上げハンドル
５４を画成する壁６０の切欠き角度に適合する傾斜した
側壁１９２を備えている。コネクタキー１９０の端部壁
１９４は、持ち上げハンドル５４の端部壁に対して正確
に相補的である。コネクタキー１９０は、該キーの基部
１９６の反対側に、一対の平行な円形リッジ２０２、２
０４間で内方に湾曲した先端２００を備えるクラウン領
域１９８を備えている。該コネクタキー１９０は中空の
内部２０６を備えている。

【００３２】階段部材８０、８２を基部３２に接続する
ヒンジ継手３６の１つが図２２および図２３に示してあ
る。図示した該ヒンジ継手３６は、高階段部材８２と基
部３２との間にあるが、本発明の全ての接続ヒンジ継手
３６の典型である。該ヒンジ継手３６は、基部ヒンジ凹
所６４、階段ヒンジ凹所１０８およびヒンジブロック１
１２を備えている。ヒンジ凹所６４、１０８内でヒンジ
ブロック１１２が回転しかつ移動する軸線を各々、提供
する２つの平行なヒンジピン１４４がヒンジブロック１
１２を通って伸長する。特に、図２２を参照すると、ヒ
ンジブロック１１２の上面２０７は、基部３２および階
段８２の表面と略水平であり、これにより、支持面２１
０の全体が略平滑で略水平となる。

【００３３】高階段８２を基部３２に対して僅かに上昇
または下降させた場合、リブ１３０の一方またはその他
方がヒンジ凹所６４、１０８の１つのビード１１６、１
１８に接触するまで、ヒンジブロック１１２はヒンジピ
ン１４４により提供される２本の軸線を中心として浮動
する。このようにして、ヒンジ継手３６は、ピアノヒン
ジまたは肘継ぎ継手構造体の典型である隆起部分を必要
とせずに、ライザーが着座する表面の非均一性を継手３
６を損傷させることなく補償する。更に、基部３２およ
び階段８０、８２が相互に非整合状態に配置された場合
でさえ、ヒンジ３６、具体的に、ヒンジブロック１１２
は常に略平滑で連続的な可視できる面を提供する。

【００３４】図２３には、別の位置にある図２２のヒン
ジ継手３６が示してあり、また、リブ１３０およびヒン
ジ凹所のビード１１６、１１８の制御機能が示してあ
る。ヒンジブロック１１２はビード１１６、１１８およ
びリブ１３０により提供される限界範囲内を移動自在で
あるため、階段８２は基部３２に関して容易に可動であ
り、基部３２と階段８２との間の非整合状態が補償さ
れ、平滑な可視できる面が提供される。

【００３５】図１９Ａを参照すると、本発明のヒンジ継
手３６は、別の実施例または形態のヒンジブロック２０
８および割型ヒンジピン２１０を備えている。このヒン
ジブロック２０８は、上述のヒンジブロック１１２（図
１７、図１８および図１９に図示）と略同一の寸法およ
び外部特徴を備え、更に、同様の内部空所およびピン穴
を備えている。ヒンジブロック２０８は、各々ライニン
グスリーブ２１４を有する２つの平行な予め形成された
ヒンジピン穴２１２を備えている。スリーブ２１４は、
各種の金属またはプラスチックを含む適当な材料にて形
成することができる。ピン２１０は、各々面取り加工端
部２２０、２２１を有する第１および第２の枢動ロッド
２１６、２１８を備えている。圧縮ばね２２２がロッド
２１６、２１８の間に設けられている。図示しないが、
ばね２２２の端部２２４の一部は、ロッド端部２２１内
に受け入れられ、または該ロッド端部２２１に接続する
ことができる。

【００３６】ライザーの基部３２および階段部材８０、
８２は適当なプラスチック材料を使用して回転成形法ま
たは遠心成形法力により成形される。成形後、略中空の
基部３２および階段部材８０、８２には、充填穴１８
４、１８６を使用して膨張材料を充填し、その後にこれ
ら充填穴を閉じることができる。ヒンジブロック１１
２、特に穴１４０、１４２は穿孔し、整合した相補的な
基部および階段ヒンジ凹所（基部凹所６４、６６、６
８、７０および階段凹所１０４、１０６、１０８、１１
０）に配置し、ヒンジピン１４４は肩部１４８の穿孔穴
１５０、ヒンジブロック１１２の穿孔穴１４０、１４２
および取り付け具１１４の穿孔穴７８を通じて挿入す
る。プラグ１５２は穴１５０内に穴を広げて埋め込ま
れ、ライザー３０は使用可能の状態となる。

【００３７】第２の形態のヒンジブロック２０８および
ピン２１０を使用する場合、肩部１４８、基部３２の穴
１５０および階段部材８０、８２は省略してもよい。穴
７８は取り付け具１１４に穿孔せず、取り付け具１１４
に閉じた底端部を有している。ヒンジブロック２０８お
よびピン２１０を使用するためには、図１９Ａに図示す
るように、ロッド２１６、２１８およびばね２２２は中
間でばね２２２と軸方向に整合して端部を合わせた状態
にし、ヒンジブロック２０８の穴２１２内に配置する。
ロッド２１６、２１８は、ばね２２２の偏倚力に抗して
穴２１２内で相互に向けて付勢される。ブロック２０８
は整合した基部内に配置され、ヒンジ階段凹所およびロ
ッド２１６、２１８を解放し、穴７８内にスナップ嵌め
させる。

【００３８】図１乃至図３および図１３を参照すると、
本発明のヒンジ止めライザー３０およびライザー組立体
１８８は各種の選択可能な形状にし、および形状変更す
ることが可能である。完全に展開させて開放した舞台ま
たはプラットフォームの形態が図３に示してある。この
舞台の形態は、平滑で平坦、かつ略連続的な水平の支持
上面２２８を提供するものである。

【００３９】着座したライザーの形態が図２に示してあ
る。着座したライザーの形態を実現するためには、階段
８２の上面９２が基部３２の上方水平面４８に近接しか
つ該上方水平面４８と平行になりまたは接触するまで、
ヒンジ階段８２を図３の矢印Ａの方向に枢動可能に持ち
上げる。ヒンジ階段８２の両端部壁８６に設けたハンド
ル９８は、高階段８２を持ち上げかつ回転させ、図２に
示した位置に配置するときに使用すると便利である。足
部分の下方面２３０および上昇した着座面２３２が形成
される。着座面２３２は足部分の面２３０より小さい表
面積を有している。 図１には、立ち上がった形態に配
置されたライザー３０が示してある。高階段８２は図２
に示した位置に留まっている。頂部壁９２の外面が基部
３２の上方水平面４８の外面と正確に平行になるか、ま
たは該外面に接触するまで、低階段８０は手掛り部分９
８を使用して矢印Ｂ（図２）の方向に枢動可能に持ち上
げまたは移動させる。このようにして、各々略等しい表
面積を有する３つの最上部の階段支持面２３４ａ、２３
４ｂ、２３４ｃが形成される。最下部の階段面２３４ａ
と基部の底部４５の下方の表面との間および連続的な各
階段面２３４ｂ、２３４ｃ間の垂直方向の立ち上がり距
離は等しい。

【００４０】ライザー３０の全体を移動させかつ該ライ
ザーを格納するためには、ライザー３０は持ち上げハン
ドル５４で持ち上げ、格納位置に運び、その位置に配置
しまたは任意の便宜な形態に積み重ねることができる。

【００４１】本発明の多数の変形例が可能である。多角
形の形状のライザー３０について説明したが、例えば、
円形または楕円形のライザーのようなその他の適当な形
状も可能である。上述の基部３２は２つの内部ウェブ１
５６、１５８を備えるが、任意の数のウェブを使用する
ことが可能である。更に、ウェブ１５６、１５８は略多
角形の（具体的には矩形）の開放中央領域１７０、１７
２を形成するが、この領域は楕円形または円形とするこ
とができる。基部３２、階段部材８０、８２およびライ
ザー組立体１８８を含むライザー３０は各種の寸法にて
形成し、各種の施設、舞台または上演の必要性に対応さ
せることができる。

【００４２】ライザー３０およびその構成要素部材は回
転成形法により形成することが望ましいが、同様にその
他の従来の製造および組み立て方法も採用可能である。
略中空の基部３２および中空の階段部材８０、８２を充
填するのに使用される低密度のフィラー材料は膨張スチ
レンとすることができるが、同様にその他の低密度の材
料を使用してもよい。基部３２および階段８０、８２の
中空の内部への出入りを可能にする充填穴１８４および
排気穴１８６の位置は変更することができる。ヒンジブ
ロック１１２（または２０８）およびピン１４４（また
は２１０）は任意の適当な材料にて形成することができ
るが、ライザー３０の軽量さおよび全体的に均一な外観
を維持する材料を選択することが望ましい。ライザー３
０およびライザー組立体１８８の外部は適当な物質で被
覆し、特別な色彩にし、または滑らない感触が得られる
といった望ましい特性を付与することができる。足パッ
ド４７について説明したが、ライザー３０は、キャスタ
ーまたは車輪を含むその他の地面または床接触装置を備
えることができる。フック／アイ、摩擦またはスナップ
嵌め、相互ロック織地、またはピン／穴機構のような適
当なロック機構を使用し、階段部材８０、８２を基部３
２に関するその各種の位置に保持することができる。か
かるロック機構はヒンジ継手３６と共に使用するか、ま
たはヒンジ継手３６と機能上の同等品として使用し、階
段部材８０、８２と基部３２とを結合させることができ
る。

【００４３】階段８０、８２は釦プラグ１５２を除去
し、ヒンジピン１４４を引き出し（または選択可能なピ
ン２１０を圧縮して）、ライザーの基部３２から容易に
分離しまたは分解することが可能であることを理解すべ
きである。このように、購入者はライザー３０の購入を
随意に選択することができる。即ち、ライザーは基部３
２に接続した階段８０、８２と完全に組み立てた状態で
購入するか、または別個の構成部品として購入すること
ができる。更に、基部３２および階段部材８０、８２は
容易に互換可能である。

【００４４】本発明の好適な実施例について説明した
が、本発明の精神から逸脱せずに、上述のものを含む各
種の変形例が可能である。故に、上述の実施例は全ての
点で単に一例にしか過ぎず、限定的なものではなく、本
発明の範囲を解釈するためには上記の説明ではなく、特
許請求の範囲の記載を参照することを希望するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】３つの階段の形状に配列した本発明のヒンジ止
めした可搬式ライザーの斜視図である。

【図２】２つの階段の着座した形態にある本発明のライ
ザーの斜視図である。

【図３】階段またはプラットフォームの形態にある本発
明のライザーの斜視図である。

【図４】本発明のライザーの大きい方の高階段部材の立
面図である。

【図５】高階段部材の側面図である。

【図６】図４の線６−６に沿った部分断面詳細図であ
る。

【図７】図５の線７−７に沿った部分断面詳細図であ
る。

【図８】図５の線８−８に沿った部分断面詳細図であ
る。

【図９】図９は仮想線で図示した第２のライザーの部分
図を含む本発明の可搬式ライザー組立体の底部材の平面
図である。図９Ａは図９の線９−９に沿った部分断面詳
細図である。

【図１０】図９の線１０−１０に沿った部分断面詳細図
である。

【図１１】図９の線１１−１１に沿った断面図である。

【図１２】図９の線１２−１２に沿った部分断面詳細図
である。

【図１３】接続して２セットのライザー組立体を形成す
る本発明の２つのライザーの斜視図である。

【図１４】図１３の線１４−１４に沿った部分断面図で
ある。

【図１５】本発明のヒンジ止めしたライザーの２つの近
接したヒンジ接続部材を示す、一部切り欠いた部分平面
詳細図である。

【図１６】図１５に符号１６で示した周縁領域の拡大部
分詳細図である。

【図１７】本発明のライザーと共に使用されるヒンジブ
ロックの平面図である。

【図１８】図１７の線１８−１８に沿った断面図であ
る。

【図１９】図１９は図１７の線１９−１９に沿った断面
図である。図１９Ａは本発明のライザーと共に使用され
るヒンジブロックの別の実施例を示す断面図である。

【図２０】本発明のライザーと共に接続にし、ライザ組
立体を形成するキーコネクタを示す斜視図である。

【図２１】図２０の線２１−２１に沿った断面図であ
る。

【図２２】本発明のライザーの２つの部材間にヒンジ止
めされた接続部を示す、部分断面詳細図である。

【図２３】ライザーの部材が別の位置にあるときのヒン
ジ止めされたコネクタを示す、図２２と同様の図であ
る。

【符号の説明】

３０ ライザー ３２ 基部 ３４ 階段部材 ３６ ヒンジ継
手 ３８ 側壁 ４０ 正面壁 ４２ 後部壁 ４４ 頂部支持
面 ４５ 底部 ４６ 下方水平
面 ４７ 足部 ４８ 上方水平
面 ５０ 中間壁 ５４ 持ち上げ
ハンドル ５６ 開口 ５８ 端縁 ６０ 内壁 ６２ 凹所領域 ６４ ヒンジ凹所 ６６ ヒンジ凹
所 ６８ ヒンジ凹所 ７０ ヒンジ凹
所 ７２ 端部壁 ７４ 端部壁 ７６ 凹所壁 ７８ ヒンジピ
ン穴 ８０ 低階段部材 ８２ 高階段部
材 ８４ 端部壁 ８６ 端部壁 ８８ 後部壁 ９０ 後部壁 ９２ 頂部壁 ９４ 底部壁 ９８ 手掛り部分 １００ 指掛り
凹所 １０２ 端縁 １０４ ヒンジ
凹所 １０６ ヒンジ凹所 １０８ ヒンジ
凹所 １１０ ヒンジ凹所

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グレン・ジー・カネンジーター アメリカ合衆国ミネソタ州55060，オワト ンナ，アール・アール ２，ボツクス 227 (72)発明者 フランク・シー・クルムホルツ アメリカ合衆国ミネソタ州55060，オワト ンナ，トウルーマン 916

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可搬式ライザーにおいて、複数の作用可
   能に結合された略閉じた中空の本体を備えることを特徴
   とする可搬式ライザー。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の可搬式ライザーにおい
   て、前記本体が基部および少なくとも１つの階段部材を
   備え、前記基部および少なくとも１つの階段部材が薄い
   略連続的な壁を備えることを特徴とする可搬式ライザ
   ー。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の可搬式ライザーにおい
   て、前記本体が低密度の材料にて略充填されることを特
   徴とする可搬式ライザー。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の可搬式ライザーにおい
   て、前記基部および少なくとも１つの階段部材を作用可
   能に結合したヒンジ手段を備えることを特徴とする可搬
   式ライザー。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の可搬式ライザーにおい
   て、前記ヒンジ手段が、 前記基部と関係する複数の基部ヒンジ凹所と、 前記少なくとも１つの階段部材と関係する複数の階段部
   材のヒンジ凹所とを備え、前記基部および階段部材のヒ
   ンジ凹所を整合可能とし、 更に、前記ウェルを整合させたとき、前記基部および階
   段部材のヒンジ凹所内に受け入れ可能な複数のヒンジブ
   ロック手段と、 前記ヒンジブロック手段を前記整合した基部および階段
   部材のヒンジ凹所内に保持し、これにより、前記基部お
   よび少なくとも１つの階段部材が作用可能に接続され、
   相互に可動であるようにしたヒンジピン手段とを備える
   ことを特徴とする可搬式ライザー。
6. 【請求項６】 請求項５に記載の可搬式ライザーにおい
   て、前記ヒンジピン手段が、前記ヒンジブロック手段に
   より受け入れられかつ前記ヒンジブロック手段を通って
   長手方向に伸長する少なくとも１つの細長いヒンジピン
   を備え、 前記ヒンジピンが前記ヒンジピンの長さより短い長さの
   ２つの離間した軸方向に整合するロッドと、前記ロッド
   を相互に偏倚して離反させるばね手段とを備え、前記ば
   ね手段を前記ロッド端の前記スペース内に配したことを
   特徴とする可搬式ライザー。
7. 【請求項７】 可搬式ライザーにおいて、複数の略中空
   で略平面状の本体を備え、前記本体が薄い肉厚を有し、
   作用可能に結合され、これにより前記本体が相互に可動
   であるようにしたことを特徴とする可搬式ライザー。
8. 【請求項８】 請求項７に記載の可搬式ライザーにおい
   て、前記本体が低密度の材料にて略充填されることを特
   徴とする可搬型ライザー。
9. 【請求項９】 各種の形態に配置可能な可搬式ライザー
   であって、人間および物体を地面、舞台、床等の上方の
   選択された高さに支持する可搬式ライザーにおいて、 基部と、 前記基部を選択的に形状を変更し、前記人間および物体
   を支持すると共に、前記基部に作用可能に結合された階
   段手段と、 前記階段手段を前記基部に結合させる結合手段とを備え
   ることを特徴とする可搬式ライザー。
10. 【請求項１０】 請求項９に記載の可搬式ライザーにお
    いて、前記基部が頂部、底部および前記頂部と底部との
    間を伸長する側部を有する略中空の単一の本体を備え、
    前記頂部、底部および側部が単一の略連続的な薄い外板
    であり、前記本体が前記頂部と底部との間で伸長する略
    中央のウェブを備え、前記ウェブが前記本体と一体であ
    ることを特徴とする可搬式ライザー。
11. 【請求項１１】 請求項１０に記載の可搬式ライザーに
    おいて、前記ウェブが前記外板と一体に形成された回旋
    形内壁を備え、前記壁が複数の接続された台形壁板を備
    えることを特徴とする可搬式ライザー。