JPH0513103Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、リモートコントロールにより、左
右方向の向きを変えられるようにした、テレビジ
ヨン受像装置などを収容する電動式キヤビネツト
に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の装置として実開昭60−11565号
公報記載のものがある。

この装置は、底面に環状の滑り面が形成されて
いるキヤビネツト本体と、このキヤビネツト本体
が載置される環状の滑り面および外周面が円筒状
の摩擦面に形成されている固定台と、上記キヤビ
ネツト本体に装置され、リモートコントロールに
より制御される駆動装置と、この駆動装置に電磁
クラツチを介して回転駆動され上記固定台の円筒
状の摩擦面に当接している摩擦車と、上記キヤビ
ネツト本体が、左右に所定角度回動したとき、上
記駆動部への給電を断つて停止させるストツプ機
構とを備えたもので、キヤビネツト本体をリモー
トコントロールによつて左右に所定角度範囲内で
回動させることができるとともに、キヤビネツト
本体を手動によつても回動させることができる構
成としたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の回転式キヤビネツトでは、摩擦
車を固定台の摩擦面に圧接させるための押圧機構
が必要であり、複雑となるだけでなく、固定台上
にキヤビネツト本体を載置して組立てる際の作業
がわずらわしいという問題点があつた。

この考案はこのような問題点の解決を目的とし
てなされたもので、簡単な構成で組立作業が容易
であり、かつ、回動力が確実に伝達される回転式
キヤビネツトを得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る回転式キヤビネツトは、台座の
上面に歯先を上向にしてキヤビネツト本体の回転
軸と同軸に配置されている大径のカサ歯車と、上
記キヤビネツト本体に装着され、上記カサ歯車と
常時かみ合う出力歯車、モータおよびこのモータ
とともに給電されるソレノイドにより作動して上
記モータの回転力を上記出力歯車に伝達するクラ
ツチを有する駆動装置とを備えており、上記台座
上に上記キヤビネツト本体を載置したとき、上記
カサ歯車と上記出力歯車とが上記キヤビネツト本
体の自重でもつてかみ合う構成とした点に特徴を
有する。

〔作用〕

カサ歯車と出力歯車とは上下の向でかみ合うの
で、台座とキヤビネツト本体との組立は容易にな
し得る。

また、出力歯車は、下端でカサ歯車とかみ合う
ので、回転軸の両端でフレームに支承することが
できるので、出力歯車の保持機構は簡単にでき
る。

さらに、出力歯車とカサ歯車とのかみ合いは、
キヤビネツト本体の自重でもつてなされるので、
かみ合いが外れることはない。

さらに、停止時には、クラツチにより駆動モー
タと出力歯車との係合が解除されているので、手
動によりキヤビネツト本体を回動させても、出力
歯車に過大な力が加わらない。

〔考案の実施例〕

第１図〜第７図はこの考案をテレビジヨン受信
機に適用した一実施例を説明するための図であ
る。第１図はこの実施例の斜視図で、１はキヤビ
ネツト本体、２は台座である。第２図は台座２を
脱着した分解斜視図で、台座２の上面には、垂直
向の軸孔３と、この軸孔３に対して約90度の開き
角の位置に植え立てられているストツパ１５ａ，
１５ｂと、軸孔３と同軸で、かつ、歯先が上向に
固着されている大きな径のカサ歯車（以下、カサ
歯車という。）７と、軸孔３と同軸の円周上に所
定の間隔でもつて複数組のコロ装置８とが配置さ
れており、このコロ装置８は、径方向に並べられ
た２連のコロが、台座２の上面に形成されている
凹部に嵌め込まれて回転自由に軸支されるもので
ある。

第３図はキヤビネツト本体１の底部と、台座２
の部分の軸孔３の中心線を含む垂直面で切つた正
面からみた断面図、第４図はキヤビネツト本体１
と、台座２とを開いて前側からみた斜視図であ
る。図において、１６は軸孔３に挿入される軸
で、キヤビネツト本体１の回動中心軸となる。１
７ａ，１７ｂはストツパ１５ａ，１５ｂがそれぞ
れ挿入されるほぼ90度の開き角をもつ円弧状に形
成されているスカート２２ａ，２２ｂで囲まれた
溝、１８〜２１は軸１６と同軸に環状に形成され
ているスカートで、スカート１８と１９との間
に、カサ歯車７が挾まれた状態でもつて挿入さ
れ、カサ歯車７と駆動装置１４の出力歯車２８と
のかみ合いが外れないように支承する。また、ス
カート１９，２０はその端面１９ａ，２０ａがコ
ロ装置８のコロにそれぞれ当接してキヤビネツト
本体１の重量を支えるとともに、キヤビネツト本
体１を円滑に、かつ、小さい回動力でもつて回動
させる環状のレールを構成している。２３ａ，２
３ｂはリミツトスイツチで、図示していないリミ
ツトスイツチ基板（以下、スイツチ基板という。）
に取りつけられ、キヤビネツト本体１の底面に装
着されてストツパ１５ａ，１５ｂにより作動する
ストツパ装置を構成している。

第５図は駆動装置１４を示す斜視図で、モータ
２４と、このモータ２４と同時に給電されるソレ
ノイド２５と、このソレノイド２５の作動時に係
合するクラツチ２６と、減速歯車列２７と、出力
歯車２８とで構成され、出力歯車２８はカサ歯車
７とかみ合つており、給電されているときにはキ
ヤビネツト本体１を回動させ、給電されていない
停止時は、クラツチ２６が開いて、出力歯車２８
が空回りするように構成されている。

第６図は、駆動装置１４の停止時と作動時の状
態を示す側面図で、同図ａはモータ２４およびソ
レノイド２５が作動していない停止時の状態を示
しており、ソレノイド２５のプランジヤ２５ａ
は、図示していないばねにより矢印Ａ方向に移動
しており、クラツチ片２６ｂおよび歯車２７ａを
矢印Ｂ方向に移動させてクラツチ片２６ｃとの係
合が開かれている。また、第６図ｂはモータ２４
およびソレノイド２５に給電されており、キヤビ
ネツト本体１が回動しているときの状態を示して
おり、ソレノイド２５のプランジヤ２５ａは矢印
Ｃ方向に吸引されて移動し、クラツチ片２６ｂお
よび歯車２７ａが矢印Ｄ方向に移動してクラツチ
片２６ｃと係合し、モータ２４はクラツチ２６お
よび減速歯車列２７を介して出力歯車２８を回転
駆動する。

第７図は回転駆動装置１４の駆動制御回路図
で、指令装置３１から発射された回動方向を示す
指令信号光を受信部１０で電気信号に変換し、マ
イクロコンピユータ（以下、CPUという。）３２
は、指令信号の左・右の別を識別し、駆動信号を
出力してモータ２４およびソレノイド２５へ給電
し、指令信号がなくなつたとき駆動信号を停止し
て給電を停止させる。リモツトスイツチ２３ａ，
２３ｂはキヤビネツト本体１が回動してきて、ス
トツパ１５ａ，１５ｂに当接したとき作動し、
CPU３２からの駆動信号を断つてモータ２４お
よびソレノイド２５への給電を停止させる。

このように、この実施例は、台５の上面に、歯
先を上向にして固着されているカサ歯車７と、こ
のカサ歯車７の周囲に、同軸にかつ適当な間隔で
もつて配設されている複数組のコロ装置８とを有
しており、上記コロ装置８の上に、キヤビネツト
本体１の底面に形成されている環状のレール１
９，２０が乗るように当該キヤビネツト本体１を
載置し、このとき、当該キヤビネツト本体１に装
着されている駆動装置１４の出力歯車２８が、上
記カサ歯車７とかみ合うように構成されている。
したがつて、駆動装置１４が作動して出力歯車２
８が回転すると、キヤビネツト本体１は台座２上
で回動し、ストツパ１５ａまたは１５ｂがリミツ
トスイツチ２３ａまたは２３ｂに当接して作動す
ると、駆動装置１４が停止してキヤビネツト本体
１の回動が停止する。また、停止時にキヤビネツ
ト本体１に手動で回動力を加えると、クラツチ２
６が切れているので出力歯車２８および減速歯車
列２７が空回りし、モータ２４は回転しないの
で、小さい力でキヤビネツト本体１を、ストツパ
１５ａ，１５ｂに、溝１７ａ，１７ｂの係止部１
７ｃ，１７ｄが当るまで、回動させることがで
き、出力歯車２８や、カサ歯車７の歯が破損する
ことがない。

また、出力歯車２８と、カサ歯車７とは、上下
の向で歯がかみ合うので、台座２上にキヤビネツ
ト本体１を載置して一体に組合わせるとき、歯車
のかみ合わせが容易になし得るとともに、スカー
ト１８，１９でカサ歯車７および出力歯車２８が
挾まれていて、径方向にかみ合いが外れることも
防止されているので、キヤビネツト本体１の重量
を越える力が加えられない限り歯のかみ合いが外
れることがなく、かつ、作動時に、駆動装置１４
の空回りが生じることがない。

また、出力歯車２８の歯先は、スカート１８，
１９から突出しないように構成されているので、
キヤビネツト本体１を机の上などに置いた場合で
も歯先が損傷をうけることがない。

なお、上記実施例では、クラツチ２６を、減速
歯車列２７のモータ２４に近い位置に設けたが、
出力歯車２８に近い位置に設けてもよい。

〔考案の効果〕

この考案は、台座の上面に設けられている歯先
が上向の大径のカサ歯車と、上記台座上に回動可
能に載置されるキヤビネツト本体に装着され、上
記カサ歯車とかみ合う出力歯車を有する駆動装置
とを備え、この駆動装置にモータとともに給電さ
れるソレノイドにより当該モータと出力歯車とを
係合するクラツチを設けた回転式キヤビネツトで
あるから、台座とキヤビネツト本体との組立作業
が容易になるとともに、出力歯車とカサ歯車とは
上記キヤビネツト本体の自重でもつてかみ合いが
保持されており、さらに、駆動装置の停止時に
は、モータと出力歯車とはクラツチによつて係合
が解かれているので、キヤビネツト本体を手動に
よつて回動させても、出力歯車およびカサ歯車に
過大な力が作用しないので破損等の問題が生じな
いという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図、第２図
はこの実施例の分解斜視図、第３図はこの実施例
のキヤビネツト本体の底部と台座との断面図、第
４図はキヤビネツト本体と台座とを開いて前から
見た斜視図、第５図はこの実施例の駆動装置の斜
視図、第６図ａ，ｂはこの駆動装置の停止時と、
作動時の状態を示す側面図、第７図は駆動装置の
駆動制御回路図である。 １……キヤビネツト本体、２……台座、３……
軸孔、７……カサ歯車、８……コロ装置、１４…
…駆動装置、１５ａ，１５ｂ……ストツパ、１６
……軸、１９，２０……環状のレール、２４……
モータ、２５……ソレノイド、２６……クラツ
チ、２８……出力歯車。なお、図中、同一符号は
それぞれ同一、または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台座の上にキヤビネツト本体が回動しうるよう
   に載置されており、リモートコントロールにより
   制御される駆動装置によつて上記キヤビネツト本
   体を左右に回動させるように構成されているキヤ
   ビネツトにおいて、上記台座の上面に歯先を上向
   に、かつ、上記キヤビネツト本体の回転軸と同軸
   に配設されている大きな径のカサ歯車と、上記キ
   ヤビネツト本体に装着され、かつ、上記カサ歯車
   とかみ合う出力歯車、モータおよびこのモータと
   ともに給電されるソレノイドにより作動するクラ
   ツチを有する駆動装置とを備え、上記台座上に上
   記キヤビネツト本体を載置したとき、上記カサ歯
   車と出力歯車とが当該キヤビネツト本体の自重で
   もつて上下の向きで噛み合い、かつ、駆動装置に
   給電していないときは、上記出力歯車が空回り
   し、キヤビネツト本体を手動によつて回動し得る
   構成としたことを特徴とする回転式キヤビネツ
   ト。