JPH05130876A - プラスミドベクター - Google Patents

プラスミドベクター

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JPH05130876A
JPH05130876A JP7802791A JP7802791A JPH05130876A JP H05130876 A JPH05130876 A JP H05130876A JP 7802791 A JP7802791 A JP 7802791A JP 7802791 A JP7802791 A JP 7802791A JP H05130876 A JPH05130876 A JP H05130876A
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JP
Japan
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plasmid
restriction enzyme
escherichia coli
vector
strain
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Application number
JP7802791A
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English (en)
Inventor
Mamoru Tomita
守 冨田
Yasuo Fukuwatari
康夫 福渡
Tsutomu Kudo
力 工藤
Hiroyuki Matsukuma
宏幸 松熊
Susumu Teraguchi
進 寺口
Tomoko Yaejima
智子 八重島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大腸菌、枯草菌等広宿主において好適に発現
し、ビフィドバクテリウム属に属する微生物、乳酸菌に
おいて発現する可能性のある新規なプラスミドベクター
を提供する。 【構成】 ストレプトコッカス属に属する微生物由来の
プラスミドと大腸菌由来のプラスミドとを結合させた複
合プラスミド、またはストレプトコッカス属に属する微
生物由来のエリスロマイシン耐性遺伝子を保有する大腸
菌のプラスミドと、ビフィドバクテリウム・ロンガムに
属する新規微生物由来の新規なプラスミド、とを結合さ
せた新規なプラスミドベクター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大腸菌、枯草菌等広
宿主において好適に発現し、ビフィドバクテリウム属に
属する微生物および乳酸菌においても発現可能な新規プ
ラスミドベクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビフィドバクテリウム属に属する微生物
は、人および動物の腸管内において優勢であり、宿主の
健康に大きな影響を与える有用微生物であることから、
従来より食品、医薬品、飼料等に広範に利用されてい
る。このビフィドバクテリウム属に属する微生物をより
有効に利用するために、遺伝子操作技術を応用してこの
微生物を改良すること、または所望の性質を発現させる
ために、人為的に改変することが期待されてはいるが、
未だ開発の途上にある。
【0003】ビフィドバクテリウム属に属する微生物の
遺伝子操作技術の確立には、ビフィドバクテリウム属に
属する微生物の宿主ベクター系の開発が必須であるが、
ビフィドバクテリウム属に属する微生物の遺伝子操作に
使用し得るプラスミドベクターとしては特開昭63-12338
4号公報に開示されている。この発明に開示されたプラ
スミドベクターは、大腸菌由来のプラスミドpBR32
2とビフィドバクテリウム・ロンガム由来のプラスミド
とを結合させ、必要に応じてスタフィロコッカス・オウ
レウス由来のプラスミドpC194、pC194のクロ
ラムフェニコール耐性遺伝子領域、および/またはビフ
ィドバクテリウム・ロンガムのトリプトファン合成系遺
伝子を結合させたものである。
【0004】一方、微生物に外来DNAを導入する方法
については、プラスミドpAMβ1がビフィドバクテリ
ウム属に属する微生物に導入され、導入されたpAMβ
1のエリスロマイシン耐性遺伝子が、ビフィドバクテリ
ウム属に属する微生物で発現することが知られている。
(特開平2-107192号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63-123384号公報に開示されたプラスミドベクターは、
次に理由を記載するように多くの制約を有し、かつ不明
な要素を包含するベクターである。すなわち、ビフィド
バクテリウム・ロンガムに使用し得るプラスミドベクタ
ーは、この微生物で発現可能なマーカー遺伝子を有する
ことが必須の要件であるが、このプラスミドのマーカー
遺伝子においては、スタフィロコッカス・オウレウス由
来のプラスミドpC194のクロラムフェニコール耐性
遺伝子領域、またはビフィドバクテリウム・ロンガムの
トリプトファン合成系遺伝子が相当する。しかしなが
ら、(a)これらのマーカー遺伝子がビフィドバクテリ
ウム・ロンガムで発現するという確証がないこと、
(b)トリプトファン合成系遺伝子がビフィドバクテリ
ウム・ロンガムで発現すると仮定しても、このプラスミ
ドベクターの使用可能な菌株はトリプトファン合成系遺
伝子が欠落した変異株に限定され、この変異株を新たに
分離取得しなければならないこと、(c)ビフィドバク
テリウム・ロンガムの野生株はほとんどトリプトファン
合成系遺伝子を保有しているので、この遺伝子を欠落し
た変異株を分離取得するのは至難であること、(d)こ
のプラスミドベクターは病原菌であるスタフィロコッカ
ス・オウレウスで発現するため利用範囲が限定されるこ
と、および(e)このプラスミドベクターの作成には極
めて煩雑な遺伝子操作を要すること、等の制約および欠
点を有している。
【0006】また、特開平2-107192号公報に開示された
プラスミドは、ストレプトコッカス・フェカリス由来の
広宿主域で接合伝達可能な公知のプラスミド(Journal
of Bacteriology,117 (1), 283, 1974 :同誌、157
(2), 445, 1984)であるが、DNAサイズが 26.5kb
と大きく、そのままではビフィドバクテリウム属に属す
る微生物のプラスミドベクターとして使用できないとい
う欠点がある。
【0007】このように、ビフィドバクテリウム属に属
する微生物の遺伝子操作技術の確立は、これらの微生物
の遺伝子学的研究、育種等の分野から切望されているに
もかかわらず、従来公知のプラスミドベクターはその利
用に多くの制約があり、上記の要求を満足させるもので
はなかった。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、大腸菌、枯草菌等広宿主において好
適に発現し、ビフィドバクテリウム属に属する微生物、
乳酸菌においても発現可能な新規なプラスミドベクター
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ストレプトコッカス属に属する
微生物由来のプラスミドと大腸菌由来のプラスミドとを
結合させた複合プラスミドと、新規なビフィドバクテリ
ウム・ロンガムに属する微生物に由来し、ただ一種類の
プラスミドのみを含み、多数の制限酵素認識部位を有
し、かつプラスミドの収量が高い新規なプラスミドとを
結合してなるプラスミドベクターを提供する。
【0009】またこの発明は、ストレプトコッカス属に
属する微生物由来のエリスロマイシン耐性遺伝子を保有
する大腸菌のプラスミドと、新規なビフィドバクテリウ
ム・ロンガム属に属する微生物に由来し、だた1種類の
プラスミドのみを含み、多数の制限酵素認識部位を有
し、かつプラスミドの収量が高い新規なプラスミドとを
結合してなるプラスミドベクターをも提供する。
【0010】すなわち、この発明の発明者らは、ビフィ
ドバクテリウム属に属する微生物に使用可能であり、か
つより好適なプラスミドベクターを開発すべく鋭意研究
を行った結果、新規なビフィドバクテリウム・ロンガム
を自然界から分離し、この新菌株から新規なプラスミド
を分離し、このプラスミドから新規なプラスミドベクタ
ーを作成することに成功し、この発明を完成した。
【0011】以下、この発明において使用するビフィド
バクテリウム・ロンガム由来のプラスミドを取得するた
めの新菌株について詳しく説明する。この発明の発明者
らは、多数の健康な乳児の糞便から常法により分離した
50菌株のビフィドバクテリウム・ロンガムに属する微
生物の中から、プラスミドベクター作成に好適な次の性
質を有する3菌株を分離した。即ち、(a)ただ一種類
のプラスミドのみを含む菌株、(b)制限酵素認識部位
を多数有するプラスミドを含む菌株、および(c)プラ
スミドの収量が高い菌株、の3つの性質である。これら
の菌株は、それぞれビフィドバクテリウム・ロンガムM
O9101(以下MO9101株と記載する)、ビフィ
ドバクテリウム・ロンガムMO9102(以下MO91
02株と記載する)、およびビフィドバクテリウム・ロ
ンガムMO9103(以下MO9103株と記載する)
と命名され、平成3年4月4日付で工業技術院微生物工
業技術研究所に寄託され、それぞれ微工研菌寄第12167
号、微工研菌寄第12168号、および微工研菌寄第12169号
なる受託番号が付された(以下これらの3菌株をまとめ
て「本菌」と記載することがある)。
【0012】本菌の菌学的性質は、次のとおりであ
る。, 1.形態学的性質 (1)菌形(光学顕微鏡による観察) BL寒天平板培地(光岡知足;臨床検査、第18巻、第
1163ページ、1974年)を用い、37℃で48時間常法に
より嫌気培養したときの本菌は、0.5〜0.8μ×1.7〜4.0
μ、桿状または分岐状の菌形を呈する。 (2)コロニーの形態 前記(1)と同一の条件で嫌気培養したとき、本菌のコ
ロニーの形態(光岡知足著、「腸内菌の世界」、第110
ページ、叢文社、1980年)は、次のとおりである。
【0013】a)形態:円形(circular) b)隆起:凸状(convex) c)周縁:円滑(entire) d)大きさ(直径):1〜3mm e)色調:褐色不透明 i)表面:円滑で光沢あり 2.生理学的性質 (1)ガスを産生せず (2)15℃で発育せず (3)運動性なし (4)好気的条件で発育せず (5)ブドウ糖からの主発酵生成物は、乳酸および酢酸
である (6)糖からの酸生成 1)MO9101株の糖からの酸生成 アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マ
ンノース、フラクトース、ガラクトース、スクロース、
マルトース、ラクトース、メリビオースおよびラフィノ
ースは陽性、ラムノース、セロビオース、トレハロー
ス、メレチトース、デキストリン、スターチ、グリコー
ゲン、イヌリン、マンニトール、ソルビトール、イノシ
トール、エスクリン、サリシン、アミグダリン、α−メ
チルグルコシドおよびグルコン酸塩は陰性、 2)MO9102株の糖からの酸生成 アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マ
ンノース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラ
クトース、メリビオースおよびラフィノースは陽性、ラ
ムノース、セロビオース、トレハロース、メレチトー
ス、デキストリン、スターチ、グリコーゲン、イヌリ
ン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、エス
クリン、サリシン、アミグダリンおよびグルコン酸塩は
陰性、フラクトースは遅れて陽性、α−メチルグルコシ
ドは遅れて微陽性 3)MO9103株の糖からの酸生成 アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マ
ンノース、フラクトース、ガラクトース、スクロース、
マルトース、ラクトース、メリビオース、およびラフィ
ノースは陽性、ラムノース、セロビオース、トレハロー
ス、メレチトース、スターチ、グリコーゲン、イヌリ
ン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、エス
クリン、サリシン、アミグダリン、α−メチルグルコシ
ドおよびグルコン酸塩は陰性、デキストリンは遅れて弱
陽性 (7)インドールを産生せず (8)硫化水素を産生せず (9)硝酸塩を還元せず (10)カタラーゼ陰性 (11)プラスミドの特性 MO9101株およびM09102株は、両菌株とも、
約3.7kbの塩基からなる同一のプラスミドpBL67た
だ一種を保持している。一方、MO9103株は、約8.
5kbの塩基からなるプラスミドpBL78ただ一種を保
持している。これらのプラスミドpBL67およびpB
L78は、図1および図2に各々のプラスミド模式図を
示したように、多数の制限酵素認識部位を有している
(試験例1を参照)。 (12)ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC157
07に対して70%以上のDNA相同性 以上の菌学的性質から、本菌は公知のビフィドバクテリ
ウム・ロンガムに属する微生物であるが、本菌のプラス
ミドの特性は、プラスミドを保有しないビフィドバクテ
リウム・ロンガムATCC15707(この菌株は、Th
e American Type Culture Collectionに第15707号とし
て寄託されているビフィドバクテリウム・ロンガムの基
準株である。以下、この寄託機関をATCCと略記し、
ここに寄託されている菌株をATCC15707のよう
に記載する)、ATCC15708、および公知の菌株
(特公昭47-29995号公報に記載された微工研菌寄第1324
号、特公昭59-53829号公報に記載された微工研菌寄第65
48号)、プラスミドを保有する公知の菌株(特開昭63-1
23384号公報に記載された微工研菌寄第9049号、微工研
菌寄第9050号)とは次のように全く異なっている。
【0014】ATCCのカタログ記載の菌株、特公昭47
-29995号公報に記載された微工研菌寄第1324号、および
特公昭59-53829号公報に記載された微工研菌寄第6548号
にはプラスミドが含まれておらず、本菌とは別個の菌株
である。特開昭63-123384号公報に記載された微工研菌
寄第9049号、および微工研菌寄第9050号については、同
公開公報の記載から明らかなように本菌とは異なる別個
の菌株である。その理由は次のとおりである。
【0015】微工研菌寄第9049号の菌株は、2種のプラ
スミドを有することが明らかであり(公開公報第483
頁、上段左3〜4行)、これらのプラスミド模式図(公
開公報、第1図および第2図)と、本明細書の図1およ
び図2に示したプラスミド模式図とを比較すれば、制限
酵素認識部位が全く異なっている。さらに微工研菌寄第
9049号の菌株から得られるプラスミドpTB4およびp
TB10の塩基数は、それぞれ2.9kbおよび3.6kbであ
り、本菌から得られるプラスミドpBL67およびpB
L78のそれは、それぞれ3.7kbおよび8.5kbであり、両
菌から得られるプラスミドは明らかに異なっている。従
って、本菌と微工研菌寄第9049号の菌株は、明らかに個
別のプラスミドを有している全く別個の菌株である。
【0016】微工研菌寄第9050号の菌株から得られるプ
ラスミドの模式図(公開公報、第3図)と、本明細書の
図1および図2に示したプラスミド模式図とを比較すれ
ば制限酵素確認部位が全く異なっている。さらに微工研
菌寄第9050号の菌株から得られるプラスミドpTB6の
塩基数は3.6kbであり、本菌から得られるプラスミドp
BL67およびpBL78のそれは前記のとおりである
ことから、両菌から得られるプラスミドは明らかに異な
っている。従って、本菌と微工研菌寄第9050号の菌株
は、明らかに別個のプラスミドを有している全く別個の
菌株である。
【0017】なお、プラスミドpTB4,pTB6およ
びpTB10の塩基数は、同公開公報第1図〜第3図に
おいてプラスミドpBR322の塩基数を4.4kbとして
算出したものである。この発明において、制限酵素認識
部位を多数有するビフィドバクテリウム・ロンガムに属
する微生物のプラスミドを用いた理由は、 (a)多数の制限酵素で消化できるので、種々のDNA
断片が得られること (b)他の外来DNAと種々の結合が可能であること (c)上記(a)および(b)の結果として広宿主で発
現できるプラスミドベクターが得られること によるものである。
【0018】次に、ビフィドバクテリウム・ロンガムに
属する微生物のプラスミドを比較するために行なった試
験を以下に示す。 (試験例1) (1)試料の調製 常法により健康な乳児の糞便から50菌株のビフィドバ
クテリウム・ロンガムに属する微生物を単離した。これ
らの菌株について参考例1と同一の方法によりプラスミ
ドを調製した。 (2)試験方法 プラスミドの制限酵素認識部位は、マニアチス等の方法
(T.Maniatis, E.F.Fritsch and J.Sambrook, Molecula
r Cloning, p250, Cold Spring Harbor, 1982)により
各種制限酵素で消化したDNA断片のアガロースゲル電
気泳動で求められるDNAサイズから確認した。 (3)試験結果 供試した50菌株のうち15株からプラスミドを検出し
たが、MO9101株、MO9102株、およびMO9
103株以外の12菌株からは10μg以下の少ないD
NAが検出され、しかもこれら12菌株中10菌株は2
種類以上のプラスミドを保持していた。
【0019】MO9101株およびMO9102株から
分離したプラスミドpBL67は、制限酵素PstI、
SalI、PvuII、およびHindIIIにより消化さ
れなかったことから、これらの制限酵素認識部位を有し
ていないことが判明した(図1参照)。また、MO91
03株から分離したプラスミドpBL78は、制限酵素
EcoRI、BamHIおよびHindIIIにより消化
されないことから、これらの制限酵素認識部位を有して
いないことが明らかになった(図2参照)。
【0020】以上の結果から、この発明に用いるプラス
ミドpBL67およびpBL78は、公知のプラスミド
とは異なる新規なプラスミドであることを確認した。次
に、ストレプトコッカス属に属する微生物由来のプラス
ミドと大腸菌由来のプラスミドとを結合させた複合プラ
スミドと、ビフィドバクテリウム・ロンガム由来のプラ
スミドとを結合させたプラスミドベクターについてさら
に詳しく説明する。
【0021】まず、図3に示した複合プラスミドpSA
3と図1に示したビフィドバクテリウム・ロンガム由来
のプラスミドpBL67とを公知の方法(R.F.Schleif
andP.C. Wensik 著、山崎達美訳、「分子生物実験マニ
ュアル」第153ページ、講談社、1985年)により結合さ
せ、約13.9kbの塩基よりなるプラスミドベクター5種類
を作成した。なお、プラスミドpSA3は、大腸菌(E.
coli)のプラスミドpACYCl84とスプレプトコ
ッカス・サンガイス(S.sanguis)のプラスミドpGB3
05とを結合して作成した公知のプラスミドベクターで
ある(Applied and Enviromental Microbiology, 49
(1),115, 1985)。
【0022】これら5種類のプラスミドベクターは、図
4に示す制限酵素認識部位を有するプラスミドp11
2,図5に示す制限酵素認識部位を有するプラスミドp
B10、図6に示す制限酵素認識部位を有するプラスミ
ドpC10、図7に示す制限酵素認識部位を有するプラ
スミドpD10、および図8に示す制限酵素認識部位を
有するプラスミドpL10である。
【0023】プラスミドp112は、図4にも示したよ
うに、プラスミドpSA3およびプラスミドpBL67
を制限酵素BamHIでそれぞれ消化し、得られた開裂
プラスミドを結合させたプラスミドである。同様に、図
5に示したプラスミドpB10は、プラスミドpSA3
およびプラスミドpBL67を制限酵素EcoRIでそ
れぞれ消化し、得られた開裂プラスミドを結合させたプ
ラスミドである。図6に示したプラスミドpC10は、
プラスミドpSA3およびプラスミドpBL67を制限
酵素SphIでそれぞれ消化し、得られた開裂プラスミ
ドを結合させたプラスミドである。図7に示したプラス
ミドpD10は、プラスミドpSA3およびpBL67
を制限酵素EcoRVでそれぞれ消化し、得られた開裂
プラスミドを結合させたプラスミドである。図8に示し
たプラスミドpL10は、プラスミドpSA3およびp
BL67を制限酵素kpnIでそれぞれ消化し、得られ
た開裂プラスミドを結合させたプラスミドである。な
お、プラスミドpSA3のkpnI認識部位は、この発
明の発明者らによって新たに見い出された制限酵素認識
部位である。
【0024】次に、図9にそのプラスミド模式図を示し
た複合プラスミドpVA838と、図1に示したプラス
ミドpBL67とを結合させて、約12.9kbの塩基よりな
るプラスミドベクター4種類を常法により作成した。な
お、上記複合プラスミドpVA838は、大腸菌のプラ
スミドpACYC184とストレプトコッカス・サイガ
イスのプラスミドpVA749とを結合して作成したプ
ラスミドベクターであり、大腸菌ATCC37160が
保持しており、容易に入手できる。
【0025】これら4種類のプラスミドベクターは、図
10に示す制限酵素認識部位を有するプラスミドpN2
0、図11に示す制限酵素認識部位を有するプラスミド
pM10、図12に示す制限酵素認識部位を有するプラ
スミドpX10、および図13に示す制限酵素認識部位
を有するプラスミドpO36である。プラスミドPN2
0は、図10にも示したように、プラスミドpVA83
8およびプラスミドpBL67を制限酵素EcoRIで
それぞれ消化し、得られた開裂プラスミドを結合させた
プラスミドである。図11に示したプラスミドpM10
は、プラスミドpAV838およびプラスミドpBL6
7を制限酵素BamHIでそれぞれ消化し、得られた開
裂プラスミドを結合させたプラスミドである。図12に
示したプラスミドpX10は、プラスミドpAV838
およびプラスミドpBL67を制限酵素EcoRVでそ
れぞれを消化し、得られた開裂プラスミドを結合させた
プラスミドである。図13に示したプラスミドpO36
は、プラスミドpAV838およびプラスミドpBL6
7を制限酵素AvaIでそれぞれ消化し、得られた開裂
プラスミドを結合させたプラスミドである。
【0026】さらに図14に示した複合プラスミドpH
Y300PLKと、図1に示したプラスミドpBL67
とを結合させ、約8.6kbの塩基よりなるプラスミドベク
ター2種類を常法により作成した。なお、上記複合プラ
スミドpHY300PLKは、大腸菌のプラスミドpA
CYC177とストレプトコッカス・フェカリス由来の
テトラサイクリン耐性遺伝子(Tc r )を含むプラスミ
ドpAMα1を結合させた約4.9kbの塩基からなるプラ
スミドであり、市販(宝酒造社製)されている。
【0027】これら2種類のプラスミドベクターは、図
15に示す制限酵素認識部位を有するプラスミドpA
3、および図16に示す制限酵素認識部位を有するプラ
スミドp111である。プラスミドpA3は図15にも
示したように、プラスミドpHY300PLKおよびプ
ラスミドpBL67を制限酵素EcoRIでそれぞれ消
化し、得られた開裂プラスミドを結合させたプラスミド
である。またプラスミドp111は、図16にも示した
ように、プラスミドpHY300PLKおよびプラスミ
ドpBL67を制限酵素BamHIでそれぞれ消化し、
得られた開裂プラスミドを結合させたプラスミドであ
る。
【0028】次に、以上のようにして得た新規なプラス
ミドベクターの発現を確認するために行なった試験例を
以下に示す。 試験例2 (1)試料の調製 プラスミドベクターp112を保有する大腸菌HB10
1から調製したプラスミドベクターp112が枯草菌に
おいて発現することを、バシラス・サチリスISW12
14株(宝酒造製。以下ISW1214株と略記する)
を用い、Y. SadaieおよびT. Kadaの方法(Journal of Ba
cteriology, 153 (2), 813, 1983)により次のように確
認した。ISW1214株をLBブイヨンで培養した菌
液をSPI培地(硫酸アンモニウム0.2%、リン酸二カ
リウム1.4%、リン酸一カリウム0.6%、クエン酸ナトリ
ウム2水塩0.1%、硫酸マグネシウム7水塩0.02%、グ
ルコース0.5%、カザミノ酸0.02%、酵母エキス0.1%、
L−ロイシン50μg/ml、L−メチオニン50μg/mlか
らなる)に約1%接種し、37℃で振とう培養した。得
られた培養液をSPII培地(硫酸アンモニウム0.2
%、リン酸二カリウム1.4%、リン酸一カリウム0.6%、
クエン酸ナトリウム2水塩0.1%、硫酸マグネシウム7
水塩0.02%、グルコース0.5%、塩化マグネシウム5m
M、酵母エキス0.02%、L−ロイシン5 μg/ml、L−
メチオニン5 μg/mlからなる)で7.5倍に希釈し、3
7℃で90分間振とう培養した。この培養菌液50μl
に、0.01-0.1μgのDNAを含むプラスミドベクターp
112の溶液50μlを加え、37℃で30分間振とう培
養した。次いで100μlのLBブイヨンを加え、更に3
7℃で60分間振とう培養し、ISW1214株を形質
転換した。30μg/mlのエリスロマイシンを含むLB
寒天培地上に塗抹し、37℃で1夜培養し、エリスロマ
イシン耐性の形質転換体を検出した。この形質転換した
ISW1214株を、30μg/mlのエリスロマイシン
を含むLBブイヨンで培養した菌体から大腸菌の場合と
同様の方法でプラスミドを抽出し、制限酵素認識部位を
試験例1と同様の方法で分析した。その結果、このプラ
スミドがプラスミドベクターp112であり、ISW1
214株で発現したことを確認した。
【0029】なお、プラスミドベクターpB10,pC
10,pD10,pL10,pN20,pM10,pX
10,およびpO36についてもp112と同様の試験
を行なった結果、いずれのプラスミドベクターも大腸菌
HB101株およびバシラス・サチリスISW1214
株において好適に発現することを確認した。プラスミド
ベクターpA3およびp111の試験においては、大腸
菌HB101およびバシラス・サチリスISW1214
株でこれらのプラスミドベクターを発現させた形質転換
体を検出する培地としてテトラサイクリン20μg/ml
を含むLB寒天培地を使用し、またこれらの形質転換体
を培養する液体培地としてテトラサイクリン20μg/
mlを含むLBブイヨンを使用したが、これらの培地を使
用した以外は上記と同一の方法で試験を行ない、プラス
ミドベクターpA3およびp111も大腸菌HB101
株およびバシラス・サチリスISW1214株において
好適に発現することが確認され、ビフィドバクテリウム
属に属する微生物、乳酸菌等においてもその発現に十分
な可能性がある。
【0030】この試験で得られた形質転換体の代表菌株
例として、プラスミドベクターp112で形質転換した
枯草菌ISW1214をMO9104と命名し、平成3
年4月4日付で工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
し、微工研菌寄第12170号なる受託番号が付された。次
に第2の発明、すなわち、ストレプトコッカス属に属す
る微生物のエリスロマイシン耐性遺伝子(Em r )を有
する大腸菌のプラスミドと、ビフィドバクテリウム・ロ
ンガム由来のプラスミドとを結合させたプラスミドベク
ターについてさらに詳しく説明する。
【0031】まず、ストレプトコッカス属に属する微生
物のエリスロマイシン耐性遺伝子を有する大腸菌のプラ
スミドpE38、pP41、およびpSAH1を公知の
方法により、各々、次のようにして作成した。プラスミ
ドpE38は、図17にその作成工程を示したように、
公知の大腸菌プラスミドpBR322から、制限酵素A
vaIおよびHindIIIで消化して得られた約3.0kbの
プラスミド断片に、プラスミドpAMβ1から同一の酵
素で消化して得られるエリスロマイシン耐性遺伝子を含
む約2.0kbのDNA断片を結合させた、約5.0kb塩基から
なるプラスミドである。なお、上記プラスミドpAMβ
1は、ストレプトコッカス・フェカリスDS−5(AT
CC14508)の保持するプラスミドであり、この菌
株はATCCから容易に入手し得る。
【0032】プラスミドpP41は、図18にその作成
工程を示したように、公知の大腸菌プラスミドpBR3
22から、制限酵素AvaIおよびHindIIIで消化
して得られた約3.0kbのプラスミド断片に、プラスミド
pVA838(図9参照)から同一の酵素で消化して得
られるエリスロマイシン耐性遺伝子を含む約1.7kbのD
NA断片を結合させた、約4.7kbの塩基からなるプラス
ミドである。
【0033】プラスミドpSAH1は、図19にその作
成工程を示したように、公知のプラスミドpSA3(図
3参照)のHindIII 断片を電気泳動し、得られた約
5.0kbのエリスロマイシン耐性遺伝子を含むDNA断片
を再結合して得られる新規なプラスミドである。このよ
うにして得たプラスミドpE38、pP41、またはp
SAH1と、前記ビフィドバクテリウム・ロンガム由来
のプラスミドpBL67(図1)またはpBL78(図
2)を公知の方法で結合させ、以下に示す8種の新規な
プラスミドベクターを作成した。
【0034】すなわち、図20にその作成工程を示した
ように、プラスミドpE38とpBL67とを制限酵素
AvaI認識部位で結合させて約8.7kbの塩基からなる
プラスミドベクターpIaを作成した。同様に、プラス
ミドpE38とpBL67とを制限酵素EcoRI認識
部位で結合させて図21に示したプラスミドベクターp
K2を作成した。また、プラスミドpE38とpBL7
8とを制限酵素PstI認識部位で結合させて図22に
示したプラスミドベクターpV4を作成した。
【0035】次に図23にその作成工程を示したよう
に、プラスミドpP41とpBL78とを制限酵素Ps
tI認識部位で結合させてプラスミドベクターpW34
を作成した。また、プラスミドpP41とpBL67と
を制限酵素EcoRI認識部位で結合させて図24に示
したプラスミドベクターpU2を、同様に制限酵素Av
aI認識部位で結合させて図25に示したプラスミドベ
クターpT4を作成した。
【0036】さらに、プラスミドpASH1とpBL6
7とを制限酵素EcoRI認識部位で結合させて図26
に示したプラスミドベクターpS10を、同様に制限酵
素AvaIを認識部位で結合させて図27に示したプラ
スミドベクターpR1を作成した。以下に、これらの新
規なプラスミドベクターの発現を確認するために行なっ
た試験例を示す。 試験例3 プラスミドの大腸菌における発現は常法の形質転換法
(T. Maniatis, E. F. Fritsch and J. Sambrook, Mole
cular Cloning, P250, Cold SpringHarbor, 1982)によ
り次のように行った。
【0037】プラスミドベクターpIaのDNA0.005
〜0.5μgを含むTE液(10mMトリス塩酸および1mM
EDTAからなりpH8.0)約10μlにTCM液(10m
Mトリス塩酸、10mM塩化カルシウムおよび10mM塩化
マグネシウムからなる。pH7.0)を添加して液量を100μ
lに調整し、これに大腸菌HB101のコンピテントセ
ル(宝酒造製)200μlを添加した後、30分間氷冷し
た。のち42℃の恒温水槽中で2分間保温し、LBブイ
ヨン(培地11当たり酵母エキス5g、バクトトリプト
ン10g、および塩化ナトリウム5gからなる)1mlを
加えて37℃で1時間培養した。このようにして得られ
た形質転換大腸菌の培養液に0.7%寒天溶液3mlを加
え、均一に混合した試料を、エリスロマイシン250μg
/mlを含むLB寒天培地上に塗抹し37℃で1夜培養
し、形質転換体を検出した。エリスロマイシン耐性を示
した大腸菌、即ち形質転換体のコロニー1白金耳をエリ
スロマイシン250μg/mlを含むLBブイヨン2mlに接
種して37℃で1夜培養し、この培養液を遠心分離して
得られた大腸菌の菌体からアルカリ−SDS法(T. Man
iatis, E. F. Fritsch and J. Sambrook, Molecular Cl
oning, P368, Cold Spring Harbor, 1982)によりプラ
スミドを分離し、さらにこのプラスミドの制限酵素認識
部位を試験例1と同様の方法で分析した。その結果、こ
のプラスミドがプラスミドベクターpIaであり、大腸
菌で発現したことを確認した。
【0038】なお、上記と同一の方法により、プラスミ
ドベクターpK2,pV4,pU2,pT4,pW3
4,pS10およびpR1が大腸菌HB101において
好適に発現することが確認され、ビフィドバクテリウム
属に属する微生物においてもその発現に十分な可能性が
ある。この試験で得られた形質転換体の代表菌株例とし
て、プラスミドベクターpIaで形質転換した大腸菌H
B101をMO9105と命名し、平成3年4月4日付
で工業技術院微生物工業技術研究所に寄託し、微工研菌
寄第12171号なる受託番号が付された。
【0039】次に参考例および実施例を示してこの発明
をさらに具体的に説明するが、この発明は以下に記載す
る実施例に限定されるものではない。 参考例1 GAMブイヨン液体培地(日水製薬社製)1000mlにビフ
ィドバクテリウム・ロンガムMO9101株の前培養液
50mlを接種し、37℃で5時間培養した。培養液を遠
心分離し、集菌した菌体から橋場らの方法(Applied an
d Environmental Microbiology,55 (6), 1655, 1989)
の方法により、プラスミドを次のように調製した。菌体
をSTM液(1Mショ糖、および10mMトリス・マレイ
ン酸からなり、pH6.5)で洗浄し、同液10mlに懸濁
し、N−アセチルムラミディスSG(生化学工業製、lm
g/ml)0.5mlを加えて37℃で30分間保温した。これ
に0.2N水酸化ナトリウム20mlと10%ドデシル硫酸
ナトリウム(SDS)2mlを加えて溶菌し、37℃で1
5分間保温し、のち氷冷した。次いで3M酢酸ナトリウ
ム緩衝液(pH4.8)15mlを加えて氷冷し、遠心分離し
て上清液約40mlを得た。この上清液に蒸留水40mlを
加え、TE液(10mMトリス塩酸、および1mMEDTA
からなり、pH8.0。以下TE液と記載する)飽和フェノ
ール40mlとクロロホルム−イソアミルアルコール混液
(容積で24:1の比率)40mlとを加えて混合し、こ
れを遠心分離して水層部を得た。この水層部をTE液飽
和フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコール混
液で2回反復して処理し、得られた水層部65mlに3M
酢酸ナトリウム緩衝液6.5mlとエタノール143mlを加え、
−80℃で30分間冷却し、遠心分離して沈澱を得た。
この沈澱を70%エタノールで洗浄し、乾燥し、TE液
0.5mlに溶解した。この溶液にDNAフリーの牛すい臓
リボヌクレアーゼ(シグマ社製。10mg/ml)2μlを
加え、37℃で10分間保温し、プロテイナーゼK(シ
グマ社製。25mg/ml)2μlを加え、37℃で30分
間保温した。次いで上記TE液飽和フェノールとクロロ
ホルム−イソアミルアルコール混液、およびエタノール
で処理し、最終的にプラスミドDNAのTE液0.5mlを
得た。このTE液には、MO9101株のプラスミドp
BL67が約20μg含まれていた。 参考例2 MO9102株を用いた以外は参考例1と同一の方法に
より約20μgのプラスミドpBL67を得た。 参考例3 MO9103株を用いた以外は参考例1と同一の方法に
より約60μgのプラスミドpBL78を得た。
【0040】
【実施例】
実施例1 プラスミドpSA3を保有する大腸菌HB101から、
試験例3と同一のアルカリ−SDS法によりプラスミド
pSA3を調製した。このプラスミドpSA3を制限酵
素BamHIで消化しTE液飽和フェノールとクロロホ
ルム−イソアミルアルコール混液、およびエタノールで
処理し、開裂プラスミドを含むTE液を調製した。この
開裂プラスミドpSA3を常法(T. Maniatis,E. F. Fr
itsch and J. Sambrook, Molecular Cloning, p133, Co
ld Spring Harbor, 1982)により牛腸由来のアルカリフ
ォスファターゼ(宝酒造社製)で脱リン酸化し、TE液
飽和フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコール
混液、およびエタノールで処理し、脱リン酸化pSA3
を精製した。参考例1と同一の方法により得たプラスミ
ドpBL67を制限酵素BamHIで消化し、上記脱リ
ン酸化pSA3と常法によりDNAライゲーションキッ
ト(宝酒造製)で連結し、塩化カルシウム法により大腸
菌HB101のコンピテントセル(宝酒造製)に導入
し、形質転換した。形質転換大腸菌を薬剤添加培地で培
養し、エリスロマイシンおよびクロラムフェニコールに
耐性を有し、テトラサイクリンに感受性を有するコロニ
ーを分離した。この形質転換大腸菌から上記と同一のア
ルカリ−SDS法によりプラスミドベクターp112を
得た。 実施例2 実施例1と同一の方法により得たプラスミドpSA3を
制限酵素EcoRIで消化し、脱リン酸化し、別に制限
酵素EcoRIで消化したプラスミドpBL67(参考
例1と同一の方法により調製)とDNAライゲーション
キット(宝酒造製)で連結し、以下実施例1と同一の方
法によりエリスロマイシンおよびテトラサイクリンに耐
性を有し、クロラムフェニコールに感受性を有する大腸
菌からプラスミドベクターpB10を得た。 実施例3 実施例1と同一の方法により得たプラスミドpSA3を
制限酵素SphIで消化し、脱リン酸化し、別に制限酵
素SphIで消化したプラスミドpBL67(参考例1
と同一の方法により調製)とDNAライゲーションキッ
ト(宝酒造製)で連結し、以下実施例1と同一の方法に
よりエリスロマイシンおよびクロラムフェニコールに耐
性を有し、テトラサイクリンに感受性を有する大腸菌か
らプラスミドベクターpC10を得た。 実施例4 実施例1と同一の方法により得たプラスミドpSA3を
制限酵素EcoRVで消化し、脱リン酸化し、別に制限
酵素EcoRVで消化したプラスミドpBL67(参考
例1と同一の方法により調製)とDNAライゲーション
キット(宝酒造製)で連結し、以下実施例1と同一の方
法によりエリスロマイシンおよびテトラサイクリンに耐
性を有し、クロラムフェニコールに感受性を有する大腸
菌からプラスミドベクターPD10を得た。 実施例5 実施例1と同一の方法により得たプラスミドpSA3を
制限酵素KpnIで消化し、脱リン酸化し、別に制限酵
素KpnIで消化したプラスミドpBL67(参考例1
と同一の方法により調製)とDNAライゲーションキッ
ト(宝酒造製)で連結し、以下実施例1と同一の方法に
よりエリスロマイシン、テトラサイクリンおよびクロラ
ムフェニコールに耐性を有する大腸菌からプラスミドベ
クターpL10を得た。 実施例6 プラスミドpVA838を保有する大腸菌(ATCC3
7160)から実施例1と同一のアルカリーSDS法に
よりプラスミドpVA838を調製した。このプラスミ
ドpVA838を制限酵素EcoRIで消化し、TE液
飽和フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコール
混液、およびエタノールで処理し、開裂プラスミドを含
むTE液を調製した。この開裂プラスミドpVA838
を実施例1と同一の方法により牛腸由来のアルカリフォ
スファターゼ(宝酒造社製)で脱リン酸化し、TE液飽
和フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコール混
液、およびエタノールで処理し、脱リン酸化pVA83
8を精製した。この脱リン酸化pVA838と別に制限
酵素EcoRIで消化したプラスミドpBL67(参考
例2と同一の方法により調製)を実施例1と同一の方法
によりDNAライゲーションキット(宝酒造製)で連結
し、塩化カルシウム法により大腸菌HB101のコンピ
テントセル(宝酒造製)に導入し、形質転換した。形質
転換大腸菌を薬剤添加培地で培養し、エリスロマイシン
およびテトラサイクリンに耐性を有し、クロラムフェニ
コールに感受性を有するコロニーを分離した。この形質
転換大腸菌から実施例1と同一のアルカリ−SDS法に
よりプラスミドベクターpN20を得た。 実施例7 実施例6と同一の方法により得たプラスミドpVA83
8を制限酵素BamHIで消化し、脱リン酸化し、別に
制限酵素BamHIで消化したプラスミドpBL67
(参考例2と同一の方法により調製)とDNAライゲー
ションキット(宝酒造製)で連結し、以下実施例6と同
一の方法によりエリスロマイシンおよびクロラムフェニ
コールに耐性を有し、テトラサイクリンに感受性を有す
る大腸菌からプラスミドベクターpM10を得た。 実施例8 実施例6と同一の方法により得たプラスミドpVA83
8を制限酵素EcoRVで消化し、脱リン酸化し、別に
制限酵素EcoRVで消化したプラスミドPBL67
(参考例2と同一の方法により調製)とDNAライゲー
ションキット(宝酒造製)で連結し、以下実施例6と同
一の方法によりエリスロマイシンおよびテトラサイクリ
ンに耐性を有し、クロラムフェニコールに感受性を有す
る大腸菌からプラスミドベクターpX10を得た。 実施例9 実施例6と同一の方法により得たプラスミドpVA83
8を制限酵素AvaIで部分消化し、脱リン酸化し、別
に制限酵素AvaIで消化したプラスミドpBL67
(参考例2と同一の方法により調製)とDNAライゲー
ションキット(宝酒造製)で連結し、以下実施例6と同
一の方法によりエリスロマイシンおよびクロラムフェニ
コールに耐性を有し、テトラサイクリンに感受性を有す
る大腸菌からプラスミドベクターpO36を得た。 実施例10 プラスミドpHY300PLK(宝酒造製)を制限酵素
EcoRIで消化し、TE液飽和フェノールとクロロホ
ルム−イソアミルアルコール混液、およびエタノールで
処理し、開裂プラスミドを含むTE液を調製した。この
開裂プラスミドPHY300PLKを実施例1と同一の
方法により牛腸由来のアルカリフォスファターゼ(宝酒
造社製)で脱リン酸化し、TE液飽和フェノールとクロ
ロホルム−イソアミルアルコール混液、およびエタノー
ルで処理し、脱リン酸化pHY300PLKを精製し
た。この脱リン酸化pHY300PLKと別に制限酵素
EcoRIで消化したプラスミドpBL67(参考例2
と同一の方法により調製)を実施例1と同一の方法によ
りDNAライゲーションキット(宝酒造製)で連結し、
塩化カルシウム法により大腸菌HB101のコンピテン
トセル(宝酒造製)に導入し、形質転換した。形質転換
した大腸菌を薬剤添加培地で培養し、アンピシリンおよ
びテトラサイクリンに耐性を有するコロニーを分離し
た。この形質転換した大腸菌から実施例1と同一のアル
カリ−SDS法によりプラスミドベクターpA3を得
た。 実施例11 実施例10と同一の方法により得たプラスミドpHY3
00PLKを制限酵素BamHIで消化し、脱リン酸化
し、別に制限酵素BamHIで消化したプラスミドpB
L67(参考例2と同一の方法により調製)とDNAラ
イゲーションキット(宝酒造製)で連結し、以下実施例
10と同一の方法によりアンピシリンおよびテトラサイ
クリンに耐性を有する大腸菌からプラスミドベクターp
111を得た。 実施例12 ストレプトコッカス・フェカリスDS−5(ATCC1
4508)を用いた以外は参考例1と同一の方法により
ストレプトコッカス・フェカリスDS−5からプラスミ
ドpAMβ1を含むDNAを調製し、このDNAを制限
酵素AvaIおよびHindIIIで消化し、TE液飽和
フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコール混
液、およびエタノールで処理し、DNA断片を含むTE
液を調製した。一方、大腸菌のプラスミドPBR322
(宝酒造製)を制限酵素AvaIおよびHindIIIで
消化し、実施例1と同一の方法により牛腸由来のアルカ
リフォスファターゼ(宝酒造社製)で脱リン酸化し、T
E液飽和フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコ
ール混液、およびエタノールで処理し、脱リン酸化pB
R322断片を精製した。次に、実施例1と同一の方法
により、上記のpAMβ1のDNA断片と脱リン酸化p
BR322断片とをDNAライゲーションキット(宝酒
造製)で連結し、塩化カルシウム法により大腸菌HB1
01のコンピテントセル(宝酒造製)に導入し、形質転
換した。形質転換大腸菌を薬剤添加培地で培養し、エリ
スロマイシンおよびアンピシリンに耐性を有し、テトラ
サイクリンに感受性を有するコロニーを分離した。この
形質転換大腸菌から実施例1と同一のアルカリ−SDS
法によりプラスミドpE38を得た。次にプラスミドp
E38を制限酵素AvaIで消化し、脱リン酸化し、別
に制限酵素AvaIで消化したプラスミドpBL67
(参考例1と同一の方法により調製)とDNAライゲー
ションキット(宝酒造製)で連結し、再度塩化カルシウ
ム法により大腸菌HB101のコンピテントセル(宝酒
造製)に導入し、形質転換した。形質転換した大腸菌を
薬剤添加培地で培養し、エリスロマイシンおよびアンピ
シリンに耐性を有する大腸菌からプラスミドベクターp
laを得た。 実施例13 実施例12と同一の方法により得たプラスミドpE38
を制限酵素EcoRIで消化し、脱リン酸化し、別に制
限酵素EcoRIで消化したプラスミドpBL67(参
考例1と同一の方法により調製)とDNAライゲーショ
ンキット(宝酒造製)で連結した後、以下実施例12と
同一の方法によりエリスロマイシンおよびアンピシリン
に耐性を有し、大腸菌からプラスミドベクターpK2を
得た。 実施例14 実施例12と同一の方法により得たプラスミドpE38
を制限酵素PstIで消化し、脱リン酸化し、別に制限
酵素PstIで消化したプラスミドpBL78(参考例
3と同一の方法により調製)とDNAライゲーションキ
ット(宝酒造製)で連結し、以下実施例12と同一の方
法によりエリスロマイシンに耐性を有し、アンピシリン
に感受性を有する大腸菌からプラスミドベクターpV4
を得た。 実施例15 実施例6と同一の方法で調製したプラスミドpVA83
8を制限酵素AvaIおよびHindIIIで消化し、T
E液飽和フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコ
ール混液、およびエタノールで処理し、DNA断片を含
むTE液を調製した。このプラスミドpVA838のD
NA断片と実施例12と同一の方法で調製した脱リン酸
化pBR322断片をDNAライゲーションキット(宝
酒造製)で連結し、塩化カルシウム法により大腸菌HB
101のコンピテントセル(宝酒造製)に導入し、形質
転換した。形質転換した大腸菌を薬剤添加培地で培養
し、エリスロマイシンおよびアンピシリンに耐性を有
し、テトラサイクリンおよびクロラムフェニコールに感
受性を有するコロニーを分離した。この形質転換した大
腸菌から実施例1と同一のアルカリ−SDS法によりプ
ラスミドpP41を得た。
【0041】次に、得られたプラスミドpP41を制限
酵素EcoRIで消化し、脱リン酸化し、別に制限酵素
EcoRIで消化したプラスミドpBL67(参考例1
と同一の方法により調製)とDNAライゲーションキッ
ト(宝酒造)で連結し、以下上記と同一の方法により形
質転換したエリスロマイシンおよびアンピシリンに耐性
を有する大腸菌からプラスミドベクターpU2を得た。 実施例16 実施例15と同一の方法により得たプラスミドpP41
を制限酵素AvaIで消化し、脱リン酸化し、別に制限
酵素AvaIで消化したプラスミドpBL67(参考例
1と同一の方法により調製)とDNAライゲーションキ
ット(宝酒造製)で連結し、以下実施例15と同一の方
法によりエリスロマイシンおよびアンピシリンに耐性を
有する大腸菌からプラスミドベクターpT4を得た。 実施例17 実施例15と同一の方法により得たプラスミドpP41
を制限酵素PstIで消化し、脱リン酸化し、別に制限
酵素PstIで消化したプラスミドpBL78(参考例
3と同一の方法により調製)とDNAライゲーションキ
ット(宝酒造製)で連結し、以下実施例15と同一の方
法によりエリスロマイシンに耐性を有し、アンピシリン
に感受性を有する大腸菌からプラスミドベクターpW3
4を得た。 実施例18 実施例1と同一の方法で調製したプラスミドpSA3を
制限酵素HindIIIで消化したDNA溶液を、アガロ
ースゲル電気泳動にかけ約5kbのDNA断片をゲルから
回収した。このDNAをDNAライゲーションキット
(宝酒造製)で再連結し、塩化カルシウム法により大腸
菌HB101のコンピテントセル(宝酒造製)に導入
し、形質転換した。形質転換した大腸菌を薬剤添加培地
で培養し、エリスロマイシンおよびクロラムフェニコー
ルに耐性を有し、テトラサイクリンに感受性を有するコ
ロニーを分離した。この形質転換した大腸菌から実施例
1と同一のアルカリ−SDS法によりプラスミドpSA
H1を得た。
【0042】次に、プラスミドpSAH1を制限酵素E
coRIで消化し、脱リン酸化し、別に制限酵素Eco
RIで消化したプラスミドpBL67(参考例2と同一
の方法により調製)とDNAライゲーションキット(宝
酒造製)で連結し、以下上記と同一の方法によりエリス
ロマイシンに耐性を有し、クロラムフェニコールに感受
性を有する大腸菌からプラスミドベクターpS10を得
た。 実施例19 実施例18と同一の方法により得たプラスミドpSAH
1を制限酵素AvaIで消化し、脱リン酸化し、別に制
限酵素AvaIで消化したプラスミドpBL67(参考
例2と同一の方法により調製)とDNAライゲーション
キット(宝酒造製)で連結し、以下実施例18と同一の
方法によりエリスロマイシンおよびクロラムフェニコー
ルに耐性を有する大腸菌からプラスミドベクターpR1
を得た。
【0043】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って次のような効果が奏せられる。 (1) この発明のプラスミドベクターはいずれも大腸
菌で容易に得られ、また大腸菌を宿主とする遺伝子操作
技術により外来遺伝子の挿入が可能である。 (2) 第一の発明のプラスミドベクターは大腸菌、枯
草菌、乳酸菌およびビフィドバクテリウム属に属する微
生物のシャトルベクターとして好適である。 (3) 第二の発明のプラスミドベクターは、大腸菌お
よびビフィドバクテリウム属に属する微生物のシャトル
ベクターとして好適である。 (4) プラスミドpBL67は異なったビフィドバク
テリウム・ロンガムのMO9101株およびMO910
2株から分離された同一のプラズミドであることから、
ビフィドバクテリウム・ロンガムに共通なDNA塩基配
列を含んでおり、ビフィドバクテリウム・ロンガム検出
のためのDNAプローブの開発にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いるビフィドバクテリウム・ロン
ガム由来のプラスミドpBL67の制限酵素認識部位を
示したプラスミド模式図である。
【図2】この発明に用いるビフィドバクテリウム・ロン
ガム由来のプラスミドpBL78の制限酵素認識部位を
示したプラスミド模式図である。
【図3】この発明に用いる複合プラスミドpSA3の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図4】この発明のプラスミドベクターp112の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工程
図である。
【図5】この発明のプラスミドベクターpB10の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図6】この発明のプラスミドベクターpC10の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図7】この発明のプラスミドベクターpD10の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図8】この発明のプラスミドベクターpL10の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図9】この発明に用いる複合プラスミドpVA838
の制限酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図10】この発明のプラスミドベクターpN20の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工
程図である。
【図11】この発明のプラスミドベクターpM10の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図12】この発明のプラスミドベクターpX10の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図13】この発明のプラスミドベクターpO36の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図14】この発明に用いる複合プラスミドpHY30
0PLKの制限酵素認識部位を示したプラスミド模式図
である。
【図15】この発明のプラスミドベクターpA3の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工程
図である。
【図16】この発明のプラスミドベクターp111の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工
程図である。
【図17】この発明に用いる大腸菌のプラスミドpE3
8の作成工程図である。
【図18】この発明に用いる大腸菌のプラスミドpP4
1の作成工程図である。
【図19】この発明に用いる大腸菌のプラスミドpSA
H1の作成工程図である。
【図20】この発明のプラスミドベクターpIaの制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工程
図である。
【図21】この発明のプラスミドベクターpK2の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工程
図である。
【図22】この発明のプラスミドベクターpV4の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図23】この発明のプラスミドベクターpW34の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工
程図である。
【図24】この発明のプラスミドベクターpU2の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図25】この発明のプラスミドベクターpT4の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図である。
【図26】この発明のプラスミドベクターpS10の制
限酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工
程図である。
【図27】この発明のプラスミドベクターpR1の制限
酵素認識部位を示したプラスミド模式図とその作成工程
図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】a)形態:円形(circular) b)隆起:凸状(convex) c)周縁:円滑(entire) d)大きさ(直径):1〜3mm e)色調:褐色不透明 i)表面:円滑で光沢あり 2.生理学的性質 (1)ガスを産生せず (2)15℃で発育せず (3)運動性なし (4)好気的条件で発育せず (5)ブドウ糖からの主発酵生成物は、乳酸および酢酸
である (6)糖からの酸生成 1)MO9101株の糖からの酸生成 アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マ
ンノース、フラクトース、ガラクトース、スクロース、
マルトース、ラクトース、メリビオースおよびラフィノ
ースは陽性、ラムノース、セロビオース、トレハロー
ス、メレチトース、デキストリン、スターチ、グリコー
ゲン、イヌリン、マンニトール、ソルビトール、イノシ
トール、エスクリン、サリシン、アミグダリン、α−メ
チルグルコシドおよびグルコン酸塩は陰性、 2)MO9102株の糖からの酸生成 アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マ
ンノース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラ
クトース、メリビオースおよびラフィノースは陽性、ラ
ムノース、セロビオース、トレハロース、メレチトー
ス、デキストリン、スターチ、グリコーゲン、イヌリ
ン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、エス
クリン、サリシン、アミグダリンおよびグルコン酸塩は
陰性、フラクトースは遅れて陽性、α−メチルグルコシ
ドは遅れて微陽性 3)MO9103株の糖からの酸生成 アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マ
ンノース、フラクトース、ガラクトース、スクロース、
マルトース、ラクトース、メリビオース、およびラフィ
ノースは陽性、ラムノース、セロビオース、トレハロー
ス、メレチトース、スターチ、グリコーゲン、イヌリ
ン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、エス
クリン、サリシン、アミグダリン、α−メチルグルコシ
ドおよびグルコン酸塩は陰性、デキストリンは遅れて弱
陽性 (7)インドールを産生せず (8)硫化水素を産生せず (9)硝酸塩を還元せず (10)カタラーゼ陰性(11)テトラサイクリン耐性 MO9101株およびMO9102株は、両菌株とも、
テトラサイクリンに対して耐性を示さない。一方、MO
9103株は、テトラサイクリン耐性を有し、テトラサ
イクリン20μg/ml含有のGAM寒天平板培地で生育
する。 (12) プラスミドの特性 MO9101株およびM09102株は、両菌株とも、
約3.7kbの塩基からなる同一のプラスミドpBL67た
だ一種を保持している。一方、MO9103株は、約8.
5kbの塩基からなるプラスミドpBL78ただ一種を保
持している。これらのプラスミドpBL67およびpB
L78は、図1および図2に各々のプラスミド模式図を
示したように、多数の制限酵素認識部位を有している
(試験例1を参照)。(13) ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC157
07に対して70%以上のDNA相同性 以上の菌学的性質から、本菌は公知のビフィドバクテリ
ウム・ロンガムに属する微生物であるが、本菌のプラス
ミドの特性は、プラスミドを保有しないビフィドバクテ
リウム・ロンガムATCC15707(この菌株は、Th
e American Type Culture Collectionに第15707号とし
て寄託されているビフィドバクテリウム・ロンガムの基
準株である。以下、この寄託機関をATCCと略記し、
ここに寄託されている菌株をATCC15707のよう
に記載する)、ATCC15708、および公知の菌株
(特公昭47-29995号公報に記載された微工研菌寄第1324
号、特公昭59-53829号公報に記載された微工研菌寄第65
48号)、プラスミドを保有する公知の菌株(特開昭63-1
23384号公報に記載された微工研菌寄第9049号、微工研
菌寄第9050号)とは次のように全く異なっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】なお、プラスミドpTB4,pTB6およ
びpTB10の塩基数は、同公開公報第1図〜第3図に
おいてプラスミドpBR322の塩基数を4.4kbとして
算出したものである。また、本菌のうち、特にMO91
03株は上記の通りテトラサイクリン耐性を有するが、
ビフィドバクテリウム・ロンガムにおけるこのようなテ
トラサイクリン耐性株の存在は、これまでにも一般的記
載としては知られていた。しかしながら、そのような菌
株の菌学的性質および耐性を示すテトラサイクリンの濃
度等について具体的に記載した先行文献は存在しない。
この発明の発明者等によるGAM寒天平板培地を用いた
実験からは、従来知られているビフィドバクテリウム・
ロンガム株は、テトラサイクリンの濃度が1μg/ml以
下でなければ生育できないことが確認されている。従っ
て、本菌のMO9103株は、そのテトラサイクリン耐
性により、従来公知の菌株とは全く別個の菌株である。
この発明において、制限酵素認識部位を多数有するビフ
ィドバクテリウム・ロンガムに属する微生物のプラスミ
ドを用いた理由は、 (a)多数の制限酵素で消化できるので、種々のDNA
断片が得られること (b)他の外来DNAと種々の結合が可能であること (c)上記(a)および(b)の結果として広宿主で発
現できるプラスミドベクターが得られること によるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01 1:19 1:46) (C12N 1/21 C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:125) (C12N 15/74 C12R 1:01 1:19 1:46) (72)発明者 松熊 宏幸 神奈川県座間市緑ケ丘6−21−18 緑ケ丘 パークハイツ101 (72)発明者 寺口 進 東京都町田市成瀬2656−4 (72)発明者 八重島 智子 神奈川県海老名市柏ケ谷1145 ソレイユ海 老名204

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストレプトコッカス属に属する微生物由
    来のプラスミドと大腸菌由来のプラスミドとを結合させ
    た複合プラスミドと、新規なビフィドバクテリウム・ロ
    ンガムに属する微生物に由来し、ただ一種類のプラスミ
    ドのみを含み、多数の制限酵素認識部位を有し、かつプ
    ラスミドの収量が高い新規なプラスミドとを結合してな
    るプラスミドベクター。
  2. 【請求項2】 ストレプトコッカス属に属する微生物由
    来のエリスロマイシン耐性遺伝子を保有する大腸菌のプ
    ラスミドと、新規なビフィドバクテリウム・ロンガムに
    属する微生物に由来し、ただ一種類のプラスミドのみを
    含み、多数の制限酵素認識部位を有し、かつプラスミド
    の収量が高い新規なプラスミドとを結合してなるプラス
    ミドベクター。
  3. 【請求項3】 ビフィドバクテリウム・ロンガムに属す
    る微生物が、ビフィドバクテリウム・ロンガムMO91
    01(微工研菌寄第12167号)、ビフィドバクテリウム
    ・ロンガムMO9102(微工研菌寄第12168号)、ビ
    フィドバクテリウム・ロンガムMO9103(微工研菌
    寄第12169号)、およびこれらの混合菌株からなる群よ
    り選択される請求項1または2記載のプラスミドベクタ
    ー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100676296B1 (ko) * 2005-06-25 2007-01-30 씨제이 주식회사 락토바실러스 속 미생물용 벡터, 그를 포함하는 숙주 세포및 그를 이용하여 외래 폴리뉴클레오티드를 락토바실러스속 미생물의 염색체에 삽입하는 방법
JPWO2006057289A1 (ja) * 2004-11-24 2008-06-05 株式会社アネロファーマ・サイエンス 新規シャトルベクター
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