JPH0512959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、電磁誘導作用で調理用の鍋を加熱す
る電磁調理器に関する。

＜従来の技術＞ この種の電磁調理器としては、本体ケースが上
ケースと下ケースに分かれた構造となつており、
内部に設けられている加熱コイルの上面を、上ケ
ースに装着されたトツププレートで覆つたものが
一般的である。トツププレートを上ケースに装着
する部分の構造は、上ケース上面に装着用の凹部
を形成して、ここに、トツププレートを収納して
上ケースを接合し、この接合部の保護と外観向上
等のために、接合部を覆う覆い枠を装着する構造
となつている。また、上下両ケースの結合は、上
ケースあるいは上下両ケースに結合用ボスを形成
し、この結合用ボスを利用してねじ止めすること
によつて行なわれる構造のものが多い。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかし、上ケースに結合用ボスを設けた場合、
その部分の表面には成形のひけが生じやすく、外
観上好ましくない。そこで、覆い枠で覆われる部
分の内面に結合用ボスを設けることもあるが、こ
の場合には、落下等の衝撃が加わつた時にボスが
突き上げられ、トツププレートに割れが生ずるこ
とがあり、何れにしても改善の余地があつた。

本考案は、この点に着目し、外部から見える部
分にひけが生ずることがなく、しかもトツププレ
ートに衝撃が加わらない位置に結合用ボスを設け
ることを課題としてなされたものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記の課題達成のため、本考案の電磁調理器
は、正多角形状のトツププレートを上ケースに形
成された正多角形状の装着用凹部に収納して相互
接合し、正多角形状のトツププレートの外周部を
リング状の覆い枠で覆つており、この覆い枠の外
周とトツププレートの辺の中央部分との間に位置
するように、上ケースと下ケースの結合用ボスを
形成している。

＜作用＞ 覆い枠の外周とトツププレートの辺の中央部分
との間には、覆い枠のふくらみによつてかなりの
スペースが生じており、この部分は、覆い枠に覆
われていて外部からは見えない。従つて、この部
分に位置するように結合用ボスを設ければ、成形
時のひけが生じても外観には影響がなく、しか
も、結合用ボスが突き上げられるような衝撃が加
わることがあつても、この衝撃がトツププレート
に直接加えられることはなく、トツププレートへ
の衝撃が緩和され、割れるような事故が防止され
る。

＜実施例＞ 以下、図示の一実施例について説明する。

この実施例は、外形形状を丸形とした製品の場
合の一例を示すものであり、１は、上ケース１ａ
と下ケース１ｂとからなる丸形の本体ケース、２
は、上ケース１ａの中央に形成された丸穴、３
は、上ケース１ａの上面に突設された外周が丸形
となつた凸部である。４は外周部４ａの形状が正
八角形となつているトツププレート、５は、リン
グ状の断面が浅い逆Ｕ字状となつた覆い枠であ
る。上ケース１ａの凸部３には、トツププレート
４の外形に対応した正八角形の装着用凹部６が凹
設されている。トツププレート４はこの装着用凹
部６に収納され、更に、覆い枠５を凸部３に装着
して凸部とトツププレート４の外周部４ａと覆つ
ており、トツププレート４の外周部４ａの部分と
覆い枠５とは、接着剤により、上ケース１ａに接
着されている。

７及び８は、夫々、上ケース１ａと下ケース１
ｂの内面に上下方向に形成された結合用ボスであ
り、この結合用ボス７，８を互いに突き合わせて
ねじ止めすることにより、上ケース１ａと下ケー
ス１ｂは一体的に結合される。これらの結合用ボ
ス７，８は、第３図に示すように、トツププレー
ト４の外周部４ａに沿つて複数個形成されている
が、その位置は、覆い枠５の外周より内側で、且
つトツププレート４の外周部４ａを形成する直線
状の辺の中央部分の外側となつている。９は、本
体ケース内に設けられている加熱コイルである
が、他の部品は、図示を省略してある。

実施例は、上記の様な構造であつて、トツププ
レート４が多角形、覆い枠５の外周が丸形である
ことを利用し、覆い枠５のふくらみによつて生ず
るスペースの部分に結合用ボス７を位置させてい
る。従つて、この部分に成形時のひけが生じても
外からは見えず、また結合用ボス７が突き上げら
れるような衝撃が加わつても、その衝撃がトツプ
プレートにそのまま加わることがない。又、トツ
ププレート４が正八角形であつて丸形でないた
め、製造時の加工が容易となり、しかもリング状
の覆い枠５を装着してあるので、外観的には丸形
トツププレートを用いた場合と変わらず、丸形の
製品としての外観が損なわれることもない。

尚、この実施例では、正八角形のトツププレー
ト４を用いているが、トツププレート４は、他の
正八角形であつてもよい。ただし、辺数が多いと
覆い枠５のふくらみによつて生ずるスペースが小
さくなり、辺数が少ないと、覆い枠５の幅を広く
しなければならなくなるので、これらのバランス
を考慮して辺数を設定する必要がある。又、実施
例はトツププレートが１個の丸形製品の場合であ
るが、本考案は、丸形製品に限らず、例えばトツ
ププレートを２個並設した角形製品の各トツププ
レート部分に実施することもできる。

＜考案の効果＞ 以上述べたように、本考案は、正多角形のトツ
ププレートの外周をリング状の覆い枠で覆い、こ
の覆い枠で覆われる部分でしかもトツププレート
の外周部より外側に位置するように、上下両ケー
スを結合する結合用ボスを設けたものである。従
つて、上ケースの表面に成形のひけが生じても外
観が損なわれることはなく、また落下時の衝撃で
結合用ボスが突き上げられてトツププレートが割
れるような事故を防ぐ事ができる等の効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示すもので、第１
図は、要部の分解斜視図、第２図は、外観斜視
図、第３図は、平面図、第４図は、第３図のＡ−
Ａ断面図である。 １……本体ケース、１ａ……上ケース、１ｂ…
…下ケース、４……トツププレート、４ａ……外
周部、５……覆い枠、６……装着用凹部、７，８
……結合用ボス、９……加熱コイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相互に結合される上ケースと下ケースからなる
   本体ケースの内部に加熱コイルを備え、上ケース
   の上面にトツププレートを装着してなる電磁調理
   器において、トツププレートを正多角形状とし、
   このトツププレートを上ケースに形成された正多
   角形状の装着用凹部に収納して相互に接合し、ト
   ツププレートの外周部にリング状の覆い枠を装着
   するとともに、上ケースと下ケースを結合するた
   めの一方の結合用ボスを、上記覆い枠の外周とト
   ツププレートの辺の中央部分との間の上ケース裏
   面に突設し、該結合用ボスと接合する他方の結合
   用ボスを該上ケースと対向した下ケースの上面に
   突設したことを特徴とする電磁調理器。