JPH05129122A - 磁性体 - Google Patents
磁性体Info
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- JPH05129122A JPH05129122A JP3284997A JP28499791A JPH05129122A JP H05129122 A JPH05129122 A JP H05129122A JP 3284997 A JP3284997 A JP 3284997A JP 28499791 A JP28499791 A JP 28499791A JP H05129122 A JPH05129122 A JP H05129122A
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/0036—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
- H01F1/0045—Zero dimensional, e.g. nanoparticles, soft nanoparticles for medical/biological use
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- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】まったく新規な材料からなり、軽くて加工性に
優れた磁性体を提供する。 【構成】気相よりフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の少なく
とも1種の元素がドープされ、CnXm(ただしnは6
0、70、76、84等より選ばれた数であり、mは1
からnまでの整数である。また、Xはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素の少なくとも1種類を表す。)で示される球
状炭素よりなる磁性体。
優れた磁性体を提供する。 【構成】気相よりフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の少なく
とも1種の元素がドープされ、CnXm(ただしnは6
0、70、76、84等より選ばれた数であり、mは1
からnまでの整数である。また、Xはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素の少なくとも1種類を表す。)で示される球
状炭素よりなる磁性体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラーレンと称される
炭素材料からなる球状化合物より誘導される磁性体に関
するものであり、有機材料でありながら強磁性を発現す
るまったく新規な磁性体に関するものである。
炭素材料からなる球状化合物より誘導される磁性体に関
するものであり、有機材料でありながら強磁性を発現す
るまったく新規な磁性体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁性体は、磁気記録の分野においてはも
ちろんのこと、電子写真におけるトナー用磁性材料やシ
ールド材としての磁性流体等に代表されるように、各方
面で広く用いられており、その用途はさらに拡大される
ものと期待される。
ちろんのこと、電子写真におけるトナー用磁性材料やシ
ールド材としての磁性流体等に代表されるように、各方
面で広く用いられており、その用途はさらに拡大される
ものと期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまで磁
性体といえば、ほとんどが酸化物系材料(たとえば、フ
ェライトや磁気記録媒体の磁性粉末として多用されてい
るγ−Fe2 03 等)、あるいは金属系材料(Fe、C
o、Niやこれらの合金等)であり、いずれも重量が大
であること、非常に硬度が高く加工性に乏しいこと等が
欠点として指摘されている。
性体といえば、ほとんどが酸化物系材料(たとえば、フ
ェライトや磁気記録媒体の磁性粉末として多用されてい
るγ−Fe2 03 等)、あるいは金属系材料(Fe、C
o、Niやこれらの合金等)であり、いずれも重量が大
であること、非常に硬度が高く加工性に乏しいこと等が
欠点として指摘されている。
【0004】これらの欠点は、前述の各分野においてそ
の進展の妨げになるばかりか、他方で磁性体の用途に大
きな制約を加えることにもなっている。したがって、軽
くて、しかも加工性に優れた磁性体の出現が待たれると
ころである。本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案
されたものであって、まったく新規な材料からなり、軽
くて加工性に優れた磁性体を提供することを目的とす
る。
の進展の妨げになるばかりか、他方で磁性体の用途に大
きな制約を加えることにもなっている。したがって、軽
くて、しかも加工性に優れた磁性体の出現が待たれると
ころである。本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案
されたものであって、まったく新規な材料からなり、軽
くて加工性に優れた磁性体を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成せんものと長期に亘り鋭意研究を重ね、特に特異な
分子構造と電子構造を有するフラーレン類の磁性材料へ
の応用について幾多の検討を行ってきた。その結果、球
状炭素に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の少なくとも1
種を導入すると、これが磁性を有することを見出した。
達成せんものと長期に亘り鋭意研究を重ね、特に特異な
分子構造と電子構造を有するフラーレン類の磁性材料へ
の応用について幾多の検討を行ってきた。その結果、球
状炭素に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の少なくとも1
種を導入すると、これが磁性を有することを見出した。
【0006】本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものである。すなわち、本発明の磁性体は、気相によ
りフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の少なくとも1種の元素
がドープされたCnXm(ただし、nは60、70、7
6、84等より選ばれた数であり、mは1からnまでの
整数である。また、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
少なくとも1種を表す。)で示される球状炭素よりなる
ことを特徴とする。更に、本発明の磁性体は、上述の球
状炭素粒子が高分子材料に分散されてなることを特徴と
するものである。
たものである。すなわち、本発明の磁性体は、気相によ
りフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の少なくとも1種の元素
がドープされたCnXm(ただし、nは60、70、7
6、84等より選ばれた数であり、mは1からnまでの
整数である。また、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
少なくとも1種を表す。)で示される球状炭素よりなる
ことを特徴とする。更に、本発明の磁性体は、上述の球
状炭素粒子が高分子材料に分散されてなることを特徴と
するものである。
【0007】60個、70個、76個、あるいは84個
等の炭素原子が球状に結合してクラスター(分子集合
体)を構成してなる球状炭素は、フラーレン類と称さ
れ、それぞれ、C60、C70、C76、C84で表される。た
とえば、C60は、正二十面体の頂点をすべて切り落とし
て正五角形を出した“切頭二十面体”と呼ばれる多面体
構造を有し、図1に示すように、この多面体の60個の
頂点をすべて炭素原子Cで置換した炭素クラスターであ
り、公式サッカーボール型の分子構造を有する。同様
に、C70、C76、C84等もいわばラグビーボール型の分
子構造を有する。
等の炭素原子が球状に結合してクラスター(分子集合
体)を構成してなる球状炭素は、フラーレン類と称さ
れ、それぞれ、C60、C70、C76、C84で表される。た
とえば、C60は、正二十面体の頂点をすべて切り落とし
て正五角形を出した“切頭二十面体”と呼ばれる多面体
構造を有し、図1に示すように、この多面体の60個の
頂点をすべて炭素原子Cで置換した炭素クラスターであ
り、公式サッカーボール型の分子構造を有する。同様
に、C70、C76、C84等もいわばラグビーボール型の分
子構造を有する。
【0008】前記球状炭素は、そのままでは磁性を示さ
ず、磁性材料へ応用するためには、球状炭素にスピンを
持たせ、いわゆる磁性体化する必要がある。一般に、何
らかの化合物を磁性体化するためには不対電子スピンを
持たせなければならず、そのための手法としては、電子
を1個入れるか引き抜いて、π型のアニオンラジカルま
たはカチオンラジカルとする方法が考えられる。もうひ
とつの方法は、球状炭素にフッ素、臭素、塩素、ヨウ素
等のハロゲン、あるいは水素原子を導入する方法であ
る。
ず、磁性材料へ応用するためには、球状炭素にスピンを
持たせ、いわゆる磁性体化する必要がある。一般に、何
らかの化合物を磁性体化するためには不対電子スピンを
持たせなければならず、そのための手法としては、電子
を1個入れるか引き抜いて、π型のアニオンラジカルま
たはカチオンラジカルとする方法が考えられる。もうひ
とつの方法は、球状炭素にフッ素、臭素、塩素、ヨウ素
等のハロゲン、あるいは水素原子を導入する方法であ
る。
【0009】ここで、たとえばπ電子を有する化合物に
電子を1個入れる方法としては、電子供与性の強いアル
カリ金属等で還元する方法が採られるが、この場合には
完全に脱水、脱酸素した溶媒と純度の高いアルカリ金属
が必要であり、これを得るための操作が煩雑であるとい
う欠点がある。また、これによって得られるアニオンラ
ジカルと呼ばれる化学種は、非常に不安定であって、高
真空下でしか存在できない。
電子を1個入れる方法としては、電子供与性の強いアル
カリ金属等で還元する方法が採られるが、この場合には
完全に脱水、脱酸素した溶媒と純度の高いアルカリ金属
が必要であり、これを得るための操作が煩雑であるとい
う欠点がある。また、これによって得られるアニオンラ
ジカルと呼ばれる化学種は、非常に不安定であって、高
真空下でしか存在できない。
【0010】そこで、本発明においては、気相より上記
球状炭素にフッ素、臭素、塩素、ヨウ素を導入し、磁性
体化する。具体的には、上述の球状炭素をヨウ素、臭
素、塩素ガス、フッ素ガス等と共に密栓して静置する
か、樹脂を溶媒に溶解させて粘稠溶液を得、これに上述
の球状炭素を任意の割合で超音波照射法等によって分散
させ、乾燥後に得られたフイルムをヨウ素、臭素、塩素
ガス、フッ素ガス等と共に密栓して暗所に静置するだけ
でよい。もちろん、必要に応じて加熱あるいは光照射等
を行ってもよい。
球状炭素にフッ素、臭素、塩素、ヨウ素を導入し、磁性
体化する。具体的には、上述の球状炭素をヨウ素、臭
素、塩素ガス、フッ素ガス等と共に密栓して静置する
か、樹脂を溶媒に溶解させて粘稠溶液を得、これに上述
の球状炭素を任意の割合で超音波照射法等によって分散
させ、乾燥後に得られたフイルムをヨウ素、臭素、塩素
ガス、フッ素ガス等と共に密栓して暗所に静置するだけ
でよい。もちろん、必要に応じて加熱あるいは光照射等
を行ってもよい。
【0011】このような簡単な操作で、球状炭素にハロ
ゲンが付加し、得られる球状炭素は常磁性体となる。
又、本発明は、上記常磁性を示す球状炭素を用いて強磁
性を得るには、単に上記球状炭素を集めて固体化すれば
よいのではなく、上記球状炭素を、非導電性材料のマト
リックス中に分散固定することにより得られることを、
新規に見いだしたことにある。そこで、本発明は、上記
球状炭素を、高分子に分散させることにより達成でき
る。ここにおける分散とは、上記炭素粒子を一個一個の
粒子オーダーでの分散、および、上記粒子の凝集体(な
お、球状炭素粒子は、hcpあるいはfccの最密充填
の分子性結晶を形成して凝集することが報告されてい
る)状態を分散単位とする分散を意味する。本発明を達
成する方法としては、上記のように、球状炭素を分散さ
せ乾燥したフイルムにハロゲンをドープする方法の他
に、あらかじめハロゲン化した上記炭素粒子を、樹脂に
分散させる方法がある。更には、水素化あるいはハロゲ
ン化前、あるいは、または、水素化あるいはハロゲン化
のある程度進んだ上記炭素粒子を、樹脂に分散させ、し
かる後に、上記炭素粒子を水素化あるいはハロゲン化す
る化学種を樹脂中の拡散等により反応にいたらしめ、上
記炭素粒子を水素化あるいはハロゲン化させる方法があ
る。
ゲンが付加し、得られる球状炭素は常磁性体となる。
又、本発明は、上記常磁性を示す球状炭素を用いて強磁
性を得るには、単に上記球状炭素を集めて固体化すれば
よいのではなく、上記球状炭素を、非導電性材料のマト
リックス中に分散固定することにより得られることを、
新規に見いだしたことにある。そこで、本発明は、上記
球状炭素を、高分子に分散させることにより達成でき
る。ここにおける分散とは、上記炭素粒子を一個一個の
粒子オーダーでの分散、および、上記粒子の凝集体(な
お、球状炭素粒子は、hcpあるいはfccの最密充填
の分子性結晶を形成して凝集することが報告されてい
る)状態を分散単位とする分散を意味する。本発明を達
成する方法としては、上記のように、球状炭素を分散さ
せ乾燥したフイルムにハロゲンをドープする方法の他
に、あらかじめハロゲン化した上記炭素粒子を、樹脂に
分散させる方法がある。更には、水素化あるいはハロゲ
ン化前、あるいは、または、水素化あるいはハロゲン化
のある程度進んだ上記炭素粒子を、樹脂に分散させ、し
かる後に、上記炭素粒子を水素化あるいはハロゲン化す
る化学種を樹脂中の拡散等により反応にいたらしめ、上
記炭素粒子を水素化あるいはハロゲン化させる方法があ
る。
【0012】上記のハロゲンの導入に際して用いられる
樹脂あるいはマトリックス樹脂として用いられるもの
は、特に限定されるものではないが、ポリメチルメタク
リレートのようなアクリル系樹脂、ビニル樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイ
アセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリカ
ーボネート等のプラスチック等が挙げられる。
樹脂あるいはマトリックス樹脂として用いられるもの
は、特に限定されるものではないが、ポリメチルメタク
リレートのようなアクリル系樹脂、ビニル樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイ
アセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリカ
ーボネート等のプラスチック等が挙げられる。
【0013】上記樹脂と上記炭素粒子の構成比は、上記
樹脂100重量部に対し上記炭素粒子1000重量部か
ら1重量部である。さらに、好ましくは900重量部か
ら2重量部である。上記構成比において上記炭素粒子の
構成比が、上記構成比を越えて過剰な場合は、有効な強
磁性の発現が困難となる。また、上記構成比を下回る場
合は、磁性が希薄になりすぎることによる。
樹脂100重量部に対し上記炭素粒子1000重量部か
ら1重量部である。さらに、好ましくは900重量部か
ら2重量部である。上記構成比において上記炭素粒子の
構成比が、上記構成比を越えて過剰な場合は、有効な強
磁性の発現が困難となる。また、上記構成比を下回る場
合は、磁性が希薄になりすぎることによる。
【0014】また、ハロゲン化はハロゲン元素、あるい
は、ハロゲン化合物たとえばハロゲン化塩等により行っ
てもよく、このような場合には、ハロゲン化したフラー
レンを上記樹脂中に分散させる方法あるいは上記樹脂に
分散させた後にハロゲン化する方法を採る。たとえば、
フッ化する場合には、フッ素、フッ化水素などの気体、
あるいは、LiF、LiPF6 、LiBF6 等の塩でフ
ッ化を行なうことができる。また、その他のハロゲン化
は、塩素、臭素、ヨウ素の単体の気体あるいは蒸気で行
なうことができる。
は、ハロゲン化合物たとえばハロゲン化塩等により行っ
てもよく、このような場合には、ハロゲン化したフラー
レンを上記樹脂中に分散させる方法あるいは上記樹脂に
分散させた後にハロゲン化する方法を採る。たとえば、
フッ化する場合には、フッ素、フッ化水素などの気体、
あるいは、LiF、LiPF6 、LiBF6 等の塩でフ
ッ化を行なうことができる。また、その他のハロゲン化
は、塩素、臭素、ヨウ素の単体の気体あるいは蒸気で行
なうことができる。
【0015】また、使用する溶媒も任意であるが、具体
的に例示するならば、水、ジメチルフォルムアミド、ジ
メチルスルフォキシド等の極性溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコール
モノアセテート等のエステル類、グリコールジメチルエ
ーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ
る。
的に例示するならば、水、ジメチルフォルムアミド、ジ
メチルスルフォキシド等の極性溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコール
モノアセテート等のエステル類、グリコールジメチルエ
ーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ
る。
【0016】以上によりCnXm(ただしnは60、7
0、76、84等より選ばれた数であり、mは1からn
までの整数である。またXはフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素の少なくとも1種類を表す。)で表される球状構造を
有する磁性体が得られるが、この化学種は基底スピン多
重度が2重項状態であると考えられる。したがって、か
かる磁性体の生成は、電子スピン共鳴法によって簡単に
確認することができる。
0、76、84等より選ばれた数であり、mは1からn
までの整数である。またXはフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素の少なくとも1種類を表す。)で表される球状構造を
有する磁性体が得られるが、この化学種は基底スピン多
重度が2重項状態であると考えられる。したがって、か
かる磁性体の生成は、電子スピン共鳴法によって簡単に
確認することができる。
【0017】すなわち、基底スピン多重度が2重項状態
であれば、化学種のエネルギーレベルは外部磁場の強さ
に比例してゼーマン分裂する。前記磁性体が生成してい
れば、一定周波数のマイクロ波を掃引する事で、このゼ
ーマンレベル間の遷移の電子スピン共鳴スペクトルが得
られるはずである。また、前記操作によって球状炭素に
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が導入されたことは、核磁
気共鳴スペクトルや元素分析等の手法により、容易に確
認することができる。
であれば、化学種のエネルギーレベルは外部磁場の強さ
に比例してゼーマン分裂する。前記磁性体が生成してい
れば、一定周波数のマイクロ波を掃引する事で、このゼ
ーマンレベル間の遷移の電子スピン共鳴スペクトルが得
られるはずである。また、前記操作によって球状炭素に
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が導入されたことは、核磁
気共鳴スペクトルや元素分析等の手法により、容易に確
認することができる。
【0018】本発明の磁性体は、炭素質材料と有機高分
子により構成されるため、酸化物や金属等に比べて非常
に軽く、また加工も容易である。
子により構成されるため、酸化物や金属等に比べて非常
に軽く、また加工も容易である。
【0019】
【実施例】〔実施例〕以下、本発明を具体的な実験結果
に基づいて詳細に説明するが、言うまでもなく本発明が
この実施例に限定されるものではない。典型的なポリマ
ーのひとつであるポリスチレン(〔−CH(C6 H5 )
−CH 2 −〕n )を極性溶媒であるテトラヒドロフラン
(THF)中に溶解させ粘稠溶液を得た。
に基づいて詳細に説明するが、言うまでもなく本発明が
この実施例に限定されるものではない。典型的なポリマ
ーのひとつであるポリスチレン(〔−CH(C6 H5 )
−CH 2 −〕n )を極性溶媒であるテトラヒドロフラン
(THF)中に溶解させ粘稠溶液を得た。
【0020】次いで、この溶液に対樹脂重量比10〜9
0%の球状炭素(C60)を加え、超音波を照射し、十分
によく分散させた。この溶液を真空乾燥機を用いてフイ
ルム化した後、ヨウ素と共に封管して室温下1昼夜保存
した。このようにして得られたヨウ素をドープしたフイ
ルムの一部を5mmの試料管に移し、電子スピン共鳴スペ
クトルを測定した。電子スピン共鳴スペクトルは、常温
及び液体窒素温度で測定し、g値はマンガンマーカーの
吸収線との比較から求めた。
0%の球状炭素(C60)を加え、超音波を照射し、十分
によく分散させた。この溶液を真空乾燥機を用いてフイ
ルム化した後、ヨウ素と共に封管して室温下1昼夜保存
した。このようにして得られたヨウ素をドープしたフイ
ルムの一部を5mmの試料管に移し、電子スピン共鳴スペ
クトルを測定した。電子スピン共鳴スペクトルは、常温
及び液体窒素温度で測定し、g値はマンガンマーカーの
吸収線との比較から求めた。
【0021】図2に、対樹脂重量比20%のC60を分散
させ、ヨウ素をドープしたフイルムの電子スピン共鳴ス
ペクトルを示す。C60に対するヨウ素化は確率的にはポ
アソン分布に従うものと思われるが、明らかに奇数個の
ヨウ素化は基底スピン多重度を2重項とする。偶数個の
ヨウ素化は、例えば2個のヨウ素化ではビラジカル構造
から基底スピン多重度が1重項と3重項のどちらかにな
るものと考えられるが、液体窒素温度まで冷却しても3
重項化学種は観測されず、さらにスピン多重度の高い化
学種の存在も確認されなかった。
させ、ヨウ素をドープしたフイルムの電子スピン共鳴ス
ペクトルを示す。C60に対するヨウ素化は確率的にはポ
アソン分布に従うものと思われるが、明らかに奇数個の
ヨウ素化は基底スピン多重度を2重項とする。偶数個の
ヨウ素化は、例えば2個のヨウ素化ではビラジカル構造
から基底スピン多重度が1重項と3重項のどちらかにな
るものと考えられるが、液体窒素温度まで冷却しても3
重項化学種は観測されず、さらにスピン多重度の高い化
学種の存在も確認されなかった。
【0022】したがって、電子スピン共鳴で観測された
常磁性化学種は、基底2重項のスピン多重度の化学種の
みであると考えられる。また、上記分散溶液系を乾燥し
て得た強磁性体のヒステリシス曲線(M−Hループ)を
振動型試料磁力計(VSM)を用いて、室温で測定した
ところ、図3に示すような結果が得られ、強磁性を示す
ことが確認された。この試料の飽和磁化σsの値は、
0.035emu/gであった。以上、明らかにC60に
ヨウ素化が起こり、C60誘導体の磁性体が存在すること
が確認された。
常磁性化学種は、基底2重項のスピン多重度の化学種の
みであると考えられる。また、上記分散溶液系を乾燥し
て得た強磁性体のヒステリシス曲線(M−Hループ)を
振動型試料磁力計(VSM)を用いて、室温で測定した
ところ、図3に示すような結果が得られ、強磁性を示す
ことが確認された。この試料の飽和磁化σsの値は、
0.035emu/gであった。以上、明らかにC60に
ヨウ素化が起こり、C60誘導体の磁性体が存在すること
が確認された。
【0023】〔比較例〕実施例と全く同様に、ポリスチ
レンのみ除いた系について、同様な測定を行なった。ヨ
ウ素化した球状炭素粒子は、多少線幅は広いものの、実
施例とほぼ同様な電子スピン共鳴スペクトルを示した。
しかし、このポリスチレンのないヨウ素ドープした球状
炭素のVSMを測定したが、室温での測定では、磁化が
観測できず、強磁性を見いだすことはできなかった。
レンのみ除いた系について、同様な測定を行なった。ヨ
ウ素化した球状炭素粒子は、多少線幅は広いものの、実
施例とほぼ同様な電子スピン共鳴スペクトルを示した。
しかし、このポリスチレンのないヨウ素ドープした球状
炭素のVSMを測定したが、室温での測定では、磁化が
観測できず、強磁性を見いだすことはできなかった。
【0024】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、本発明
の磁性体は、炭素質材料および高分子材料からなるまっ
たく新規な磁性体であり、これまでの酸化物系磁性体や
金属系磁性体等に比べて非常に軽く、加工性も優れたも
のである。しかも、本発明の磁性体は、これまで報告さ
れた有機系磁性体とは異なり、室温でも安定な強磁性を
示す。
の磁性体は、炭素質材料および高分子材料からなるまっ
たく新規な磁性体であり、これまでの酸化物系磁性体や
金属系磁性体等に比べて非常に軽く、加工性も優れたも
のである。しかも、本発明の磁性体は、これまで報告さ
れた有機系磁性体とは異なり、室温でも安定な強磁性を
示す。
【0025】したがって、磁気記録媒体における磁性粉
末としての利用等、あらゆる方面での応用が期待でき、
産業上の有用性は極めて大きいといえる。
末としての利用等、あらゆる方面での応用が期待でき、
産業上の有用性は極めて大きいといえる。
【図1】球状炭素C60の分子構造を示す模式図である。
【図2】C60Iが主体と考えられる球状炭素の電子スピ
ン共鳴スペクトル図である。
ン共鳴スペクトル図である。
【図3】ヨウ素が導入された球状炭素と高分子材料より
なる強磁性体のヒステリシス曲線である。
なる強磁性体のヒステリシス曲線である。
C 炭素原子
Claims (2)
- 【請求項1】 気相よりフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
少なくとも1種の元素がドープされ、CnXm(ただし
nは60、70、76、84等より選ばれた数であり、
mは1からnまでの整数である。また、Xはフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素の少なくとも1種類を表す。)で示さ
れる球状炭素よりなることを特徴とする磁性体。 - 【請求項2】 気相よりフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
少なくとも1種の元素がドープされ、CnXm(ただし
nは60、70、76、84等より選ばれた数であり、
mは1からnまでの整数である。また、Xはフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素の少なくとも1種類を表す。)で示さ
れる球状炭素粒子が高分子材料に分散されてなることを
特徴とする磁性体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3284997A JPH05129122A (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 磁性体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3284997A JPH05129122A (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 磁性体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05129122A true JPH05129122A (ja) | 1993-05-25 |
Family
ID=17685811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3284997A Pending JPH05129122A (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 磁性体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05129122A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19822333A1 (de) * | 1998-05-19 | 1999-12-02 | Lutz Kipp | Verfahren zur p-Dotierung von Fulleriten insbesondere zur Herstellung wenigstens eines Teils eines elektronischen Bauelements und ein p-dotiertes Fullerit |
JP2004231105A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Nissin Kogyo Co Ltd | カップシールおよび液圧式マスタシリンダ |
CN109629073A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-04-16 | 北京富乐喜科技有限公司 | 一种利用富勒烯制备抗菌型纤维布料的方法 |
-
1991
- 1991-10-30 JP JP3284997A patent/JPH05129122A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19822333A1 (de) * | 1998-05-19 | 1999-12-02 | Lutz Kipp | Verfahren zur p-Dotierung von Fulleriten insbesondere zur Herstellung wenigstens eines Teils eines elektronischen Bauelements und ein p-dotiertes Fullerit |
JP2004231105A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Nissin Kogyo Co Ltd | カップシールおよび液圧式マスタシリンダ |
CN109629073A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-04-16 | 北京富乐喜科技有限公司 | 一种利用富勒烯制备抗菌型纤维布料的方法 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050315 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050329 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050802 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |