JPH05123778A - 薄板の張り出し成形方法 - Google Patents

薄板の張り出し成形方法

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JPH05123778A
JPH05123778A JP3287927A JP28792791A JPH05123778A JP H05123778 A JPH05123778 A JP H05123778A JP 3287927 A JP3287927 A JP 3287927A JP 28792791 A JP28792791 A JP 28792791A JP H05123778 A JPH05123778 A JP H05123778A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 くぼみ2を有する型3に薄板素材4を重ね、
これらを弾性体製の袋5に封入し、これを圧力容器6内
に入れ、圧力媒体で袋5を介して薄板素材4を型3に押
圧する。 【効果】 型3の着脱作業を要することなく、多種少量
生産を効率良く行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属箔等の薄板をプレ
ス成形する薄板の張り出し成形方法に関する。より詳し
くは、特に板厚が0.3mm以下、最適板厚0.03〜
0.2mmの金属箔を、流体圧を直接作用させて張り出
し成形する技術に関するもので、かつあまり高精度を要
求されない多品種少量の製品の成形を対象とするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】薄板は絞りあるいは張り出しなどのいわ
ゆるプレス成形法により加工して、容器類や自動車を始
めとする多くの機械類の外板部材として用いられてい
る。この薄板を流体圧を用いて成形する技術には、加圧
時間が長くなっては実用性の無いことから、通常液体を
加圧の媒体として使用し、かつ、金属などの剛な物質で
作られたポンチもしくはダイスの一方のみを用いて成形
する方法と、液体をゴム膜などによって密封してダイス
として使用したり、被加工物に液体を密封する役割を果
たさせてポンチとして使用したりする方法とがある。こ
れらの流体圧成形方法は、高圧力が得易くかつ圧力が均
一に作用し、制御が容易で、複雑な形状の製品の成形が
可能であることが特徴とされている。
【0003】図4はハイドロフォーム法とよばれる方法
(第1従来技術)を図示したものである。液圧プレスの
ラム21に相当する部分に液圧室22を設け、これを万
能ダイスとして薄板の成形を行う加工法である。液圧室
22内部の液体はゴム膜23によって密閉され、二重に
なったゴム膜23の下側のものは摩耗、損傷の際に取り
替える。しわ押さえ体24はベッド25上に固定され、
ポンチ26はベッド25の下部に設けられた液圧シリン
ダ27により上下に駆動される。成形にあたっては、ポ
ンチ26上面をしわ押さえ面と同一平面に置き、この上
に薄板素材4を置く。
【0004】図5はハイドロマチック法とよばれる方法
(第2従来技術)を図示したものである。製品の外形形
状に合わせたダイス31に対して液体をポンチとして成
形を行う方法である。薄板素材4のダイス31側にも液
体を満たしておき、成形中ポンチ側の圧力P1よりダイ
ス31側の圧力P2を低くなるように逃がし弁32を調
整する。この圧力差によって成形が行われ、必要な圧力
差は製品形状、材質、板厚などによって異なる。この方
法は非常に薄い板の成形でもボディしわを生じず、また
薄板素材4の局部的な変形が少なく、また材料の破断歪
も増すという特徴をもっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来方法では、製
品の形状・寸法を決定するポンチもしくはダイスは構成
装置の主要部品であり、製品形状が変わった場合におけ
る、これらのポンチやダイスの交換はかなり大がかりな
作業となる。従って、次々に形状の異なった製品の成形
を行うなどということは、現実上不可能に近い。
【0006】すなわち、図4のハイドロフォーム法では
製品の形状や寸法が変わった場合、ポンチ26からしわ
押さえ体24及びその周辺の部品を全て取り外し、新し
いポンチ26やしわ押さえ体24に交換するという着脱
作業が必要である。また、シールの役目を果たしている
ゴム膜23が損傷した場合も同様の作業が必要である。
同一形状の製品の多量生産には、この方法は素材4のセ
ットが容易という利点があるものの、多種少量の製品の
生産には、ポンチ26等の交換が容易でないことは致命
的な欠点となる。
【0007】また、図5のハイドロマチック法では、ダ
イス31にも圧力媒体の排出孔を設けかつこれに逃がし
弁32を含む高圧の配管系を接続する必要があり、ダイ
ス31交換時には毎回これらの作業を行うこととなる。
ダイス31そのものも耐圧強度が必要であり、重量的に
も重いものとなるので交換はかなり大がかりな作業であ
る。
【0008】更に、両法共に、素材4の周囲を押さえる
しわ押さえ体24及びそれを配置する構成を必要とし、
構成が複雑で工程も多くなっている。以上に加えて、例
えばハイドロマチック法では、圧力媒体の液体に薄板素
材4、すなわち製品が直接接触しているので、製品の圧
力媒体による汚染なども製品の用途によっては大きな問
題である。食品のパッケージなどに用いるには別途洗浄
を行うことが必ず必要であるし、錆を発生しやすい磨き
鋼板などの成形には不向きである。
【0009】本発明の第1の目的は、型に薄板素材を重
ねて弾性袋内に入れ、この袋に圧力媒体で等方圧を加え
ることにより、型の着脱作業を要することなく多種少量
生産ができる薄板の張り出し成形方法を提供することで
ある。本発明の第2の目的は、圧力媒体による加圧前に
袋内を真空脱気して、袋における空気圧の弊害を回避
し、製品の圧力媒体による汚染などを防止できる薄板の
張り出し成形方法を提供することである。
【0010】本発明の第3の目的は、型のくぼみ内に弾
性サポート部材を入れておき、張り出し部分の成形圧力
より、その周囲のしわ押さえ圧力を高くできる薄板の張
り出し成形方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
のための第1の具体的手段は、くぼみ2を有する型3に
薄板素材4を重ね、これらを弾性体製の袋5に封入し、
これを圧力容器6内に入れ、圧力媒体で袋5を介して薄
板素材4を型3に押圧することである。本発明における
課題解決のための第2の具体的手段は、第1の具体的手
段に加えて、袋5を加圧する前にその内部を真空脱気す
ることである。
【0012】本発明における課題解決のための第3の具
体的手段は、第1の具体的手段に加えて、型3のくぼみ
2の奥に弾性体製のサポート部材12を入れておき、薄
板素材4に加わる圧力がくぼみ2対応部分よりその周囲
で高くすることである。
【0013】
【作用】図1において、くぼみ2を有する型3の成形面
側に薄板素材4を重ね、これらを重ねた状態のまま弾性
体シート製の袋5に封入すると共に、真空装置7で袋5
内の空気を抜き取り、袋5を型3及び薄板素材4に密着
させ、この真空脱気した袋5を圧力容器6内に入れ、圧
力容器6内に高圧の液体又はガスなどの圧力媒体を注入
し、袋5に外方から等方圧を加える。
【0014】袋5は流体等方圧が加えられると、薄板素
材4は型3に押圧され、くぼみ2に対応した部分はくぼ
み2の内面に沿うように張り出し、張り出し部分が成形
される。型3のくぼみ2内に弾性体製のサポート部材1
2を入れておくと、薄板素材4はくぼみ2に張り出して
いく部分がサポート部材12にサポートされて圧力が低
くなり、相対的にくぼみ2の周囲では圧力が高くなり、
しわ押さえ圧力を付与することになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図1に示す第1実施例において、第1工程Aでは、
くぼみ2を有する型3の成形面側に薄板素材4を重合
し、これらを下弾性体シート上に載せてその上から上弾
性体シートを被せ、第2工程Bで、上下弾性体シートを
周囲で融着して型3及び薄板素材4を封入した弾性体製
の袋5とし、その袋5内の空気を真空装置7で抜き取
り、袋5を型3及び薄板素材4に密着させ、第3工程C
で、型3及び薄板素材4を圧力容器6内に入れ、液体又
はガスなどの圧力媒体により流体等方圧を加え、袋5を
介して薄板素材4を型3に押圧し、くぼみ2に対応した
張り出し部を形成する。
【0016】前記薄板素材4としては、厚さが例えば
0.3mm以下が主対象で、0.03〜0.2mm程度
の薄い金属箔が最適であり、材質はステンレス鋼、軟
鋼、タンタル、アルミニウム、銅、チタンなどがあげら
れる。型3としては、くぼみ2を形成するための穴のあ
いた型枠部材3aと平板状の型板部材3bを組み合わせ
ているが、一体形でも無論差し支えがない。くぼみ2部
分の形状によっては、図1のように2分割された型又は
それ以上の個数に分割された型を用いる方が経済的な場
合がある。
【0017】また、袋5で全体を覆って外から圧力を作
用させることから、角の部分はエッジが立っていると、
袋5が破れて圧力媒体が内部に侵入してしまう危険性が
あるので、型3のコーナ部分には面取り9,11を施し
たり、アール10を持たせる。更に、型の材質として
は、作用する力が等方的であるので、絶対的な強度はそ
れほど大きいものでなくても使用が可能である。したが
って、安価なSS材などの軟鋼は勿論のこと、ハンドリ
ング性をよくするために、軽量なアルミニウムあるいは
樹脂でも十分に使用が可能である。
【0018】弾性体シート製の袋5としては、筒状シー
トの一端を融着したり、2枚の枚葉シートの3辺を融着
して、開口を有する袋形状に予め形成しておいて、型3
及び素材4を挿入しかつ真空脱気した後に、開口を閉鎖
するようにしても良い。前記袋5の材料としては、樹脂
シートが融着の観点あるいは入手の容易さの観点から適
しており、樹脂の種類としては、ポリエチレン、塩化ビ
ニル、ポリスチレンなどが好ましい。これらの樹脂は、
一度成形に使用すると塑性的な変形も生じるので、繰り
返し使用よりも使い捨て的な使用になる。このことから
も、できるだけ安価な樹脂の方が適しているといえる。
また、弾性能に富んだゴム系の材料も勿論使用が可能
で、この場合には、繰り返し使用に十分耐えることがで
きる。
【0019】なお、本発明では基本的に、素材4が加工
を受けて製品となるまで弾性体袋5に包まれているの
で、圧力媒体による汚染という問題はない。しかしなが
ら、袋5が破損すると圧力媒体による汚染が発生する可
能性があり、この袋破損の主因になると考えられるの
が、袋5内の空気である。すなわち、流体圧力により加
圧成形して圧力を下げる過程で、袋5内部に空気が入っ
たままであると、この空気が弱くなった部分で急激に膨
張して、袋5を破損してしまい、製品が圧力媒体に汚染
される。また、繰り返し使用を意図してゴム系の弾性体
材料を用いた場合には、当然のことながら再使用不能と
なる。
【0020】従って、汚染を好まない素材を成形する場
合、真空装置7で袋5内部を前もって真空脱気して封入
することによって、このようなトラブルを回避すること
が可能となる。袋5の真空脱気は、シールしながら行う
方法と、袋5の口をシールしてから行う方法とを採り得
ることができ、例えば食品の真空包装機を応用すれば良
い。
【0021】圧力容器6を備えていて袋5に高圧の流体
圧力を作用させるための装置としては、液体を用いる場
合なら冷間静水圧プレス装置(CIP)が、またガス圧
を用いる場合なら、熱間静水圧プレス装置(HIP)が
適当である。0.05〜0.2mmの厚さの薄い金属箔
の場合には、圧力としては、100〜200kg/cm
2 の範囲で十分に張り出し成形が可能であるので、圧力
的にはCIPやHIP程の加圧能力がない設備でも勿論
使用が可能である。
【0022】ところで、薄板や箔を絞り成形または張り
出し成形する場合に発生する技術的な問題点として、し
わの発生がある。特にフランジ部分に発生するしわにつ
いては、従来技術にもしわ押さえ体という名称の部品名
が用いられていることからもその重要性が理解される。
成形圧力とこのフランジ部のしわ押さえ圧力の大きさの
関係は、板厚や加工面積、材料の延性、加工の程度すな
わち加工硬化の状況などにより異なるが、特に成形が進
むにつれて成形圧力より大きなしわ押さえ圧力が必要と
なってくることが多い。
【0023】図2に示す第2実施例は、この成形圧力と
しわ押さえ圧力を簡便に調節するようにした例である。
適当な弾性率を持つ材料からなるサポート部材12を、
第1工程Aのときから型3のくぼみ2の奥に入れておく
と、第3工程Cにおいてある程度加工が進行してきたと
き、サポート部材12が成形圧力の一部をサポートする
ようになり、相対的に成形圧力の方がしわ押さえ圧力よ
り小さくなる。従って、素材4にはくぼみ2の周囲部分
にしわ押さえ圧力が付与されることになる。
【0024】このサポート部材12は型3の穴に隙間が
ないような状態で装着しておくと、コーナの部分13は
このサポート部材12と型3の摩擦力で変形して、適度
なアールが形成される。このため、このサポート部材1
2を用いないで成形を行った場合によく見られる、底部
のコーナでの箔の破れが防止される。前記サポート部材
12の材質としては、樹脂やゴムが適している。
【0025】本発明による張り出し成形で用いる型3
は、1つの型について1つの製品でなくても良く、多数
個取りとすることもできる。図3はそのような場合を示
す第3実施例である。袋5の材質がポリエチレンやポリ
スチレンのような摩擦係数の小さなものの場合には、フ
ランジに相当する部分のしわ押さえ力が利き難くなる傾
向があるので、このような時には、この図3のように、
ゴムなど摩擦力の大きくなるような材料でできたパッド
14を用いることも効果的である。なお、図3に示す型
3は型枠部材と型板部材の区別のない一体物である。
【0026】また、金属箔の厚さが0.05〜0.2m
mのように薄くて、かつ製品の寸法精度が重要でない場
合には、数枚の金属箔を同時に重ねて成形することも可
能である。この場合、当然のことであるが、成形圧力は
1枚の時と比較して高く設定する。5枚程度までであれ
ば、1枚の時の成形圧力をそのまま枚数分乗じた圧力で
ほぼ問題の無い成形が可能である。
【0027】(実験例1)厚さ100μmのステンレス
(SUS304)箔(ビッカース硬度:約180)の薄
板素材4を、図1に示されたように、型3の成形面に重
ねて、袋5を形成する2枚のポリエチレンシートの間に
封じ込み、袋5を密封した後、HIP装置内部に全体を
セットして、100kgf/cm2のアルゴンガス圧力
で加圧処理した。
【0028】ステンレス箔の大きさは600×1000
mm、型枠部材3a、型板部材3bは共に軟鋼(SS4
1)を使用し、型枠部材3aが形成するくぼみ2の開口
部は560×960mm、厚さ(くぼみ深さ)は10m
m、型板部材3bの厚さは2mmである。図1に示され
た面取り9の大きさは1C、型枠部材3aの開口部の面
取り11は1.5Cある。
【0029】処理後、HIP装置から取り出した処理材
は、ポリエチレンシートが密着した状態であった。ポリ
エチレンシートを剥して中のステンレス箔を取り出した
ところ、底の角の部分(張り出し部分先端)はアールが
約1.5mm付いた状態であったが、破れは認められ
ず、また、フランジに相当する部分のしわも肉眼では判
別が出来ない程度に小さいことが確認された。
【0030】この成形されたステンレス箔は、板状の粉
末焼結体をHIP法を用いて製造するためのカプセルと
して使用された。このような容器を専用のプレスを用い
て製作するには力量約540TONのプレスと金型が必
要であるが、本発明により、既存のHIP装置で簡便に
製作することが出来た。 (実験例2)厚さ200μmの純アルミニウム箔(15
0×150mm)の薄板素材4を、図2に示されたよう
に、型3の成形面に重ねて、袋5を形成する2枚のポリ
エチレンシートの間に封じ込み、袋5を密封した後、全
体をCIP装置内にセットして500kgf/cm2
水圧力を作用させて成形処理を行った。
【0031】型枠部材3a、型板部材3bは共にアクリ
ル板を使用した。型枠部材3aの寸法はくぼみ2の開口
部100×100mm,深さ10mmで、型板部材3b
は厚さ3mmである。サポート部材12には厚さ1mm
の生ゴム板を使用した。処理後、CIP装置から処理材
料を取り出して状況を調査したところ、ポリエチレンシ
ートは処理材及び型3に密着していたものの破れ等は認
められなかった。ポリエチレンシートを剥して、アルミ
ニウム箔の成形状況をチェックした。底の角部はアール
が約0.2mmで小さくかつ滑らかで、破れは観察され
なかった。また、フランジ相当部分にもしわはほとんど
認められなかった。なお、成形後の箔の凹部の深さは、
生ゴム製のサポート部材12の影響で約9.6mmであ
った。
【0032】(実験例3)実験例1で用いたのと同じス
テンレス箔を図3のように多数個のくぼみ2のある型3
と組み合わせて、全体をポリエチレンシート製の袋5の
中に真空封入した後、CIP装置内にセットして200
kgf/cm2 の水圧で成形処理を行った。
【0033】型3のくぼみ2の底部には、実験例2と同
様に厚さ1mmの生ゴムをサポート部材12として配置
した。型3の1つのくぼみ2の開口部の寸法は60×6
0mm、深さは10mmである。なお、くぼみ2とくぼ
み2の間は20mmとした。パッド14の材料にはサポ
ート部材12と同じ生ゴムを用いた。処理後、型3から
ポリエチレンシートを剥して箔の成形状況をチェックし
た。底の角部は約0.5mmのアール状になっていた
が、特に破れ等は認められなかった。また、各成形部の
間の部分にも大きなしわは観察されなかった。
【0034】前記実施例及び実験例によれば、従来の技
術では対応が困難な金属箔が薄くかつ少量・多品種の製
品の張り出し成形が、簡便かつ経済的に実現される。特
に、型3全体に静水圧を作用させることから、型3の材
質としてあまり強度のないようなものも使用可能であ
り、軟鋼は勿論アルミニウムや場合によっては樹脂でも
使用ができるので、液体圧力を発生させる設備を既に保
有している需要家には極めて経済的な手法となる。
【0035】また、例えば、CIP装置を加圧に用いる
場合を想定すれば、現在、直径2m、内高3mといった
大きな設備もあり、非常に大きな製品の張り出し成形を
行うことも可能で、このような大きな製品の張り出し成
形は従来技術では実施が困難である。このような大きな
加圧設備を用いる場合には、当然、一度に多数のしかも
大きさ形状の異なる製品を処理することが可能で、非常
にフレキシビリテイに富んだ製造体制を実現することが
可能となるなど、本発明が張り出し成形分野における工
業的な生産に寄与するところは極めて大きい。
【0036】更に、成形された製品は、袋5に封入され
ていて液体などの圧力媒体による汚染がないので、その
まま、食品はじめ種々の商品のパッケージ部材として使
用が可能なほか、前述のHIPやCIPなどの処理にお
いて必要とされるカプセルとして使用が可能である。こ
の場合、溶接により、この成形品のくぼみに処理材をセ
ットしたあと同様の金属箔から成る蓋を気密に付ける必
要があり、フランジに相当する部分のしわは、この溶接
時における気密性の確保を損なう原因となるので、本発
明によるフランジ部のしわの少ない成形品は最適であ
る。
【0037】この際、すでに流体圧を作用させる設備が
有るわけであるので、非常に経済的な効果が有るという
ことは言うまでもない。同様の溶接にかかる理由から、
本発明による成形品は、宇宙空間で使用されるような気
密性の要求される各種パッケージ用として最適であり、
現状このようなパッケージは大量に必要とされるわけで
なく、どちらかといえば、多品種少量であり、本発明が
効果を発揮するところである。
【0038】このように、本発明が種々の多品種少量が
特徴であるような製品分野における張り出し成形に寄与
するところは極めて多大である。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、くぼみ2
を有する型3に薄板素材4を重ね、これらを弾性体製の
袋5に封入し、これを圧力容器6内に入れ、圧力媒体で
袋5を介して薄板素材4を型3に押圧するので、型3の
着脱作業を要することなく、多種少量生産を効率良く行
うことができ、また、袋5を加圧する前にその内部を真
空脱気することにより、袋5の破損を回避して、製品の
圧力媒体による汚染を防止することができ、更に、型3
のくぼみ2の奥に弾性体製のサポート部材12を入れて
おき、薄板素材4に加わる圧力がくぼみ2対応部分より
その周囲で高くすることにより、しわ押さえ体を設けな
くともしわ押さえをすることができ、構成及び工程を簡
単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す工程説明図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す工程説明図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す第1工程説明図であ
る。
【図4】第1従来技術を示す断面図である。
【図5】第2従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
2 くぼみ 3 型 4 薄板素材 5 袋 6 圧力容器 7 真空装置 9 面取り 10 アール 11 面取り 12 サポート部材 13 コーナ部分 14 パッド A 第1工程 B 第2工程 C 第3工程

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 くぼみ(2)を有する型(3)に薄板素
    材(4)を重ね、これらを弾性体製の袋(5)に封入
    し、これを圧力容器(6)内に入れ、圧力媒体で袋
    (5)を介して薄板素材(4)を型(3)に押圧するこ
    とを特徴とする薄板の張り出し成形方法。
  2. 【請求項2】 前記袋(5)を加圧する前にその内部を
    真空脱気することを特徴とする請求項1記載の薄板の張
    り出し成形方法。
  3. 【請求項3】 前記型(3)のくぼみ(2)の奥に弾性
    体製のサポート部材(12)を入れておき、薄板素材
    (4)に加わる圧力がくぼみ(2)対応部分よりその周
    囲で高くすることを特徴とする請求項1記載の薄板の張
    り出し成形方法。
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