JPH0512220U - 乗用車用日除けブラインド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天気の変化や昼夜の差異にともない、必要に
応じて車窓に貼着し又は剥取ることができる、比較的軽
便な乗用車用日除けブラインドを提供することである。 【構成】 乗用車のガラス窓形状に合わせて裁断され
た、ナイロイ製網でなる日除けシート（１）の両側縁
（11）に、少なくとも２枚の弾性変形でき、その一面が
平滑な表面をしてガラスなどに吸着する吸着面をなす樹
脂質吸着シート（２）を該吸着面が外向くよう重合さ
せ、かつ樹脂質吸着シート（２）と日除けシート（１）
とを熱圧着により接着するように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は乗用車に使用する日除けブラインドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

太陽の直射を避けるため、乗用車では日光を遮断する紙やビニールの防熱フイ ルムを車窓に合わせた形状に裁断して貼着し、遮光と断熱作用を備えさせて、車 内の冷房効果の向上を計っている。しかし、このフイルムを車窓に貼着する方式 は、その貼着作業に相当なテクニックを伴うもので、長年の経験を持った職人で なければ平坦かつ美的にフイルムを貼着することができない。特に、貼着技術の 差異から貼着破損品が多量に増加し、フイルムに皺寄せが生じたり、車窓との間 に気泡を生じて全体の美観を損なう場合が少なくない。他方、近年、産業構造の 大きい変貌から、人手不足に伴う技術工の賃金が高騰し、上記フイルムの貼着作 業において、貼着工賃が材料費よりずいぶんと高く付き、その経済面における実 用性がしばしば疑われ勝ちである。 この他、車内から車外の道路情況や風景を見て、ドライバが車両操縦の安全を 確保し乗客がその風景を鑑賞するように、車窓は透明度が高いガラスが用いられ るが、それが太陽の光線が直接車内に入射し易い原因となる。確かに、日光を濾 過する紙やビニールのフイルムを貼着すれば、天気が良好な日には適当に光線を 遮断して、断熱の効果があると共に、ドライバの視野範囲を広めるのであるが、 曇った日または夜ともなれば、元来から良くない視界が、これらフイルムの貼着 から一層悪くなり、車両の走行安全に深刻な影響をもたらし、そのため、先進各 国の中では、この車窓にフイルムを貼着することについて、光線透過率をある基 準以上に保持するべく厳格に規定しており、曇った日または夜間の車両走行の安 全性に気を使っている。 上記のような、車窓に日光を濾過する紙やビニールを貼着して光線の直射を遮 断する方式の優劣を基準にして、第５図に示すような、巻上げ式日除けブライン ドが業界で開発されたが、主として、巻取りハウジングＡ１、日除けブラインド Ａ２、及び吸盤Ａ３からなり、該巻取りハウジングＡ１の頂端両側にそれぞれ掛 け鈎Ａ11を装設して車窓上端縁に掛着し（または、吸盤を装設して車窓ガラスに 吸着させる。前後ウインドに使用できる）、上記日除けブラインドＡ２を該巻取 りハウジングＡ１内に装着されたばねの弾力によって巻取りハウジングＡ１内に 巻収め、そして、該吸盤Ａ３を該日除けブラインドＡ２底端に装設し、適当に巻 下した日除けブラインドＡ２を保持したまま窓ガラスに吸着するようにする。こ の巻上げ式日除けブラインドを使用する場合は、先ず、その両掛け鈎Ａ11を車窓 上端縁に掛着し、次いで日除けブラインドＡ２を該巻取りハウジングＡ１から適 当な長さだけ引出し、その底端の吸盤Ａ３を車窓ガラスに吸着させ、日除けブラ インドＡ２を車窓に広げて、車外の光線を遮断することにより断熱の効果を奏す る。この種巻上げ式日除けブラインドは、確かに、曇った日または夜間に応じて 、日除けブラインドＡ２を巻下しまたは巻上げることにより、ドライバの視線を 妨げない効果を提供するが、該日除けブラインドＡ２はばねの弾力によって巻取 りハウジングＡ１に巻収められることから、そのばねが充分な弾力を具えて日除 けブラインドＡ２を巻上げ得るものでなければならない。他方、使用する時には 該日除けブラインドＡ２を引下すので、該吸盤Ａ３は上記ばねの充分な弾力に長 期に耐えうるものでなければならない。それ故、吸盤Ａ３が容易に弾性疲労して 剥離し、日除けブラインドＡ２が自動的に巻上げられたり、又は、巻上げ作動の 途中で停止したりして完全巻取りができない状態を生じる場合、使用上頗る不便 となる。一方、その形状規格が固定しており、総ての車種に通用できるものでな い、異なる車種における使用は完全遮光の効果が懸念され、かつ、その体積や重 量もやや過大な嫌いがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、天気の変化や昼夜の差異に伴い、必要に応じて車窓に貼着し又は剥 取ることができる、比較的軽便な乗用車用日除けブラインドを提供することを目 的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するための本考案による日除けブラインドは、乗用車のガラス 窓形状にマッチして裁断された適当な材質でなる日除けシートの両側縁に、少な くとも２枚の弾性変形でき、その一面が平滑な表面をしてガラスなどに吸着する 吸着面をなす樹脂質吸着シートを該吸着面が外向きになるよう重合させ、かつ該 両樹脂質吸着シートと該ナイロイ製網とを熱圧着により接着するように構成され る。 他方、上記樹脂質吸着シートを、好む色彩の柔軟な樹脂シートで形成し、また は、その上に多数の微細な円孔を穿って適度の透視性を備えさせ、若しくは、上 記日除けシートを、ナイロイ製網で形成すれば一層好ましくなる。

【０００５】

【作用】

上記のように構成されたこの考案は、そのナイロン製網の上に熱圧着した樹脂 質吸着シートの一面に形成された吸着面を貼着しようとする車両ガラス窓端縁に 沿って正しく並べ、かつ、両手をそのまま該吸着面の両側縁に沿って滑るように しごいて平らに押圧すれば、該両吸着面と車両ガラス窓との間に吸盤作用による 吸着力が生じ、即ち、平滑なガラスと柔軟平滑な吸着面との間に大気より空気密 度が小さい密着接触面が形成され、空気の侵入ができない吸盤の如き吸着力が生 じて、該樹脂質吸着シートを車両ガラス窓に吸着して、該日除けシートを係着保 持するようになり、他方、曇った天気または夜間で、それを使用する必要がない 場合は、容易にこれを剥がして格納すれば、ドライバ又は乗客の視界を妨げるよ うなことが生じない。 そして、上記樹脂質吸着シートを、好む色彩の柔軟な樹脂シートで形成し、ま たは、その上に多数の微細な円孔を穿って適度の透視性を与え、若しくは、上記 日除けシートをナイロイ製網で形成すると、色彩に変化を持たせて美観を呈する ものとなり、該日除けシートが軽やかであると共に樹脂質吸着シートとの粘着性 が大幅に向上される。 この考案の上記またはその他の目的、特徴および利点は、図面を参照して説明 する以下の実施例の詳細な説明から一層あきらかにされる。

【０００６】

【実施例】

本考案の第１の実施例による日除けブラインドの部分正面図である。図１に示 す如く、本願の乗用車用日除けブラインドは、日除けシート１及び少なくとも２ 枚以上の樹脂質吸着シート２から形成される。そのうち、日除けシート１用とし てナイロイ製網が比較的良く使われる。この実施例では日除けシート１をナイロ イ製網で作られたものとして説明を進める。 即ち、上記日除けシート１は輻射熱の遮断性を備えたナイロン細糸で編み上げ たものである。微細な網目を形成して光の透過性に富む。この編製シートを貼着 しようとする車窓の形状に合わせて裁断する。上記２枚の樹脂質吸着シート２は ガラスに容易に吸着できる軟質の透明樹脂シート、例えばＰＥ又はＰＶＣ等から なる。２枚の樹脂質吸着シートのそれぞれを整然と日除けシート１の両側縁11に 重畳し、各樹脂質吸着シート２のそれぞれ両端縁21，22を日除けシート１に熱圧 着すると共に、日除けシート１と接着しない樹脂質吸着シート２背面に吸着面23 を形成する。

【０００７】 この実施例を使用する時には、単に、その吸着面23を貼着しようとする車両ガ ラス窓の上に正しく並べて置き、両手をそのまま吸着面23の両側縁に沿って滑る ようにしごいて平らに押圧すれば、両吸着面23と車両ガラス窓との間に吸盤作用 による吸着力が生じる。即ち、平滑なガラスと柔軟平滑な吸着面23との間に大気 より空気密度の小さい密着接触面が形成されて空気が侵入できず、吸盤の如き吸 着力が生じるので樹脂質吸着シート２を車両ガラス窓の上下端に張付けて、日除 けシート１を車両ガラス窓に係着保持する。日除けシート１が薄くて軽量である ことから、樹脂質吸着シート２と車窓ガラスとの吸着力により充分長期にわたっ て日除けシート１を保持することができ、かつ輻射熱を遮断して日除け機能を発 揮する。実験によれば、故意に剥がさない限り、車両が凹凸の激しい、起伏の大 きい道路に差しかかっても、日除けシート１は震動によって落下することなく、 その吸着力は如何なる情況にあっても日除けシート１を貼着保持するに充分であ ることを証明した。他方、曇った日中または夜間で、それを使用する必要がない 場合には、容易にこれを剥がして格納すれば、ドライバ又は乗客の視界を妨げな い。従って、この実施例は容易に貼着し容易に剥脱できる特性から、使用上便利 であり、存分にその実用性を発揮することができる。

【０００８】 図２は、本考案における第２の実施例の部分正面図である。図示の如く、第１ 実施例と同様に、日除けシート１′、及び少なくとも２枚の樹脂質吸着シート２ ′からなり、上記第１の実施例と異なる所は、２枚の樹脂質吸着シート２′を部 分的に日除けシート１′の両側縁11′に重畳し、その両者が重畳した側縁21′， 22′を熱圧着すると共に、樹脂質吸着シート２′の熱圧着処理を施された背面に 対応して２箇所の吸着面23′，24′を形成したことである。その使用方法は上記 第１の実施例の使用方法とは全く同じであり、天気や昼夜の違いによって必要に 応じ、容易に貼着、剥脱できる機能を備えている。

【０００９】 図３に示すのは、この考案における第３の実施例の部分正面図である。図示の ように、これも上記と同様に日除けシート１″及び２枚の樹脂質吸着シート２″ からなり、上記第１の実施例と異なる所は、樹脂質吸着シート２″が容易にガラ スに吸着する所定色彩を備えた柔軟な樹脂シートで形成されることで、色彩に変 化を持たせて美観を呈するものとなり、かつ、その上に多数の微細な円孔21″を 穿って適度の透視性を与えることができる。この場合、上記と同様に、整然と日 除けシート１″の両側縁11″上に樹脂質吸着シート２″を重畳し、その両端縁22 ″，23″を熱圧着処理して日除けシート１″上に粘着すると共に背面に吸着面24 ″を形成される。この第３の実施例の使用方法は、上記第１の実施例の使用方法 と全く同様であり、かつ、同じく迅速に貼着かつ剥取ることができる。

【００１０】 更に、この考案を第４図に示すように変化を持たして実施しても良い。即ち、 ２枚の樹脂質吸着シート20の端縁をそれぞれ直接熱圧着処理して日除けシート10 の両側縁に貼着可能にし、かつ該両樹脂質吸着シート20の他端縁背面にそれぞれ 吸着面201 を形成するようにしても良いし、必要とあれば、該日除けシートの周 囲四方に、それぞれ樹脂質吸着シートを熱圧着処理して背面に吸着面を形成する ことにより、もっと緊密及び堅固に車両ガラス窓に貼着できるようにすることも 可能である。例えば、大面積の車両の前後ウインドガラスに使用される場合はこ のように実施（或いは中央若しくは適当な位置に１ないし複数の樹脂質吸着シー ト条を設置して貼着性を強める）することができる。

【００１１】

【考案の効果】

上記のように構成される本考案は、ナイロイ製網の日除けシート上に熱圧着し た樹脂質吸着シートの吸着面を貼着しようとする車両ガラス窓端縁に沿って正し く並べ、かつ、両手をそのまま該吸着面の両側縁に沿って滑るようにしごいて平 らに押圧すれば、該両吸着面と車両ガラス窓との間に吸盤作用による吸着力が生 じ、即ち、平滑なガラスと柔軟平滑な吸着面との間に大気より空気密度が小さい 密着接触面を形成し、空気が侵入できずに吸盤の如き吸着力が生じ、該樹脂質吸 着シートを車両ガラス窓に吸着して、該日除けシートを係着保持することができ る。曇った日中または夜間で、それを使用する必要がない場合には、容易にこれ を剥がして格納すれば、ドライバ又は乗客の視界を妨げるようなことがない。容 易に貼着かつ剥脱できる特性から、使用が簡便で、実効性が高い。

【００１２】 更に、上記樹脂質吸着シートを、好む色彩の柔軟な樹脂シートで形成し、また は、その上に多数の微細な円孔を穿って適度の透視性を与え、若しくは、上記日 除けシートをナイロイ製網で形成すると、色彩に変化を持たせて美観を呈するも のとすることができ、軽量であると共に樹脂質吸着シートとの粘着性が大きく向 上して、如何なる道路コンディションに遭遇しても、樹脂質吸着シートや日除け シートは震動によって剥脱しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による第１実施例の部分正面図である。

【図２】本考案による第２実施例の部分正面図である。

【図３】本考案による第３実施例の部分正面図である。

【図４】本考案による第４実施例の部分正面図である。

【図５】従来の乗用車に使用される日除けブラインドの
一部を引き出した状態の斜視図である。

【符号の説明】

１…日除けシート 11…日除けシートの両側縁 ２，２″…樹脂質吸着シート 21″…樹脂質吸着シートに形成された円孔 23…樹脂質吸着シートの吸着面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗用車のガラス窓形状にマッチして裁断
   された適当な材質でなる日除けシート（１）の両側縁
   （11）に、少なくとも２枚の弾性変形可能な、その一面
   が平滑な表面をなしてガラスなどに吸着する吸着面を呈
   した樹脂質吸着シート（２）を該吸着面が外向きになる
   よう重合させ、かつ樹脂質吸着シート（２）と日除けシ
   ート（１）とを熱圧着により接着するようしてなること
   を特徴とする乗用車用日除けブラインド。
2. 【請求項２】 上記樹脂質吸着シート（２″）を、好む
   色彩の柔軟な樹脂シートで形成し、または、その上に多
   数の微細な円孔（21″）を穿って適度の透視性を備えさ
   せるようしてなる請求項１の乗用車用日除けブライン
   ド。
3. 【請求項３】 上記日除けシート（１）を、ナイロイ製
   網で形成してなる請求項１の乗用車用日除けブライン
   ド。