JPH05119515A - 電子写真用トナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コピー数が増加しても外添剤の埋没、離脱が
発生せず、コピー数が増加しても安定して高画質の得ら
れるトナーを得ることである。さらに、トナーリサイク
ル機構に対応した、高画質なトナーを得ることである。 【構成】 トナーに平板状微粒子を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法に用いられる静電荷像現像剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】静電荷像の現像は取扱いの便利性から殆
ど乾式現像に移っているが、乾式現像剤としては磁力搬
送性を備えかつ可視画像を形成できる磁性トナーを成分
とする一成分系現像剤及び可視画像を形成する着色トナ
ーと該トナーを保持搬送しかつ該トナーとの摩擦帯電に
与える磁性キャリアとを成分とする二成分系現像剤があ
り、多色現像には色純度のよい二成分系が好ましい。

【０００３】このような現像剤には、現像性、定着性の
面から多くの機能特性が要求され、例えばトナーの静電
的、熱的或は強度的な物性、化学性或は流動、ブロキッ
ング、粒度分布等に関る粉体特性が問題とされ、これら
を受けてトナー粒子の形状、材質更に形成方法、特性補
完のための種々の添加剤が調合使用される。

【０００４】また、繰返し、長期、連続現像の恒常性を
保証するためには、現像剤中の構成粒子の消費選択性、
変形、変質、感光体その他への汚染、損傷性がなく、ク
リーニング性が良好でなければならない。

【０００５】一方、トナーに於いては、粒子の搬送性や
帯電性のため、適当な流動性が必要であり、このために
は小粒径の無機微粒子（平均粒径；約５〜100nm）を添
加する技術や、クリーニング性を付与するために平均粒
子径が約0.5〜５μm程度の無機微粒子を添加する方法
（特開昭57-174866号、同60-136752号、同60-32060号）
や平均粒子径が約0.05〜５μmの有機微粒子を添加する
方法（特開昭60-186854号、同60-186859号、同60-18686
4号、同60-186866号）が知られている。

【０００６】前記無機、有機の微粒子を外添して含有さ
せたトナーでは、コピー数の増加につれて前記微粒子が
トナー表面からの離脱やトナー表面へ埋め込まれる（外
添剤の埋没）現象が発生する。

【０００７】外添剤の離脱、埋没が発生すると、外添剤
により付与されていた流動性や帯電制御の効果が消失し
てしまい、電子写真用トナーとして多くの不具合を生じ
ることになる。

【０００８】これら支障の解決策としては； （１）150nm〜５μmの大粒径無機酸化物を使用（特公平
2-45188号）。

【０００９】（２）シリカをトナー表面に固着（特開平
2-167561号）。

【００１０】等が提案されたが夫々に欠点があり、前記
（１）は大粒径外添剤の付着力が弱く、コピー数の増加
に伴い離脱が生じる。

【００１１】また（２）ではトナー表面への外添剤の固
着は反ってその埋没を促進させる。

【００１２】また、環境保護の面から近時特に回収トナ
ーの廃棄が問題視されている。この問題を解決するに
は、廃棄トナーを全く生じないトナーリサイクル機能付
きの複写機を使用することが好ましい。しかし、リサイ
クルトナーはストレスを受ける機会が多くなるため、外
添剤の埋没、離脱に起因する画質劣化の問題はより深刻
であり、従来のトナーではリサイクルに耐えることがで
きない。

【００１３】

【発明の目的】本発明の目的は、コピー数が増加しても
外添剤の埋没或は離脱が発生せず、コピー数が増加して
も安定して高画質の得られるトナーを得ることである。

【００１４】さらに、他の目的は、トナーリサイクル機
構に対応した、高耐用性のトナーを得ることである。

【００１５】

【発明の構成】前記本発明の目的は；平板状微粒子を含
有する電子写真用トナーによって達成される。

【００１６】本発明の態様においては、平板状微粒子の
平均粒子長径がトナー平均粒径の1/2000〜1/10の範囲が
好ましく、更に1/500〜1/10の範囲であることが好まし
い。

【００１７】平板状微粒子の混合には従来より公知の外
添混合機を用いることができる。

【００１８】ここでいう平板状微粒子とは、平均平板厚
みが平均長径の1/10以下のものを指す。そして、その種
類は従来より公知のものを使用でき、目的とする電子写
真用トナーに必要な特性を満足する材料を選択できる。
具体的には、例えばマイカ、タルク、層状珪酸塩等の平
板状物質が使用できる。また、平板状微粒子の表面は必
要に応じて疎水化等の処理を行っても良い。

【００１９】また、必要に応じて、さらに流動性付与剤
を併用しても良い。

【００２０】ここでいう流動性付与剤には従来公知の材
料が使用できる。具体的には、シリカ、チタニア、アル
ミナ等の微粒子が使用できるが、それ以外にも同等の流
動性付与効果が得られる微粒子を使用することが可能で
ある。また、その流動性付与剤の平均一次粒径はトナー
平均粒径の1/2000〜1/50の範囲であるものが好ましい。

【００２１】本発明に係る平板状微粒子に限らず、トナ
ー等の基幹固体粒に独立固体として加えられる外添剤の
基幹固体粒への埋没は、外添剤に直接押圧力が加わるこ
とにより生じる。そして、それは現像器内での現像剤の
撹拌や穂立規制板部の通過等により、またトナーリサイ
クル機能付きの複写機の場合は、それらに加えクリーニ
ングブレード部やリサイクルトナー搬送部等でも進行す
る。

【００２２】この外添剤の埋没を防止するには、外添剤
とトナーとの接触面積を広げ、外添剤に加わる押圧力を
分散することが有効である。

【００２３】具体的な対策としては、外添剤に平板状微
粒子を用い、トナーとの接触面積を大きくすることが有
効である。これにより、外添剤の埋没が防止できる。

【００２４】一方、外添剤の離脱はトナー表面と外添剤
の間の付着力が弱い場合に生じる。これを防止する対策
として、外添剤に平板微粒子を用いれば、微粒子一個の
重さに対してトナーとの接触面積が大きいため、付着力
が強く作用し、離脱が生じない。

【００２５】以上の作用効果から、長時間の使用におい
ても、トナーの状態変化がなく、安定して高品位な画像
を得ることができる。

【００２６】また、必要に応じて流動性付与剤を併用す
ることができる。その場合は、予めトナー表面に平板状
微粒子を外添付着させた後、流動性付与剤を外添するの
が好ましい。

【００２７】また、流動性付与剤自体の埋没を防止する
必要がある場合には、平板状微粒子の素材として硬度の
大きい無機系材料からなるものを使用することが好まし
い。つまり、十分な硬度を持つ平板状物質を用いること
により、平板状物質上に外添付着された流動性付与剤の
埋没が防止できる。

【００２８】前記必要に応じ併用する流動性付与剤の無
機粒子を構成する無機材料としては、各種無機酸化物、
炭化物、窒化物、硼化物が好適に用いられる。例えば、
シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バ
リウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、酸化
亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸
化タグステン、酸化錫、酸化テルル、酸化マンガン、酸
化硼素、炭化珪素、炭化硼素、炭化チタン、窒化珪素、
窒化チタン、窒化硼素等が挙げられる。

【００２９】トナー粒子に対する平板状微粒子の添加量
は、研磨効果によるクリーニング性を高め、かつトナー
粒子の摩擦帯電性を阻害しない観点から、トナー粒子に
対して0.01〜５重量％が好ましく、特に0.1〜２重量％
が好ましい。

【００３０】トナー粒子は、結着樹脂と、着色剤と、必
要に応じて用いられる荷電制御剤等のその他の添加剤と
含有してなり、その平均粒径は、通常、１〜30μmの範
囲である。

【００３１】トナー粒子自体の帯電極性は現像方式によ
って決定される。必要に応じて荷電制御剤は添加でき、
荷電制御剤の種類、量、樹脂との組合せ等によってトナ
ー粒子の帯電性を制御することができる。荷電制御剤と
しては例えばサリチル酸誘導体等が挙げられる。

【００３２】その他の添加剤としては、低分子量ポリオ
レフィン等の定着性改良剤等が挙げられる。

【００３３】また、磁性トナーを得る場合には、トナー
粒子中に添加剤として磁性体粒子が含有される。かかる
磁性体粒子としては、平均粒径が0.1〜２μmのフェライ
ト、マグタイト等の粒子が用いられる。磁性体粒子の添
加量は、トナー粒子の通常２０〜７０重量％となる範囲
である。

【００３４】本発明の現像剤は、従来公知の種々の現像
方法と組合せて使用することができるが、具体的には、
(１)現像剤の磁気ブラシを例えば現像領域の間隙より層
厚の大きい状態で現像剤搬送担体上に担持させ、この磁
気ブラシを現像領域に搬入させて磁気ブラシにより潜像
を摺擦しながら磁気ブラシ中のトナー粒子或いは粒子群
に潜像を付着させて現像を行う接触型磁気ブラシ法、
(２)現像剤の磁気ブラシを例えば現像領域の間隙より層
厚の小さな状態で現像剤搬送担体上に担持させ、この磁
気ブラシを現像領域に搬入させると共に現像領域に例え
ば振動電界などを作用させてこれにより磁気ブラシ中の
トナー粒子或いは粒子群を飛翔させながら当該トナー粒
子或いは粒子群を潜像に付着させて現像を行う非接触磁
気ブラシ法、(３)カスケード法、等の現像方法として採
用して現像することができる。

【００３５】現像スリーブ表面と感光体表面の間隙は、
トナー層の層厚よりも大きくても小さくてもよい。さら
に現像バイアスはＤＣ成分のみでもよいが、ＡＣバイア
スを同時に印加してもよい。

【００３６】

【実施例】次に本発明を実施例によって説明する。

【００３７】トナーの製造 ポリエステル樹脂 100重量部 カーボンブラック 10重量部 低分子量ポリプロピレン ４重量部 上記材料をよく混合した後、130℃に設定した混練機で
混練した。得られた混練物を冷却した後、カッターミル
にて粗粉砕し、さらに気流式粉砕機にて微粉砕した。そ
の後、風力分級機にて分級を行い、体積平均粒8.0μmの
トナーを得た。

【００３８】実施例１ 得られたトナーに対して、予め疎水化処理を行った平板
状タルク微粒子（平板粒子長径250nm）を1.0重量部加
え、高速撹拌型混合機を撹拌羽根周速40m/sに設定して
３分間、外添処理を行った。

【００３９】その外添処理トナーにさらに疎水性シリカ
微粒子（平均一次粒径16nm）を1.0重量部加え、同様に
高速撹拌型混合機にて３分間外添処理を行った。

【００４０】この操作により得られたトナー72ｇとスチ
レン-メチルメタクリレート共重合体で球状フェライト
表面をコートしたキャリア1728ｇを混合し、２成分現像
剤を得た。

【００４１】この現像剤をU-Bix5070に搭載して連続コ
ピーを行ったところ、５万コピーまでかぶり、斑点のな
い、画像濃度の非常に高い鮮明な画像を終始得ることが
できた。

【００４２】また、５万コピー終了時点でリサイクルパ
イプ内のトナーをサンプリングしＳＥＭ観察を行ったと
ころ、トナー表面にタルク微粒子およびシリカ微粒子が
数多く存在しているのが認められた。

【００４３】さらに、現像剤の帯電量は初期値に比べて
ほとんど低下が見られなかった。

【００４４】

【発明の効果】コピー数が増加しても、外添剤の離脱、
埋没が生じない。また、トナーリサイクルを行っても外
添剤の離脱、埋没が生じない。

【００４５】その結果、安定した帯電特性が得られ、長
期にわたって高画質なコピーが得られる。

【００４６】また、従来必要とされた外添剤の添加量を
大幅に減少させることができる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平板状微粒子を含有する電子写真用トナ
   ー。