JPH0511803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ベツド用のマツトレス等に収納され
るマツト用スプリングユニツトの改良に関する。

〔従来の技術〕

従来から、第４図に示すように、不織布等の布
製袋体４に一定の高さを有するコイルスプリング
３を収容したポケツトコイル２を多数内装したマ
ツトレス１が知られているが、前記ポケツトコイ
ル２は、連続成形した袋体４のそれぞれにコイル
スプリング３を収容したポケツトコイル列Ａ，
Ｂ，Ｃ…を複数列に並べた構成となつており、並
走するポケツトコイル列Ａ，Ｂ，Ｃ…を接合して
ユニツト全体の形を保つため、第５図に示すよう
に、各ポケツトコイル列Ａ，Ｂ，Ｃ…が連続する
方向と直交する方向に紐５を貫通締結しており、
その作業に多大な手数と時間を要している。

これに対して、考案者は、先に、第６図に示す
ように、製品形状に配列した複数のポケツトコイ
ル列Ａ，Ｂ，Ｃ…を補強布６の接着により保形す
るようにして作業を容易にしたスプリングユニツ
トを提案したが（実開昭62−129961号参照）、こ
の先例によると、全てのポケツトコイル２が１枚
の補強布６で連結されていることから、当該スプ
リングユニツトに対して上方から局部的な圧縮荷
重が作用した場合、該荷重に直接押圧されるポケ
ツトコイル２のほかに該ポケツトコイル２の周り
に位置する多数のポケツトコイル２が同時に圧縮
され、すなわち前記荷重が分散して当該ユニツト
の上面全体にいわゆるテンシヨンを生じる不都合
を有している。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は以上の点に鑑み、スプリングユニツト
に局部的な圧縮荷重が作用した場合に、該荷重が
分散するのを抑えることを課題として提案された
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、本考案のスプリング
ユニツトは、連続成形した袋体のそれぞれにコイ
ルスプリングを収容したポケツトコイル列を複数
列に並べたスプリングユニツトにおいて、前記各
ポケツトコイル列の連続方向と直交する向きに互
いに平行になる多数の連結帯を配置し、各連結帯
により異なる列に属する互いに隣接したポケツト
コイルを連結する構成とした。

〔作用〕

すなわち本考案のスプリングユニツトは、上記
先例における１枚の平面的な布を多数の帯に代
え、互いに連結されるポケツトコイルの数を減ら
して荷重の分散を防止する。

〔実施例〕

つぎに本考案の実施例を図面にしたがつて説明
する。

第１実施例に係る第１図において、各ポケツト
コイル列Ａ，Ｂ，Ｃ…はそれぞれ図上左右方向に
連続しており、該連続方向と直交する向きに互い
に平行になる多数の連結帯７…が配置され、各連
結帯７により異なる列に属するポケツトコイルＡ
１，Ｂ１，Ｃ１…が１列に連結されている。

連結帯７は、不織布などの布を帯状に裁断した
もので、この帯の一面にホツトメルトなどの接着
剤を塗布して各ポケツトコイルＡ１，Ｂ１，Ｃ１
…の端面に接着する。各連結帯７の幅はポケツト
コイルＡ１，Ｂ１，Ｃ１…の直径より小さく設定
されている。今、当該スプリングユニツトが全体
としてｍ本のポケツトコイル列よりなり、各ポケ
ツトコイル列がｎ個のポケツトコイルよりなると
すると、当該ユニツトにはｎ本の連結帯７が互い
に平行に並べられる。

Ｂ１で示した任意の１個のポケツトコイルを押
圧する局部的な圧縮荷重が作用した場合、該ポケ
ツトコイルＢ１の圧縮は、該コイルＢ１に対して
連結帯７を介して連結された図上上下のポケツト
コイルＡ１，Ｃ１へ伝えられるものの、図上左右
または斜めに並ぶ他のポケツトコイルＢ２，Ｂ
３，Ａ２，Ａ３，Ｃ２，Ｃ３に対しては連結要素
が少ないために、それほど大きく伝わらず、よつ
て荷重の分散を抑えることができる。また特に本
実施例では、連結帯７の幅がポケツトコイルの直
径よりも小さくされて、互いに隣り合う連結帯７
の間に大きな隙間が設けられていることから、こ
の隙間のところへ荷重が作用した場合には、互い
に連結帯７で連結されたポケツトコイルＡ１とＢ
１，Ｂ１とＣ１間についても荷重の分散をある程
度抑えることができる。

第２実施例に係る第２図において、各ポケツト
コイル列Ａ，Ｂ，Ｃ…は、互いに隣り合う列Ａと
Ｂ，ＢとＣに対してポケツトコイル半個分ずつ並
走方向にずれており、多数のポケツトコイルが平
面正三角形を基調としてできるだけ密に配置され
ており、各連結帯７が千鳥状にポケツトコイルＡ
１，Ｂ１，Ｃ１…を連結している。連結帯７はや
はりポケツトコイルの直径より狭幅に設定され、
かつ該幅Ｗ１に対して接着代Ｗ２をさらに狭く設
定されている。本実施例の場合、連結帯７は各ポ
ケツトコイルの端面に対して該端面の中央をずれ
た位置に接着されて、各端面の開放部分（連結帯
７と接着されていない部分）を大きくとつている
ため、より効果的に荷重の分散を抑えることがで
きる。

本考案には、ポケツトコイル列Ａ，Ｂ，Ｃ…を
各列ごとに分断したもののほか、当該ユニツト全
体にわたつてすべてのポケツトコイルを一連と
し、マツトレスの長さに合わせてこれを蛇行状に
折り返したものも含まれる。またコイルスプリン
グ３には円筒状のもののほか鼓状のものやビヤ樽
状のものなど、いろいろあるが、本考案はとくに
その形状を限定するものではない。

不織布等の袋体４にコイルスプリング３を収容
して該袋体４の開口部を閉じ合わせると第３図に
示すように袋体４の端面部に袋体４の接着代４ａ
が形成されるが、この接着代４ａは、連結帯７と
端面部との接着面積を広く確保しかつ端面部に大
きな凹凸が生じるのを防ぐために、連結帯７の接
着に先立つてできるだけ高さ方向に短かく切り取
つておくことが好ましい。また、前記接着代４ａ
を、立設姿勢にあるポケツトコイル２の側面部
（周壁部）に形成することも考えられる。

〔考案の効果〕

本考案のスプリングユニツトは以上説明したよ
うに、連続成形した袋体のそれぞれコイルスプリ
ングを収容したポケツトコイル列を複数列に並べ
たスプリングユニツトにおいて、前記各ポケツト
コイル列の連続方向と直交する向きに互いに平行
になる多数の連結帯を配置し、各連結帯により異
なる列に属する互いに隣接したポケツトコイルを
連結するようにしたもので、互いに連結されるポ
ケツトコイルの個数を減らして局部的な圧縮荷重
の分散を抑え、これにより狭く深く沈む、テンシ
ヨンの少ない製品を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例に係るマツト用
スプリングユニツトの要部平面図、第２図は本考
案の第２の実施例に係るマツト用スプリングユニ
ツトの要部平面図、第３図はポケツトコイルの一
部切欠した斜視図、第４図はマツトレスの構造説
明図、第５図および第６図はそれぞれ従来例に係
るスプリングユニツトの要部斜視図である。 １……マツトレス、２，Ａ１，Ａ２，Ａ３，Ｂ
１…Ｃ２，Ｃ３……ポケツトコイル、３……コイ
ルスプリング、４……袋体、７……連結帯、Ａ，
Ｂ，Ｃ……ポケツトコイル列。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続成形した袋体のそれぞれにコイルスプリン
   グを収容したポケツトコイル列を複数列に並べた
   スプリングユニツトにおいて、前記各ポケツトコ
   イル列の連続方向と直交する向きに互いに平行に
   なる多数の連結帯を配置し、各連結帯により異な
   る列に属する互いに隣接したポケツトコイルを連
   結したことを特徴とするマツト用スプリングユニ
   ツト。