JPH05117837A - 試料捕集用フイルター及びその製造方法並びに試料測定装置 - Google Patents

試料捕集用フイルター及びその製造方法並びに試料測定装置

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JPH05117837A
JPH05117837A JP3280989A JP28098991A JPH05117837A JP H05117837 A JPH05117837 A JP H05117837A JP 3280989 A JP3280989 A JP 3280989A JP 28098991 A JP28098991 A JP 28098991A JP H05117837 A JPH05117837 A JP H05117837A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉末状の試料を捕集して、溶媒により試料を
溶出する試料捕集用フィルターであって、フィルターの
材質が金属であり且つフィルターの表面に酸化層が設け
られていることにより、水を主成分とする溶媒と金属フ
ィルターとの濡れ性が良好になるため、少量の溶媒で溶
出することが可能になって、試料成分濃度が高い溶出液
を得ることができる。 【構成】 直径36mmの円形に切断したステンレスメ
ッシュからなる試料捕集用フィルターをアセトン等の有
機溶媒で脱脂した後、電気炉中に入れて空気雰囲気等の
酸化性雰囲気のもとで約10分間の加熱処理を行い、そ
の後徐冷することによって、試料捕集用フィルターの表
面に酸化層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンテナ内や空気中等
に微量存在する粉末状の試料をフィルターで捕集した
後、フィルターに付着した試料を抽出して検出・測定を
行うための試料測定装置、並びに当該装置に使用する試
料捕集用フィルター及びその製造方法に関するものであ
り、環境汚染物質や危険物等の検出・分析、有害物質の
除去又は健康管理等の分野で有用なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大気中や貨物・荷物類に極微量に
存在する爆薬類、農薬類、公害物質などを分析・測定す
るための大気中試料の溶液中への捕集技術の開発が要請
されている。特に、最近増加傾向にある特殊薬物類の不
法国内持込みを防止・抑制すること、爆薬類の不法機内
持込みの抑制、更に環境問題としての農薬類測定、公害
物質測定などで大気中の微量成分の捕集技術や抽出技術
が重要視されている。
【0003】一般に、爆薬や薬物等は他の貨物類や手荷
物類に隠されて運ばれることが多く、これらの貨物や荷
物を個別に全数検査することは不可能に近い。また、麻
薬等の薬物は麻薬検査犬が使用されているが、これも全
数検査は困難である。
【0004】そこで、多くの貨物類や荷物類が収められ
ている大型コンテナ等の運搬容器の内部を調査すること
により、爆薬や薬物等の存在を分析できれば、不法持ち
込み等の検査を効率的に行うことができる。
【0005】コンテナ内や空気中にに存在する粉末状試
料を含んだ微量粉塵を捕集する方法として、吸引用柔軟
性パイプをコンテナの入口からコンテナ上部の隙間及び
内壁面凹部の空間に通して挿入し、コンテナ床面や貨物
等の内容物の表面に付着している粉塵を捕集する方法が
ある。その際に、空気中に存在する微量物質を捕集する
フィルターとしては、濾紙、合成繊維織布、不織布等の
ように、金属、高分子、紙、繊維などの材質に多数の微
細孔やメッシュを施したフィルターを無処理の状態で使
用しており、特に機械的強度が大きい金属メッシュから
なる金属フィルターを使用する場合が多かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属フ
ィルター上に極微量の試料を捕集した場合、捕集効率に
限界があることが判明した。即ち、細孔の金属メッシュ
を用いて試料を溶出する場合に、金属メッシュが撥水性
の性質を有するため、水を主成分とする溶媒と金属フィ
ルターとの濡れ性が悪く、金属フィルターに捕集された
試料を溶出するためには多量の溶媒が必要となるという
課題があった。そのため、溶出液中の試料成分濃度が低
下して、試料測定装置の感度向上が困難であった。
【0007】また、金属メッシュの代わりに布製フィル
ターや紙製フィルターを使用することが考えられるが、
これらは多量の液体を含浸する含液性の性質を有するた
め、試料溶出の際に、溶媒が試料成分を含有した状態で
フィルター中に多量に含浸してしまい、後段の蛍光検出
部へ所定量の溶出液を導入するためには、前述と同様
に、多量の溶媒が必要となるという課題があった。その
ため、溶出液中の試料成分濃度の低下が生ずるという前
述と同様な課題があり、測定限界を劣化させていた。
【0008】本発明は、このような課題を解決するた
め、捕集された試料を溶出するための溶媒とフィルター
との濡れ性を改善して、少量の溶媒で溶出を行うことが
可能で、試料成分の濃度低下を抑制した試料捕集用フィ
ルターを提供することを目的とする。併せて、この試料
捕集用フィルターを容易に得ることができる試料捕集用
フィルターの製造方法、及びこの試料捕集用フィルター
を使用した試料測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の試料捕集用フィルターは、粉末状の試料を
捕集して、溶媒により前記試料を溶出する試料捕集用フ
ィルターであって、フィルターの材質が金属であり且つ
フィルターの表面に酸化層が設けられていることを特徴
とする。前記構成において、フィルターの材質がステン
レスであることが好ましい。
【0010】また、本発明の試料捕集用フィルターの製
造方法は、金属フィルターを、酸化性雰囲気のもとで4
00℃から1200℃の範囲の温度で加熱処理して、金
属フィルターの表面に酸化層を形成することを特徴とす
る。前記構成において、加熱処理する温度が、600℃
から800℃の範囲であることが好ましい。
【0011】また、本発明の試料測定装置は、粉末状の
試料をフィルターに捕集し、水を主成分とする溶媒によ
り前記試料を溶出して、溶出液中の試料成分を検出する
試料測定装置であって、フィルターの材質が金属であり
且つフィルターの表面に酸化層が設けられている試料捕
集用フィルター、又は、フィルターの材質がステンレス
であり且つフィルターの表面に酸化層が設けられている
試料捕集用フィルター、を用いることを特徴とする。
【0012】
【作用】前記した試料捕集用フィルターの構成によれ
ば、金属フィルターの表面に酸化層が設けられているこ
とにより、水等の有極性液体に対する表面張力が小さく
なって、水を主成分とする溶媒と金属フィルターとの濡
れ性が良好になるため、少量の溶媒で溶出することが可
能になり、試料成分濃度が高い溶出液を得ることができ
る。
【0013】また、フィルターの材質がステンレスであ
るという好ましい構成によれば、機械的強度が高く、耐
久性が良好で且つコストが安価な試料捕集用フィルター
を得ることができる。
【0014】また、前記した試料捕集用フィルターの製
造方法の構成によれば、金属フィルターを酸化性雰囲気
のもとで400℃から1200℃の範囲の温度で加熱処
理することにより、金属フィルターの表面に酸化層が形
成されて、水等の有極性液体に対する表面張力が小さい
試料捕集用フィルターを容易に得ることができる。
【0015】また、加熱処理する温度が600℃から8
00℃の範囲であるという好ましい構成によれば、必要
以上の高温加熱処理を施すこと無く、溶媒との濡れ性が
最良な酸化層を効率的に形成することができる。
【0016】また、前記した試料測定装置の構成によれ
ば、表面に酸化層が設けられている金属フィルターを使
用することにより、少量の溶媒で溶出することが可能に
なって、試料成分濃度が高い溶出液を得ることができる
ため、試料測定装置の感度が向上すると共に、従来の装
置の測定限界付近にある試料も良好な精度で測定が可能
になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1は、本発明に係る試料捕集用フ
ィルターの一実施例の説明図であり、図1aはその断面
図、図1bはその正面図である。
【0018】試料捕集用フィルター1は、多数の微細孔
やメッシュを有する試料捕集部2と、試料捕集部2を固
定すためフィルター枠3から構成される。試料捕集部2
及びフィルター枠3の材質として、機械的強度が大きい
金属が使用されており、例えば鉄、ニッケル、クロム、
マンガン、モリブデン、亜鉛、鉛、チタン、アルミニウ
ム、タングステン、銅、プラチナ、銀、金等の金属、又
はこれらの合金等を用いることができる。中でも、機械
的強度が高く、耐久性が良好で且つコストが安価な試料
捕集用フィルターを提供できるステンレスを使用するこ
とが好ましい。
【0019】試料捕集用フィルター1の表面には酸化層
が設けられ、水等の有極性液体に対する表面張力が小さ
く形成されており、水を主成分とする溶媒と金属フィル
ターとの濡れ性が良好になっている。
【0020】なお、試料捕集部2の微細孔やメッシュの
大きさは、捕集の対象となる試料の形状に応じて決定さ
れるが、薬物、爆薬類、農薬類、公害物質等の粉末状の
試料を捕集する場合には300メッシュから700メッ
シュ程度が好ましい。また、試料捕集部2の形状は、所
定の試料捕集面積を有するものであれば円形に限られ
ず、長方形等の多角形や楕円形でも構わない。
【0021】次に、本発明に係る試料捕集用フィルター
の製造方法の一実施例について説明する。なお、試料捕
集部2にステンレスメッシュ(SUS316、500メ
ッシュ)を用いた試料捕集用フィルターを例に用いて説
明する。
【0022】先ず、直径36mmの円形に切断したステ
ンレスメッシュからなる試料捕集用フィルターをアセト
ン等の有機溶媒で脱脂した後、電気炉中に入れて空気雰
囲気等の酸化性雰囲気のもとで約10分間の加熱処理を
行い、その後徐冷することによって、本発明に係る試料
捕集用フィルターを得ることができた。
【0023】なお、最適な加熱処理温度を求めるため
に、加熱温度を300℃〜1200℃の範囲内で処理条
件を変化させた試料捕集用フィルターを製造した。
【0024】次に、このようにして得られた試料捕集用
フィルターの評価方法について説明する。各処理条件で
製造された試料捕集用フィルターを小型吸引機、連結管
及びフィルター装着部等からなる試料捕集装置に装着し
た後、試料として300メッシュを通過したトリニトロ
トルエン(TNT)粉末を1mg準備して、1m3 /分
の吸引速度で約30秒間吸引して、試料捕集用フィルタ
ーに捕集した。そして、試料を溶出させる溶媒として水
を用いることとし、凹状のフィルター固定台の中心底部
に試料捕集用フィルターを挿入し、底部中心に設けた細
穴より水を出し、試料捕集用フィルターを通過してフィ
ルター上部を水が完全に覆うために要する最小の水の液
量を求めた。なお、試料捕集用フィルターの表面が親水
性の場合には、少ない液量でフィルター全体が浸潤する
が、表面が撥水性の場合には、水滴が盛り上がり全体を
濡らすには比較的多くの水量が必要となった。
【0025】図2は、試料捕集用フィルターの各処理温
度と必要溶出液量との関係を示すグラフである。この図
からは、処理温度が少なくとも400℃以上の試料捕集
用フィルターを用いれば、少ない液量で溶出できること
が理解される。また、処理温度が600℃以上の試料捕
集用フィルターは、未処理又は300℃の処理温度の試
料捕集用フィルターを用いた場合に比べて、約1/3の
液量で済むことが理解される。
【0026】更に、図2を詳細にみると、300℃以下
の処理温度では必要溶出液量の低減効果が低く、一方、
1000℃以上では600℃〜800℃の範囲の必要溶
出液量と比較して多少増加の傾向が見られる。このよう
な現象の原因は、300℃以下の低い温度では酸化層が
完成せず、逆に1000℃以上の高温では酸化層が必要
以上に形成されるため、溶媒液が酸化層に含浸するため
と推察できる。なお、この評価条件は試料濃度が非常に
希釈な場合であって、試料濃度が本実施例で説明した1
mg/ml以下の濃度では、試料重量による親水性の差
は問題にならない。
【0027】次に、このような試料捕集用フィルターを
使用した試料測定装置について説明する。図3は、本発
明に係る試料測定装置のシステム図である。小型吸引
機、連結管及びフィルター装着部等からなる試料捕集装
置により、粉末状の試料を含んだ試料空気を試料捕集用
フィルターを通して、所定時間吸引することにより、試
料をフィルターの試料捕集部上に捕集する。その後、フ
ィルターは試料測定装置の試料溶出装置に移される。
【0028】図4は、本発明に係る試料測定装置の一実
施例の概略構成図である。試料測定装置は、水等の溶媒
21、抗体液22、洗浄液23が入れられた各容器と、
各液体の吸引又は送出を行うポンプ24、25、26
と、各ポンプから送出された液体の切換えを行うバルブ
27と、各液体の混合を促進する混合ループ28と、紫
外線を照射して蛍光を検出することにより試料濃度を測
定する蛍光検出装置29とから構成され、各ユニットは
樹脂製の管で連結される。また、試料溶出装置10は、
ポンプ24とバルブ27の間に連結される。
【0029】試料が捕集されたフィルターが試料溶出装
置10に装着された後、溶媒21がポンプ24により送
出されて、試料溶出装置10の注入口7から排出口8ま
でを流れる過程において、フィルターの試料捕集部に付
着した試料が溶媒中に溶出される。試料成分を含む溶媒
はバルブ27により所定量サンプリングされた後、バル
ブ27の切換えにより抗体液22もポンプ25を介して
所定量サンプリングされ、サンプリングされた溶媒及び
抗体液は混合ループ28を流れる過程で十分に混合され
て抗原抗体反応が行われ、蛍光測定装置29の光学セル
を通過する。この時に励起光(中心波長280nm)の
紫外線で抗体を励起し、放射される中心波長340nm
の蛍光の光強度を受光素子で測定する。なお、測定の終
了した試料液は、廃液として処理される。
【0030】図5は、蛍光強度の測定結果の一例を示す
グラフである。蛍光強度測定方法として、試料液混合前
の純抗体液だけを蛍光測定した場合、比較的高い蛍光強
度が測定される一方、試料液導入して抗体液と混合した
後は、蛍光強度が急激に低下するという蛍光消光法を用
いた(特願平1−182921号参照)。なお、図5の
中の曲線a部分は試料液のみの時であり、b部分は抗体
液に試料液を混合した後の蛍光強度であり、この蛍光強
度の低下率と、標準試料を用いた検量線から試料濃度を
求めることができる。
【0031】次に、前述した各温度で加熱処理した試料
捕集用フィルターを用いて、上記の試料測定装置により
測定した結果を説明する。なお、試料としてトリニトロ
トルエン(TNT)粉末を使用したが、重量測定精度の
限界である1mgという比較的大量のTNT粉末を使用
すると本試料測定装置の蛍光測定装置にとって濃厚すぎ
るため、各試料溶出液を1000倍に希釈してTNT濃
度測定を行った。
【0032】図6は、各試料捕集用フィルターの加熱処
理温度と、この1000倍に希釈された試料溶出液のT
NT濃度との関係を示すグラフである。この図から判る
ように、加熱処理温度が400℃以上では高いTNT濃
度を示した。
【0033】この結果を図2と併せて検討すると、図2
において、加熱処理温度が300℃以下のものと比べて
約600℃以上のものは必要溶出液量が約3分の1で済
むことに対応して、図6において、前者の比べて後者の
ものはTNT濃度が約3倍高くなっていることが理解さ
れる。即ち、各試料捕集用フィルターとも、粉末を捕集
した割合は、1mgに対してほぼ一定の30%(=30
×10-8[g/ml]×1000[倍]/(10-3[g
/ml])×100[%])であり、この粉末(約0.
3mg)がどれくらいの必要溶出液量の水に溶解される
かにより、TNT濃度の差が表われることになる。従っ
て、測定装置の感度を高めるためには、少ない液量の溶
媒で溶出させることが重要であって、試料捕集用フィル
ターを加熱処理することにより試料溶出濃度を高めるこ
とが可能になり、本発明は極めて大きな効果を発揮する
ことが判明した。
【0034】なお、加熱処理温度が1200℃以上にな
ると、酸化が進みすぎて機械的強度が低下するので好ま
しくない。また、加熱処理温度が1000℃以上でも、
高温処理により金属組織や組成に一部変化が生じて、腐
食性が劣る傾向にあるため、、試料捕集用フィルターの
材質としては金属の中でもステンレスが好ましく、その
中でも耐久性や経済性においてSUS316のステンレ
スが特に好ましい。
【0035】なお、以上の実施例において、500メッ
シュのステンレスメッシュを用いた場合を示したが、こ
の他に800メッシュ及び1450メッシュのステンレ
スメッシュを加熱処理して用いた場合でも、前述した5
00メッシュの場合と同様の効果が得られた。
【0036】また、以上の実施例において、試料として
トリニトロトルエン(TNT)粉末を用いた場合を説明
したが、その他に、ジニトロトルエン粉末、テトリル粉
末、メチルアンフェタミン粉末などの各種薬物などでも
同様の効果が得られた。
【0037】
【発明の効果】以上詳説したように、本発明の試料捕集
用フィルターによれば、金属フィルターの表面に酸化層
が設けられていることにより、水を主成分とする溶媒と
金属フィルターとの濡れ性が良好になるため、少量の溶
媒で溶出することが可能になって、試料成分濃度が高い
溶出液を得ることができ、この試料捕集用フィルターを
使用する試料測定方法において試料測定感度が高くなる
と共に、試料測定限界を低減させることができる。ま
た、フィルターの材質としてステンレスを用いることに
より、機械的強度が高く、耐久性が良好で且つコストが
安価な試料捕集用フィルターを得ることができる。
【0038】また、本発明の試料捕集用フィルターの製
造方法によれば、金属フィルターの表面に酸化層が形成
されて、水等の有極性液体に対する表面張力が小さい試
料捕集用フィルターを容易に得ることができるため、低
価格の試料捕集用フィルターを得ることができる。
【0039】また、本発明の試料測定装置によれば、試
料成分濃度が高い溶出液を得ることができるため、試料
測定装置の感度が向上すると共に、従来の装置の測定限
界付近にある試料も良好な精度で測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る試料捕集用フィルターの一実施例
の説明図であり、図1aはその断面図、図1bはその正
面図である。
【図2】試料捕集用フィルターの各処理温度と必要溶出
液量との関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る試料測定装置のシステム図であ
る。
【図4】本発明に係る試料測定装置の一実施例の概略構
成図である。
【図5】蛍光強度の測定結果の一例を示すグラフであ
る。
【図6】各試料捕集用フィルターの加熱処理温度と、こ
の1000倍に希釈された試料溶出液のTNT濃度との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 試料捕集用フィルター 2 試料捕集部 3 フィルター枠 10 試料溶出装置 21 溶媒 22 抗体液 23 洗浄液 24、25、26 ポンプ 27 バルブ 28 混合ループ 29 蛍光検出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古武 紀郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状の試料を捕集して、溶媒により前
    記試料を溶出する試料捕集用フィルターであって、前記
    フィルターの材質が金属であり且つ前記フィルターの表
    面に酸化層が設けられていることを特徴とする試料捕集
    用フィルター。
  2. 【請求項2】 フィルターの材質がステンレスである請
    求項1に記載の試料捕集用フィルター。
  3. 【請求項3】 金属フィルターを、酸化性雰囲気のもと
    で400℃から1200℃の範囲の温度で加熱処理し
    て、前記金属フィルターの表面に酸化層を形成する試料
    捕集用フィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱処理する温度が、600℃から80
    0℃の範囲である請求項3に記載の試料捕集用フィルタ
    ーの製造方法。
  5. 【請求項5】 粉末状の試料をフィルターに捕集し、水
    を主成分とする溶媒により前記試料を溶出して、溶出液
    中の試料成分を検出する試料測定装置において、請求項
    1又は2に記載の試料捕集用フィルターを用いることを
    特徴とする試料測定装置。
JP3280989A 1991-10-28 1991-10-28 試料捕集用フィルター及びその製造方法並びに試料測定装置 Expired - Fee Related JP2977970B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001324422A (ja) * 2000-05-12 2001-11-22 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 金属メッシュフィルタと電圧印加を利用したpmサンプリング測定装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001324422A (ja) * 2000-05-12 2001-11-22 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 金属メッシュフィルタと電圧印加を利用したpmサンプリング測定装置

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