JPH05117676A - 常圧焼結SiCセラミツクス摺動部材 - Google Patents

常圧焼結SiCセラミツクス摺動部材

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JPH05117676A
JPH05117676A JP27989691A JP27989691A JPH05117676A JP H05117676 A JPH05117676 A JP H05117676A JP 27989691 A JP27989691 A JP 27989691A JP 27989691 A JP27989691 A JP 27989691A JP H05117676 A JPH05117676 A JP H05117676A
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JP
Japan
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sintered sic
base material
solid lubricant
metal powder
cavity
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Pending
Application number
JP27989691A
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English (en)
Inventor
Akira Kani
可児明
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Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性、耐摩耗性、耐熱性にすぐれ、回転機
械等に使用できるSiC摺動材を提供する。 【構成】 常圧焼結SiC2の表層部5に、SUS30
4などの金属粉末3を分散させて高温状態で化学反応さ
せて任意の大きさを有する微細な空洞部7を任意の分散
状態に形成し散在させたセラミックスの母材2を形成
し、該母材2の空洞部7に摺動特性に優れたステアリン
酸亜鉛などの固体潤滑材を含浸固着させて固体潤滑層6
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は回転機械等に使用さ
れ、耐食性、耐摩耗性、耐熱性にすぐれたSiC摺動材
に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年セラミックス材料に
関する関心が高まり、セラミックスのもつ優れた耐摩耗
性、耐食性、断熱性などに着目して各種摺動材での応用
がなされている。しかしながら、その多くは油潤滑が豊
富な状態での使用であり、潤滑油を供給できない部分や
潤滑油を保持させることができない部分での使用はほと
んどなされていない。また、高温にさらされる部分では
潤滑しようとしても潤滑油の粘度が著しく低下し潤滑目
的を果たすことはできない。
【0003】このように油潤滑ができない場合には固体
潤滑に頼るほかないが二硫化モリブデンやテフロンなど
の固体潤滑材の単体では耐熱性、強度の面から多くの問
題を有している。そして、近年、油潤滑を行うことがで
きず、または高温にさらされる構造部材の需要が増加し
ており、耐摩耗性、耐熱性の優れたセラミックスの開発
が期待されている。
【0004】この発明は上記のような期待に応えるもの
であって、耐摩耗性、耐熱性の優れたセラミックスから
なる常圧焼結SiCセラミックス摺動部材を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記の目的を達成する
ためにこの発明は、常圧焼結SiCの表層部に、金属粉
末を分散させて高温状態で化学反応させて任意の大きさ
を有する微細な空洞を任意の分散状態に形成し散在させ
た空洞部を有するセラミックスの母材を形成し、該母材
の空洞部に摺動特性に優れた固体潤滑材を含浸固着させ
て固体潤滑層を形成したことを特徴とする常圧焼結Si
Cセラミックス摺動材を構成したものである。
【0006】また、前記金属粉末は平均粒径が30μm
のSUS304であり、母材の表層部への投影面積が2
5%で均一に分散し、前記常圧焼結SiCの表層部にお
いて前記金属粉末を1200℃で120分反応させた構
成を有している。
【0007】さらに、前記母材の空洞部に含浸する固体
潤滑材は、ステアリン酸亜鉛、二硫化モリブデン、グラ
ファイトであり、前記母材の空洞部への固体潤滑材の含
浸方法は、金属粉末溶液の槽内に母材を浸漬して−70
0mmHg以下の減圧状態において220℃に所定時間
保持し、その後、加圧して所定時間保持して含浸するよ
うにした構成を有している。
【0008】
【作用】この発明は上記の手段を採用したことにより、
常圧焼結SiCの表層部に金属粉末で空洞部が形成さ
れ、この空洞部内に固体潤滑材を含浸固着され、表層部
に固体潤滑層を形成した常圧焼結SiCセラミックス摺
動材を得ることができるものである。
【0009】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。
【0010】この発明による常圧焼結SiCはどのよう
な常圧焼結品であっても良く、焼結助剤の種類、量など
は問わない。また、空洞を形成させるための金属粉末の
種類は、SiCと反応しやすいNi、Fe、Crなどの
単体、もしくは合金でよく、粉末の粒径は所望する空洞
の大きさにより選択するが、多くの場合、数μmから1
00μmの範囲で選択される。
【0011】そして、粉末の分散濃度はこの発明による
常圧焼結SiCセラミックス摺動材のうち固体潤滑材を
どの割合にするかにより調整されるが、多くの場合は1
0〜15%の範囲で選択される。
【0012】また、SiCは反応させる温度時間は使用
した金属の種類、粒径により最小量は決定されるが、最
小量より多く設定しておけば問題ない。なぜならば、反
応に寄与する金属量が枯渇し、反応は一定以上は進まな
いためであり、上述した金属の種類であれば、1200
℃、120分で充分である。
【0013】なお、前記空洞部7に含浸(充填)される
固体潤滑材4として、ステアリン酸亜鉛、二硫化モリブ
デン、グラファイトなどが挙げられる。
【0014】〔試験例〕図1に示すように、母材となる
常圧焼結SiC2の表層部5に平均粒径30μmの金属
粉末3であるSUS304粉末を表層部への投影面積に
して25%になるように均一に分散させた。
【0015】Ar雰囲気中に1200℃、90分保持し
て接触部のSiCと反応させ、冷却後反応生成物を塩酸
で完全に取り除き多数の空洞を有する空洞部7を形成し
た(図2参照)。
【0016】これにより、空洞部7を平均径が35mm
で、深さが27mmの空洞で形成することができ、空洞
部7の各空洞内に固体潤滑材4であるステアリン酸亜鉛
を圧入方法で含浸させた。
【0017】すなわち、含浸槽のステアリン酸亜鉛溶液
および試料のSiCの温度を220℃で保持しておき、
槽全体を−700mmHg以下に減圧した状態で試料で
ある母材を溶液の中に漬ける。
【0018】その後2分間保持し、0.5kg/cm2
に加圧し2分間保持後に含浸液を抜き、これにより母材
の表層部5に固体潤滑層6を形成した(図3参照)。
【0019】上記のようにして形成した常圧焼結SiC
セラミックス摺動材どうしをピンオンディスク摩擦試験
機で速度0.2m/s、荷重20kg/cm2、無潤滑
の条件にて試験を行った。この時の、比較例として試験
した常圧焼結SiCの摩擦係数0.2に対して、ステア
リン酸亜鉛を面積で25%含浸させたSiCでは0.0
8となり大幅に潤滑性が向上した。
【0020】これにより潤滑油を供給することなく自己
潤滑性に優れ、かつ、耐食性、耐熱性を有する摺動材を
得ることができた。
【0021】
【発明の効果】この発明は前記のように構成したことに
より、耐食性、耐摩耗性、耐熱性の優れたセラミックス
からなる摺動部材を得ることができ、しかも、事故潤滑
性を有しているので、潤滑油を供給することなく長期に
渡って使用することができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による常圧焼結SiCセラミックス摺
動材の製造過程を示し、母材である常圧焼結SiCの表
層部に金属粉末の分散した状態を示す概略図である。
【図2】母材である常圧焼結SiCの表層部に空洞部を
形成した状態を示す概略図である。
【図3】この発明による常圧焼結SiCセラミックス摺
動材を示し、母材である常圧焼結SiCの表層部に形成
した空洞部内に固体潤滑材を充填した状態を示す概略図
である。
【符号の説明】
1……常圧焼結SiCセラミックス摺動材 2……常圧焼結セラミックス(母材) 3……金属粉末(SUS304粉末) 4……固体潤滑材(ステアリン酸亜鉛) 5……表層部 6……固体潤滑槽 7……空洞部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:24 103:04) C10N 10:04 10:12 10:16 20:06 Z 8217−4H 30:06 30:08 30:12 40:02 50:08 70:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常圧焼結SiCの表層部に、金属粉末を
    分散させて高温状態で化学反応させて任意の大きさを有
    する微細な空洞を任意の分散状態に形成し散在させた空
    洞部を有するセラミックスの母材を形成し、該母材の空
    洞部に摺動特性に優れた固体潤滑材を含浸固着させて固
    体潤滑層を形成したことを特徴とする常圧焼結SiCセ
    ラミックス摺動材。
  2. 【請求項2】 前記金属粉末は平均粒径が30μmのS
    US304であり、母材の表層部への投影面積が25%
    で均一に分散してある請求項1記載の常圧焼結SiCセ
    ラミックス摺動材。
  3. 【請求項3】 前記常圧焼結SiCの表層部において前
    記金属粉末を1200℃で120分反応させた請求項
    1、2記載の常圧焼結SiCセラミックス摺動材。
  4. 【請求項4】 前記母材の空洞部に含浸する固体潤滑材
    は、ステアリン酸亜鉛、二硫化モリブデン、グラファイ
    トである請求項1記載の常圧焼結SiCセラミックス摺
    動材。
  5. 【請求項5】 前記母材の空洞部への固体潤滑材の含浸
    方法は、金属粉末溶液の槽内に母材を浸漬して−700
    mmHg以下の減圧状態において220℃に所定時間保
    持し、その後、加圧して所定時間保持して含浸するよう
    にした請求項1記載の常圧焼結SiCセラミックス摺動
    材。
JP27989691A 1991-10-25 1991-10-25 常圧焼結SiCセラミツクス摺動部材 Pending JPH05117676A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003526001A (ja) * 2000-03-06 2003-09-02 イエダ・リサーチ・アンド・デベロツプメント・カンパニー・リミテツド 複合金属マトリックス中の固体潤滑剤としての中空フラーレン状ナノ粒子
JP2013526684A (ja) * 2010-05-11 2013-06-24 フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー 調整潤滑表面を有する弁茎

Cited By (3)

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US9255650B2 (en) 2010-05-11 2016-02-09 Fisher Controls International, Llc Movable valve apparatus having conditioned lubricating surfaces

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