JPH051166A - フツ素樹脂製多孔質膜の製造方法 - Google Patents

フツ素樹脂製多孔質膜の製造方法

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JPH051166A
JPH051166A JP18049091A JP18049091A JPH051166A JP H051166 A JPH051166 A JP H051166A JP 18049091 A JP18049091 A JP 18049091A JP 18049091 A JP18049091 A JP 18049091A JP H051166 A JPH051166 A JP H051166A
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JP
Japan
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film
porous membrane
ptfe
argon
argon plasma
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JP18049091A
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Masaaki Itou
正皓 伊東
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素樹脂製フィルムを、高性能分離フィル
ターやガス透過量の多いガス透過膜として使用できるよ
うにする。 【構成】 ポリテトラフルオロエチレン製フィルム6
に、プラズマ発生装置Iで発生させた高速のアルゴンプ
ラズマ粒子7を照射する。アルゴンプラズマ中のアルゴ
ンイオンと電子による衝突の相互作用でフィルム6を改
質し、細孔径分布が狭い円形小孔を有する多孔質膜を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高性能分離フィルター等
として用いるフッ素樹脂製多孔質膜の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂であるPTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)製のフィルムは、耐薬品性、耐熱性
(連続使用260℃)、撥水性などの優れた性質を有す
るため、多方面で多用途に使用されている。一方、上記
PTFEは融点327℃の熱可塑性樹脂であるが、溶融
粘度が1011〜1012ポイズと高いため、フィルムとす
る場合、フィルム製法の常法である溶融押出加工を行う
ことができない。そのため、PTFEの微粉末を一度圧
縮し、これを融点以上に加熱してPTFE粒子を融着さ
せた成形品を作り、それを更に切削加工してフィルムと
するような製造方法が採用されているが、かかる製造方
法にて製造されたPTFE製フィルムの場合、微粒子間
の空隙のために、フィルム加工したときに、5000倍
の倍率で撮影した図4の写真に示す如き小孔(ボイド)
が生ずるという特性がある。したがって、上記PTFE
製フィルムは、小孔を利用してガス透過膜として使用し
たり高性能分離フィルターとして使用することができれ
ば便利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記PTF
E製フィルムの場合、小孔形状が複雑且つ不均一でしか
も小孔の分布が広いため、1〜2μm フィルターとして
使用すると、捕捉粒子の形状により目詰まりを起し易く
て、粒径の均一な高性能分離を行うができず、又、孔径
が小さく且つ細孔密度(細孔数/cm2 )が低いため、透
過流速が遅いという欠点もある。更に、ガス透過量の多
い通気性膜として使用した場合には、上記の如く透過速
度が遅いことから、センサーの応答性が悪くなる、等の
問題がある。
【0004】一方、従来では、小孔形状を一様な円形と
したポリカーボネート製の多孔質膜も開発されている
が、ポリカーボネートはPTFEのもつ物性と比較する
と劣っているため、高性能分離フィルターとしては使用
することはできず、又、使用範囲が限定される問題があ
る。
【0005】そこで、本発明は、PTFE製フィルム
を、孔径、孔形状が均一となるよう多孔質化することに
より、高性能分離フィルターやガス透過量の多いガス透
過膜として使用することができるフッ素樹脂製多孔質膜
の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、ポリテトラフルオロエチレン製のフィル
ムに、アルゴンプラズマ粒子を0.5〜10Km/sec の
速度で照射することにより、上記フィルムを、0.5〜
2μm 程度の孔径を有する円形の小孔を多数形成した多
孔質膜に改質することを特徴とするフッ素樹脂製多孔質
膜の製造方法とする。
【0007】
【作用】ポリテトラフルオロエチレン製のフィルムに、
アルゴンプラズマ粒子を0.5〜10Km/sec の速度で
照射すると、上記フィルムを改質することができて、
0.5〜2μm 程度の孔径の円形小孔を多数有する多孔
質膜とすることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0009】図1は本発明のフッ素樹脂製多孔質膜の製
造方法の実施に用いるプラズマ発生装置Iの一例を示す
もので、油回転ポンプやメカニカルブースタポンプ等か
らなる排気装置1によって真空引きされるようにした真
空チャンバー2に、直流の定電流電源3によって駆動さ
れるようにしたアークジェット4を設置し、上記真空チ
ャンバー2内の試料ホルダ5にセットされたPTFE製
フィルム6に向けてアークジェット4から高速のアルゴ
ンプラズマ粒子7が照射されるようにしてある。図1に
おいて、8はアークジェット4にガス制御器9と開閉弁
10を介して接続したアルゴンガスボンベ、11は排ガ
スを冷却するためのヒートシンク、12は真空計を示
す。
【0010】上記プラズマ発生装置Iを用いてフッ素樹
脂製多孔質膜を製造する場合、PTFE製フィルム6を
真空チャンバー2内の試料ホルダ5に保持させ、且つ上
記真空チャンバー2内を真空吸引した状態にしておい
て、アークジェット4から高速で発生させたアルゴンプ
ラズマ粒子7を上記PTFE製フィルム6の表面に所要
時間照射し、このとき、必要に応じてPTFE製フィル
ム6の裏面を冷却させるようにして、PTFE製フィル
ムを多孔質膜に改質する。
【0011】一例として、アルゴンガス流量を2l/mi
n 、アークジェット放電電圧を20V、アークジェット
放電電流を45A、雰囲気圧力(真空度)を0.06T
orr、フィルム冷却水を−20℃で0.5l/min と
し、このとき、アルゴンプラズマ粒子7がPTFE製フ
ィルム6に衝突する速度をアークジェット4の下流40
cmの試料ホルダ5の位置で1Km/sec 、衝突エネルギー
を20KJ/mol (=0.2eV)有する条件で30分間
実施したところ、アルゴンプラズマ中のアルゴンイオン
と電子による衝突の相互作用により、2000倍の倍率
で撮影した図2の写真及び5000倍の倍率で撮影した
図3の写真に示す如く、PTFE製フィルム6に円形一
様な小孔が均一な孔径0.5〜2μm )及び分布で形成
され、上記PTFE製フィルム6を多孔質膜に改質する
ことができた。
【0012】上記において、アルゴンガス流量は1〜5
l/min 、アークジェット放電電流は30〜60A、ア
ルゴンプラズマ粒子7の速度は0.5〜10Km/sec 、
衝突エネルギーは5〜200KJ/molの範囲内であれ
ば、上記とほぼ同様な結果が得られる。なお、アルゴン
プラズマ粒子7の速度を0.5〜10Km/sec 、衝突エ
ネルギーを5〜200KJ/mol の範囲内としたが、これ
は、0.5Km/sec 、5KJ/mol 以下では、効率が悪く
て多孔質化されず、10Km/sec 、200KJ/mol 以上
では、小孔が削られ過ぎて孔として残らないからであ
る。
【0013】本発明においては、上述した如く、元来、
小孔があいていて或る程度のガス透過性を有するが、孔
径が小さいためにフィルター機能がなく、表面張力の小
さい液体(有機溶剤、例:アルコール、トルエン)をも
透過しないPTFE製フィルム6に、アルゴンプラズマ
粒子7を照射することにより、孔径が揃ったほぼ円形に
近い小径を多数有する多孔質膜を生成することができ
る。かかる多孔質膜は耐熱性、耐薬品性、撥水性などの
PTFE製フィルム6の物性を維持しているため、フィ
ルター機能が付加された高性能分離フィルターとして用
いることができ、又、ガス透過速度、透過量の大きい通
気性膜として使用することができ、特に、ガスセンサー
のうち定電位電解法や隔膜ガルバニ電池方式のガス透過
膜として使用することにより応答速度を速くすることが
でき、更に、撥水性が大きいことから、濡れない通気性
材料としても使用することができる。
【0014】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、プラズマ発生装置Iとしては、図1に
示したものの他、高周波放電(RF)方式を利用した装
置やマイクロ波放電方式を利用した装置等を採用しても
よいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0015】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のフッ素樹脂製
多孔質膜の製造方法によれば、ポリテトラフルオロエチ
レン製のフィルムに、アルゴンプラズマ粒子を0.5〜
10Km/sec の速度で照射することにより、上記フィル
ムを改質して、0.5〜2μm程度の孔径を有する円形
の小孔を形成した多孔質膜とするようにしたので、上記
フィルムに物性を維持しつつフィルター機能を付加する
ことができ、したがって、得られた多孔質膜を、高性能
分離フィルターや、ガス透過速度、透過量の大きいガス
透過膜として使用することができる、という優れた効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素樹脂製多孔質膜の製造方法の実
施に用いるプラズマ発生装置の一例を示す概要図であ
る。
【図2】本発明の製造方法により製造された多孔質膜の
繊維組織を示す写真である(2000倍)。
【図3】本発明の製造方法により製造された多孔質膜の
繊維組織を示す写真である(5000倍)。
【図4】PTFEの繊維組織を示す写真である(500
0倍)。
【符号の説明】
I プラズマ発生装置 4 アークジェット 6 PTFE製フィルム 7 アルゴンプラズマ粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 B29L 31:14 C08L 27:18

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリテトラフルオロエチレン製のフィル
    ムに、アルゴンプラズマ粒子を0.5〜10Km/sec の
    速度で照射することにより、上記フィルムを、0.5〜
    2μm 程度の孔径を有する円形の小孔を多数形成した多
    孔質膜に改質することを特徴とするフッ素樹脂製多孔質
    膜の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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