JPH05113495A - フイルタの付着クラツド除去方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタを切断分解し、さらに洗浄を行い、
付着クラッドを除去することにより廃棄物量を低減する
ことができるフィルタの付着クラッド除去方法及び装置
を提供することを目的とする。 【構成】 放射性クラッドを捕集したフィルタを複数個
のフィルタ片に切断し、この切断されたフィルタ片を洗
浄することにより付着クラッドを除去するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフィルタの付着クラッド
除去方法及び装置に係り、特にフィルタを切断装置によ
り切断分解し、さらに洗濯機により水洗を行い、付着ク
ラッド（crud）を除去する方法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】原子力プラントには放射性クラッドを捕
集するフィルタが多数使用されている。

【０００３】従来、放射性クラッドを捕集したフィルタ
は表面線量当量率が高く、処理に際しては、専用の遮蔽
容器に収納後、ドラム缶詰め廃棄している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、フィルタの
廃棄量が増大すると、それを入れる遮蔽容器も増えるこ
とになり、廃棄物量が増大するという問題点があった。

【０００５】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、フィルタを切断分解し、さら
に洗浄を行い、付着クラッドを除去することにより廃棄
物量を低減することができるフィルタの付着クラッド除
去方法及び装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、本発明のフィルタの付着クラッド除去方法は、放
射性クラッドを捕集したフィルタを複数個のフィルタ片
に切断し、この切断されたフィルタ片を洗浄することに
より付着クラッドを除去することを特徴とするものであ
る。

【０００７】また、本発明のフィルタの付着クラッド除
去装置は、放射性クラッドを捕集したフィルタを複数個
のフィルタ片に切断する切断装置と、この切断されたフ
ィルタ片を洗浄し付着クラッドを除去する洗濯装置とを
備えたことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】前述した構成からなる本発明によれば、放射性
クラッドを捕集したフィルタを複数個のフィルタ片に切
断し、その後、洗浄することにより、内面に保持された
放射性クラッドのみならず、外面も効率よく除去するこ
とができる。

【０００９】また、切断及び洗濯を水中で行うことによ
り、処理作業における作業員の被ばくを低減する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明に係るフィルタの付着クラッド
除去方法及び装置の一実施例を添付図面を参照して説明
する。

【００１１】図１は本発明のフィルタの付着クラッド除
去装置の基本構成図を示す。本装置はフィルタ吊り下げ
装置１を備え、このフィルタ吊り下げ装置１によってフ
ィルタ２は移動台車３まで運ばれる。移動台車３は開閉
可能な押さえ板４を有し、この押さえ板４によりフィル
タ２は台車３上に固定される。移動台車３はチェーン１
４等を介して駆動モータ５に連結されており、操作スイ
ッチ１３を操作することにより移動台車３は往復移動さ
れる。

【００１２】また、切断装置１５は切断刃６と油圧シリ
ンダ７とを備えており、油圧シリンダ７は油圧ポンプ１
２に接続されていて切断刃６が上下動されるようになっ
ている。切断刃６は図２に示されるように縦横に複数の
刃を有しており、これら複数の刃によって、フィルタ６
は複数に分割（本実施例では８分割）されるようになっ
ている。また、移動台車３の押さえ板４も切断刃６に対
応した貫通溝４ａを有しており、台車３上のフィルタ２
が押さえ板４に押さえられた状態で切断可能になってい
る。

【００１３】一方、移動台車３や切断装置１５を支持す
る支持台１６の直下にはシュータ８が設けられており、
切断されたフィルタはシュータ８を介して洗濯機９内に
投入されるようになっている。また、洗濯機９の上方に
はフィルタ取り出し装置１０が配設されており、洗濯が
終了したフィルタはフィルタ取り出し装置１０により洗
濯機９から掴み出され、収納ドラム缶１１に投入される
ようになっている。

【００１４】次に前述のように構成されたフィルタの付
着クラッド除去装置の動作を説明する。

【００１５】水中でフィルタ吊り下げ装置１で吊り下げ
られたフィルタ２は、移動台車３に載せられる。移動台
車３に載せられたフィルタ２は、押さえ板４により台車
３上に固定される。操作スイッチ１３により駆動モータ
５を駆動し、台車３を切断位置Ａに移動する。この位置
で切断刃６を油圧シリンダ７により下降させ、フィルタ
２を切断し、複数のフィルタ片とする。

【００１６】さらに、操作スイッチ１３を操作すること
により、切断されたフィルタ２は台車３によってフィル
タ落下位置Ｂに移動される。ここで、押さえ板４を取り
外し、切断・分解されたフィルタ２をシュータ８へ落と
し、洗濯機９へ投入する。洗濯機９で水洗されたフィル
タ２は、洗濯機９内で脱水処理後、フィルタ取り出し装
置１０により掴みだされ、収納ドラム缶１１に投入され
る。

【００１７】

【実験結果】以下、本発明の一実施例を実廃棄フィルタ
に適用して処理した結果を述べる。

【００１８】図３は、実廃棄フィルタに適用して処理し
た結果を示したものである。切断片１２０枚の廃棄フィ
ルタを本発明の装置により処理した結果、処理前後の表
面線量当量率の分布は、明らかに低表面線量当量率側に
シフトしており（全てのフィルタが４ mSv／H以下であ
った）、処理前後の低減効果として、約１０前後である
ことが判る。

【００１９】従って、保管管理するドラム缶の発生量も
約１０分の１に低減できる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、放
射性クラッドを捕集したフィルタを切断分解し、さらに
洗浄を行い、付着クラッドを除去することにより廃棄物
量を低減することができる。したがって、最終的に廃棄
物として保管管理するドラム缶の発生量が低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るフィルタの付着クラッド除去方法
及び装置の一実施例を示す基本構成図。

【図２】図１の装置における切断刃及び押さえ板の斜視
図。

【図３】本発明による実験結果を示すグラフ。

【符号の説明】

１ フィルタ吊り下げ装置 ２ フィルタ ３ 台車 ４ 押さえ板 ５ 駆動モータ ６ 切断刃 ７ 油圧シリンダ ８ シュータ ９ 洗濯機 １０ フィルタ取り出し装置 １１ 収納ドラム缶 １２ 油圧ポンプ １３ 操作スイッチ Ａ 切断位置 Ｂ フィルタ落下位置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神山 和訓 神奈川県川崎市川崎区江川１丁目４番１号 荏原工業洗浄株式会社内 (72)発明者 蛭田 広一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町81番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐藤 正信 神奈川県横浜市磯子区新杉田町81番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 岡 重弘 神奈川県川崎市幸区堀川町66番２ 東芝エ ンジニアリング株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】放射性クラッドを捕集したフィルタを複数
   個のフィルタ片に切断し、この切断されたフィルタ片を
   洗浄することにより付着クラッドを除去することを特徴
   とするフィルタの付着クラッド除去方法。
2. 【請求項２】放射性クラッドを捕集したフィルタを複数
   個のフィルタ片に切断する切断装置と、この切断された
   フィルタ片を洗浄し付着クラッドを除去する洗濯装置と
   を備えたことを特徴とするフィルタの付着クラッド除去
   装置。